2017年 過去問題 乙種

基礎

 
(基)問1

理想気体を圧力 300kPa、温度300 K、体積 10 ㎥ の状態から、温度 400K、体積 20 ㎥にしたときの圧力(kPa)として、最も近い値はどれか。 

(1)200(2)300 (3)400
(4)600 (5)800
解答
正解→(1)200
ボイルシャルルの法則より、
P1×V1/T1=P×V/TPP1×V1×T/T1×V
P=300×10×400/300×20=200kPa
(基)問2

メタンとプロパンの体積比が1:1の混合ガスの密度を、同じ温度、圧力の空気の密度の倍率で表した場合に、最も近い値はどれか。ただし、空気中の窒素と酸素の体積比は4:1 とし、混合ガス及び空気は理想気体とする。

(1)0.5 (2)1.0 (3)1.5
(4)2.0 (5)2.5
解答
正解→(2)1.0
1モルあたりのメタンの質量
CH4=12+1×4=16g
1モルあたりのプロパンの質量
C3H8=12×3+1×8=44g
1モルあたりの酸素の質量
O2=16×2=32g
1モルあたりの窒素の質量
N2=14×2=28g
混合ガス1モルの質量
16×1/2+44×1/2=30g・・・①
空気1モルの質量
32×1/5+28×4/5=28.8g・・・②
①と②の比をとると
30/28.8≒1.0
(基)問3

一定容積の断熱された容器に入れた温度20°C の空気1kg を、42kJの熱で温めた。加熱後の空気の温度(°C)として、最も近い値はどれか。ただし、空気の定積比熱容量は、0.7 kJ/(kg・K) とする。

(1)40 (2)50 (3)60
(4)70 (5)80
解答
正解→(5)80
容積一定の場合の加熱量は以下の式で求める
加熱量(Q)=m×Cv×(T2-T1
m:物質量 Cv:定積比熱容量 (T2-T1):温度差
42=1×0.7×(T2-20)
T2-20=42/0.7=60
T2=60+20=80℃
(基)問4

気体の熱力学に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 熱力学の第一法則によれば、熱と仕事は等価である。

(2) 熱力学の第二法則によれば、熱は自然には低温度の物体から高温度の物体へ移ることはできない。

(3) 標準状態(圧力 101325 Pa)におけるエントロピーを標準エントロピーと呼び、その値は常に正(温度T>0Kにおいて)となる。

(4) 理想気体を等温膨張させた場合には、圧力は低くなる。

(5) エクセルギーとは、系が外界と平衡状態に達するまでに取り出すことのできる仕事の最小値である。

解答
正解→(5)

(5)誤り 仕事の最小値である → 最大値

(基)問5

次の反応の標準反応熱(kJ/mol)として、最も近い値はどれか。
CH4(g) + 202(g) → CO2(g) + 2H20(g)
ただし、各成分の標準生成熱は以下のとおりとし、(g) は気体状態を示す。

CH4(g): -75 kJ/mol
CO2(g) : – 390 kJ/mol
H2O(g) : – 240 kJ/mol
O2(g) : 0kJ/mol

(1)945 (2)795 (3)-555
(4)-795 (5)-945
解答
正解→(4)-795

標準反応熱=右辺の標準生成熱の和-左辺の標準生成熱の和
=-390+2×(-240)-(-75)
=-390-480+75
-795 kJ/mol

(基)問6

一次反応において、反応物質の濃度が初期濃度から1/2の濃度になるまでに要する時間が10 分であった。初期濃度から1/4の濃度になるまでに要する時間(分)として、最も近い値はどれか。

(1)15 (2)20 (3)25
(4)30 (5)40
解答
正解→(2)20
半減期が10分のため、
10分後は初期濃度の1/2
20分後は10分後の濃度の1/2(初期濃度の1/4)
よって、20分
(基)問7

電気化学反応の電極電位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 電極電位とは、電極と電解質溶液との間の電位差のことである。

(2) 電極電位は、水素電極の標準電極電位を OV とした相対値として表すことが多い。

(3) 標準電極電位が高い金属ほど、イオン化傾向は大きい。

(4) 銅(Cu)の標準電極電位は亜鉛(Zn) より高い。

(5) 2種の金属で標準電極電位が高い方が、電池でプラス側の電極となる。

解答
正解→(3)

(3)誤り イオン化傾向は大きい → 小さい

(基)問8

1㎥を完全燃焼させるのに必要な理論空気量(㎥)として、最も近い値はどれか。 
ただし、気体は標準状態(温度0°C、圧力 101325 Pa)とし、空気中の窒素と酸素の体積比は4:1 とする。 

(1)0.5 (2)1.0 (3)1.5
(4)2.0 (5)2.5
解答
正解→(5)2.5
水素の燃焼反応式
H2+1/2O2→H2O
理論酸素量=1/2(0.5)㎥
理論空気量=理論酸素量/空気中の酸素量の割合
理論空気量=0.5/0.2=2.5㎥
(基)問9

メタンとプロパンの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、気体の体積は標準状態に換算した値とする。 

(1) メタン 2㎥を完全燃焼させるのに酸素が4㎥必要である。

(2) メタン 2㎥ を完全燃焼させると二酸化炭素が4㎥生成する。

(3) メタン 2㎥ を完全燃焼させると水蒸気が4㎥生成する。

(4) プロパン 2㎥ を完全燃焼させるのに酸素が 10 ㎥ 必要である。

(5) プロパン2㎥を完全燃焼させると水蒸気が8㎥生成する。

(1)1 (2)2 (3)3
(4)4 (5)5
解答
正解→(2)

(2)誤り メタン2㎥を完全燃焼させると二酸化炭素が4㎥生成する → 二酸化炭素が2㎥生成する

(基)問10

直円管に空気を流したときのレイノルズ数が 2000 であった。同じ直円管に同じ平均流速で水を流した場合のレイノルズ数として、最も近い値はどれか。ただし、空気の動粘度は16 m㎡/s、水の動粘度は 0.8m㎡/s とする。

(1)100(2)1600(3)4000
(4)20000(5)40000
解答
正解→(5)40000
レイノルズ数(Re)=ρ×u×d/μ→u×d/ν
ρ:密度 u:平均流速 d:管径
μ:粘度 ν:動粘度
空気を流した場合
2000=u×d/16→u×d=2000×16m㎥/s
水を流した場合
Re=u×d/0.8=2000×16/0.8=40000
(基)問11

内径20cm の直円管内を流体が平均流速2.0 m/sで流れるとき、質量流量(kg/s)として、最も近い値はどれか。 ただし、流体の密度は 1000 kg/㎥ とする。

(1)60(2)80(3)120
(4)250(5)1200
解答
正解→(1)60
質量流量は以下の式で求められる
質量流量(Qm)=ρ×u×(π×d2/0.4)
ρ:密度 u:平均流速 (π×/0.4):管の断面積
Qm=1000×2×3.14×0.22/4=6280×0.01=62.8kg/s

(基)問12

平板の定常熱伝導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 熱伝導率は、W/(m・K)を単位として表すことができる。

(2) 熱伝導率が大きい物質では、熱が伝わりやすい。

(3) 平板を通過する熱流束は、両面の温度差に比例する。

(4) 平板を通過する熱流束は、平板の厚みに比例する。

(5) 熱流束は、高温側から低温側の方向を正として伝熱方向を示す。

解答
正解→(4)

(4)平板の厚みに比例する → 反比例

(基)問13

次の説明にあてはまる構造の熱交換器の名称として、適切なものはどれか。
「凹凸形にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重ね合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造」 

(1) 二重管式熱交換器

(2) ジャケット形熱交換器

(3) プレート形熱交換器

(4) ブロック形熱交換器

(5) 多管円筒式熱交換器

解答
正解→(3)プレート形熱交換器
(基)問14

材料に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。 

(1) 安全係数(安全率)が小さいほど、安全に対して余裕がある設計となっている。

(2) 塑性変形では、外力を取り去っても材料が元の形に戻らない。

(3) ひずみの単位は、無次元である。

(4) 応力は、MPaを単位として表すことができる。

(5) 軟鋼の変形において比例限度までは、フックの法則が成立する。

解答
正解→(1)

(1)誤り 安全係数(安全率)が小さいほど、 → 大きいほど

(基)問15

高分子材料の一般的な性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 金属材料に比べて、比重が小さい。

(2) 金属材料に比べて、熱伝導率が小さい。

(3) 金属材料に比べて、引張強さが大きい。

(4) 紫外線を吸収すると、分解することがある。

(5) 高温度で長時間使用していると、熱と空気中の酸素の影響で劣化する。

解答
正解→(3)

(3)誤り 引張強さが大きい → 小さい

 

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