基礎理論 第5章 流体力学

基礎理論 第5章 流体力学 解説動画
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ガスの輸送・配管設計の基礎となる流体力学を扱います。流体の性質、定常流と流線、連続の式、レイノルズ数層流乱流ベルヌーイの式、直管・継手の圧力損失、流量計(オリフィス・ベンチュリ・ピトー管)までを順番に学びます。

乙種甲種兼用 / 全17節 / 学習目安: 60〜90分

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📍 はじめに

配管の中をガスがどう流れるか、どこで圧力が下がるか、どうやって流量を測るか。これは整圧器・流量計・ガスホルダーの設計に直結します。甲種では特に重要度が高い章です。


📚 テキスト解説

各節は次の構成で進みます。

– 🎯 一言で

– 📖 解説(乙種ベース)

– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)

– ⚡ 焦点ポイント

– 📝 過去問のひっかけ例


📑 この章の目次(全17節)
  1. 1. 圧縮性流体・非圧縮性流体と粘性
  2. 2. 定常流・非定常流と流線
  3. 3. 連続の式(質量保存・体積流量)
  4. 4. 経済流速
  5. 5. 助走区間と完全に発達した流れ
  6. 6. 層流と乱流の流速分布
  7. 7. レイノルズ数(定義・臨界値2300)
  8. 8. ベルヌーイの式(基本式・3つのヘッド)
  9. 9. 実用ベルヌーイの式と圧力損失
  10. 10. 直管の圧力損失:層流(ハーゲン・ポアズイユの式)
  11. 11. 直管の圧力損失:乱流(ダルシー・ワイスバッハの式)
  12. 12. 管摩擦係数(層流λ=64/Re・乱流ブラジウス式)
  13. 13. 急拡大管・急縮小管の圧力損失
  14. 14. エルボ・ベンド・弁の圧力損失
  15. 15. 圧力の測定(マノメーター)
  16. 16. ピトー管による流速測定
  17. 17. オリフィスメーター・ベンチュリメーター

1. 圧縮性流体・非圧縮性流体と粘性

💡 図の見方:粘度μでは水が空気より大きいのに、密度で割った動粘度νでは水のほうが小さくなる——この逆転だけを見る図。流体が運動するときの粘性の影響を決めるのはνのほうなので、μの大小だけで判断すると水と空気の関係を取り違える。

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

密度変化を考慮するのが圧縮性流体、無視できるのが非圧縮性。粘性は内部摩擦の指標。動粘度 ν = μ/ρ

📖 解説(乙種ベース)

配管の中のガスを計算で追いかける前に、その流体をどう扱ってよいかを決めなければならない。ここで効いてくるのが2つの性質——圧縮できるかどうかと、ねばるかどうかである。

まず圧縮性から。流れの変化(曲がり・拡大縮小)で密度が変化する流体を圧縮性流体、密度が一定とみなせる流体を非圧縮性流体という。液体は基本的に非圧縮性である。気体は本来圧縮性があるが、流速が音速に比べて十分小さい場合は非圧縮性として扱える。ガス主任試験の計算問題ではほとんどの場合、非圧縮性として計算するので、まずはこの前提を頭に置いてよい。

もうひとつが粘性(Viscosity)だ。流体が流動するとき内部の各部分が互いに抵抗しあう性質のことで、トランプの束をずらすときの引っかかりに似ている。この強さを示す指標が粘度(粘性係数)μ [Pa·s]で、管摩擦・圧力損失の原因になる。液体の粘度は気体より大きい(水 > 空気 > メタンなど)。

ところが、粘度だけでは流れやすさを語れない。同じねばりでも、重い流体と軽い流体では動かしにくさが違うからだ。そこで粘度を密度で割った動粘度(Kinematic Viscosity)を使う。

公式
ν = μρ
ν: 動粘度 [m²/s] μ: 粘度 [Pa·s] ρ: 密度 [kg/m³]

この動粘度は流体の運動における粘性の影響を表す実効的な指標である。ここに直感を裏切る事実がひとつ。水は粘度μは大きいが密度も大きいため動粘度νは空気より小さい。つまり流体が運動するときの粘性の影響は動粘度で決まるのであって、μの大小だけで判断すると水と空気の関係を取り違える。

🟦 甲種プラスα

甲種では「圧縮性流体・非圧縮性流体と粘性」の本文の概念をより深く理解した上で、応用問題への対応が問われます。本文の数式・概念をしっかり押さえてください。

🖼 図解
粘度μと動粘度νの逆転(水と空気はどちらが大きいか)粘度μと動粘度νの逆転(水と空気はどちらが大きいか)

⚡ 焦点ポイント

「圧縮性流体は密度変化を考慮する必要がある流体」→ ○(定義問題として頻出) / 「非圧縮性流体では流れの密度が一定とみなせる」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「水の粘度 μ は空気より大きいが、動粘度 ν は空気より小さい」——粘度と動粘度の大小関係は逆転する場合がある。粘度と動粘度を混同しないこと。
  • 「圧縮性流体は密度変化を考慮する必要がある流体」→ ○(定義問題として頻出)
  • 「非圧縮性流体では流れの密度が一定とみなせる」→ ○

2. 定常流・非定常流と流線

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

定常流:速度ベクトルが時間変化しない。流線:ある瞬間の速度ベクトルを結んだ曲線。定常流では流線は変化しない

📖 解説(乙種ベース)

「流れが変わらない」とはどういう意味か。高速道路を思い浮かべてほしい。車は走り続けているのに、渋滞の位置や車線ごとの速さは変わらない——流体力学でいう定常流とは、この状態のことだ。

キーワード
定常流(Steady Flow) — 流れの各点での速度ベクトル(方向・大きさ)が時間変化しない流れ。速度ベクトルが時間とともに変化する流れが非定常流(Unsteady Flow)

ガス配管でも、需要変動がなければ通常の流れは定常流として扱える。逆に非定常流になるのは、水撃(ウォーターハンマー)や急激な弁操作時だ。ここで注意したいのは、定常流でも流体そのものは動いているということ。止まっているのは「各点での速度」であって、流体ではない。

キーワード
流線(Streamline) — ある瞬間における各点の速度ベクトルを連ねてできる曲線。流線の接線方向は、その点での速度ベクトルの方向と常に一致する

定常流ではこの流線に2つの性質が生まれる。速度ベクトルが時間変化しないので流線の形は時間変化せず、しかも流線は流体粒子の軌跡(流跡線)と一致する。渋滞の位置が動かないから、車の通る道筋も毎回同じになる、というわけだ。

流線を観察すると流れの様子(加速・減速・方向変化)がわかる。流線が密集している場所は流速が大きく(連続の式より)、流線が疎な場所は流速が小さい。図を読むときの目印になる。

🟦 甲種プラスα

甲種では「定常流・非定常流と流線」の本文の概念をより深く理解した上で、応用問題への対応が問われます。本文の数式・概念をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

「流れの中の速度ベクトルが時間変化しない場合を定常流という」→ ○(定義問題の頻出) / 「ある瞬間の速度ベクトルを連ねてできる曲線を流線という」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「定常流 ≠ 速度ゼロ」——定常流は速度が「時間変化しない」だけで、速度がゼロというわけではない。また「定常流でも流体は動いている」が流線の形は変わらない。
  • 「流れの中の速度ベクトルが時間変化しない場合を定常流という」→ ○(定義問題の頻出)
  • 「ある瞬間の速度ベクトルを連ねてできる曲線を流線という」→ ○

3. 連続の式(質量保存・体積流量)

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

質量流量 Qm = ρ(πd²/4)u = 一定。非圧縮性では Qu = (πd²/4)u = 一定。内径2倍→流量4倍

📖 解説(乙種ベース)

ホースの先を指でつまむと、水は勢いよく飛ぶ。誰でも知っているこの現象を式にしたのが連続の式で、質量保存の法則から導かれる流体力学の基本式である。出口が狭くなっても、単位時間に流れ込む量と出ていく量は変わらない。だから通り道が狭い分だけ速くなる。

公式
Qm = ρ × π d²4 × u = 一定
Qm: 質量流量 ρ: 密度 [kg/m³] d: 管内径 [m] u: 平均流速 [m/s] (内径が変化する管でも各断面を単位時間に通過する流体の質量は等しい)

密度が一定とみなせる非圧縮性流体なら、ρ を約分してしまえる。残るのが体積流量の式 Qu = (π d²/4) × u = 一定 [m³/s] だ。断面積が小さくなれば流速が上がり、断面積が大きくなれば流速が下がる——ホースの指の役割がこれである。

ここで注意すべきは、断面積が内径の”2乗”で効くことだ。内径 d が 2 倍になると断面積 4 倍、同じ流速なら流量は 4 倍になる。一方、流速 u が 2 倍になっても(断面積一定なら)流量は 2 倍にしかならない。同じ「2倍」でも、どちらを2倍にしたかで結果が違う。

覚える
(d₁/d₂)² = u₂/u₁ — 内径が1/2になると流速は4倍になる(非圧縮性流体)

断面1(内径 d₁、流速 u₁)から断面2(内径 d₂、流速 u₂)へ流れる場合、この関係がそのまま計算問題になる。

🖼 図解
連続の式(内径と流速)連続の式(内径と流速)

⚡ 焦点ポイント

「流れの方向に内径が変化する円管を非圧縮性流体が流れる場合、各断面を単位時間に通過する流体の質量は一定」→ ○(頻出正誤問題) / 計算:内径を絞った後の流速 u₂ = u₁×(d₁/d₂)² → d₂ = d₁/2 なら u₂ = 4u₁

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 連続の式は「質量流量 = 一定」が正しい一般形。非圧縮性では「体積流量 = 一定」が成り立つが、圧縮性流体(高圧ガスの急激な流れなど)では密度が変化するため体積流量は断面によって異なる。
  • 「流れの方向に内径が変化する円管を非圧縮性流体が流れる場合、各断面を単位時間に通過する流体の質量は一定」→ ○(頻出正誤問題)
  • 計算:内径を絞った後の流速 u₂ = u₁×(d₁/d₂)² → d₂ = d₁/2 なら u₂ = 4u₁

4. 経済流速

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

動力費(圧損大)と設備費(管径大)のトレードオフで決まる最適流速。流体の密度・粘度に依存するため流体種別で異なる

📖 解説(乙種ベース)

同じ量のガスを送るのに、太い管をゆっくり流すか、細い管を速く流すか。どちらが得かと問われれば、答えは「速すぎても遅すぎても損をする」だ。家賃の安い部屋に住んだら通勤費が跳ね上がった、というのと同じ構図で、流量が一定の場合、流速と配管コストの間にはトレードオフがある。

流速を大きくすればどうなるか。管の内径を細くできるので設備費(配管材料費)は安くなる。しかし圧力損失が増大し、ポンプ・圧縮機の動力費が増える。逆に流速を小さくすると、管の内径を太くしなければならず設備費が高くなる代わりに、圧力損失が小さいので動力費は節約できる。両者は必ず逆を向く。

キーワード
経済流速(Economic Velocity) — 動力費(圧力損失コスト)と設備費の和が最小となる流速

この最適点は流体が変われば移動する。流体の種類によって経済流速は異なる——その理由は流速が流体の密度と粘度に依存しているためだ。水とガスで同じ数値を当てはめられない理由がここにある。

覚える
経験的な目安 — 液体(水など):1〜3 m/s 程度/気体(ガスなど):10〜20 m/s 程度(低圧配管の場合)

経験的な目安(参考)として、液体(水など):1〜3 m/s 程度、気体(ガスなど):10〜20 m/s 程度(低圧配管の場合)という値が使われる。

🖼 図解
経済流速(コストのトレードオフ)経済流速(コストのトレードオフ)

⚡ 焦点ポイント

「動力費(圧損)と設備費の和が最小となる流速を経済流速という」は定義として出る。 / 「流体の種類により経済流速は異なる——流速が密度と粘度に依存するため」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「流速が大きいほど経済的」は誤り。動力費と設備費の両方を考えると最適点(経済流速)が存在し、それより速くても遅くてもトータルコストが増える。
  • 「動力費(圧損)と設備費の和が最小となる流速を経済流速という」は定義として出る
  • 「流体の種類により経済流速は異なる——流速が密度と粘度に依存するため」→ ○

5. 助走区間と完全に発達した流れ

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

管入口では等速流 → 境界層が発達 → 中心に達したとき「完全に発達した流れ」。助走距離までは流速分布が変化する

📖 解説(乙種ベース)

走り出しの数歩は、歩幅もリズムもまだ安定しない。管内の流れも同じで、管の入口から流体を流し始めると、直ちに管内で均一な流速分布にはならない。

何が起きているのか。管壁では粘性のため流速がゼロになる(壁面条件)。その壁から内側に向かって、流速が急激に変化する薄い層——境界層——が発達していく。流れが下流へ進むほど、この層は厚みを増す。

キーワード
完全に発達した流れ(Fully Developed Flow) — 境界層が管の中心部まで達した状態。流速分布と管摩擦による圧力損失が一定(軸方向で変化しない)になる

そこに至るまでの区間が助走区間(Entrance Length)で、管入口の丸みがなくなった部分から完全に発達した流れに達するまでを指す。助走区間ではまだ流速分布が変化している。

キーワード
助走区間(Entrance Length) — 管入口の丸みがなくなった部分から完全に発達した流れに達するまでの区間。流速分布が変化し続ける

この区別は実務に直結する。流量・流速の正確な計測は「完全に発達した流れ」の区間で行う必要があり、管入口近くで測定すると誤差が生じる。歩幅が定まる前のタイムを測っても、走力の評価にならないのと同じだ。

🖼 図解
助走区間と完全に発達した流れ助走区間と完全に発達した流れ

⚡ 焦点ポイント

「壁近くでは流体が粘性の影響を受けて流速が急激に変化する」→ ○(過去出題) / 「完全に発達した層流はハーゲン・ポアズイユ流れと呼ばれる」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「管内流れ = 常に完全に発達している」は誤り。入口付近(助走区間)では流速分布・圧力損失が変化する。ダルシー・ワイスバッハ式等の圧力損失公式は「完全に発達した流れ」を前提とした式。
  • 「壁近くでは流体が粘性の影響を受けて流速が急激に変化する」→ ○(過去出題)
  • 「完全に発達した層流はハーゲン・ポアズイユ流れと呼ばれる」→ ○

6. 層流乱流の流速分布

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

層流:放物線分布、平均流速 = 最大流速/2。乱流:ほぼ一様分布、平均流速 ≈ 中心流速×0.8

📖 解説(乙種ベース)

同じ管、同じ流体でも、流れ方の全く異なる2つの状態がある。整然と隊列を組んだ行進と、スクランブル交差点の人波——どちらも人が進んでいる点は同じだが、中の様子はまるで違う。

層流(Laminar Flow)は前者だ。流れが層状に整然と進み、レイノルズの着色液実験では1本の線で流れる。流速分布は放物線型で、壁面で0、中心部が最大になる。そして中心流速を umax とすると、平均流速 ū = umax / 2——つまり平均流速は中心最大流速の 1/2 になる。放物線という形が、この単純な比を生んでいる。

乱流(Turbulent Flow)は後者である。流れが不規則に乱れ、撹拌・混合される(着色液が広がる)。かき混ぜられる結果、流速分布は管壁付近で急激に速度が上がり、中心部はほぼ均一(平坦)になる。中心流速を umax とすると、平均流速 ū ≈ 0.8 × umax。中心と平均の差が小さいのは、分布が平らだからだ。

覚える
層流 = 放物線分布・平均流速は最大流速の 1/2 / 乱流 = ほぼ一様分布・平均流速 ≈ 中心流速の約 0.8 倍

比較まとめ

🖼 図解
層流の流速分布層流の流速分布
🖼 図解
乱流の流速分布乱流の流速分布
観点層流乱流
流速分布の形放物線ほぼ一様(平坦)
平均/最大流速比1/2約 0.8
圧力損失の依存流速に比例流速の2乗に比例
混合効果小さい大きい

⚡ 焦点ポイント

層流では放物線状の流速分布を示す」→ ○(頻出) / 「層流の場合、平均流速は中心部の最大流速の 1/2 に等しい」→ ○(頻出計算の前提)

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「層流の平均流速 = 最大流速の 1/2」——逆に言うと「中心流速 = 平均流速の 2 倍」。この関係が計算問題で使われる。乱流では「平均 ≈ 0.8 × 中心」なので層流と混同しない。
  • 「層流では放物線状の流速分布を示す」→ ○(頻出)
  • 「層流の場合、平均流速は中心部の最大流速の 1/2 に等しい」→ ○(頻出計算の前提)

7. レイノルズ数(定義・臨界値2300)

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

Re = ρud/μ = ud/ν。無次元数。Re < 2300 → 層流、Re > 2300 → 乱流。密度・流速・内径に比例、粘度に反比例

📖 解説(乙種ベース)

前節で層流と乱流を分けたが、では目の前の配管はどちらなのか。それを1つの数値で判定するのがレイノルズ数(Re)——流れが層流乱流かを判定する無次元数である。

公式
Re = ρudμ = udν
ρ: 密度 [kg/m³] u: 平均流速 [m/s] d: 管内径 [m] μ: 粘度 [Pa·s] ν: 動粘度 [m²/s](= μ/ρ) (無次元数)

この式の意味を言い換えると Re = 慣性力 / 粘性力 である。教室のざわつきを先生が抑えられるかどうか、と考えるとつかみやすい。Re が大きいときは慣性力 >> 粘性力で、粘性による安定化効果が弱く乱流になる。Re が小さいときは粘性力 >> 慣性力で、粘性が流れを安定化させ層流になる。

境目の数値も決まっている。完全に発達した円管内流れで層流から乱流へ遷移する値は約 2300。Re < 2300 なら層流、Re > 2300 なら乱流(遷移)である。

覚える
臨界レイノルズ数 ≒ 2300 — Re < 2300 で層流、Re > 2300 で乱流(遷移)

最後に比例関係を整理しておく。Re は密度ρ、平均流速u、管内径d に比例し、粘度μ(または動粘度ν)に反比例する。したがって流速を上げる・管径を大きくする・密度が大きい流体にすると Re が大きくなり乱流化しやすい。逆に粘度が大きい流体は Re が小さくなり層流になりやすい。分子と分母のどちらに入るかを取り違えた選択肢が、毎年のように出る。

🟦 甲種プラスα

これを利用して「空気で流したときの Re から水の条件を計算する」問題が甲種に出る

🖼 図解
レイノルズ数と層流・乱流の遷移レイノルズ数と層流・乱流の遷移

⚡ 焦点ポイント

Re の公式 Re = ρud/μ は記述・計算どちらでも必須。 / 「レイノルズ数は密度・平均流速・管内径に比例し、粘度に反比例する」→ 毎年出る正誤問題。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「Re が同じ = 流れの状態が同じ」——これが相似則の基本。異なる流体・管径でも Re が同じなら流れは相似になる。これを利用して「空気で流したときの Re から水の条件を計算する」問題が甲種に出る。
  • 「密度」「平均流速」「管内径」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)

8. ベルヌーイの式(基本式・3つのヘッド)

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

ρu²/2 + ρgz + p = 一定。非圧縮・非粘性・定常流で成立。速度ヘッド+位置ヘッド+圧力ヘッド = 全ヘッド(一定)

📖 解説(乙種ベース)

細い管に入ると流れは速くなる。前節までで確認したこの事実に、ひとつ疑問が残る。速くなる勢いは、どこから来たのか。答えはベルヌーイの式——流体に関するエネルギー保存則が教えてくれる。速さ・高さ・圧力の3つは、リレーのバトンのように互いにエネルギーを受け渡している。

ただし、いつでも使える式ではない。適用条件は非圧縮性・非粘性(摩擦なし)・定常流の流線上である。この3条件が、そのまま正誤問題の文面になる。

公式
ρu²2 + ρgz + p = 一定
ρ: 密度 [kg/m³] u: 流速 [m/s] g: 重力加速度 [m/s²] z: 基準面からの高さ [m] p: 圧力 [Pa] (非圧縮・非粘性・定常流の流線上で成立)

各項が担当しているものははっきりしている。ρu²/2 は単位体積あたりの運動エネルギー、ρgz は単位体積あたりの位置エネルギー、p は圧力エネルギーだ。合計が一定なのだから、どれかが増えれば別のどれかが減る。細い管で速度が上がれば圧力が下がるのは、この受け渡しの結果である。

この式を ρg で割ると、すべての項が長さ(m)の単位になる。配管設計では扱いやすいので、こちらの形も頻出だ。

公式
2g + z + pρg = H = 一定
u²/(2g): 速度ヘッド(速度頭) z: 位置ヘッド(位置頭) p/(ρg): 圧力ヘッド(圧力頭・静圧頭) H: 全ヘッド(総頭)= 以上3つの和

典型問題で使い方を確認しよう。貯水槽の孔からの流出速度は、水面(点1)と孔(点2)でベルヌーイの式を適用して求める。大水槽なので u₁ ≈ 0、両点とも大気に開放されているので P₁ = P₂ = 大気圧。すると位置ヘッドの差だけが残り、u₂ = √(2gh) (h:水面から孔までの高さ)となる。高さが速さに化けた形だ。

🟦 甲種プラスα

甲種では「ベルヌーイの式(基本式・3つのヘッド)」の本文の概念をより深く理解した上で、応用問題への対応が問われます。本文の数式・概念をしっかり押さえてください。

🖼 図解
ベルヌーイの定理(3つのヘッドの合計は一定)ベルヌーイの定理(3つのヘッドの合計は一定)

⚡ 焦点ポイント

「非圧縮性、非粘性流体の定常流ではベルヌーイの式が成立する」→ ○(頻出正誤問題) / 「ベルヌーイの式は流体に関するエネルギーの保存則である」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「管径が細くなると流速が増え、圧力が下がる」——これはベルヌーイの式の直接の帰結。「速度が上がると圧力が下がる」という逆説的な関係を直感的に理解しておく。流れのある場所は静圧が低くなる(揚力・負圧吸引の原理)。
  • 「非圧縮性、非粘性流体の定常流ではベルヌーイの式が成立する」→ ○(頻出正誤問題)
  • 「ベルヌーイの式は流体に関するエネルギーの保存則である」→ ○

9. 実用ベルヌーイの式と圧力損失

💡 図の見方:式のどちら側に何が入るかを確かめる図。エネルギーを加えるポンプ仕事Pは上流側(左辺)、失う圧力損失ΔPは下流側(右辺)に入る。この左右を逆にすると答えが合わない。損失が生まれるのは直管・助走区間・流れが急に変わる部分の3か所。

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

摩擦・乱れによるエネルギー損失(圧力損失ΔP)を含めた実用式。損失ヘッド Δh = ΔP/(ρg)。配管の圧力設計に使う

📖 解説(乙種ベース)

前節のベルヌーイの式は「摩擦なし」が前提だった。しかし実際の流れでは粘性・乱れによるエネルギー損失があるため、理想的なベルヌーイの式には補正が必要になる。失われたエネルギーは消えるのではなく熱に化ける——手をこすると温かくなるのと同じことが、管の中で起きている。

公式
ρu₁²/2 + ρgz₁ + p₁ + P = ρu₂²/2 + ρgz₂ + p₂ + ΔP
P [Pa]: ポンプ・送風機が流体に与えた仕事(単位体積あたり) ΔP [Pa]: 圧力損失(上流→下流で失われたエネルギー) 添字1: 上流 添字2: 下流

式の形で押さえるべきは、加える側と失う側が両辺に分かれて入ることだ。ポンプ仕事 P はエネルギーを加えるので上流側に、圧力損失 ΔP は失うので下流側に入る。符号を逆にすると答えが合わない。なお P = ΔP の関係が成り立つ。

この損失は、圧力の単位(ΔP [Pa])でも長さの単位でも表せる。長さで表したものが損失ヘッド Δh [m] で、Δh = ΔP / (ρg) の関係にある。前節でヘッド表示に直したのと同じ割り方だ。

では、損失はどこで生まれるのか。大きく3か所に分けられる。

🖼 図解
実用ベルヌーイ式でポンプ仕事Pと圧力損失ΔPが入る側実用ベルヌーイ式でポンプ仕事Pと圧力損失ΔPが入る側
発生場所損失の原因
直管管摩擦(最も基本的な圧力損失)
助走区間流速分布の変化に伴う損失
流れの急激な変化部拡大管・縮小管・エルボ・弁・分岐・合流

🟦 甲種プラスα

「圧力損失を熱エネルギーに変化した機械的エネルギーとして定義する」→ 甲種の正誤問題で出た表現

⚡ 焦点ポイント

「実際の流れで下流の圧力が上流の圧力より低くなるのは圧力損失があるため」→ 基本概念として理解。 / 「圧力損失を熱エネルギーに変化した機械的エネルギーとして定義する」→ 甲種の正誤問題で出た表現。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • ベルヌーイの式の P(ポンプ仕事)と ΔP(圧力損失)の符号を間違えないこと。ポンプは「エネルギーを加える」で上流側に入る、圧力損失は「エネルギーを失う」で下流側に入る(式の両辺のどちら側か確認する習慣を)。
  • 「実際の流れで下流の圧力が上流の圧力より低くなるのは圧力損失があるため」→ 基本概念として理解
  • 「圧力損失を熱エネルギーに変化した機械的エネルギーとして定義する」→ 甲種の正誤問題で出た表現

10. 直管の圧力損失:層流(ハーゲン・ポアズイユの式)

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

層流 ΔP = 32Lμu/d²。流速・管長に比例、内径の2乗に反比例。ハーゲン・ポアズイユ式は乱流には使えない

📖 解説(乙種ベース)

前節で挙げた損失のうち、最も基本になるのが直管の管摩擦だ。ただし計算式は流れの状態で変わる。まずは層流(Re < 2300)の場合で、直管の圧力損失はハーゲン・ポアズイユ(Hagen-Poiseuille)の式で表される。

公式
ΔP = 32 L μ u
ΔP: 圧力損失 [Pa] L: 管の長さ [m] μ: 粘度 [Pa·s] u: 管内平均流速 [m/s] d: 管内径 [m] (層流・完全に発達した流れ)

式のどこに何が入っているかを、比例関係として読み取っておきたい。比例するのは平均流速 u(1乗)、管の長さ L、粘度 μ。反比例するのは管内径 d の 2 乗(d² に反比例)である。

効き方の差が重要だ。内径を 1/2 にすると圧力損失は 4 倍になるのに対し、流速を 2 倍にしても圧力損失は 2 倍にとどまる(層流の場合のみ)。細いストローほど吸うのが苦しいのは、この2乗の効きによる。管径を1段階細くする判断が、いかに重いかがわかる。

覚える
層流の圧力損失 — 平均流速(1乗)・管の長さ・粘度に比例、内径の2乗に反比例。ハーゲン・ポアズイユ式は乱流には使えない

損失ヘッドに直したいときは、ρg で割ればよい。Δh = ΔP/(ρg) = 32Lμu/(ρg d²) となる。

🟦 甲種プラスα

甲種計算:ΔP を変数で表し、内径・流速・粘度の変化に対する ΔP の変化比を計算する問題が頻出

⚡ 焦点ポイント

層流の圧力損失は平均流速および管の長さに比例し、内径の2乗に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題。 / 「層流での圧力損失を表す式をハーゲン・ポアズイユの式という」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「流速2倍→圧力損失2倍」は層流のときのみ(u の1乗に比例)。乱流では u² に比例するので「流速2倍→圧力損失4倍」になる。層流と乱流で比例関係が全く違うので注意。
  • 「層流の圧力損失は平均流速および管の長さに比例し、内径の2乗に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題
  • 「層流での圧力損失を表す式をハーゲン・ポアズイユの式という」→ ○

11. 直管の圧力損失:乱流ダルシー・ワイスバッハの式

💡 図の見方:層流と乱流で、流速と内径の指数がちょうど入れ替わることを見る図。層流は流速の1乗に比例・内径の2乗に反比例、乱流は流速の2乗に比例・内径の1乗に反比例。出題者はこの2つの指数を入れ替えた選択肢を毎年出してくる。

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

乱流 ΔP = λ(ρu²/2)(L/d)。流速の2乗・管長に比例、内径に反比例。損失ヘッド Δh = λ(L/d)(u²/2g)

📖 解説(乙種ベース)

流れが乱流(Re > 2300)になると、前節の式はもう使えない。渦がエネルギーを食うため、損失の効き方そのものが変わるからだ。乱流における直管の圧力損失は、ダルシー・ワイスバッハ(Darcy-Weisbach)の式で表される。

公式
ΔP = λ × ρu²2 × Ld
λ: 管摩擦係数(無次元) ρ: 密度 [kg/m³] u: 平均流速 [m/s] L: 管長 [m] d: 管内径 [m] (損失ヘッド形式では Δh = λ × (L/d) × (u²/2g))

このダルシー・ワイスバッハの式を損失ヘッドで書けば Δh = λ × (L/d) × (u²/2g) である。比例関係を見ると、比例するのは平均流速 u の 2 乗、管の長さ L、流体の密度 ρ。反比例するのは管内径 d(1 乗)だ。

ここが層流との決定的な違いになる。流速2倍で圧力損失 4 倍(u² に比例するため)、内径 1/2 で圧力損失 2 倍(d に反比例)。層流では流速が1乗・内径が2乗だったのだから、両者はちょうど入れ替わった形だ。車の空気抵抗が速度の2乗で効くのと同じで、速さの代償は乱流で一気に重くなる。出題者はこの2つの式の指数を入れ替えて出してくる。

もうひとつ、係数の流儀の違いにも触れておく。ファニング(Fanning)の式では ΔP = 4f × (ρu²/2) × (L/d) と書き、ダルシー・ワイスバッハの管摩擦係数 λ = ファニングの摩擦係数 f の 4 倍(λ = 4f)という関係になる。

🟦 甲種プラスα

ダルシー・ワイスバッハの式の管摩擦係数はファニングの式の摩擦係数の4倍」→ ○(甲種頻出)

甲種計算:損失ヘッド・管摩擦係数・管内径・流速から管の長さを計算する問題が頻出

🖼 図解
層流と乱流で入れ替わる指数:流速と内径の効き方の違い層流と乱流で入れ替わる指数:流速と内径の効き方の違い

⚡ 焦点ポイント

乱流の圧力損失は平均流速の2乗および管の長さに比例し、内径に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題。 / 「管摩擦による損失ヘッドはダルシー・ワイスバッハの式で与えられる」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 乱流では ΔP ∝ u²(流速の2乗に比例)、内径 d に反比例(d² ではなく d の1乗!)。層流は u の1乗、d の2乗に反比例という違いをしっかり区別する。
  • 「乱流の圧力損失は平均流速の2乗および管の長さに比例し、内径に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題
  • 「管摩擦による損失ヘッドはダルシー・ワイスバッハの式で与えられる」→ ○

12. 管摩擦係数(層流λ=64/Re・乱流ブラジウス式)

💡 図の見方:層流域ではλ=64/Reの直線1本で決まり管壁の粗さに無関係だが、乱流域では粗さが主役になり、粗い管は高Re領域でλがほぼ一定値に落ち着くことを示した図(実用上はムーディ線図で読み取る)。層流の式をそのまま乱流に使うのが定番の誤りで、「高Reでλ一定」は一定値になるという意味でλがゼロになるわけではない。

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

層流:λ = 64/Re(管壁粗さに無関係)。乱流(滑らか管):λ = 0.316×Re⁻⁰·²⁵(ブラジウス式)。粗い管は高Re で λ一定

📖 解説(乙種ベース)

前節の式には λ という未確定の係数が残っていた。この管摩擦係数 λ(ダルシー・ワイスバッハの式の係数)はレイノルズ数と管壁の粗さで決まる。ただし、どちらが効くかは流れの状態しだいだ。

公式
層流: λ = 64Re  乱流(滑らか管): λ = 0.316Re⁰·²⁵
λ: 管摩擦係数(無次元) Re: レイノルズ数 (層流は λ = 64μ/(ρud) とも書ける。乱流の式はブラジウスの式で λ = 0.316 × Re⁻⁰·²⁵)

層流では λ = 64/Re = 64μ/(ρud) となり、レイノルズ数に反比例する。そして注目すべきは、管壁面の粗さには依存しないことだ。層流は粘性力が支配的なため、壁のざらつきが流れまで伝わらない。雪が積もって路面の凹凸が消えるようなもので、粘性の層が壁を覆い隠していると考えればよい。

では乱流ではどうか。管壁が滑らかな場合はブラジウスの式 λ = 0.316 × Re⁻⁰·²⁵ = 0.316 / Re⁰·²⁵ で、Re が大きくなると λ は低下する。ところが管壁が粗い場合は様子が変わり、Re が十分大きくなると λ はほぼ一定値になって Re に依存しなくなる。そして管壁が粗くなるほど λ は大きくなる。層流で無関係だった粗さが、乱流では主役に躍り出るわけだ。

覚える
層流の λ = 64/Re は管壁の粗さに無関係。乱流で粗い管は高Re領域で λ がほぼ一定(粗いほど λ 大)

実用上は、レイノルズ数と壁面粗さに対する管摩擦係数の関係はムーディ線図(ニクラゼの実験に基づく)で読み取れる。

🟦 甲種プラスα

層流における管摩擦係数はレイノルズ数に反比例する(λ = 64/Re)」→ 甲種頻出

🖼 図解
管摩擦係数λとレイノルズ数Reの関係管摩擦係数λとレイノルズ数Reの関係

⚡ 焦点ポイント

層流における管摩擦係数はレイノルズ数に反比例する(λ = 64/Re)」→ 甲種頻出。 / 「円管内を流れる層流の圧力損失は管壁のあらさにほとんど関係しない」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「層流の λ = 64/Re、乱流の λ ≠ 64/Re」——層流の公式をそのまま乱流に使ってはいけない。また「乱流で管壁が粗い場合の高 Re 領域では λ が一定」というのは、粗さが流れに与える影響が支配的になるためで、「λ がゼロになる」わけではない。
  • 「層流における管摩擦係数はレイノルズ数に反比例する(λ = 64/Re)」→ 甲種頻出
  • 「円管内を流れる層流の圧力損失は管壁のあらさにほとんど関係しない」→ ○

13. 急拡大管・急縮小管の圧力損失

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

急拡大の損失ヘッド Δh = (v₁−v₂)²/(2g)。急拡大後の圧力は上昇する(ディフューザ効果)。急縮小は縮流→圧力損失

📖 解説(乙種ベース)

直管の次は、管が太くなったり細くなったりする場所である。管路の断面積が急激に変化する部分では、渦の発生により追加の圧力損失が生じる。

まず急拡大管(ディフューザ)から。管断面積が急激に拡大すると流速が低下し、コーナー部に渦が発生して圧力損失となる。

公式
Δh = (v₁ − v₂)²2g
Δh: 急拡大の損失ヘッド [m] v₁: 断面1の平均速度 v₂: 断面2の平均速度 g: 重力加速度

ここで直感を裏切る事実が出てくる。急拡大後の圧力は拡大前より高くなるのだ——圧力損失があるにもかかわらず、である。「は?」と思ったら正常な反応で、種明かしをすればベルヌーイの式のとおり、速度ヘッドが圧力ヘッドに変換されるためだ。走ってきた勢いで坂を登れるのと同じで、失った速さの分が高さ(ここでは圧力)に化ける。だからディフューザは拡大管の機能を使い下流の圧力を上昇させる装置として使われる。

反対の急縮小管(ノズル)では何が起きるか。流れは縮小管に入って一旦縮小後(縮流)、縮小管径まで拡大する。この縮流(はく離領域)で渦が発生し、圧力損失となる。エネルギーの受け渡しも逆向きで、縮小管では圧力エネルギーが速度エネルギーに変換される(ノズルの原理)。

したがって急縮小の場合、圧力損失と圧力低下は一致しない。速度ヘッドの増加による圧力低下も加わるためだ。「圧力損失 ≠ 圧力低下」——拡大でも縮小でも、この区別を保ったまま読むことが正誤判定の鍵になる。

🖼 図解
急拡大管の流れと圧力上昇急拡大管の流れと圧力上昇

⚡ 焦点ポイント

「急拡大管(ディフューザ)の機能は下流で圧力を上昇させるもの」→ ○(頻出) / 「配管の口径が急激に拡大する場合、拡大前より拡大後の圧力が高くなる」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「急拡大では圧力損失があるのに下流の圧力が上がる」——これは矛盾に思えるが、速度ヘッドの減少分が圧力ヘッドの増加に使われるため。「圧力損失 ≠ 圧力低下」という点を理解することが重要。

14. エルボ・ベンド・弁の圧力損失

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

エルボ(急な曲がり)> ベンド(緩やか)で損失大。損失ヘッド Δh = ζ u²/(2g)。弁は開度が大きいほど損失小

📖 解説(乙種ベース)

配管は直管だけでできてはいない。曲がりも弁も必ず入る。直管以外の配管要素(フィッティング類)も圧力損失の主要な原因になり、その大きさは損失係数 ζ という1つの数値に押し込められている。

公式
Δh = ζ × 2g  ΔP = ζ × ρu²2
ζ(ゼータ): 損失係数(各フィッティングに固有の値) u: 平均流速 ρ: 密度 g: 重力加速度 (管路の局所損失=形状損失の一般式)

係数の大小を決めるのは形状だ。直角に折れた廊下を走り抜けるのと、緩くカーブした廊下を走り抜けるのとでは、壁にぶつかる度合いが違う。配管でも事情は同じである。

🖼 図解
エルボとベンドの損失の違いエルボとベンドの損失の違い
部品形状損失の様子
エルボ(Elbow)急激に流れの方向を変える(通常 90° 曲がり)屈曲部にはく離領域(渦)が生じ、大きな圧力損失が発生する
ベンド(Bend)ゆるやかに流れが曲がる(曲率半径が大きい)エルボほど大きなはく離は見られない場合が多いが、曲がり部に二次流れが生じ損失が増加する
弁(バルブ)管路の流量・圧力を調節する装置圧力損失は弁の開度によって変わり、開度が大きいほど圧力損失は小さくなる

つまり一般にベンドの方がエルボより損失ヘッドを低減できる。ただし「低減できる」であって「ゼロにできる」ではない点に注意したい。ベンドでも曲がり部の二次流れが損失を生む。同じ理屈で、弁も全開でも損失係数 ζ はゼロではない(弁体による流れの乱れがある)。出題者はこの「ゼロではない」を「ゼロになる」にすり替えてくる。

⚡ 焦点ポイント

「管路内で急激に流れの方向を変させる部分をエルボといい、ゆるやかに曲がる部分をベンドという」→ ○ / 「配管の屈曲部で生じる圧力損失は流れの方向を急激に変化させるよりも緩やかに変化させる方が小さい」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「ベンドは損失がゼロ」は誤り。ベンドでも二次流れ(Dean 流れ)が発生し損失が生じる。ただしエルボより小さい。損失を「小さくできる」のであって「ゼロにできる」わけではない。

15. 圧力の測定(マノメーター

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

マノメーターは U 字管に封液を入れ液柱高さで圧力を測定。ゲージ圧 = ρgH。絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧

📖 解説(乙種ベース)

圧力を測るといっても、何を基準に測るかを決めなければ数値は定まらない。基準は2通りある。絶対真空(0 Pa)を基準とした圧力が絶対圧、大気圧を基準とした圧力(= 絶対圧 − 大気圧)がゲージ圧だ。なお基礎理論では単に「圧力」といえば絶対圧を指す。

キーワード
マノメーター(液柱式圧力計) — U 字管に封液(水など)を入れた圧力計。一方を測定対象(容器)に接続し、他方を大気に開放する

原理は背比べだ。容器側の圧力が大気圧より高ければ、その差の分だけ封液が押し下げられ、反対側が持ち上がる。この圧力差による封液柱の高さ H を測り、ゲージ圧を求める。

公式
P = P₀ + ρgH  (ゲージ圧: P − P₀ = ρgH)
P: 容器内の絶対圧 P₀: 大気圧 [Pa] ρ: 封液の密度 [kg/m³] g: 重力加速度 [m/s²] H: 液柱高さ [m]

ここで失点しやすいのが ρ の中身である。ρ は封液の密度であって、測定している気体の密度ではない。式の形が単純なだけに、取り違えても計算は最後まで進んでしまう。

測定の工夫も押さえておきたい。2点間の差圧を測る場合は両方の管をそれぞれの測定点に接続する(差圧計)。また封液密度が大きいほど(水銀など)小さな液柱高さで大きな圧力を測定できる。高い圧力を測るのに何メートルもの管を立てずに済む、という実用上の理由がここにある。

🟦 甲種プラスα

乙種甲種ともに計算問題として出題される(封液の密度と液柱高さが与えられてゲージ圧を求める)

🖼 図解
U字管マノメーターU字管マノメーター

⚡ 焦点ポイント

計算パターン:「マノメーターで液柱高さ H [mm] を測定 → ゲージ圧 P = ρgH [Pa] を計算」 / 封液が水(ρ = 1000 kg/m³)の場合:H = 100 mm = 0.1 m → P = 1000 × 9.8 × 0.1 = 980 Pa

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • H の単位は [m](SI 単位系)。mm で与えられた場合は必ず m に変換してから計算する(H [mm] × 10⁻³ = H [m])。また ρ は「封液」の密度であり、測定する気体の密度ではない。

16. ピトー管による流速測定

💡 図の見方:流れを正面から受ける先端の孔で全圧を、流れに平行な側面の小孔で静圧を測り、その差(動圧)から管内1点の流速を求める仕組みを示した図。u∝√(ΔP)なので「差圧2倍→流速2倍」は誤りで√2倍(約1.41倍)、差圧4倍でようやく流速2倍になるのが定番の引っかけ。

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

ピトー管は全圧と静圧の差(動圧)から流速を測定。u = k√(ΔP/ρ)。差圧2倍→流速√2倍

📖 解説(乙種ベース)

走る車の窓から手を出すと、風圧を感じる。手のひらを正面に向けたときと、指を風に平行に添えたときでは、感じ方がまるで違う。ピトー管(Pitot tube)はこの差を利用して、管内の流れの速度を局所的に測定する装置である。

測定原理はベルヌーイの式の応用だ。先端の孔(全圧孔)は流れを正面から受け止めるので全圧(動圧 + 静圧)を測る。側面の孔(静圧孔)は流れに平行な小孔なので静圧のみを測る。両者を引き算すれば、全圧 − 静圧 = 動圧(= ρu²/2)が取り出せる。動圧さえわかれば、流速は逆算できる。

公式
u = k × √(ΔP/ρ)  (u² = K × ΔP/ρ)
u: 流速 ΔP: 全圧と静圧の差(差圧) ρ: 流体の密度 k = √2、K = 2

この式で見落とされがちなのが√である。差圧 ΔP が 2 倍になっても、u ∝ √(ΔP) なので流速は √2 倍にしかならない。「差圧2倍→流速2倍」と早合点した瞬間に失点する、定番の引っかけだ。

装置としての特徴も整理しておく。

🖼 図解
ピトー管の構造と全圧・静圧の取り出し方ピトー管の構造と全圧・静圧の取り出し方
特徴・用途内容
測定できるもの管内のある1点の流速を測定できる
流速分布管内の流速分布を測定できる(複数点で測定し平均流速を求める)
圧力損失圧力損失が小さい(流れへの干渉が少ない)
注意点1点の測定なので断面平均流速を得るには複数点での測定が必要

🟦 甲種プラスα

甲種計算:気体密度・封液密度・液面高さの差から流速を計算する問題が頻出

⚡ 焦点ポイント

ピトー管は全圧と静圧との差から流体中の一点の流速を測定するもの」→ ○(頻出定義) / 「ピトー管を用いると管内の流速分布を測定することができる」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「差圧2倍 → 流速2倍」は誤り。u ∝ √(ΔP) なので「差圧2倍 → 流速 √2 倍 ≈ 1.41 倍」。同様に「差圧4倍 → 流速2倍」(√4 = 2)。この√の関係を見落としやすい。
  • 「ピトー管は全圧と静圧との差から流体中の一点の流速を測定するもの」→ ○(頻出定義)
  • 「ピトー管を用いると管内の流速分布を測定することができる」→ ○

17. オリフィスメーター・ベンチュリメーター

重要度: ★ 乙C / 🟦 甲A

🎯 一言で

Q = k√(ΔP/ρ)(差圧2倍→流量√2倍)。オリフィス:安価だが圧力損失大。ベンチュリ:圧力損失小だが高価・大型

📖 解説(乙種ベース)

前節のピトー管は1点の流速を測る装置だった。では管全体を流れる流量そのものを測るにはどうするか。流路をわざと絞って差圧を作り、その差圧から流量を計算する——これが差圧式流量計の2大種類で、どちらもベルヌーイの式が測定原理である。

違いは絞り方にある。荷物を下ろすとき、段差から落とすかスロープで下ろすかで失うものが違うのと同じだ。

🖼 図解
差圧式測定3方式の比較差圧式測定3方式の比較
方式構造特徴
オリフィスメーター(Orifice meter)配管の途中にふちの鋭い円孔(オリフィス)を挿入し、前後の差圧から流量を計算安価で流量を簡便に求められる/圧力損失が比較的大きい(測定後に圧力が回復しない)→ 欠点/実際の流量を正確に求めるには流量係数(補正係数)が必要
ベンチュリメーター(Venturi meter)管径を滑らかに縮小→拡大させ、縮小部での差圧から流量を計算測定に現れた圧力差の大部分が下流で回復する → 圧力損失が小さい → 利点/高価で場所をとる → 欠点

流量の求め方は両者に共通で、ピトー管と同じ√の関係になる。

公式
Q = k × √(ΔP/ρ)  (Q² = K × ΔP/ρ)
Q: 流量 ΔP: 差圧 ρ: 流体の密度 (差圧 ΔP が 2 倍になると Q は √2 倍。ピトー管と同じ関係)

実際の計算では、校正したガスと測るガスが違う場面が出てくる。同流量 Q のとき ΔP₁/ρ₁ = ΔP₂/ρ₂ が成り立つので、変換式は ΔP₂ = ΔP₁ × (ρ₂/ρ₁)。ここでのρはガスの密度 = 分子量/22.4 [kg/m³N] である。密度が変われば同じ流量でも差圧が変わる——測る相手を替えたら目盛りもそのままでは使えない、ということだ。

🟦 甲種プラスα

甲種計算:検定ガス(N₂など)で校正したオリフィスメーターで別のガス(CH₄など)を測るときの差圧を計算する問題が頻出(ΔP₂ = ΔP₁ × ρ₂/ρ₁)

⚡ 焦点ポイント

「オリフィスメーターは流量を簡便に求められるが圧力損失が比較的大きい欠点を有する」→ ○(頻出) / 「ベンチュリメーターは測定に現れた圧力差の大部分は下流で回復する利点がある」→ ○

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「差圧が2倍 → 流量が2倍」は誤り。Q ∝ √(ΔP) なので「差圧2倍 → 流量√2倍」。ピトー管と同じ√の関係(差圧式流量計の共通の性質)。検定ガスと測定ガスで密度が異なることを忘れずに。

🔢 計算問題のための準備

主要式:

– 連続の式: ρ1A1V1 = ρ2A2V2(質量保存)

レイノルズ数: Re = ρVD/μ = VD/ν(層流←Re<2300<乱流)

ベルヌーイの式: P/ρ + V²/2 + gz = 一定

– 直管圧力損失(層流): ΔP = (32μLV)/D²(ハーゲン・ポアズイユ)

– 直管圧力損失(乱流): ΔP = λ(L/D)(ρV²/2)(ダルシー・ワイスバッハ)

管摩擦係数 λ:

層流: λ = 64/Re

乱流: λ = 0.3164/Re^0.25(ブラジウス式、なめらかな管)

動粘度 ν の典型値: 空気(20℃)=1.5×10⁻⁵ m²/s、水(20℃)=1.0×10⁻⁶ m²/s

計算問題で失点する最大の原因は単位ミス。代入前に「絶対圧か?」「絶対温度か?」「単位は揃っているか?」を必ず確認。

🧮 計算例題(過去問を解き切る)

この章の内容が本試験でどう問われるか、実際の過去問で「立式→計算→答え」まで通しで確認しましょう。まず自分で解いてから「解き方をみる」を開くのがおすすめです。

🧮 解き切り例題①(令和7年度 乙種 問10)

内径75mmの直円管内を水が平均流速0.8m/sで流れているときのレイノルズ数として、最も近い値はどれか。ただし、水の密度を1000kg/m³、粘度を1.0×10⁻³Pa・sとする。

(1) 10000 (2) 20000 (3) 40000 (4) 60000 (5) 80000

▶ 解き方をみる(まず自分で立式してから!)
  1. レイノルズ数の定義: Re=ρud/μ(密度×流速×内径÷粘度)
  2. 内径75mmをmに直す: d=0.075m
  3. Re=(1000×0.8×0.075)÷(1.0×10⁻³)
  4. Re=60÷0.001=60000

✅ 答え: (4) 60000

⚠ よくあるミス: 内径75mmをm(0.075)に換算しない/動粘度ν=μ/ρと粘度μを混同する

🧮 解き切り例題②(令和7年度 乙種 問11)

内径20cmの直円管内を流体が質量流量20kg/sで流れているときの平均流速(m/s)として、最も近い値はどれか。ただし、流体の密度は320kg/m³とする。

(1) 0.5 (2) 1.0 (3) 1.5 (4) 2.0 (5) 2.5 [m/s]

▶ 解き方をみる(まず自分で立式してから!)
  1. 質量流量の式: G=ρ×A×v=ρ×(π/4)d²×v
  2. 内径20cm=0.2m として 20=320×(3.14/4)×0.2²×v
  3. v=(20×4)÷(320×3.14×0.04)=20÷(3.2×3.14)
  4. v≒2.0m/s

✅ 答え: (4) 2.0m/s

⚠ よくあるミス: 内径20cmをm(0.2)に換算しない/断面積(π/4)d²を誤る/体積流量と質量流量の混同

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節1 圧縮性流体・非圧縮性流体と粘性: 密度変化を考慮するのが圧縮性流体、無視できるのが非圧縮性。粘性は内部摩擦の指標。動粘度 ν = μ/ρ
  • 節2 定常流・非定常流と流線: 定常流:速度ベクトルが時間変化しない。流線:ある瞬間の速度ベクトルを結んだ曲線。定常流では流線は変化しない
  • 節3 連続の式(質量保存・体積流量): 質量流量 Qm = ρ(πd²/4)u = 一定。非圧縮性では Qu = (πd²/4)u = 一定。内径2倍→流量4倍
  • 節4 経済流速: 動力費(圧損大)と設備費(管径大)のトレードオフで決まる最適流速。流体の密度・粘度に依存するため流体種別で異なる
  • 節5 助走区間と完全に発達した流れ: 管入口では等速流 → 境界層が発達 → 中心に達したとき「完全に発達した流れ」。助走距離までは流速分布が変化する
  • 節6 層流と乱流の流速分布: 層流:放物線分布、平均流速 = 最大流速/2。乱流:ほぼ一様分布、平均流速 ≈ 中心流速×0.8
  • 節7 レイノルズ数(定義・臨界値2300): Re = ρud/μ = ud/ν。無次元数。Re < 2300 → 層流、Re > 2300 → 乱流。密度・流速・内径に比例、粘度に反比例
  • 節8 ベルヌーイの式(基本式・3つのヘッド): ρu²/2 + ρgz + p = 一定。非圧縮・非粘性・定常流で成立。速度ヘッド+位置ヘッド+圧力ヘッド = 全ヘッド(一定)
  • 節9 実用ベルヌーイの式と圧力損失: 摩擦・乱れによるエネルギー損失(圧力損失ΔP)を含めた実用式。損失ヘッド Δh = ΔP/(ρg)。配管の圧力設計に使う
  • 節10 直管の圧力損失:層流(ハーゲン・ポアズイユの式): 層流 ΔP = 32Lμu/d²。流速・管長に比例、内径の2乗に反比例。ハーゲン・ポアズイユ式は乱流には使えない
  • 節11 直管の圧力損失:乱流(ダルシー・ワイスバッハの式): 乱流 ΔP = λ(ρu²/2)(L/d)。流速の2乗・管長に比例、内径に反比例。損失ヘッド Δh = λ(L/d)(u²/2g)
  • 節12 管摩擦係数(層流λ=64/Re・乱流ブラジウス式): 層流:λ = 64/Re(管壁粗さに無関係)。乱流(滑らか管):λ = 0.316×Re⁻⁰·²⁵(ブラジウス式)。粗い管は高Re で λ一定
  • 節13 急拡大管・急縮小管の圧力損失: 急拡大の損失ヘッド Δh = (v₁−v₂)²/(2g)。急拡大後の圧力は上昇する(ディフューザ効果)。急縮小は縮流→圧力損失
  • 節14 エルボ・ベンド・弁の圧力損失: エルボ(急な曲がり)> ベンド(緩やか)で損失大。損失ヘッド Δh = ζ u²/(2g)。弁は開度が大きいほど損失小
  • 節15 圧力の測定(マノメーター): マノメーターは U 字管に封液を入れ液柱高さで圧力を測定。ゲージ圧 = ρgH。絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧
  • 節16 ピトー管による流速測定: ピトー管は全圧と静圧の差(動圧)から流速を測定。u = k√(ΔP/ρ)。差圧2倍→流速√2倍
  • 節17 オリフィスメーター・ベンチュリメーター: Q = k√(ΔP/ρ)(差圧2倍→流量√2倍)。オリフィス:安価だが圧力損失大。ベンチュリ:圧力損失小だが高価・大型

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節1: 「圧縮性流体は密度変化を考慮する必要がある流体」→ ○(定義問題として頻出) / 「非圧縮性流体では流れの密度が一定とみなせる」→ ○
  • 節2: 「流れの中の速度ベクトルが時間変化しない場合を定常流という」→ ○(定義問題の頻出) / 「ある瞬間の速度ベクトルを連ねてできる曲線を流線という」→ ○
  • 節3: 「流れの方向に内径が変化する円管を非圧縮性流体が流れる場合、各断面を単位時間に通過する流体の質量は一定」→ ○(頻出正誤問題) / 計算:内径を絞った後の流速 u₂ = u₁×(d₁/d₂)² → d₂ = d₁/2 なら u₂ = 4u₁
  • 節4: 「動力費(圧損)と設備費の和が最小となる流速を経済流速という」は定義として出る。 / 「流体の種類により経済流速は異なる——流速が密度と粘度に依存するため」→ ○
  • 節5: 「壁近くでは流体が粘性の影響を受けて流速が急激に変化する」→ ○(過去出題) / 「完全に発達した層流はハーゲン・ポアズイユ流れと呼ばれる」→ ○
  • 節6: 「層流では放物線状の流速分布を示す」→ ○(頻出) / 「層流の場合、平均流速は中心部の最大流速の 1/2 に等しい」→ ○(頻出計算の前提)
  • 節7: Re の公式 Re = ρud/μ は記述・計算どちらでも必須。 / 「レイノルズ数は密度・平均流速・管内径に比例し、粘度に反比例する」→ 毎年出る正誤問題。
  • 節8: 「非圧縮性、非粘性流体の定常流ではベルヌーイの式が成立する」→ ○(頻出正誤問題) / 「ベルヌーイの式は流体に関するエネルギーの保存則である」→ ○
  • 節9: 「実際の流れで下流の圧力が上流の圧力より低くなるのは圧力損失があるため」→ 基本概念として理解。 / 「圧力損失を熱エネルギーに変化した機械的エネルギーとして定義する」→ 甲種の正誤問題で出た表現。
  • 節10: 「層流の圧力損失は平均流速および管の長さに比例し、内径の2乗に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題。 / 「層流での圧力損失を表す式をハーゲン・ポアズイユの式という」→ ○
  • 節11: 「乱流の圧力損失は平均流速の2乗および管の長さに比例し、内径に反比例する」→ 毎年出る最重要正誤問題。 / 「管摩擦による損失ヘッドはダルシー・ワイスバッハの式で与えられる」→ ○
  • 節12: 「層流における管摩擦係数はレイノルズ数に反比例する(λ = 64/Re)」→ 甲種頻出。 / 「円管内を流れる層流の圧力損失は管壁のあらさにほとんど関係しない」→ ○
  • 節13: 「急拡大管(ディフューザ)の機能は下流で圧力を上昇させるもの」→ ○(頻出) / 「配管の口径が急激に拡大する場合、拡大前より拡大後の圧力が高くなる」→ ○
  • 節14: 「管路内で急激に流れの方向を変させる部分をエルボといい、ゆるやかに曲がる部分をベンドという」→ ○ / 「配管の屈曲部で生じる圧力損失は流れの方向を急激に変化させるよりも緩やかに変化させる方が小さい」→ ○
  • 節15: 計算パターン:「マノメーターで液柱高さ H [mm] を測定 → ゲージ圧 P = ρgH [Pa] を計算」 / 封液が水(ρ = 1000 kg/m³)の場合:H = 100 mm = 0.1 m → P = 1000 × 9.8 × 0.1 = 980 Pa
  • 節16: 「ピトー管は全圧と静圧との差から流体中の一点の流速を測定するもの」→ ○(頻出定義) / 「ピトー管を用いると管内の流速分布を測定することができる」→ ○
  • 節17: 「オリフィスメーターは流量を簡便に求められるが圧力損失が比較的大きい欠点を有する」→ ○(頻出) / 「ベンチュリメーターは測定に現れた圧力差の大部分は下流で回復する利点がある」→ ○

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