
- 供給条件の説明は契約締結前+書面交付
- 認可は託送供給約款だけ(最終保障約款・各種計画は届出)
- 熱量・燃焼性は毎日1回・圧力は常時、場所は出口
ガス事業を始める・運営する際に必要な手続きと、義務を整理する章です。許可・登録・届出のどれが必要か、供給条件の説明はどうやるか、託送供給とは何か、ガスの熱量・燃焼性はどう測るかなど、事業者の日常業務を支える法令ルールを学びます。
乙種・甲種兼用 / 全17節 / 学習目安: 60〜90分
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📍 はじめに
ガス事業者は、ガスを売るだけでなく、需要家への説明・契約・計画作成・測定報告などの義務を負っています。それぞれの根拠条文と数値要件をこの章で整理します。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全17節)
- 1. ガス事業者の義務と経済産業大臣の命令(総括表)
- 2. 事業の許可・登録・届出の区分(4事業比較)
- 3. ガス小売事業の登録(法3〜4条)
- 4. 一般ガス導管事業の許可(法35〜36条)
- 5. 特定ガス導管事業・ガス製造事業の届出(法72・86条)
- 6. 供給能力の確保(法13条)
- 7. 供給条件の説明等(法14条・書面交付義務)
- 8. 供給条件の説明事項(規則13条の主要項目)
- 9. 供給計画・製造計画の届出(法19条・56条・93条)
- 10. 託送供給義務と最終保障供給(法47条)
- 11. 託送供給約款(法48条・規則64条)
- 12. 最終保障供給約款と供給計画(法51条・56条)
- 13. 災害時連携計画(法56条の2)
- 14. ガス製造事業の製造計画(法93条)・公共用土地の使用(法166条)
- 15. 熱量等の測定義務(法18条・52条・78条・91条)
- 16. 熱量等の測定方法・場所・頻度(規則17条)
- 17. 熱量等測定の例外規定(測定不要ケース)
1. ガス事業者の義務と経済産業大臣の命令(総括表)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
業務章の全体像。各事業者に課される義務と、経済産業大臣が関与できる項目を一覧で把握する。
📖 解説(乙種ベース)
業務の章に入る前に、登場人物とその役割を頭に入れておきたい。演劇でいえば配役表にあたる作業だ。ガス事業法の「業務」は、ガス事業者がガス事業を行うにあたり必要な義務と、経済産業大臣の関与等について規定している。誰が何を負い、どこで大臣が出てくるのか——この2点で全体像はつかめる。
まず経済産業大臣が関与する主な項目を並べる。
| 大臣が関与する項目 | 相手方 |
|---|---|
| 供給能力確保命令 | ガス小売事業者 |
| 供給計画の変更勧告・実施勧告 | ガス小売事業者、一般ガス導管事業者、ガス製造事業者 |
| 災害時連携計画の変更勧告・実施勧告 | 一般ガス導管事業者 |
| 託送供給約款の認可(一般)・変更命令(一般・特定) | 導管事業者 |
| 最終保障供給約款の変更命令 | 一般 |
| ガス受託製造命令・ガス受託製造約款の変更命令 | ガス製造 |
関与の強さが一様でない点に注目したい。勧告は促すだけ、命令は従わせる、認可は事前に通す。同じ「大臣が出てくる」場面でも中身は違う。出題者はこの3語を入れ替えてくる。
次に義務の側だ。義務は「全事業者が負うもの」と「特定の事業者だけが負うもの」に分かれる。
| 主要な義務 | 負う事業者 |
|---|---|
| 供給能力の確保 | ガス小売事業者のみ(正当な理由がある場合を除く) |
| 供給条件の説明・書面交付 | ガス小売事業者のみ |
| 供給計画の届出 | ガス小売、一般ガス導管、特定ガス導管の3事業者 |
| 災害時連携計画の届出 | 一般ガス導管事業者 |
| 最終保障供給義務 | 一般ガス導管事業者のみ(拒んではならない) |
| 託送供給義務 | 一般ガス導管(供給区域内)・特定ガス導管(供給地点) |
| 熱量等の測定・記録・保存 | 全4事業者共通 |
この表で最も狙われるのが「のみ」の一語だ。「のみ」を外して対象を広げる、あるいは主体をそっくり入れ替える——法令科目の誤答は、その大半がこの2手でできている。
⚡ 焦点ポイント
経済産業大臣の関与がある項目(勧告・命令・認可等)とない項目を区別すること。全事業者共通の義務(熱量等の測定)と特定事業者のみの義務を整理する。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「最終保障供給」は一般ガス導管事業者の義務。ガス小売事業者には最終保障供給の義務はない(供給能力確保義務はある)。
- 「勧告」「命令」「認可等」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
2. 事業の許可・登録・届出の区分(4事業比較)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
4事業の参入方式(登録・許可・届出)と根拠条文番号を正確に暗記する。
📖 解説(乙種ベース)
法令の条文番号は、事業ごとに割り振られた番地のようなものだ。3・35・72・86——この4つの番地を覚えてしまえば、参入方式は自動的に決まる。
4事業×参入手続きマトリクス| 事業 | 参入方式 | 条文 |
|---|---|---|
| ガス小売事業 | 登録 | 法3条 |
| 一般ガス導管事業 | 許可 | 法35条 |
| 特定ガス導管事業 | 届出 | 法72条 |
| ガス製造事業 | 届出 | 法86条 |
各手続きは「本体の条文」と「申請・添付の条文」が対になっている。ガス小売事業(法3〜4条)では、営もうとする者は経済産業大臣の登録を受けなければならず(3条)、登録を受けようとする者は必要な事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない(4条)。
一般ガス導管事業(法35〜36条)も同じ形だ。営もうとする者は経済産業大臣の許可を受けなければならず(35条)、許可を受けようとする者は必要な事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない(36条1項)。
届出組はどうか。特定ガス導管事業(法72条)では、営もうとする者は経済産業大臣に届け出なければならず(72条1項)、届出には経済産業省令で定める書類を添付しなければならない(72条2項)。ガス製造事業(法86条)も、営もうとする者は経済産業大臣に届け出なければならず(86条1項)、届出には経済産業省令で定める書類を添付しなければならない(86条2項)。
ここで注意したいのは、条文末尾の言い回しだ。登録と許可は「受けなければならない」、届出は「届け出なければならない」。文末が変われば手続きが変わる。出題者は本文をそのままにして、この一語だけを差し替えてくる。
⚡ 焦点ポイント
「登録・許可・届出」の区別は頻出。特にガス小売=登録、一般ガス導管=許可の組み合わせを確実に覚える。条文番号(3条・35条・72条・86条)もセットで暗記すると解きやすい。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「届出」の事業が2つある(特定ガス導管:72条、ガス製造:86条)点に注意。どちらも「届け出なければならない」で「許可・登録」ではない。
- 「登録」「許可」「届出」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
3. ガス小売事業の登録(法3〜4条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガス小売事業は経済産業大臣への「登録」が必要。申請書提出先も経済産業大臣。
📖 解説(乙種ベース)
登録制は自動販売機に似ている。定められた要件という代金を入れれば、担当者の気分に関わらず商品が出てくる。ガス小売事業の参入がこの形だ。
条文を確認する。第3条(事業の登録)は、ガス小売事業を営もうとする者は経済産業大臣の「登録」を受けなければならない、と定める。第4条1項(登録の申請)は、前条の登録を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない(一〜七号省略)とする。
ではなぜ登録なのか。2017年の全面自由化により、一般家庭向け小売供給も自由化されたからだ。新規参入を促す以上、門は低くしておく必要がある。登録制は一定の要件を満たせば参入できる制度で、許可制より参入しやすい。許可制(一般ガス導管事業)と比べて行政の裁量が少なく、要件を満たせば登録される。
申請先にも一言。提出先は経済産業大臣であり、都道府県知事ではない。地方の窓口を混ぜてくる選択肢は、それだけで誤りと判断できる。
⚡ 焦点ポイント
「登録」は許可より参入しやすい制度。根拠条文3条(登録)・4条(申請)をセットで覚える。申請先は「経済産業大臣」のみ(都道府県知事ではない)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ガス小売事業は「許可」ではなく「登録」。混同しやすいのでしっかり区別する。
4. 一般ガス導管事業の許可(法35〜36条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
一般ガス導管事業は経済産業大臣の「許可」が必要。4事業中、唯一の許可制。
📖 解説(乙種ベース)
町に橋が一本しかないなら、誰が架けるかは国が選ぶ。一般ガス導管事業が4事業中で唯一の許可制なのは、この事業が広域的なガス供給インフラを担い、自然独占性が高いからだ。
条文はこうだ。第35条(事業の許可)は、一般ガス導管事業を営もうとする者は経済産業大臣の「許可」を受けなければならないと定める。第36条1項(許可の申請)は、前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない(一〜四号省略)とする。
許可制の特徴は、行政が裁量を持って可否を判断できる点にある。要件を満たせば通る登録制との差はここだ。最終保障供給義務を含む重要なインフラ事業であるため、4事業中で最も厳格な参入規制が置かれている。
その最終保障供給義務(法47条2項)も併せて押さえる。一般ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、最終保障供給を拒んではならない。最終保障供給とは、ガス小売事業者の倒産等で需要家への供給が途絶えた場合の最後の砦である。橋を架けた者が最後まで人を渡す責任を負う——そう捉えると、許可制と義務がひとつながりに見えてくる。
⚡ 焦点ポイント
4事業の中で「許可制」は一般ガス導管事業だけ。条文35条(許可)・36条(申請)をセット暗記。最終保障供給義務も一般ガス導管事業者の義務として頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 一般ガス導管事業の「許可」と、特定ガス導管事業の「届出」を混同しない。両方とも「ガス導管事業」という名称だが参入方式が異なる。
5. 特定ガス導管事業・ガス製造事業の届出(法72・86条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
特定ガス導管事業(72条)とガス製造事業(86条)はいずれも経済産業大臣への「届出」制。
📖 解説(乙種ベース)
届出は回覧板に近い。中身を役所が採点するのではなく、回って情報が伝わればそれで足りる。特定ガス導管事業(72条)とガス製造事業(86条)はいずれも経済産業大臣への「届出」制である。
条文を並べる。第72条1項は、特定ガス導管事業を営もうとする者は経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならないと定める。第72条2項は、前項の規定による届出には経済産業省令で定める書類を添付しなければならないとする。
ガス製造事業も条番号が違うだけで構造は同じだ。第86条1項は、ガス製造事業を営もうとする者は経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならないとし、第86条2項は第72条2項と同じく、届出には経済産業省令で定める書類を添付しなければならないとする。
ではなぜこの2事業だけ軽いのか。特定ガス導管事業は特定の1供給地点のみでの託送供給であり、影響範囲が限定的だからだ。ガス製造事業は製造設備の安全確保が主目的のため届出制とされている。届出制は事前通知のみで参入が可能で、許可・登録は要らない。
ただし軽いのは参入手続きだけで、書類の添付は別だ。両事業とも届出書類には経済産業省令で定める書類を添付する必要がある。「届出だから何も添えなくてよい」とする選択肢は誤りで、2項をセットで覚えておきたい。
⚡ 焦点ポイント
72条(特定ガス導管)・86条(ガス製造)の条文番号と「届出制」であることをセット暗記。条文2項の「書類添付」義務も出題される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 届出は「許可・認可・承認」と異なり、行政の審査を経ない。「届け出なければならない」という表現に注意。届出後すぐに事業開始できる。
6. 供給能力の確保(法13条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
ガス小売事業者は、正当な理由がある場合を除き、相手方のガス需要を満たすための供給能力を確保しなければならない。
📖 解説(乙種ベース)
ガスを売る契約を結んだのに、いざというとき棚が空——それでは需要家が困る。だからガス小売事業者は、正当な理由がある場合を除き、その小売供給の相手方の当該小売供給に係るガスの需要に応ずるために必要な供給能力を確保しなければならない(法13条)。在庫を切らさない義務、と読み替えると腹に落ちる。
条文の要点は3つある。義務者はガス小売事業者のみで、一般ガス導管事業者・ガス製造事業者には同規定がない。免除条件は「正当な理由がある場合を除き」であり、裏を返せば正当な理由がなければ義務が生じる。そして目的は、需要家に対して安定的なガス供給を保証することにある。
大臣の関与もある。経済産業大臣は、ガス小売事業者が供給能力を確保していないと認める場合、確保を命ずることができる(供給能力確保命令)。勧告ではなく命令である点が押さえどころだ。
紛らわしいのが一般ガス導管事業者の「最終保障供給義務」との関係である。ガス小売事業者は供給能力の確保義務(法13条)、一般ガス導管事業者は最終保障供給を拒んではならない(法47条2項)。異なる条文・異なる義務内容だが、いずれも「正当な理由」がない限り義務が生じる点は共通だ。出題者は、この主体と条文番号を交換してくる。
⚡ 焦点ポイント
「正当な理由がある場合を除き」という留保表現に注意。義務者がガス小売事業者に限定される点も重要。供給能力確保命令(大臣の関与)とセットで覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「供給能力の確保」はガス小売事業者のみの義務。一般ガス導管事業者には「最終保障供給義務」(法47条)があるが、これは別条文。混同しない。
7. 供給条件の説明等(法14条・書面交付義務)
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
ガス小売事業者は小売供給契約締結前に供給条件を説明し書面を交付しなければならない。電磁的方法による提供も可能(承諾が必要)。
📖 解説(乙種ベース)
不動産を借りるときに受ける重要事項説明を思い出してほしい。契約の前に条件を説明し、書面を渡す。ガス小売事業者にも同じ枠組みが課されている。
説明義務(法14条)はこうだ。ガス小売事業者(及びガス小売事業者が行う小売供給に関する契約の締結の媒介・取次・代理を業として行う者)は、小売供給を受けようとする者と小売供給契約の締結(媒介・取次・代理)をしようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該小売供給に係る料金その他の供給条件について、その者に説明しなければならない。義務を負うのが本体の事業者だけでない点に注意したい。
書面交付義務は同じ条の2項に置かれている。ガス小売事業者等は、前項の規定による説明をするときは、経済産業省令で定める場合を除き、小売供給を受けようとする者に対し、当該小売供給に係る料金その他の供給条件であって経済産業省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。説明と書面交付は別々の義務である。
では紙でなければ駄目なのか。法14条3項は、書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、小売供給を受けようとする者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を情報通信の技術を利用する方法(電磁的方法)によって提供することができるとする。この場合、当該ガス小売事業者等は、当該書面を交付したものとみなす。紙を渡していなくても法的には交付済み——「みなす」という強い擬制が効いている。
ただし前提は承諾だ。相手の承諾なしに電磁的方法で提供することはできない。この一語を落とした選択肢が定番の誤りである。具体例(規則13条・11号該当)は次の3つ。
供給条件の説明・書面交付の流れ| 手段 | 方法 |
|---|---|
| ①電子メール | 電子メールを送信する方法(記録出力による書面作成が可能なもの) |
| ②電気通信回線 | 電気通信回線を通じて説明時交付事項をファイルで閲覧に供する方法 |
| ③記録媒体 | 磁気ディスク・CD-ROMその他の記録媒体に記録したものを交付する方法 |
⚡ 焦点ポイント
「説明義務」と「書面交付義務」は別条項(同条内)。電磁的方法は「承諾を得て」行うこと。承諾なしに電磁的方法で提供することはできない。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 電磁的方法で提供した場合は「書面を交付したものとみなす」→ 実際には紙を渡していないが法的には書面交付と同等扱い。「みなす」という強い擬制に注意。
8. 供給条件の説明事項(規則13条の主要項目)
💡 図の見方:熱量と圧力で挙げられる値の組合せが非対称であることを見る図。熱量は最低値と標準値、圧力は最高値と最低値。圧力は「ガス栓の出口」で測る点も、導管の圧力にすり替えられやすい。
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
規則13条が定める供給条件説明事項のうち試験頻出の項目(熱量・圧力・ガスグループ・器具等)を正確に覚える。
📖 解説(乙種ベース)
規則13条は法14条1項に基づき、説明すべき事項を定めている。項目は多いが、出題者が消しゴムをかける場所はほぼ決まっている。主な項目は次のとおりで、太字の語がそのまま穴になる。
熱量は最低値と標準値、圧力はガス栓の出口の最高値と最低値| 号 | 説明すべき事項 |
|---|---|
| 八 | 導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担に関する事項 |
| 十一 | ガス使用量の計測方法及び料金調定の方法 |
| 十三 | 供給するガスの熱量の最低値及び標準値その他のガスの成分に関する事項 |
| 十四 | ガス栓の出口におけるガスの圧力の最高値及び最低値 |
| 十五 | 供給するガスの属するガスグループ並びに当該小売供給を受けようとする者からの求めがある場合にあっては、燃焼速度及びウォッベ指数 |
| 二十五 | 導管、器具、機械その他の設備に関する一般ガス導管事業者、特定ガス導管事業者、当該ガス小売事業者及び当該小売供給の相手方の保安上の責任に関する事項 |
穴になるのは4語だ。熱量は「最低値及び標準値」を説明する。圧力は「ガス栓の出口」における最高値及び最低値であり、導管の圧力ではない。ガスグループは「属するガスグループ」という言い回しで書かれ、求めがある場合には燃焼速度及びウォッベ指数も説明する。そして設備の保安上の責任の項目には「器具」が入る。
気をつけたいのは、項目ごとに挙げられている値の組合せが違うことだ。熱量は最低値と標準値、圧力は最高値と最低値。この非対称がそのまま出題ポイントになる。
⚡ 焦点ポイント
穴埋め問題として頻出の4ワードを必ず暗記:①最低値、②ガス栓、③属するガスグループ、④器具。これらは練習問題の解答として確認済み。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 熱量は「最低値及び標準値」→「最高値」ではない点に注意。圧力は「ガス栓の出口」での値→「導管」の圧力ではない。ガスグループは「属するガスグループ」という表現。
- 穴埋め問題として頻出の4ワードを必ず暗記:①最低値、②ガス栓、③属するガスグループ、④器具
- これらは練習問題の解答として確認済み
9. 供給計画・製造計画の届出(法19条・56条・93条)
💡 図の見方:時間軸の左右で届出の期限が変わる図。当初は当該年度の開始前、途中参入と変更は事後に遅滞なく届け出る。下段は書類名の対比で、供給計画を出すのは小売・一般導管・特定導管の3者、ガス製造事業者だけは製造計画(法93条)である。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
ガス小売・一般ガス導管・特定ガス導管の各事業者は毎年度の供給計画を、ガス製造事業者は製造計画を経済産業大臣に届け出る義務がある。
📖 解説(乙種ベース)
供給計画は、年度が始まる前に出す年間の予定表だ。走り出してから出したのでは意味がない——だから条文は提出の時期を明確に切っている。
ガス小売事業者の供給計画は法19条にある。経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間におけるガスの供給並びにガス工作物の設置及び運用についての計画(供給計画)を作成し、当該年度の開始前に(ガス小売事業者となった日を含む年度にあっては、ガス小売事業者となった後遅滞なく)、経済産業大臣に届け出なければならない。
当初は「開始前」、途中参入は「遅滞なく」。ここが期限のすり替えを仕掛けやすい箇所である。変更した場合も同じで、遅滞なく変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない(2項)。事前ではなく事後の届出だ。
大臣の関与は勧告にとどまる。変更が公共の利益の増進を図るため特に必要であると認めるときは変更を勧告でき(3項)、供給計画を実施していないため公共の利益の増進に支障が生じていると認めるときは実施を勧告できる(4項)。命令に書き換えられていないか確認したい。
他の事業者も枠組みは同じだ。一般ガス導管事業者は法56条1項(内容は法19条1項と同じ)、ガス製造事業者は法93条1項(製造計画)で、毎年度の製造計画を届け出る。届出義務あり(供給計画)とされるのはガス小売・一般ガス導管・特定ガス導管の3事業者で、ガス製造事業者は「供給計画」ではなく「製造計画」(法93条)を届出となる。
供給計画の届出タイミング(開始前と遅滞なく)⚡ 焦点ポイント
供給計画の届出は小売・一般導管・特定導管の3事業者が対象。ガス製造事業者は製造計画(法93条)を届け出る
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 供給計画の変更があった場合は「遅滞なく」届け出る必要あり(事前届出ではなく事後届出)。経済産業大臣の変更命令ではなく「変更勧告」(強制ではない)である点も注意。
- 「小売」「一般導管」「特定導管」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
10. 託送供給義務と最終保障供給(法47条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
一般ガス導管事業者は正当な理由がなければ、供給区域内の託送供給と最終保障供給を拒んではならない。
📖 解説(乙種ベース)
停電したときに天井で光る非常灯を思い浮かべてほしい。普段は誰も意識しないが、いざというとき必ず点く。最終保障供給はガスの世界の非常灯であり、これを受け持つのが一般ガス導管事業者だ。法47条は、この事業者に2つの義務を課している。
1つ目が託送供給義務(第47条1項)。一般ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、その供給区域における託送供給を拒んではならない。供給区域内であれば、正当な理由なく他のガス小売事業者の委託によるガスの輸送を拒否できないということだ。裏を返せば「供給区域内」での義務であり、供給区域外は義務なしとなる。
2つ目が最終保障供給義務(第47条2項)。一般ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、最終保障供給を拒んではならない。ガス小売事業者が倒産・撤退等した場合に、需要家への最後の供給を担う義務である。あわせて最終保障供給約款を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない(51条1項)。
特定ガス導管事業者と比べると差がはっきりする。特定ガス導管事業者も託送供給を拒んではならない義務があるが、対象は「供給区域内」ではなく「供給地点」だ。そして最終保障供給義務は特定ガス導管事業者にはない(一般ガス導管事業者のみ)。
条文の形にも癖がある。「〜しなければならない」ではなく「正当な理由がなければ、拒んではならない」という否定形で書かれている点だ。この形を「努力義務」に緩めた選択肢は誤り。拒否は原則できない、と読む。
託送供給と最終保障供給のイメージ⚡ 焦点ポイント
一般ガス導管事業者の2つの義務(託送供給+最終保障供給)はセット問題で頻出。「正当な理由がなければ…拒んではならない」という否定形の義務表現に注意。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 託送供給義務は「供給区域」内が対象(一般)。特定ガス導管は「供給地点」が対象。最終保障供給義務は一般ガス導管事業者のみで、特定ガス導管事業者には適用されない。
11. 託送供給約款(法48条・規則64条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
一般ガス導管事業者は託送供給約款を定め経済産業大臣の認可を受ける。特定ガス導管事業者は届出のみ。
📖 解説(乙種ベース)
託送供給約款は、他社に線路を貸すときの値札にあたる。値札を勝手に付けられては借り手が困るので、法48条1項は事前のチェックを義務づけた。一般ガス導管事業者は、その供給区域における託送供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、託送供給約款を定め、経済産業大臣の「認可」を受けなければならない。
ただし例外がある。託送供給の申込みを受ける見込みその他の事情を勘案し、託送供給約款を定める必要がないものとして経済産業大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。認可と承認が一つの条文に同居しているので、どちらがどちらか読み分けたい。
約款に定めるべき主な事項(規則64条二号・規則64条イ〜ル)は次のとおり。
| 号 | 定めるべき事項 |
|---|---|
| イ | 適用範囲 |
| ロ | 料金 |
| ハ | 導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担に関する事項 |
| ニ | ロ及びハ掲げるもののほか、供給の相手方が負担すべきものがある場合にあっては、その内容 |
| ホ | ガスの受入量及び供給量の計測方法並びに料金その他供給の相手方が負担すべきものの徴収の方法 |
| ヘ | 託送供給を行うことができるガスの熱量等の範囲、組成その他のガスの受入条件に関する事項 |
認可を受けたら終わりではない。一般ガス導管事業者には托送供給約款の公表義務があり、認可を受けた託送供給約款は、公表しなければならない。値札は掲げて初めて意味を持つ、と考えれば自然だ。
手続きは事業者によって変わる。一般ガス導管事業者は約款を定めたうえで経済産業大臣の「認可」が必要(変更命令あり)、特定ガス導管事業者は約款を定めて経済産業大臣への「届出」のみ(公表義務あり)。一般は重く特定は軽い——ここを入れ替えるのが出題者の常套手段である。
⚡ 焦点ポイント
一般と特定で約款の手続きが異なる:一般=認可、特定=届出。認可を受けた約款の「公表義務」も重要。規則64条の定めるべき項目(適用範囲・料金・費用負担等)は頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「変更命令」は大臣が約款の変更を命じる権限(一般・特定の両方に対して)。「認可」と「届出」は異なる手続きであり、一般ガス導管事業者に対してのみ認可が必要。
- 「適用範囲」「料金」「費用負担等」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
12. 最終保障供給約款と供給計画(法51条・56条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
一般ガス導管事業者は最終保障供給約款を定め届け出る義務と、毎年度の供給計画を届け出る義務がある。
📖 解説(乙種ベース)
同じ約款でも、出す前に中身を見てもらうものと、出したら終わりのものがある。答案を提出前に添削してもらうか、そのまま出すかの違いだ。最終保障供給約款は後者、つまり手続きは「届出」であって認可ではない。
法51条1項はこう定める。一般ガス導管事業者は、最終保障供給に係る料金その他の供給条件について約款を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。出したら終わりとはいえ放置されるわけではなく、経済産業大臣は最終保障供給約款について変更を命ずることができる(大臣関与あり)。事前審査はないが事後の変更命令はある、という組み合わせだ。
供給計画(法56条1項)も届出である。一般ガス導管事業者の供給計画の内容は法19条1項と同じで、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間におけるガスの供給並びにガス工作物の設置及び運用についての計画を作成し、当該年度の開始前に経済産業大臣に届け出なければならない。
もう一つ、約款には縛りがある。一般ガス導管事業者は、託送供給約款以外の供給条件による托送供給をしてはならない。特定ガス導管事業者も同様に、託送供給約款以外の供給条件による托送供給をしてはならない。約款は掲げるだけでなく、そこから外れた取引を封じる機能も担っている。手続きの違いは次の表で一望しておきたい。
まとめ:一般ガス導管事業者と特定ガス導管事業者の約款・計画の手続き比較
| 文書 | 手続き | 大臣の関与 | 公表 |
|---|---|---|---|
| 託送供給約款 | 経済産業大臣の認可 | ― | 公表義務あり |
| 最終保障供給約款 | 経済産業大臣への届出 | 変更命令あり | ― |
| 供給計画 | 経済産業大臣への届出 | 変更・実施勧告あり | ― |
| 災害時連携計画 | 経済産業大臣への届出 | 変更・実施勧告あり | ― |
⚡ 焦点ポイント
最終保障供給約款の手続きは「届出」(認可ではない)。変更命令(大臣)があることも重要。託送供給約款(認可)と最終保障供給約款(届出)の違いを整理する。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 最終保障供給約款は「届出」。託送供給約款(一般)は「認可」→ 手続きが異なる。間違えやすいので表で整理して覚える。
13. 災害時連携計画(法56条の2)
💡 図の見方:災害時連携計画は各社が別々に作るのではなく、複数の一般ガス導管事業者が共同して1つの計画を作り、経済産業大臣に届け出る。大臣から戻る点線は勧告で、命令ではない。下段の5箱は省令で定める事項。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
一般ガス導管事業者は、他の一般ガス導管事業者と共同して災害時連携計画を作成・届出する義務がある。計画内容と経済産業大臣の関与を把握する。
📖 解説(乙種ベース)
大きな地震でガス管が広域に傷んだとき、一社の要員だけでは復旧が終わらない。消防団が近隣へ応援に向かうように、事業者どうしで助け合う枠組みが法定されている。それが災害時連携計画(法56条の2)だ。
第56条の2 第1項はこう定める。一般ガス導管事業者は、他の一般ガス導管事業者と共同して、経済産業省令で定めるところにより、災害その他の事由による事故によりガスの安定供給の確保に支障が生ずる場合に備えるための一般ガス導管事業者相互の連携に関する計画(災害時連携計画)を作成し、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
目を引くのは「共同して」の一語だ。各社が別々に作るのではなく、複数の一般ガス導管事業者が協力して1つの計画を作る。手続きは届出である。
計画に定めるべき事項(56条の2第2項)は3つ。一に一般ガス導管事業者相互の連絡に関する事項、二にガス事業者による従業者の派遣及び運用に関する事項、三にその他経済産業省令で定める事項。その三を受けた経済産業省令で定める事項(規則88条の三)が次の5つだ。
災害時連携計画は「共同して」作り届け出る| 号 | 省令で定める事項 |
|---|---|
| 一 | 復旧方法等の共通化に関する事項 |
| 二 | 災害時における復旧に必要な情報の共有及び方法に関する事項 |
| 三 | ガス事業者による移動式ガス発生設備の派遣及び運用に関する事項 |
| 四 | 地方公共団体その他の関係機関との連携に関する事項 |
| 五 | 共同訓練に関する事項 |
経済産業大臣の関与は勧告にとどまる。計画内容が不適切な場合(3号要件のいずれかに不適合)は変更勧告、計画を実施していない場合は実施勧告ができる。ここでも命令ではなく勧告である点が問われる。
⚡ 焦点ポイント
「共同して」作成する点(複数の一般ガス導管事業者が協力して1つの計画を作る)が特徴。手続きは「届出」。省令で定める5項目の内容(復旧・情報共有・移動式設備・地方公共団体連携・共同訓練)も出題される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 災害時連携計画は「一般ガス導管事業者」のみの義務。ガス小売事業者・特定ガス導管・ガス製造には同義務なし。「共同して」作成する点もユニークな特徴。
- 「復旧」「情報共有」「移動式設備」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
14. ガス製造事業の製造計画(法93条)・公共用土地の使用(法166条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガス製造事業者は毎年度の製造計画を届け出る。一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者は公共用土地に導管を設置するため管理者の許可を得て使用できる。
📖 解説(乙種ベース)
この節は毛色の違う2つの規定を扱う。ガス製造事業者は毎年度の製造計画を届け出る、というのが前半。一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者は公共用土地に導管を設置するため管理者の許可を得て使用できる、というのが後半だ。ガスを作る側の計画と、他人の土地の下を横切らせてもらう話——並べ方は素っ気ないが、どちらも実務では避けて通れない。
まず製造計画(法93条)。ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間におけるガスの製造並びにガス工作物の設置及び運用についての計画(製造計画)を作成し、当該年度の開始前に経済産業大臣に届け出なければならない。供給計画と枠組みは同じで、「供給」が「製造」に替わっただけと捉えると覚えやすい。
その後の扱いも供給計画と並行している。変更した場合は遅滞なく変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない(93条2項)。経済産業大臣は変更が必要と認めるときは変更を勧告でき(93条3項)、実施に支障が生じていると認めるときは実施を勧告できる(93条4項)。
後半は公共用の土地の使用(法166条1項)だ。導管は道や河川の下を通さなければ需要家まで届かない。そこでガス事業者は、そのガス事業の用に供するため、道路、橋、溝、河川、堤防その他公共の用に供せられる土地の地上又は地中に導管を設置する必要があるときは、その効用を妨げない限度において、その管理者の許可を受けて、これを使用することができる。他人の庭を横切らせてもらう以上、庭の持ち主の許可が要るという理屈である。
使用は無償ではない。法166条2項により、管理者の定めるところにより、使用料を納めなければならない。では管理者が首を縦に振らなかったらどうなるか。法166条3項が受け皿を用意している。管理者が正当な事由がないのに許可を拒んだとき、又は管理者の定めた使用料の額が適正でないときは、主務大臣はガス事業者等の申請により使用を許可し、又は使用料の額を定めることができる。ここが「経済産業大臣」ではなく「主務大臣」と書かれている点も、そのまま覚えておきたい。
⚡ 焦点ポイント
製造計画はガス製造事業者のみ。供給計画(小売・一般導管・特定導管)と製造計画(ガス製造のみ)の違いを整理する。公共用土地の使用では「管理者の許可」が必要な点、正当事由のない拒否への対処法も覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 公共用土地の使用は「許可」を受けること(届出ではない)。管理者が正当な理由なく拒否した場合は主務大臣が介入できる仕組みがある。
- 「小売」「一般導管」「ガス製造」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
15. 熱量等の測定義務(法18条・52条・78条・91条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
全4事業者が供給するガスの熱量・圧力・燃焼性を測定・記録・保存する義務を負う。条文番号と対象事業者の対応を覚える。
📖 解説(乙種ベース)
ガスの品質は見た目では分からない。だから毎日の検温のように、決まった項目を決まった頻度で測り、記録に残す。この義務はガス小売事業者、一般ガス導管事業者、特定ガス導管事業者、ガス製造事業者の4事業者に共通して課されている。
内容は、供給するガスの熱量等(熱量、圧力、燃焼性)を測定し、結果を記録し、保存すること。事業者ごとに根拠条文が分かれるので、対応で覚えるとよい。
| 事業者 | 法 | 規則 |
|---|---|---|
| ガス小売事業者 | 法18条 | 規則17条、18条 |
| 一般ガス導管事業者 | 法52条 | 規則78条、79条 |
| 特定ガス導管事業者 | 法78条 | 規則126条、127条 |
| ガス製造事業者 | 法91条 | 規則144条、145条 |
測定対象は3項目で、それぞれ方法と頻度が違う。熱量(カロリー)はJISで定める方法により毎日1回。燃焼性(燃焼速度・ウォッベ指数)も同じくJISで定める方法により毎日1回。圧力だけは自動記録圧力計を使用して常時測定する。
測るだけでは足りない。測定結果の記録は1年間保存しなければならない。なお測定の結果の記録は電磁的方法(電子的・磁気的方法)により作成し、保存することができる。
ここでの引っかけは「燃焼性」の中身だ。燃焼速度とウォッベ指数の2つを含む概念であって、ウォッベ指数だけを指すのではない。頻度の入れ替えも定番で、圧力を「毎日1回」と書いた選択肢は誤りである。
⚡ 焦点ポイント
4事業者全員が測定義務あり。条文番号は18・52・78・91条の4つ。測定対象(熱量・燃焼性・圧力)と測定方法(JIS・自動記録圧力計)のセットで覚える。記録保存期間「1年間」も必須。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「燃焼性」は燃焼速度とウォッベ指数の2つを含む概念。「燃焼性」という言葉に対して「ウォッベ指数のみ」と混同しない。圧力は「常時」測定(毎日1回ではない)。
- 「熱量」「燃焼性」「圧力」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
16. 熱量等の測定方法・場所・頻度(規則17条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
熱量・燃焼性・圧力の測定頻度(毎日1回・常時)・測定場所・測定方法(JIS・自動記録圧力計)を正確に整理する。
📖 解説(乙種ベース)
「常時」と「毎日1回」は似た言葉に見えて、まるで違う。防犯カメラのように回り続けるのが常時、日報のように1日1度書き付けるのが毎日1回だ。どちらが求められるかは、測定項目によって決まっている。
熱量と燃焼性は毎日1回、JISで定める方法により、製造所の出口及び他の者から導管によりガスの供給を受ける事業場の出口で測る。圧力だけは常時で、自動記録圧力計を使用し、ガスホルダーの出口、整圧器の出口及び経済産業大臣が指定する場所で測る。ただしガス製造事業者には「整圧器の出口」の規定がない点に注意したい。
次の表が原則の測定方法・頻度・場所(4事業者共通)である。
熱量等の測定場所と頻度| 項目 | 頻度 | 方法 | 場所 |
|---|---|---|---|
| 熱量 | 毎日1回 | JIS | 製造所の出口及び他の者から導管によりガスの供給を受ける事業場の出口 |
| 燃焼性(燃焼速度・ウォッベ指数) | 毎日1回 | JIS | 製造所の出口及び他の者から導管によりガスの供給を受ける事業場の出口 |
| 圧力 | 常時 | 自動記録圧力計を使用 | ガスホルダーの出口、整圧器の出口及び経済産業大臣が指定する場所 ※ガス製造事業者には「整圧器の出口」の規定はない(注2) |
移動して使う設備には別ルールがある(規則17条2項)。対象はガス小売事業者・一般ガス導管事業者が保有する移動式ガス発生設備だ(特定ガス導管事業者・ガス製造事業者には移動式ガス発生設備の規定なし)。
熱量・燃焼性は2パターンに分かれる。容器の成分変更なしなら容器ごとに1回(充てん終了から供給開始までの間)、それ以外は毎日1回である。中身が変わらないなら容器単位で1回で足りる、と理解すれば取り違えない。
圧力は常時で、移動式ガス発生設備の出口で自動記録圧力計を使用する。ただし「一の使用者」にガスを供給する場合は圧力測定不要となる。この例外を落とすと誤答に誘導される。
穴埋めで問われる箇所は、次の5点にほぼ尽きる。
| # | 穴埋めの要点 |
|---|---|
| 1 | 熱量は毎日1回測定する |
| 2 | 燃焼性は毎日1回測定する |
| 3 | 圧力は常時、圧力値を自動的に記録する圧力計を使用して測定する |
| 4 | 一般ガス導管事業者・ガス製造事業者は、測定し、記録し、これを1年間保存しなければならない |
| 5 | 移動式ガス発生設備:容器ごとにガスを充てんして供給する場合は容器ごとに1回、それ以外は毎日1回測定 |
⚡ 焦点ポイント
熱量と燃焼性は「毎日1回」・圧力は「常時」を確実に区別する。移動式ガス発生設備は「容器ごとに1回 or 毎日1回」の2パターン。測定場所(製造所出口・ガスホルダー出口・整圧器出口)も頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ガス製造事業者には「整圧器の出口」での圧力測定規定はない(注2)。移動式ガス発生設備において「一の使用者」への供給は圧力測定が不要という例外あり。
- 「製造所出口」「ガスホルダー出口」「整圧器出口」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
17. 熱量等測定の例外規定(測定不要ケース)
💡 図の見方:同じ特定ガス発生設備でも、免除される測定項目が入れ替わることを見る図。特定容器を使う場合は熱量のみ、成分を変えずに供給する場合は燃焼性のみが不要。どちらも免除は1項目だけで、残りは測定が要る。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
大口供給・特定ガス発生設備・液化石油ガス原料等の特定条件では熱量・燃焼性・圧力の一部または全部の測定が不要。事業者別の例外を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
例外規定は、縦に「どの事業者か」、横に「何の測定が免除されるか」を取った2軸のマス目として捉えると整理できる。大口供給・特定ガス発生設備・液化石油ガス原料等の特定条件では、熱量・燃焼性・圧力の一部または全部の測定が不要になる。
特定ガス発生設備の2つの例外、免除されるのは熱量か燃焼性か| 条件 | 対象事業者 | 測定不要となるもの |
|---|---|---|
| 大口供給を行う場合 | ガス小売事業者 | 熱量等(熱量・圧力・燃焼性)すべて |
| 大口供給のみを行うガス小売事業の用に供する場合 | ガス製造事業者 | 熱量等すべて |
| 特定ガス発生設備であって特定容器を使用する場合 | ガス小売事業者 | 熱量のみ(燃焼性・圧力は測定必要) |
| 特定ガス発生設備又は液化石油ガスを原料としてガスを発生させ、成分を変えずに供給する場合 | ガス小売事業者 | 燃焼性のみ(熱量・圧力は測定必要) |
| 特定導管が托送供給の用に供されていない場合 | 一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者 | 特定導管の圧力 |
適用の広がりも押さえておきたい。特定ガス発生設備に関する例外はガス小売事業にのみ適用される(他の3事業では特定ガス発生設備が想定されていない)。特定導管(未供用)の圧力例外は一般ガス導管・特定ガス導管の両方に適用され、大口供給はガス小売・ガス製造の両方に適用される。
移動式ガス発生設備にも熱量・燃焼性の測定不要ケースがある。①熱量及び燃焼性が測定されたガス又は液化ガスを用いて、成分変更なしで供給する場合、②液化石油ガスを原料として特定容器においてガスを発生させ、成分変更なしで供給する場合の2つだ。さらに③経済産業大臣の承認を得た場合は、熱量以外に燃焼速度又はウォッベ数が測定不要となる。
仕上げに、免除される項目から逆引きしておく。熱量測定不要のケースは大口供給・特定容器使用。燃焼性測定不要のケースは大口供給・LPG成分変更なし供給。圧力測定不要のケースは大口供給・特定導管(未供用)。移動式ガス発生設備の圧力測定不要のケースは一の使用者への供給である。同じ特定ガス発生設備でも、特定容器なら熱量、成分変更なしなら燃焼性——免除される項目が違う点が最大の落とし穴だ。
⚡ 焦点ポイント
例外ケースは「何の測定が不要か」と「どの事業者への適用か」の2軸で整理する。特定ガス発生設備の例外はガス小売事業者のみに適用される点が重要。承認を得た場合の燃焼速度・ウォッベ指数免除も頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 特定ガス発生設備(特定容器使用)では「熱量のみ」測定不要(燃焼性は測定必要)。特定ガス発生設備(液化石油ガス成分変更なし)では「燃焼性のみ」測定不要(熱量は測定必要)。2つの例外で免除される測定項目が異なる点に注意。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 ガス事業者の義務と経済産業大臣の命令(総括表): 業務章の全体像。各事業者に課される義務と、経済産業大臣が関与できる項目を一覧で把握する。
- 節2 事業の許可・登録・届出の区分(4事業比較): 4事業の参入方式(登録・許可・届出)と根拠条文番号を正確に暗記する。
- 節3 ガス小売事業の登録(法3〜4条): ガス小売事業は経済産業大臣への「登録」が必要。申請書提出先も経済産業大臣。
- 節4 一般ガス導管事業の許可(法35〜36条): 一般ガス導管事業は経済産業大臣の「許可」が必要。4事業中、唯一の許可制。
- 節5 特定ガス導管事業・ガス製造事業の届出(法72・86条): 特定ガス導管事業(72条)とガス製造事業(86条)はいずれも経済産業大臣への「届出」制。
- 節6 供給能力の確保(法13条): ガス小売事業者は、正当な理由がある場合を除き、相手方のガス需要を満たすための供給能力を確保しなければならない。
- 節7 供給条件の説明等(法14条・書面交付義務): ガス小売事業者は小売供給契約締結前に供給条件を説明し書面を交付しなければならない。電磁的方法による提供も可能(承諾が必要)。
- 節8 供給条件の説明事項(規則13条の主要項目): 規則13条が定める供給条件説明事項のうち試験頻出の項目(熱量・圧力・ガスグループ・器具等)を正確に覚える。
- 節9 供給計画・製造計画の届出(法19条・56条・93条): ガス小売・一般ガス導管・特定ガス導管の各事業者は毎年度の供給計画を、ガス製造事業者は製造計画を経済産業大臣に届け出る義務がある。
- 節10 託送供給義務と最終保障供給(法47条): 一般ガス導管事業者は正当な理由がなければ、供給区域内の託送供給と最終保障供給を拒んではならない。
- 節11 託送供給約款(法48条・規則64条): 一般ガス導管事業者は託送供給約款を定め経済産業大臣の認可を受ける。特定ガス導管事業者は届出のみ。
- 節12 最終保障供給約款と供給計画(法51条・56条): 一般ガス導管事業者は最終保障供給約款を定め届け出る義務と、毎年度の供給計画を届け出る義務がある。
- 節13 災害時連携計画(法56条の2): 一般ガス導管事業者は、他の一般ガス導管事業者と共同して災害時連携計画を作成・届出する義務がある。計画内容と経済産業大臣の関与を把握する。
- 節14 ガス製造事業の製造計画(法93条)・公共用土地の使用(法166条): ガス製造事業者は毎年度の製造計画を届け出る。一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者は公共用土地に導管を設置するため管理者の許可を得て使用できる。
- 節15 熱量等の測定義務(法18条・52条・78条・91条): 全4事業者が供給するガスの熱量・圧力・燃焼性を測定・記録・保存する義務を負う。条文番号と対象事業者の対応を覚える。
- 節16 熱量等の測定方法・場所・頻度(規則17条): 熱量・燃焼性・圧力の測定頻度(毎日1回・常時)・測定場所・測定方法(JIS・自動記録圧力計)を正確に整理する。
- 節17 熱量等測定の例外規定(測定不要ケース): 大口供給・特定ガス発生設備・液化石油ガス原料等の特定条件では熱量・燃焼性・圧力の一部または全部の測定が不要。事業者別の例外を整理する。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 経済産業大臣の関与がある項目(勧告・命令・認可等)とない項目を区別すること。全事業者共通の義務(熱量等の測定)と特定事業者のみの義務を整理する。
- 節2: 「登録・許可・届出」の区別は頻出。特にガス小売=登録、一般ガス導管=許可の組み合わせを確実に覚える。条文番号(3条・35条・72条・86条)もセットで暗記すると解きやすい。
- 節3: 「登録」は許可より参入しやすい制度。根拠条文3条(登録)・4条(申請)をセットで覚える。申請先は「経済産業大臣」のみ(都道府県知事ではない)。
- 節4: 4事業の中で「許可制」は一般ガス導管事業だけ。条文35条(許可)・36条(申請)をセット暗記。最終保障供給義務も一般ガス導管事業者の義務として頻出。
- 節5: 72条(特定ガス導管)・86条(ガス製造)の条文番号と「届出制」であることをセット暗記。条文2項の「書類添付」義務も出題される。
- 節6: 「正当な理由がある場合を除き」という留保表現に注意。義務者がガス小売事業者に限定される点も重要。供給能力確保命令(大臣の関与)とセットで覚える。
- 節7: 「説明義務」と「書面交付義務」は別条項(同条内)。電磁的方法は「承諾を得て」行うこと。承諾なしに電磁的方法で提供することはできない。
- 節8: 穴埋め問題として頻出の4ワードを必ず暗記:①最低値、②ガス栓、③属するガスグループ、④器具。これらは練習問題の解答として確認済み。
- 節9: 供給計画の届出は小売・一般導管・特定導管の3事業者が対象。ガス製造事業者は製造計画(法93条)を届け出る
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