6. 伝熱|計算問題特集

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6. 伝熱 過去9年の計算問題 23問を、使う公式ごとに並べました。各公式の先頭に「いつ使うか・式の意味・落とし穴」を置いています。問題名をクリックすると解答例が開きます。

熱交換器の温度効率★★☆ 9年で6回

🔎 いつ使うか(見分け方)熱交換器の温度効率を求めるとき。9年で6回出ています。
💡 式の意味高温流体の温度効率=(高温入口−高温出口)/(高温入口−低温入口)。分母は必ず『両流体の入口温度差』です。どれだけ温度を下げられたかを、下げられる最大値で割った割合、という意味になります。

  1. 高温・低温それぞれの入口/出口温度を整理する(表にすると確実)
  2. 分母=高温入口−低温入口
  3. 分子=その流体の入口−出口
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)

  • 分母を高温流体の温度変化にしてしまう(正しくは両入口の差)
  • 低温流体の効率から低温入口温度を先に求める手順を飛ばす
  • 高温側と低温側の式を取り違える(分子はその流体自身の変化)
4つの温度のうち3つが与えられ、1つを逆算させる形が多い。表に埋める習慣が効きます。

この公式の過去問(6問)

甲R1高温流体の入口温度が220℃で出口温度が56℃である熱交換器がある。低温流体の温度効率が+ 解答例
高温流体の入口温度が220℃で出口温度が56℃である熱交換器がある。低温流体の温度効率が0.4で出口温度が97℃の場合、高温流体の温度効率として最も近い値はどれか。

使う式

ηH=TH1-TH₂TH1-TL1
記号:η:温度効率 / 添字H:高温流体, L:低温流体 / 1:入口, 2:出口。分母は両流体共通の入口温度差

解き方

  1. 高温流体の温度効率=(TH1-TH₂)/(TH1-TL1)、低温流体の温度効率=(TL2-TL1)/(TH1-TL1)。
  2. 低温流体: 0.4=(97-TL1)/(220-TL1) → 0.4×(220-TL1)=97-TL1 → (1-0.4)TL1=97-88=9 → TL1=9/0.6=15℃。
  3. 高温流体の温度効率=(220-56)/(220-15)=164/205≒0.8。
答え:0.80(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 低温流体の温度効率から低温入口温度TL1を先に求める手順を飛ばす
乙R2熱交換器において高温流体の入口温度が300℃で出口温度が150℃であった。低温流体の入口+ 解答例
熱交換器において高温流体の入口温度が300℃で出口温度が150℃であった。低温流体の入口温度は50℃であった。このときの高温流体の温度効率(%)として最も近い値はどれか。

使う式

η = T1 – T2T1 – t1 (高温流体の温度効率)
記号:T1:高温流体の入口温度 / T2:高温流体の出口温度 / t1:低温流体の入口温度

解き方

  1. 温度効率 η = (高温入口 − 高温出口) ÷ (高温入口 − 低温入口)。
  2. = (300 − 150) ÷ (300 − 50) = 150 ÷ 250。
  3. = 0.6 = 60 %。
答え:60 %(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 応力計算と混同する(別問題)
  • 分母を高温出口にしてしまう
甲R4熱交換器において高温流体の入口温度が190℃で出口温度が45℃であった。低温流体の入口温+ 解答例
熱交換器において高温流体の入口温度が190℃で出口温度が45℃であった。低温流体の入口温度が15℃、低温流体の温度効率が0.4のとき、低温流体の出口温度(℃)として、最も近い値はどれか。

使う式

ηc = tc2 – tc1th1 – tc1
記号:ηc: 低温流体の温度効率 = 0.4、tc1: 低温流体入口温度 = 15℃、tc2: 低温流体出口温度 [℃]、th1: 高温流体入口温度 = 190℃

解き方

  1. 低温流体の温度効率の定義: ηc = (低温流体の温度上昇)/(両流体の入口温度差)
  2. 最大温度差: th1 − tc1 = 190 − 15 = 175℃
  3. 低温流体の温度上昇: tc2 − tc1 = 0.4 × 175 = 70℃
  4. 低温流体の出口温度: tc2 = 15 + 70 = 85℃
答え:85 ℃(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • 分母を高温流体の温度変化(190−45=145)として15+0.4×145=73とする→温度効率の分母は両流体の入口温度差
  • 高温流体出口45℃を使って(45−15)×0.4などと立式する
  • 0.4×190=76を出口温度とするなど効率の定義を取り違える(高温流体入口190℃は誤読しやすい)
乙R4熱交換器において、高温流体の入口温度は150℃、出口温度は45℃であった。また、低温流体+ 解答例
熱交換器において、高温流体の入口温度は150℃、出口温度は45℃であった。また、低温流体の入口温度は30℃、出口温度は120℃であった。このときの高温流体の温度効率 (%) として、最も近い値はどれか。

使う式

η = T1 – T2T1 – t1 (高温流体の温度効率)
記号:T1:高温流体入口150℃ / T2:高温流体出口45℃ / t1:低温流体入口30℃

解き方

  1. 実際 = 150-45 = 105℃
  2. 最大 = 150-30 = 120℃
  3. η = 105/120 = **0.875 = 87.5%**
答え:88 %(計算値87.5)(正解の選択肢 (4))
乙R6熱交換器の高温流体の温度効率(%)+ 解答例
熱交換器において、高温流体の入口温度は180℃、出口温度は50℃であった。また、低温流体の入口温度は20℃、出口温度は90℃であった。このときの高温流体の温度効率(%)として、最も近い値はどれか。

使う式

ηH = THi – THoTHi – TCi
記号:THi:高温流体入口温度 / THo:高温流体出口温度 / TCi:低温流体入口温度

解き方

  1. 高温流体: 入口 THi=180 ℃、出口 THo=50 ℃
  2. 低温流体入口 TCi=20 ℃
  3. 温度差(高温流体の降下): 180 – 50 = 130 ℃
  4. 最大可能温度差: 180 – 20 = 160 ℃
  5. ηH = 130160 = 0.8125 ≒ 81%
答え:81 %(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 温度効率の式の取り違え
  • ℃のままで計算 (差なのでOK)
甲R7高温流体の入口温度は210℃で出口温度が60℃である熱交換器がある。低温流体の温度効率は+ 解答例
高温流体の入口温度は210℃で出口温度が60℃である熱交換器がある。低温流体の温度効率は0.4で出口温度が90℃である場合、高温流体の温度効率として最も近い値はどれか。

使う式

ηh = T1 – T2T1 – t1 (高温流体の温度効率)
記号:T1,T2:高温流体の入口/出口温度 / t1:低温流体の入口温度(低温側の温度効率0.4から逆算)

解き方

  1. 低温流体の温度効率 0.4 = (90−t₁)/(210−t₁) を解く: 90−t₁ = 84−0.4t₁ → 0.6t₁ = 6 → t₁ = 10℃。
  2. 高温流体の温度効率 = (210−60)/(210−10) = 150/200 = 0.75。
答え:0.75(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 低温入口温度の逆算で方程式の整理を誤る
  • 分母を(高温入口−低温出口)としてしまう

熱通過率(総括伝熱係数K・U)★☆☆ 9年で4回

🔎 いつ使うか(見分け方)流体→壁→流体の全体で、熱通過率K(U)や伝熱面積を求めるとき。
💡 式の意味1/K=1/h₁+L/λ+1/h₂。両側の対流と、壁の伝導を、抵抗として直列に足します。伝熱面積は A=Q/(K·ΔT)。ΔTには対数平均温度差を使うのが原則です。

  1. 3つの抵抗(1/h₁、L/λ、1/h₂)を計算して足す
  2. その逆数がK
  3. 面積を聞かれたら A=Q/(KΔT)
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)

  • 抵抗を足さずに、h や λ を直接足す・平均する
  • 対数平均温度差でなく算術平均を使う
  • 並流と向流で温度差の取り方を間違える
  • kW→W の換算忘れ
1/K の形で足してから最後に逆数、という手順を崩さないこと。

この公式の過去問(4問)

甲H30平板で隔てた気体と液体の間の伝熱において、気体温度800℃、液体温度100℃、平板の厚さ+ 解答例
平板で隔てた気体と液体の間の伝熱において、気体温度800℃、液体温度100℃、平板の厚さ1cm、平板の熱伝導率24W/(m・K)、気体側の熱伝達率240W/(m²・K)、液体側の熱伝達率2400W/(m²・K)のとき、平板面積1m²を通過する熱流束(kW/m²)の値として最も近い値はどれか。

使う式

1U=1h1+Lλ+1h2
記号:U:総括伝熱係数 / h:熱伝達率 / λ:平板の熱伝導率 / L:平板厚さ。熱流束q=U(T1-T2)

解き方

  1. 1/U=1/h1+L/λ+1/h2=1/240+0.01/24+1/2400。
  2. =10/2400+1/2400+1/2400=12/2400=1/200 → U=200W/(m²・K)。
  3. 熱流束=U(T1-T2)=200×(800-100)=140000W/m²=140kW/m²。
答え:140 kW/m²(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 熱抵抗の直列和を取らずに各項を単純加算/平均する誤り
甲R2ガスと水が同方向に流れる熱交換器において、ガスの入口温度500℃、水の入口温度20℃とし+ 解答例
ガスと水が同方向に流れる熱交換器において、ガスの入口温度500℃、水の入口温度20℃としたところ、ガスの出口温度は160℃、水の出口温度は80℃、伝熱量は9.0kWとなった。熱通過率Kを8.1W/(m²・K)とすると、伝熱面積(m²)として最も近い値はどれか。ただし、ln6=1.8とする。

使う式

A = QU,Δ Tlm, Δ Tlm = Δ T1 – Δ T2ln(Δ T1/Δ T2)
記号:Q:伝熱量=9.0kW=9000W, U:熱通過率=8.1W/(m²・K), 並流。入口側温度差 ΔT₁=500-20=480K, 出口側温度差 ΔT₂=160-80=80K

解き方

  1. Step1 ΔT₁=500-20=480K, ΔT₂=160-80=80K, 比=480/80=6
  2. Step2 対数平均温度差 ΔTlm=(480-80)/ln(480/80)=400/ln6=400/1.8≈222.2K
  3. Step3 伝熱面積 A=Q/(U·ΔTlm)=9000/(8.1×222.2)=9000/1800=5.0m²
  4. Step4 A≒5.0m²
答え:5.0 m²(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • 対数平均温度差でなく算術平均温度差を使う
  • 並流と向流で温度差の取り方を取り違える
  • ln6=1.8の代入を忘れる、kWをWに換算し忘れる
甲R3厚さ50 mm、熱伝導率1.2 W/(m・K)のコンクリート壁に囲まれた部屋がある。この+ 解答例
厚さ50 mm、熱伝導率1.2 W/(m・K)のコンクリート壁に囲まれた部屋がある。この壁と室内空気との間の熱伝達率が10 W/(m²・K)、壁と外気との間の熱伝達率が25 W/(m²・K)であるとき、コンクリート壁の熱通過率(W/(m²・K))として、最も近い値はどれか。

使う式

1K = 1h1 + δλ + 1h2
記号:K: 熱通過率 [W/(m²・K)]、h₁: 室内側熱伝達率 = 10 W/(m²・K)、h₂: 外気側熱伝達率 = 25 W/(m²・K)、δ: 壁厚さ = 0.05 m、λ: 熱伝導率 = 1.2 W/(m・K)

解き方

  1. 熱通過率は3つの熱抵抗(室内側対流・壁内伝導・外気側対流)の直列和の逆数
  2. 1/K = 1/10 + 0.05/1.2 + 1/25 = 0.1 + 0.0417 + 0.04 = 0.1817 m²・K/W
  3. K = 1/0.1817 ≒ 5.50 W/(m²・K)
答え:5.50 W/(m²・K)(正解の選択肢 (5))
この問題で多い誤り

  • 厚さ50 mmを0.05 mに換算せず50/1.2で計算しK≒0.02(誤答(1))を選ぶ
  • 熱抵抗でなく熱伝達率・熱伝導率をそのまま加算する
  • 壁の熱抵抗をδ/λでなくλ/δとする
甲R5熱伝導率1.5W/(m·K)のコンクリートの平面壁を介して外気と接する部屋がある。この壁+ 解答例
熱伝導率1.5W/(m·K)のコンクリートの平面壁を介して外気と接する部屋がある。この壁の室内空気側の熱伝達率が10W/(m²·K)、壁の外気側の熱伝達率が20W/(m²·K)であるとき、コンクリート壁の熱通過率は5W/(m²K)であった。コンクリート壁の厚さ(mm)として、最も近い値はどれか。

使う式

1K = 1h1 + Lλ + 1h2 (熱通過率)
記号:h1,h2:両側の熱伝達率[W/(m²·K)] / L:壁厚[m] / λ:熱伝導率[W/(m·K)]

解き方

  1. 1/K = 1/10 + L/1.5 + 1/20 = 0.2 (与条件より)。
  2. L/1.5 = 0.2 − 0.1 − 0.05 = 0.05。
  3. L = 0.075 m = 75 mm。
答え:75 mm(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 熱伝達率の逆数を足し忘れる
  • m→mm換算

多層壁・円筒壁の熱抵抗★☆☆ 9年で3回

🔎 いつ使うか(見分け方)材質の違う層が重なった壁、または円筒(配管の保温)の熱を求めるとき。
💡 式の意味熱抵抗直列に足せます。R=L/λ を層ごとに出して合計し、q=ΔT/ΣR。電気の直列抵抗とまったく同じ考え方です。円筒では ln(r₂/r₁) が入るのが平板との違いです。

  1. 層ごとに R=L/λ を計算する
  2. 全部足す(直列=単純な和)
  3. q=ΔT/ΣR
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)

  • 熱抵抗を並列(逆数の和)で計算する。直列です
  • 平板の式のまま円筒に使う(円筒は ln を使う)
  • 半径と直径の取り違え
  • 厚さの mm→m 換算忘れ
甲種向け。『抵抗を足す』と言葉にできれば式は自然に出ます。

この公式の過去問(3問)

甲R5熱伝導率1.2W/(m·K)で厚さ240mmの耐火レンガと、同じく0.09W/(m K)+ 解答例
熱伝導率1.2W/(m·K)で厚さ240mmの耐火レンガと、同じく0.09W/(m K)で90mmの断熱材を積層した平面炉壁がある。この炉壁の内面温度を900℃、外面温度60℃とした場合、炉壁の熱流束(W/m²)として、最も近い値はどれか。ただし、耐火レンガと断熱材の接触熱抵抗は無視する。

使う式

q = Δ TΣ (Lii) (積層壁の直列熱抵抗)
記号:Li:各層の厚さ[m] / λi:各層の熱伝導率[W/(m·K)] / Δ T:両面温度差[K]

解き方

  1. 熱抵抗 R = 0.24/1.2 + 0.09/0.09 = 0.2 + 1.0 = 1.2 m²·K/W。
  2. q = ΔT/R = 840/1.2 = 700 W/m²。
答え:700 W/m²(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 厚さmm→m換算忘れ
  • 熱抵抗を並列(逆数和)で計算してしまう
甲R6蒸気を通した外径100mmの鋼管を厚さ50mm、熱伝導率k=0.05W/(m K)の保温+ 解答例
蒸気を通した外径100mmの鋼管を厚さ50mm、熱伝導率k=0.05W/(m K)の保温材で巻いてある。保温材内面の温度T₁=180℃、保温材外面の温度T₂=40℃であるとき、管長1mあたりの熱損失(W)として、最も近い値はどれか。ただし、ln 2=0.70とする。

使う式

Q = 2π k L (T1 – T2)ln(r2/r1) (円筒壁の熱伝導)
記号:k:熱伝導率[W/(m·K)] / L:管長[m] / r1,r2:内外半径(50mm/100mm) / ln2=0.70

解き方

  1. r₂/r₁ = 100/50 = 2、ln2 = 0.70。
  2. Q = 2π × 0.05 × 1 × (180−40) ÷ 0.70 = 43.98 ÷ 0.70 ≒ 62.8 ≒ 63 W。
答え:63 W(正解の選択肢 (3))
この問題で多い誤り

  • 平板の式 q=kΔT/L で計算してしまう
  • 半径と直径の取り違え
甲R7熱伝導率1.2W/(m·K)、厚さ0.04mの平板の片側に、温度100℃に保たれた液体が+ 解答例
熱伝導率1.2W/(m·K)、厚さ0.04mの平板の片側に、温度100℃に保たれた液体が保持されており、反対側は20℃の大気に接している。液体と平板の液体側表面の熱伝達率を60W/(m²K)、大気と平板の大気側表面の熱伝達率を20W/(m²K)としたとき、平板の大気側表面の温度(℃)として最も近い値はどれか。

使う式

q = Δ TΣ R → 表面温度を逆算 (直列熱抵抗)
記号:Σ R = 1/h1 + L/λ + 1/h2 / 表面温度 = 大気温度 + q/h₂

解き方

  1. 総熱抵抗 R = 1/60 + 0.04/1.2 + 1/20 = 0.0167 + 0.0333 + 0.05 = 0.1 m²·K/W。
  2. 熱流束 q = (100−20)/0.1 = 800 W/m²。
  3. 大気側表面温度 = 20 + 800/20 = 60 ℃。
答え:60 ℃(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • どちら側の熱伝達率で逆算するかの取り違え
  • 熱抵抗の足し忘れ

放射伝熱(ステファン・ボルツマン)9年で1回

🔎 いつ使うか(見分け方)放射(ふく射)による伝熱量を比べるとき。
💡 式の意味Q∝T⁴(ステファン・ボルツマンの法則)。2面の間なら Q∝(T高⁴−T低⁴)。絶対温度の4乗なので、温度が2倍になれば放射は16倍です。

  1. 温度をすべてKにする
  2. 4乗の差を計算する
  3. 比を取る
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)

  • 4乗を2乗にする
  • 摂氏のまま計算する(4乗では致命的にずれます)
  • 低温側の項を無視できるかは数値次第。1000Kと100Kなら低温側は1/10000で無視できます
甲種向け。『4乗』と『絶対温度』の2点だけ押さえれば大丈夫です。

この公式の過去問(1問)

甲H30無限の広さをもつ2つの平行平板があり、1000Kの高温平板から100Kの低温平板への熱放+ 解答例
無限の広さをもつ2つの平行平板があり、1000Kの高温平板から100Kの低温平板への熱放射による熱流束がQ1である。高温平板の温度を2000Kに変えた場合の熱流束をQ2とした場合、Q2/Q1として最も近い値はどれか。ただし、低温平板の温度等、他の条件は変わらないものとする。

使う式

Q∝ Th4-Tc4
記号:Q:放射熱流束(ステファン・ボルツマン) / Th,Tc:高温/低温平板の絶対温度[K]。Tc4は微小で無視

解き方

  1. 熱放射の熱流束 Q=σ(Th⁴-Tc⁴)。
  2. 100⁴=10⁸ は 1000⁴=10¹² に比べ無視でき、Q1≒σ×1000⁴、Q2≒σ×2000⁴。
  3. Q2/Q1=(2000/1000)⁴=2⁴=16。
答え:16(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 4乗を2乗とする。低温側1004を無視せず計算を煩雑にする

熱伝導(フーリエの法則)★★★ 9年で9回

🔎 いつ使うか(見分け方)平板を通る熱流束、または壁の表面温度・厚さを求めるとき。
💡 式の意味q=λ·ΔT/L(フーリエの法則)。熱の通りやすさλが大きいほど、温度差が大きいほど、薄いほどよく流れます。壁の中と表面で熱の量は等しい(定常状態)ので、伝導と対流をつないだ釣り合いも立てられます。

  1. 厚さLをmに直す
  2. q=λΔT/L に代入する
  3. 表面温度を聞かれたら λΔT/L=h(T表面−T流体) の釣り合いを立てる
✏️ 式の変形(1行ずつ) 目標:厚さや温度を逆算する形にする

  1. フーリエの法則から出発します
    q = λ Δ TL
  2. L が分母にいるので、両辺に L を掛けて出します
    q L = λ Δ T
  3. 厚さを求めるなら、q で両辺を割ります
    L = λ Δ Tq
  4. 温度差を求めるなら、λ で両辺を割ります
    Δ T = q Lλ
どちらを求める場合も、まず分母から文字を出す(両辺に掛ける)のが第一手です。
この変形が追えないときは → 計算の前に:算数・数学のおさらい
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)

  • 熱伝導率λと熱伝達率h の混同(単位が W/(m·K) か W/(m²·K) かで見分けられます)
  • 厚さの mm・cm → m 換算忘れ
  • 伝導と対流の釣り合いを立てずに解こうとする
乙種の定番。単位を見ればλとhは必ず区別できます。

この公式の過去問(9問)

甲H29熱伝導率1.2W/(m・K)で厚さ0.2mの耐火レンガでできた平面炉壁の炉内側表面温度は+ 解答例
熱伝導率1.2W/(m・K)で厚さ0.2mの耐火レンガでできた平面炉壁の炉内側表面温度は925℃であり、炉壁の外面は25℃の大気と接している。炉壁の大気側表面における熱伝達率が12W/(m²・K)のとき、炉壁の大気側表面温度(℃)として、最も近い値はどれか。

使う式

λT1-T2L=h(T2-T3)
記号:λ:熱伝導率 / L:炉壁厚さ / h:大気側熱伝達率 / T1:炉内側, T2:外面, T3:大気温度。伝導熱流束=対流熱流束

解き方

  1. 耐火レンガの熱伝導の熱流束と大気側表面の対流熱伝達の熱流束は等しい。λ(T1-T2)/L=h(T2-T3)。
  2. λ=1.2、T1=925℃、L=0.2m、h=12、T3=25℃。1.2×(925-T2)/0.2=12×(T2-25) → 6×(925-T2)=12×(T2-25)。
  3. 5550-6T2=12T2-300 → 18T2=5850 → T2=325℃。
答え:325 ℃(正解の選択肢 (3))
この問題で多い誤り

  • 伝導と対流の熱流束が等しい釣り合いを立てずに解く
乙H30平均熱伝導率0.02W/(m·K)の平板の断熱材の片面を-175℃とし、別の面を25℃に+ 解答例
平均熱伝導率0.02W/(m·K)の平板の断熱材の片面を-175℃とし、別の面を25℃に保った時の熱流束が10W/m²であった。このとき、断熱材の厚さ(m)として最も近い値はどれか。

使う式

q = λ ・ Δ TL
記号:q:熱流束 / λ:熱伝導率 / Δ T:温度差 / L:厚さ

解き方

  1. フーリエ法則を変形: L = λ·ΔT/q
  2. 温度差 ΔT = 25 – (-175) = 200 K
  3. L = 0.02 × 200 / 10 = 4/10 = 0.4 m
  4. 最も近い値は (3) 0.4 m
答え:0.4 m(正解の選択肢 (3))
この問題で多い誤り

  • 温度差を絶対値で取り違える
  • 熱伝導率を熱伝達率と混同
甲R1熱伝導率が0.01W/(m・K)の断熱材Aを低温側に、熱伝導率が0.02W/(m・K)の+ 解答例
熱伝導率が0.01W/(m・K)の断熱材Aを低温側に、熱伝導率が0.02W/(m・K)の断熱材Bを高温側に積層して平面炉壁を構成した。低温側表面温度が100℃、高温側表面温度が400℃、断熱材Aと断熱材Bの境界の温度が300℃のとき熱流束は10W/m²であった。このときの炉壁の厚さ(m)として、最も近い値はどれか。ただし、断熱材Aと断熱材Bの接触熱抵抗は無視する。

使う式

q=λΔ TL
記号:q:熱流束(A・Bで等しい) / λ:熱伝導率 / Δ T:各層の温度差 / L:各層の厚さ

解き方

  1. 熱流束q=熱伝導率λ×温度差/厚さ。A・Bで熱流束は等しい(10W/m²)。
  2. 断熱材A: λ=0.01、ΔT=300-100=200K → LA=0.01×200/10=0.2m。
  3. 断熱材B: λ=0.02、ΔT=400-300=100K → LB=0.02×100/10=0.2m。
  4. 炉壁厚さ=LA+LB=0.2+0.2=0.4m。
答え:0.40 m(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • A層とB層の温度差の取り違え。厚さを合算し忘れる
乙R1燃焼炉において、厚さ40cmの平面炉壁の内面温度が1300℃、外面温度が500℃であった+ 解答例
燃焼炉において、厚さ40cmの平面炉壁の内面温度が1300℃、外面温度が500℃であった。熱流束を2.0kW/m²とした場合、炉壁の平均熱伝導率(W/(m·K))として、最も近い値はどれか。

使う式

q = λΔ TL
記号:q:熱流束[W/m²] / λ:熱伝導率[W/(m·K)] / Δ T:温度差[K] / L:厚さ[m]

解き方

  1. フーリエ法則: q = λ·ΔT/L → λ = q·L/ΔT
  2. 温度差 ΔT = 1300℃ – 500℃ = 800 K
  3. 厚さ L = 40cm = 0.40m, 熱流束 q = 2.0kW/m² = 2000 W/m²
  4. λ = 2000 × 0.40 / 800 = 800/800 = 1.0 W/(m·K)
  5. 最も近い値は (2) 1.0 W/(m·K)
答え:1.0 W/(m·K)(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • 単位換算ミス (cm→m, kW→W)
  • 温度差を絶対温度で計算してしまう
乙R2平均熱伝導率0.2W/(m·K)で厚さ0.1mの平板壁の高温側表面温度が300℃、低温側+ 解答例
平均熱伝導率0.2W/(m·K)で厚さ0.1mの平板壁の高温側表面温度が300℃、低温側表面温度が50℃であった。このとき平板壁を通過する熱流束(W/m²)として最も近い値はどれか。

使う式

q = λ Δ TL (フーリエの法則)
記号:q:熱流束[W/m²] / λ:熱伝導率[W/(m·K)] / Δ T:温度差[K] / L:厚さ[m]

解き方

  1. ΔT = 300 − 50 = 250 K。
  2. q = 0.2 × 250 ÷ 0.1。
  3. = 50 ÷ 0.1 = 500 W/m²。
答え:500 W/m²(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り

  • 厚さ L で割り忘れる
  • 温度差の取り違え
乙R3平均熱伝導率2W/(m·K)、厚さ20cmの耐火レンガにおいて、高温側の表面の温度が80+ 解答例
平均熱伝導率2W/(m·K)、厚さ20cmの耐火レンガにおいて、高温側の表面の温度が800℃、熱流束が6kW/m²であるとき、低温側の表面の温度(℃)として、最も近い値はどれか。

使う式

q = λ Th – TlL (フーリエの法則・低温側を逆算)
記号:q:熱流束[W/m²] / λ:熱伝導率[W/(m·K)] / L:厚さ[m] / Th,Tl:高温側・低温側表面温度[℃]

解き方

  1. 単位を合わせます:q=6000W/m²、L=0.2m、Th=800℃
  2. 代入します:6000 = 2 × (800 – Tl) ÷ 0.2
  3. 両辺を0.2倍して2で割ると:600 = 800 – Tl / したがって、低い方の温度(Tl) = 200℃ と判明します。
答え:200 ℃(正解の選択肢 (3))
乙R4平均熱伝導率2W/(m·K)の平板の耐火レンガの高温側の表面温度が1300℃、低温側の表+ 解答例
平均熱伝導率2W/(m·K)の平板の耐火レンガの高温側の表面温度が1300℃、低温側の表面温度が900℃、熱流束が4kW/m²であるとき、耐火レンガの厚さ(cm)として、最も近い値はどれか。

使う式

L = λ Δ Tq (フーリエの法則・厚さを逆算)
記号:λ:熱伝導率[W/(m·K)] / Δ T:温度差[K] (1300−900=400) / q:熱流束[W/m²] (4kW/m²=4000)

解き方

  1. L = k × ΔT / q
  2. L = 2 × (1300-900) / 4000 = 800/4000 = **0.2 m = 20 cm**
答え:20 cm(正解の選択肢 (5))
乙R5熱流束(W/m²)として、最も近い値+ 解答例
平均熱伝導率0.1W/(m·K)で厚さ0.3mの平板壁の低温側表面温度が-40℃、高温側表面温度が20℃であった。このとき平板壁を通過する熱流束(W/m²)として、最も近い値はどれか。

使う式

q = k ・ T1 – T2L (フーリエの法則)
記号:q:熱流束[W/m²] / k:熱伝導率[W/(m·K)] / T1, T2:両面温度 / L:平板厚さ

解き方

  1. k = 0.1 W/(m·K), L = 0.3 m
  2. T1 = 20 ℃, T2 = -40 ℃ → 温度差 T1 – T2 = 60 ℃ = 60 K
  3. q = 0.1 × 60 / 0.3 = 20 W/m²
答え:20 W/m²(正解の選択肢 (3))
この問題で多い誤り

  • 温度差の符号間違い
  • ℃とKの混同(差なのでOK)
乙R7厚さ0.2mの平板断熱材の片面を−75℃とし、反対の面を25℃に保った時の熱流束が10W+ 解答例
厚さ0.2mの平板断熱材の片面を−75℃とし、反対の面を25℃に保った時の熱流束が10W/m²であった。このとき、平板断熱材の平均熱伝導率(W/(m·K))として最も近い値はどれか。

使う式

q = λ ・ T2 – T1L
記号:熱流束q=10W/m²、高温側T₂=25℃、低温側T₁=−75℃、温度差T₂−T₁=100K、厚さL=0.2m(フーリエの法則)

解き方

  1. 熱流束 q = 熱伝導率λ×(高温側T₂−低温側T₁)/厚さL
  2. T₂−T₁ = 25−(−75) = 100℃ = 100K
  3. 10 = λ×100/0.2
  4. λ = 10×0.2/100 = 0.02W/(m·K)
答え:0.02 W/(m·K)(正解の選択肢 (2))
この問題で多い誤り

  • 温度差を25−75=−50と誤る(−(−75)で+100K)
  • 厚さLを分子に置く
  • 熱伝達率と熱伝導率を混同する

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