
- 速報24時間・詳報30日
- 死亡/500戸以上/24時間以上→大臣+部長、それ未満は部長のみ
- 供給支障の報告は100戸以上から
ガス事故・トラブルを行政にどう報告するかを定める章です。重大事故は24時間以内の速報、30日以内の詳報。種類別の報告先、報告すべき事故の範囲、災害時の対応など、運営者の通報義務を整理します。
乙種・甲種兼用 / 全6節 / 学習目安: 60〜90分
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📍 はじめに
事故が起きたら、まず誰にいつまでに何を報告するか。これは平時には覚えていなくても、いざという時に判断を誤らないために整理が必要な章です。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全6節)
1. 報告の徴収の概要・根拠条文・義務者4事業者(ガス事業法171条・規則第4条)
💡 図の見方:帯の長さがそのまま報告義務の広さで、ガス小売事業者が1〜19号と最も広く、ガス製造事業者は1〜14号と最も狭い(15〜19号の消費機器・ガス栓関係を負わない)。右枠は報告先で、重大事故は大臣『及び』部長であって部長が外れることはない。
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
ガス事業者(4種類)は事故発生時に規定の方式・期限・報告先に従い報告義務がある。根拠:ガス事業法171条・ガス関係報告規則第4条。義務者・対象号数に違いあり。
📖 解説(乙種ベース)
深夜、ガス事業者の当直に一報が入る。ガスが漏れ、人が病院に運ばれた。復旧の指揮を執りながら、担当者はもうひとつの判断を迫られる——誰に、いつまでに、何を伝えるのか。事故報告の制度は、この判断を平時のうちに決めておく仕組みだ。建物の自動火災報知設備と同じで、鳴らす条件も、受ける相手も、あらかじめ配線されている。
その配線の元をたどると根拠条文——ガス事業法171条(報告の徴収)に行き着く。経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、ガス小売事業者等・一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・ガス製造事業者・準用事業者・ガス用品の製造・輸入・販売の事業を行う者に対し、その事業に関し「報告をさせることができる」。
語尾に注目したい。171条は「させることができる」——つまり大臣に与えられた権限として書かれている。事業者を直接縛る義務規定はこの条文の下、ガス関係報告規則第4条にある。法律が枠を与え、規則が中身を詰める。この二段構えを取り違えて、171条を義務規定として読ませる選択肢が出ることがある。
そして義務者はガス事業者の4種類だが、負う範囲は同じではない。どの事業者がどの号まで報告するのか、対象号数に違いがある。
事故報告の義務者と対象号数(規則第4条)
4事業者ごとの事故報告の対象号数と報告先| 事業者の種類 | 対象号数 |
|---|---|
| ガス小売事業者 | 第4条 表第1~19号 (消費機器・ガス栓関係も含む全号) |
| 一般ガス導管事業者 (最終保障供給時:1~19) | 第4条 表第1~16号 |
| 特定ガス導管事業者 | 第4条 表第1~16号 |
| ガス製造事業者 | 第4条 表第1~14号 |
報告には2種類ある。速報(ガス事故速報)は電話その他適当な方法で行い、詳報(ガス事故詳報)は様式に従い報告書を提出する(様式14または様式15)。速さを優先するものと、正確さを優先するもの。求めるものが違うから、方法も違う。
報告先も2区分に分かれる。①経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長へ報告するのが重大事故、②所轄産業保安監督部長のみへ報告するのがそれ以外の事故だ。事故が重いほど、届く先が上へ伸びていく。
ここで出題者が仕掛けるのは「経済産業大臣のみ」という一言だ。①は大臣「及び」部長であって、部長が外れることはない。重大事故でも現地を受け持つ部長には必ず届く——そう覚えておけば崩されない。
⚡ 焦点ポイント
4事業者ごとの対象号数の違い(ガス小売:1〜19号、一般導管:1〜16号、特定導管:1〜16号、ガス製造:1〜14号)が穴埋め頻出。「最終保障供給を行っている場合の一般ガス導管事業者は1〜19号」という例外も覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「ガス小売事業者は19号まで、ガス製造事業者は14号まで」と覚える。ガス製造事業者には消費機器・ガス栓関係(15〜19号)の報告義務はない。
2. 経済産業大臣+産業保安監督部長への重大事故報告(①〜④号・速報24h・詳報30日)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
死亡事故・500戸以上の供給支障・24時間以上の製造支障は経済産業大臣+所轄産業保安監督部長に速報(24時間以内)・詳報(30日以内)を報告。
📖 解説(乙種ベース)
団地一帯のガスが止まった。戸数はおよそ500。責任者はまず、この事故がどの枠に入るのかを決めなければならない。救急のトリアージと同じで、重さの判定が先に来る。それを担うのが①〜④号——重大事故の枠だ。ここに入れば報告先は経済産業大臣と所轄産業保安監督部長の両方になり、期限も速報24時間以内・詳報30日以内で固定される。
①と②は人命に関わる号である。①はガス工作物(ガス栓を除く)の欠陥・損壊・破壊又はガス工作物の操作による「死亡事故」。②は同じ原因でも工事中のガス工作物によるものを指す。分かれ目は「工事中か否か」の一点だけだ。
③と④は規模で線を引く。③は供給支障事故であって、供給支障戸数が「500戸以上」のもの。④は製造支障事故であって、製造支障時間が「24時間以上」のもの。いずれも⑬自然災害等に該当するものを除く。
ここで効いてくるのが「以上」という一語だ。500戸ちょうどは③に入り、499戸は入らない。24時間ちょうどは④に入り、23時間59分は入らない。出題者はこの「以上」を「超える」や「未満」に差し替え、境界の1戸・1分をずらしてくる。もうひとつの定番は①の括弧書きで、ガス栓を「除く」を外してガス栓の事故まで①に含めさせる手だ。ガス栓による死亡事故は⑮号の側で規定される。
報告期限
重大事故報告のタイムライン| 速報 | 事故発生時から24時間以内(可能な限り速やかに) |
|---|---|
| 詳報 | 事故発生日から30日以内 |
報告先は、経済産業大臣及び当該事故に係るガス工作物の設置場所を管轄する産業保安監督部長(所轄産業保安監督部長)である。「所轄」とは、事故を起こした設備がある地域を受け持つ部長という意味だ。本社の所在地ではなく、現場の所在地で決まる。
期限の24時間と、④号の閾値である24時間。同じ数字が「速報の期限」と「製造支障の重さ」という別の顔で出てくるため、混ぜて覚えると崩れる。大臣まで上げる境目だけは、期限とは切り離して押さえておきたい。
⚡ 焦点ポイント
①〜④の「死亡事故・500戸以上・24時間以上」の3つのキーワードと、速報「24時間以内」・詳報「30日以内」の報告期限は必須暗記。「死亡事故」の速報・詳報は両方必要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「ガス工作物」にはガス栓を「除く」(①号の定義)。ガス栓による死亡事故は別の号(⑮号)で規定。500戸「以上」が大臣報告必要(499戸は不要)。24時間「以上」が大臣報告必要(23時間59分は不要)。
- 「24時間」が「29時間」「19時間」と書き換えられる
- 「30日」が「35日」「25日」と書き換えられる
3. 所轄産業保安監督部長のみへの報告(⑤〜⑫・⑭号)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
死亡に至らない負傷・中毒・酸欠事故、100戸以上500戸未満の供給支障、10時間以上24時間未満の製造支障、主要ガス工作物の損壊、爆発・火災事故等は所轄産業保安監督部長のみに報告。
📖 解説(乙種ベース)
300戸が止まり、けが人は出たが死者はいない。この事故は大臣まで上げるべきか——上げなくてよい。社内の決裁が課長止まりと役員決裁に分かれるように、事故報告にも中間の層がある。それが所轄産業保安監督部長のみに報告する⑤〜⑫・⑭号だ。重大事故ほどではない、しかし報告不要でもない領域である。
まずは速報(24時間以内)と詳報(30日以内)の両方が要る号から見ていく。⑤はガス工作物の欠陥・損壊・破壊又は操作による「負傷・中毒・酸欠事故」(①に該当するものを除く)。⑥は工事中のガス工作物による同じ事故(②に該当するものを除く)。①②で「死亡」だった結果が、⑤⑥では負傷・中毒・酸欠に置き換わった形だ。
規模で切る号も同じ構造をとる。⑦は供給支障事故で供給支障戸数「100戸以上500戸未満」(⑬・保安閉栓を除く)、⑧は製造支障事故で製造支障時間「10時間以上24時間未満」(⑬を除く)。③④のひとつ下の帯が、そのまま⑦⑧になっている。
残る2つは設備と現象で切る。⑨は最高使用圧力が「高圧又は中圧」の主要なガス工作物の損壊事故(①〜⑧・⑩・⑬に該当するものを除く)、⑫はガス工作物からのガスの漏えいによる「爆発・火災事故」(①・⑤・⑬に該当するものを除く)だ。
この⑦⑧⑨を「詳報のみ」と記憶している受験者は少なくない。平成29年のガス関係報告規則で速報の対象に拡大されており、いまは速報+詳報の両方が必要だ。古い記憶ごと書き換えておきたい。
次は詳報のみ(30日以内)で足りる号だ。⑩は最高使用圧力が「高圧又は中圧」の主要なガス工作物(製造所設置に限る)の損壊事故(①〜⑧・⑬に該当するものを除く)。⑪は最高使用圧力が「低圧」の主要なガス工作物の損壊事故(①〜⑧・⑬に該当するものを除く)である。
⑨と⑩は圧力の条件が同じで、違いは⑩だけに付く「製造所設置に限る」の一句。設置場所がどこかで速報の要否が変わる——見分けの鍵はここにある。⑪はさらに圧力が下がって低圧となり、やはり詳報のみだ。
⑭は少し毛色が違う。ガス工作物の欠陥・損壊・破壊又は操作により、一般公衆に対して「避難・家屋の損壊・交通の困難等を招来した事故」(①〜⑬に該当するものを除く)で、詳報のみ・30日以内。設備の壊れ方ではなく、社会への影響で拾い上げる受け皿の号だと考えればよい。報告先はここまでのすべてが所轄産業保安監督部長である。
最後に戸数の物差しを一本にまとめておく。上の境目だけでなく、下の境目があることも忘れてはならない。数十戸規模の供給支障を挙げて「速報・詳報の両方が必要」と書く選択肢は、この下限で切れる。
供給支障戸数・製造支障時間の報告区分⚡ 焦点ポイント
供給支障戸数の区切り(500戸以上:大臣報告、100〜500戸未満:部長のみ)と製造支障時間の区切り(24h以上:大臣、10〜24h未満:部長のみ)は頻出。⑦⑧⑨は速報+詳報の両方が必要(令和ではなく平成29年のガス関係報告規則で速報対象に拡大)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ⑤⑥⑦⑧⑨⑫は速報+詳報の両方が必要(⑦⑧⑨もガス関係報告規則(H29)で速報対象)。詳報のみは⑩⑪⑭⑱。「保安閉栓」(1建物の保安のため閉栓)は⑦号の例外で報告不要。
4. 自然災害等・経済産業大臣が指定する期限(⑬号)
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
台風・洪水・地震等の自然災害又は火災による広範囲のガス工作物の損壊・製造支障・供給支障事故で経済産業大臣が指定するもの(⑬号)は、報告期限が「経済産業大臣が指定する期限」となる特例。
📖 解説(乙種ベース)
大地震で市内一帯のガス工作物が損壊した。被害の全容すらつかめない段階で「24時間以内に速報を」と平時のルールを当てはめれば、現場は復旧より報告の書類に人を割くことになる。災害の日に平常ダイヤのまま列車を走らせるようなものだ。⑬号は、この不合理を避けるために置かれた特例である。
対象になるのは、台風・高潮・洪水・津波・地震その他の「自然災害」又は「火災」による「広範囲の地域にわたるガス工作物の損壊事故・製造支障事故又は供給支障事故」であって、「経済産業大臣が指定するもの」だ。
では、自然災害でありさえすれば自動的に⑬号になるのか。ならない。「大臣が指定するもの」という一手が要る。ここを落として「地震による事故はすべて⑬号」と読ませるのが、この節の第一の落とし穴である。
⑬号の特例報告期限
事故報告の対象/対象外の仕分け| 速報 | 経済産業大臣が指定する期限 |
|---|---|
| 詳報 | 経済産業大臣が指定する期限 |
報告先は経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長である。緩むのは期限だけで、報告先まで軽くなるわけではない。出題者はまさにここを突き、「所轄産業保安監督部長にのみ報告」と書き換えてくる。
なぜ期限だけを外すのか。大規模自然災害時は固定の24時間・30日という期限が現実的でないためであり、大臣が状況に応じた期限を指定できる柔軟な仕組みとしているからだ。だから速報も詳報も、ともに「経済産業大臣が指定する期限」となる。
③(500戸以上の供給支障)・④(24時間以上の製造支障)等の規定に「⑬に該当するものを除く」と記載されているのも、同じ理屈から来ている。この除外規定があるのは、⑬号に該当する場合は⑬号の特例が優先されるためだ。二重に期限がかかる事態を避けている。
整理すると、通常の死亡事故・500戸以上・24時間以上は速報24時間以内・詳報30日以内。⑬号だけがその枠の外にいる。固定期限をもたない唯一の号——そう位置づけて覚えておきたい。
🟦 甲種プラスα
甲種では「自然災害等・経済産業大臣が指定する期限(⑬号)」の本文の内容をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。条文番号や手続きの順序まで正確に押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
⑬号の「経済産業大臣が指定する期限」は他の号の固定期限と異なる唯一の特例。「速報・詳報ともに大臣が指定する期限」という点が穴埋め問題に出る。報告先は「経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長」(大臣も含む)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ⑬号の報告先は「経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長」(産業保安監督部長だけでなく大臣にも報告が必要)。他の号で「⑬に該当するものを除く」という記載は⑬号の特例優先のため。
- ⑬号の「経済産業大臣が指定する期限」は他の号の固定期限と異なる唯一の特例
- 「速報・詳報ともに大臣が指定する期限」という点が穴埋め問題に出る
5. ガス栓・消費機器関係事故の報告(⑮〜⑲号)・「知った時から」の特殊期限
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
ガス栓・消費機器関係(⑮〜⑲号)は「事故発生を知った時から24時間以内」「知った日から30日以内」という特殊な報告期限。報告先は「当該事故に係る消費機器またはガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長」。
📖 解説(乙種ベース)
集合住宅の一室で、消費機器から漏れたガスに引火し、住人が負傷した。だがガス事業者がそれを知ったのは数日後だった——こうした事故に「事故発生時から24時間以内」を機械的に当てはめれば、義務は生まれた瞬間に破られてしまう。そこで⑮〜⑲号では、速報も詳報(30日以内)も、時計のスタートボタンが「発生」から「知った」に付け替えられている。報告先となる産業保安監督部長の指定の仕方も変わる。まずは号の中身から押さえよう。
⑮はガス栓の欠陥・損壊・破壊により人が「死亡・中毒・酸欠」となった事故で、速報+詳報。⑯はガス栓の欠陥・損壊・破壊によりガス栓から漏えいしたガスに引火して発生した「負傷・物損事故」(⑮に該当するものを除く)で、これも速報+詳報。同じガス栓の欠陥でも、被害の重さで⑮と⑯に分かれる。
⑰は消費機器又はガス栓の使用に伴い人が「死亡・中毒・酸欠」となった事故(⑮・⑯に該当するものを除く)で速報+詳報。⑲は消費機器又はガス栓から漏えいしたガスに引火することで発生した「負傷・物損事故」(⑮〜⑱に該当するものを除く)で、やはり速報+詳報だ。⑮⑯は「ガス栓の欠陥」由来、⑰⑲は「使用に伴う」「漏えい引火」由来と、原因の側で仕分けると迷わない。
この5号のうち、ただ一つ例外がある。⑱は消費機器から漏えいしたガスに引火することで発生した「物損事故」(消費機器が損傷した事故であって、人が死亡せず、又は負傷しないものに限る)で、詳報のみ。人が死なず負傷もしない物損に限られるため、急いで第一報を入れる必要が薄い、という整理だ。
⑮〜⑲の特殊な報告期限
報告期限の起算点の違い| 速報 | 事故の発生を「知った時から」24時間以内・可能な限り速やかに |
|---|---|
| 詳報 | 事故の発生を「知った日から」30日以内 |
ここが本節の心臓部だ。①〜⑭号は「事故発生時から」起算するのに対し、⑮〜⑲号は「事故の発生を知った時から」起算する。詳報も同じで、⑮〜⑲は「知った日から」30日以内となる。消費機器やガス栓は使用者の手元にあり、事業者が事故を即座に把握できるとは限らない——だから時計の始点をずらしてある。
報告先の書きぶりも変わる。⑮と⑯は当該事故に係るガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長。⑰と⑲は当該事故に係る消費機器又はガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長。⑱は当該事故に係る消費機器の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。
①〜⑭が「所轄」という略称を使うのに対し、⑮〜⑲は「当該設置の場所を管轄する」と書き下される。ガス工作物の設置場所ではなく、事故を起こした消費機器やガス栓のある場所が基準になるからだ。条文の言い回しがそのまま穴埋めで問われるので、略さずに読んでおきたい。
⚡ 焦点ポイント
「事故発生時から24時間以内」(①〜⑭)と「事故の発生を知った時から24時間以内」(⑮〜⑲)の違いが最重要。⑱は詳報のみ(速報不要)。報告先が「当該事故に係る…設置の場所を管轄する産業保安監督部長」という表現も確認。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ⑱(消費機器が損傷した物損事故・人が死亡せず負傷しないもの)は「詳報のみ」(速報不要)。⑮〜⑲は報告先が「所轄産業保安監督部長」という略称を使わず、設置場所を管轄する部長と表現される。
- 「24時間」が「29時間」「19時間」と書き換えられる
6. 速報・詳報の方法と様式(様式14・様式15)・全体まとめ
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
速報は電話その他適当な方法で行う。詳報は①〜⑭号:様式14の報告書、⑮〜⑲号:様式15の報告書を提出。
📖 解説(乙種ベース)
何を報告するかは決まった。では、どうやって出すのか。マラソンの速報タイムと公式記録の関係を思い浮かべるとよい。速報は多少粗くても、まず届くことに意味がある。公式記録は時間をかけて精査され、書式を整えて残される。
速報は規則第4条2項による。次に掲げる事項(報告すべき事項:一〜七 略)について「電話その他適当な方法」により行わなければならない。書面である必要はない。まず第一報を届けることが目的だからだ。ここを突いて「速報も書面で提出しなければならない」とする選択肢が作られる。
詳報は規則第4条3項による。報告書(様式)を提出して行わなければならない。使う様式は事故の号で決まり、第1号〜第14号に掲げる事故は様式第14の報告書、第15号〜第19号に掲げる事故は様式第15の報告書だ。
速報→詳報の時系列| 対象の事故 | 様式 |
|---|---|
| 第1号〜第14号に掲げる事故 | 様式第14の報告書 |
| 第15号〜第19号に掲げる事故 | 様式第15の報告書 |
報告先・報告期限・様式の全体まとめ
| 号 | 報告先 | 速報 | 詳報 | 様式 |
|---|---|---|---|---|
| ①〜④ | 経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長 | 事故発生時から24時間以内(可能な限り速やかに) | 事故発生日から30日以内 | 様式第14 |
| ⑤〜⑨・⑫ | 所轄産業保安監督部長 | 事故発生時から24時間以内(可能な限り速やかに) | 事故発生日から30日以内 | 様式第14 |
| ⑩⑪・⑭ | 所轄産業保安監督部長 | 速報不要(詳報のみ) | 事故発生日から30日以内 | 様式第14 |
| ⑬ | 経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長 | 経済産業大臣が指定する期限 | 経済産業大臣が指定する期限 | 様式第14 |
| ⑮〜⑰・⑲ | 当該事故に係る消費機器またはガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長 | 事故の発生を知った時から24時間以内(可能な限り速やかに) | 事故の発生を知った日から30日以内 | 様式第15 |
| ⑱ | 当該事故に係る消費機器またはガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長 | 速報不要(詳報のみ) | 事故の発生を知った日から30日以内 | 様式第15 |
※⑦⑧⑨は速報+詳報の両方が必要(詳報のみは⑩⑪⑭⑱)。
最後に、誰がどこまで報告するのかを確認しておく。ガス小売事業者は1〜19号(消費機器・ガス栓含む全号)。一般ガス導管事業者と特定ガス導管事業者は1〜16号、ガス製造事業者は1〜14号である。ただし一般ガス導管事業者は、最終保障供給時:1〜19号まで広がる。
なぜガス製造事業者だけ14号で止まるのか。種明かしをすると、15〜19号は消費機器・ガス栓の事故だからだ。製造事業者は使用者の器具に手を伸ばしていない。義務の範囲は、その事業者の仕事がどこまで届いているかに対応している。
同じ理由で、一般ガス導管事業者が最終保障供給を行うときだけ19号まで負う。小売の役目を肩代わりする以上、消費機器側の報告も引き受ける——そう筋を通せば、例外を丸暗記しなくても引き出せる。
⚡ 焦点ポイント
詳報の様式区分(①〜⑭号は様式14、⑮〜⑲号は様式15)は穴埋めに出る。速報は「電話その他適当な方法」という表現を覚える。詳報が不要で速報のみ(逆も)、という号はないことも確認。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 詳報のみの号(⑩⑪⑭⑱)は速報不要(⑦⑧⑨は速報+詳報)。速報の方法は「書面ではなく電話等」(速報は方式を問わない)。詳報は必ず様式に従った書面の提出が必要。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 報告の徴収の概要・根拠条文・義務者4事業者(ガス事業法171条・規則第4条): ガス事業者(4種類)は事故発生時に規定の方式・期限・報告先に従い報告義務がある。根拠:ガス事業法171条・ガス関係報告規則第4条。義務者・対象号数に違いあり。
- 節2 経済産業大臣+産業保安監督部長への重大事故報告(①〜④号・速報24h・詳報30日): 死亡事故・500戸以上の供給支障・24時間以上の製造支障は経済産業大臣+所轄産業保安監督部長に速報(24時間以内)・詳報(30日以内)を報告。
- 節3 所轄産業保安監督部長のみへの報告(⑤〜⑫・⑭号): 死亡に至らない負傷・中毒・酸欠事故、100戸以上500戸未満の供給支障、10時間以上24時間未満の製造支障、主要ガス工作物の損壊、爆発・火災事故等は所轄産業保安監督部長のみに報告。
- 節4 自然災害等・経済産業大臣が指定する期限(⑬号): 台風・洪水・地震等の自然災害又は火災による広範囲のガス工作物の損壊・製造支障・供給支障事故で経済産業大臣が指定するもの(⑬号)は、報告期限が「経済産業大臣が指定する期限」となる特例。
- 節5 ガス栓・消費機器関係事故の報告(⑮〜⑲号)・「知った時から」の特殊期限: ガス栓・消費機器関係(⑮〜⑲号)は「事故発生を知った時から24時間以内」「知った日から30日以内」という特殊な報告期限。報告先は「当該事故に係る消費機器またはガス栓の設置の場所を管轄する産業保安監督部長」。
- 節6 速報・詳報の方法と様式(様式14・様式15)・全体まとめ: 速報は電話その他適当な方法で行う。詳報は①〜⑭号:様式14の報告書、⑮〜⑲号:様式15の報告書を提出。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 4事業者ごとの対象号数の違い(ガス小売:1〜19号、一般導管:1〜16号、特定導管:1〜16号、ガス製造:1〜14号)が穴埋め頻出。「最終保障供給を行っている場合の一般ガス導管事業者は1〜19号」という例外も覚える。
- 節2: ①〜④の「死亡事故・500戸以上・24時間以上」の3つのキーワードと、速報「24時間以内」・詳報「30日以内」の報告期限は必須暗記。「死亡事故」の速報・詳報は両方必要。
- 節3: 供給支障戸数の区切り(500戸以上:大臣報告、100〜500戸未満:部長のみ)と製造支障時間の区切り(24h以上:大臣、10〜24h未満:部長のみ)は頻出。⑦⑧⑨は速報+詳報の両方が必要(令和ではなく平成29年のガス関係報告規則で速報対象に拡大)。
- 節4: ⑬号の「経済産業大臣が指定する期限」は他の号の固定期限と異なる唯一の特例。「速報・詳報ともに大臣が指定する期限」という点が穴埋め問題に出る。報告先は「経済産業大臣及び所轄産業保安監督部長」(大臣も含む)。
- 節5: 「事故発生時から24時間以内」(①〜⑭)と「事故の発生を知った時から24時間以内」(⑮〜⑲)の違いが最重要。⑱は詳報のみ(速報不要)。報告先が「当該事故に係る…設置の場所を管轄する産業保安監督部長」という表現も確認。
- 節6: 詳報の様式区分(①〜⑭号は様式14、⑮〜⑲号は様式15)は穴埋めに出る。速報は「電話その他適当な方法」という表現を覚える。詳報が不要で速報のみ(逆も)、という号はないことも確認。
📝 一問一答(過去問ランダム)
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