2023年ガス主任技術者試験 乙種 基礎理論解答

みなさま、ごきげんよう。

乙種の基礎理論の解説を作成しました。

間違っているところがあれば教えてください!

※9/29 間違いを修正しました。

(基)問1 温度 27°C、圧力100kPa、 体積 33m3のプロパンの質量(kg) として、最も近い値はどれか。ただし、プロパンは理想気体とし、 気体定数R=8.3J/ (mol・K) とする。

PV=nRT
100(P)×33(V)=n×8.3(R)×300(T) ※℃をKへ変換 27℃→300K
3300=2490n 両辺を2490で割る
n=1.32kmol
1kmolあたり44kgなので
44(kg)×1.32(kmol)=58.08kg

解答(4) 58

(基)問2 気体の諸性質及び気体の状態変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 (1) 常圧での気体の粘度は、液体の粘度に比べて小さく、温度の上昇とともに減少する。
誤り 気体の粘度は液体の粘度と比べると小さい
         気体の粘度は温度が高くなると大きくなるが、圧力が変わってもほとんど変わらない

(2) ヘンリーの法則によれば、溶解度が小さい場合、一定温度で一定質量の液体に溶解する気体の質量は、気体の圧力に比例する。

(3)相変化を伴わない物質の温度変化により吸収又は放出される熱を顕熱、相変化に伴い吸収又は放出される熱を潜熱という。

(4)沸騰が続いている間に液体が吸収する熱量を蒸発熱という。

(5)実在気体は、高温あるいは低圧の条件では、理想気体に近い性状を示す。

(基)問3 質量基準でメタン50%と水素50%の混合ガスの全圧が200kPaであるときのメタンの分圧(kPa) として、最も近い値はどれか。

メタン:CH4=16
水素H2=2
メタンは16gで1mol、水素は2グラムで1mol
質量を基準として、メタンと水素をそろれぞれ50%にすると
モル比率は、1:8となる。
(上記混合気体が32gの場合、メタンと水素がそれぞれ16gとなり、
モル数はメタンが1、水素が8となる)
ドルトンの分圧の法則より、分圧の比率とモルの比率は等しいため、
メタンの分圧=1(メタンのモル数)/9(全モル数)
=22.222…

解答(1)20

(基) 問4 カルノーサイクルにおいて、高温熱源から700Jの熱を受け取り、低温熱源に200Jの熱を放出して仕事を取り出した。 このときの熱効率 (%)として、 最も近い値はどれか。

(1) 10 (2) 30 (3) 50 (4) 70 (5) 90

 

熱効率=(高温熱源―低温熱源)/高温熱源
   =(700-200)/700
   =0.714

解答(4) 70

(基) 問5 容積一定の断熱容器に入れた温度 300K、質量2kgの空気を加熱して350Kにするために必要な熱量(kJ)として、最も近い値はどれか。ただし、空気の定積比熱容量 Cv=0.7kJ/(kg・K)とする。

(1) 18 (2) 28 (3) 35 (4) 70 (5) 105

加えられた熱量(Q)=空気の量(m)定積比熱容量(Cv)×上昇温度(T2-T1)
=2×0.7×50
=70

正解(4) 70

(基) 問6 化学反応に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。

 (1)一定温度条件で、化学反応に伴い発生する、 若しくは吸収される熱のことを反応熱という。

(2)物質から水素を取りさる反応は、酸化反応である。

(3)化学反応は、分子・原子の衝突や光の吸収によって起こる。

(4) 触媒は、平衡定数に影響を与えない。

(5) 速度定数は、反応温度によらず一定である。
誤り 速度定数は、温度一定のもとではその反応に固有な定数

(基) 問7 燃料電池に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。

 (1) 固体高分子形、リン酸形、固体酸化物形などの種類がある。

(2)水素と酸素を電気化学的に反応させて発電できる。

(3)理論起電力は、 熱力学的に求めることができる。

(4) 電流を増加させたときの電圧を低下させる要因のひとつに電池内部の内部抵抗がある。

(5)アノードとカソードのみで構成される。
誤り 燃料電池の構成は他の電池と同じで、電解質、アノード電極、カソード電極である

(基) 問8 可燃性ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 (1)水素の層流燃焼速度はメタンと比べて大きく、空気比 0.5付近が最大となる。

(2)メタンの燃焼上限界 (vol%) は、水素の燃焼上限界(vol%) より低い。

(3)燃焼範囲は、温度の影響を受けない。
誤り 可燃性ガスの燃焼範囲は、温度が高くなると広くなる。

(4)燃焼範囲は、 圧力の影響を受ける。

(5)可燃性ガスと空気からなる爆発性混合ガスに、不活性ガスを混合すると、 燃焼上限界は低下する。

(基) 問9メタン3m3 を空気 40mで完全燃焼させた。空気比として、最も近い値はどれか。ただし、メタン及び空気は標準状態 (0°C、101325Pa) とし、 空気中の窒素と酸素の体積比は4:1とする。

(1) 0.75 (2) 0.92 (3) 1.2 (4) 1.3 (5) 1.4

CH4+2O2→CO2+2H2O メタン1m3あたりの化学反応式
3CH4+6O2→3CO2+6H2O メタン3m3あたりの化学反応式
理論酸素量が6なので、理論空気量は6×5=30
空気比=供給空気量/理論空気量なので
空気比=40/30=1.3. . .

解答(4) 1.3

(基)問10 流体に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 (1) 直円管内の完全に発達した層流における管内の圧力損失は、流量、平均流速に比例する。

(2)直円管内の流れでは、レイノルズ数がある値以上となると層流から乱流に遷移する。

(3)粘度を密度で割った値を動粘度といい、単位はm/sを用いる。
誤り 粘度を密度で割った値を動粘度といい、単位は㎡/sを用いる。

(4) 管路内で、 急激に流れの方向を変化させる部分をエルボといい、ゆるやかに流れが曲がる部分をベンドという

(5) 非圧縮性、非粘性流体の定常流では、流線上でベルヌーイの式が成立する。

(基) 問11 ある流体が直円管内を平均流速 4m/s で流れている。流体の質量流量が3.14kg/sのとき、直円管の内径(m) として、 最も近い値はどれか。 ただし、 流体の密度は1kg/m3とする。

(1) 0.5 (2) 1.0 (3) 1.5 (4) 2.0 (5) 2.5

質量流量(Qm)=密度(ρ)×{(円周率×管径^2)/4} ×平均流速(u)
3.14(Qm)=1(ρ)×{(3.14×d^2)/4} ×4(u) 両辺を3.14で割る
1={(d^2)/4}/4 両辺に4をかける
4=(d^2)/4} 両辺に4をかける
1=d^2
d=1

解答(2) 1.0

(基)問12 平均熱伝導率 0.1W/(m・K)で厚さ0.3mの平板壁の低温側表面温度が-40°C、高温側表面温度が20°Cであった。このとき平板壁を通過する熱流束 (W/m2)として、最も近い値はどれか。

 

(1) 2 (2) 10 (3) 20 (4) 50 (5) 100 

熱流束(q)=λ×(温度差)/長さ
=0.1×(20―(-40))/0.3
=20

解答(3) 20

(基) 問13 熱放射に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 (1) 放射率は、 物体表面の性状によって異なる。

(2) 実在物体の全放射能は、黒体に比べて大きくなる。
誤り 実在物体の全放射能(E)は黒体よりも小さくなる
式:E =εσT4

(3)外部から入射してくる電磁波を完全に吸収する物体を黒体という。

(4)黒体でない物体表面では、熱放射すると同時に他の物体表面からの熱放射エネルギーの一部を吸収する。

(5)熱放射では、真空中においても伝熱する。

(基)問14 材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 (1) 応力にともなって生ずる変形量の変形前長さに対する割合をひずみという。

(2) 塑性変形では、外力を取り去っても材料が元の形に戻らない。

(3) 薄肉円筒の内圧(円筒外部との圧力差)による円周応力は、内圧と内径に比例する。

(4) 薄肉円筒の内圧 (円筒外部との圧力差) による軸応力は、内圧と内径に比例する。

(5) 許容応力は、 基準強さ (破損限度) と安全係数(安全率)の積で求められる。
誤り 安全率は材料の基準強さ(破損限度)と許容応力との比であり

(基) 問15 ある金属材料に図のように一定の力を加えた。 引張応力が200kPa、原断面積 A が 100cm2のとき、力(kN) として最も近い値はどれか。

(1) 0.02 (2) 2 (3)200 (4) 20000 (5) 2000000

応力(σ)=力(P)/原断面積(A)
100㎝2→10㎝×10㎝ → 0.1m×0.1m→0.01m2
200=P/0.01 → 200=(P×100)/1
P=2

解答(2)2

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