論述 製造

付臭剤

付臭の必要性

・ガス漏えい時に、それを早期に発見し、事故防止を図るため、ガスであることが容易に感知できる臭気を有する必要がある

付臭剤が備えるべき要件

生活臭明瞭に区別でき、かつ、誰もがガス臭と認識でき、インパクトをもった警告臭であること

・低い濃度でも特有の臭気が認められること

嗅覚疲労を起こしにくいこと

・人間に害がなく、毒性もないこと

安定性が良いこと

・完全に燃焼し、燃焼後は無害無臭であること

・物性上、取り扱いが容易であること

土壌透過性が大きいこと

安価で入手出来ること

嗅覚以外の簡易な検知法があること

水に溶けにくいこと

付臭設備

 液体注入式付臭設備

・付臭剤を液状のまま直接ガス流に注入し、ガス中で気化、拡散させる方式

・常に一定の付臭剤添加率を保つことができる

・ガス量その他の変動に適応しやすい

ポンプ注入方式、滴下注入方式とがある

 蒸発式付臭設備

・付臭剤の蒸気をガス臭に混合する方式

・設備費が安く、動力が不要

・設置場所は一般に圧力、温度の変動が小さく、管内ガス流速の大きいところが望ましい

付臭添加率を一定に保つことは困難。

・流量変動の少ない小規模の付臭に用いられる

 液付臭式設備

・原料LPG液中に直接付臭液を注入する

・比較的小規模に適する

流量調整等は不要で、簡単かつ確実な付臭方式である

付臭測定方法

パネル法 

オドロメーター法、注射器法、におい袋法のいずれかを用いる

・試験ガスを清浄な空気で希釈し、4名以上のパネルによって臭いの有無を判定し、ガス濃度を求める

・パネル法による臭気濃度の管理値は、1,000倍以上とする必要がある

付臭剤濃度測定法

分析器により測定

・パネル法にて測定した基準臭気濃度との対応を求めて換算する

FPDガスクロマトグラフ法、THT測定機法、検知管法とがある

供給ガスの品質管理(管理上の留意点)

熱量・燃焼性

毎日1回、ガス事業法で定められた方法に従い、製造所の出口で測定し、記録

燃焼性を表す指標のウォッベ指数(WI)燃焼速度(MCP)は、ガスの組成により変動する

異なる種類のガスを混合して送出する場合、製造所の出口付近の熱量を常時監視

臭気

供給ガスが漏えいした場合に、早期発見・事故防止を図るため、容易に感知する必要あり

適切な付臭剤を選択し、付臭設備を適正に管理

臭気濃度は、パネル法による官能試験又は付臭剤濃度と臭気濃度の相関から求める

不純物

硫黄全量、硫化水素、アンモニアが定められた数量を超えないように管理する

※定められた量⇒硫黄全量:0.5g/㎥以下、硫化水素:0.02g/㎥以下、アンモニア0.2g/㎥以下

露点

ガス中に多量の水分が含まれていると導管の閉塞等のトラブルが発生するため、導管の中で結露しない露点まで脱水するよう、脱水装置の管理を行う

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