消費機器 part6 コージェネレーションシステム(CGS)

テキスト

ガスCGS

  ガスエンジン式CGS ガスタービン式CGS
出力 電気出力が大きい 熱出力が大きい
廃熱回収 主に温水で回収 主に蒸気で回収
種類 温水回収タイプ
ジャケット冷却水と燃焼排ガスから、温水を回収して利用する。
蒸気・温水回収タイプ
ジャケット冷却水から温水、燃焼排ガスから高圧蒸気を回収する
廃熱助熱タイプ
ガスタービンの廃ガスを、加熱することにより多量の蒸気を取り出す。
コンバインドサイクル
廃熱ボイラから回収した蒸気をスチームタービンへ送り、発電を行う。
用途 家庭用、商業用、産業用 主に産業用
その他 非常用兼用機を用いて、常用と非常用に切替可能。 空冷式(冷却水は不要

運転方式

電主熱従運転
  • 電力の負荷に合わせて発電。
  • 発電時に出た廃熱を、可能な限り利用し、余剰分は放熱する。
 ピークカット運転
  • 電力料金の高い時間帯(昼間)に停止することで、電気基本料金を安くする方法。
 ベースロード運転
  • 発電量を、ほぼ一定に保ち長時間運転させる方法。
  • 発電効率が高くなる。
熱主電従運転
  •  熱負荷に合わせて、廃熱の利用量だけ発電する。

NOx削減

CGSにおいて発生するNOxを削減する方法

  1.  燃焼改善によりNOxを削減
  2.  排ガス処理によりNOxを除去

系統連系

  • 一般的な商用配電線網に、発電設備を連携して運転すること
通常の電路

系統連系上の電路

  • 一定条件を満たせば、逆潮流して電力会社に売電することも可能。

燃料電池システム

  • 都市ガスから作った水素と、空気中の酸素との、電気化学反応を利用して、電力と熱を同時に供給するシステム
  • エネファーム」:家庭用燃料電池システム
  • エコウィル」:家庭用ガスエンジン
※エコウィルは貯湯タンクがないため、補助熱源機が必要

都市ガスから水素を取り出す方法

水蒸気改質
  •  吸熱反応であるため、外部より熱を加える。
  •  水素製造効率に優れている。

 電解質の種類

  • 下記の通りに分類される。
  電解質 作動温度 発電効率
固体高分子形
(PEFC)
高分子膜
リン酸形
(PAFC)
リン酸水溶液
固体酸化物形
(SOFC)
セラミックス
溶融炭酸塩形
(MCFC)
溶融炭酸塩

固体高分子系

  •  他の方式と比較して、起動・停止が容易
  •  燃料電池の触媒保護するために、一酸化炭素除去器が必要

ミニテスト

第1問

固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、発電効率も固体酸化物燃料電池より低い
★正しい
固体高分子形燃料電池は、作動温度が高く、発電効率も固体酸化物燃料電池より高い
不正解、高い→低い

第2問

固体高分子形燃料電池は、水素イオンが電解質を通って燃料極から空気極へ移動することにより発電を行う
正しい
固体高分子形燃料電池は、水素イオンが電解質を通って空気極から燃料極へ移動することにより発電を行う
不正解、空気極から燃料極へ移動→燃料極から空気極へ移動

第3問

温水回収タイプでは、ジャケット冷却水と排ガス系との一連の熱交換機から蒸気として廃熱を回収する
不正解 蒸気として廃熱を回収する→温水として廃熱を回収する
温水回収タイプでは、ジャケット冷却水と排ガス系との一連の熱交換機から温水として廃熱を回収する
正しい

第4問

固体酸化物形燃料電池は、他の方式の燃料電池に比べて起動・停止が容易である
不正解、 固体酸化物形燃料電池は→個体高分子形燃料電池は
個体高分子形燃料電池は、他の方式の燃料電池に比べて起動・停止が容易である
正しい

第5問

固体酸化物形燃料電池には、高分子膜を材料とする電解質が用いられている
不正解、高分子膜を材料とする→セラミックスを材料
固体酸化物形燃料電池には、セラミックスを材料とする電解質が用いられている
正しい

第6問

ガスエンジン式では、排ガス温度が低いため、廃熱は主に温水として回収される
不正解、ガスエンジン式では→ガスタービン式では
ガスタービン式では、排ガス温度が低いため、廃熱は主に温水として回収される
正しい

過去問題

第1問

コージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)ガスタービンは空冷式のため、冷却水が不要である

(2)熱主電従運転では電力の負荷に合わせて発電し、廃熱はできるだけ利用する

(3)系統連携した場合、一定の条件を満たせば、発電した余剰電力を電力系統に逆潮流することができる

(4)家庭用コージェネレーションシステムの発電効率は、ガスエンジン式より燃料電池式のほうが高い

(5)家庭用燃料電池コージェネレーションシステムには、発電運転中に停電が発生したときでも運転を継続し、家庭に電力を供給できるものがある

解答
正解→(2)

(2)誤り 熱主電従運転では熱負荷に合わせて廃熱の利用分だけを発電する

第2問

家庭用コージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)固体酸化物形燃料電池には、セラミックスを材料とする電解質が用いられている

(2)個体高分子形燃料電池は、他の方式の燃料電池に比べて起動・停止が容易である

(3)エネファームに比べエコウィルは排熱回収効率が高いため、補助熱源機を要しない

(4)エネファームでは、都市ガスから水素を生成するために、主に水蒸気改質反応を用いている

(5)エコウィルには、エンジンからの排ガス中に含まれるCOやNOxを浄化するための触媒反応器が搭載されてい

解答
正解→(3)

(3)誤り 補助熱源機を要しない → (貯湯タンクがないため、)補助熱源機を必要とする

 

第3問

コージェネレーションシステム(CGS)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)運転方式には電主熱従運転と熱主熱従運転とがあり、前者は更に発電目的によりピークカット運転とベースロード運転とに分けられる

(2)ガスタービン式では、排ガス温度が低いため、廃熱は主に温水として回収される

(3)ガスタービン式のバリエーションである排気助熱サイクルでは、排ガスを加熱することにより、廃熱ボイラーから多量の蒸気を取り出すことができる

(4)ガスエンジン式のバリエーションである温水回収タイプでは、ジャケット冷却水と排ガス系との一連の熱交換機から温水として廃熱を回収する

(5)CGSから排出されるNOxを低減する方法には、燃焼改善によりNOxを除去する方法と排ガス処理によりNOxを除去する方法がある

解答
正解→(2)

(2)誤り ガスタービン式では、排ガス温度が高いため、廃熱は主に蒸気として回収される

 

第4問

燃料電池システムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)固体高分子形燃料電池は、水素イオンが電解質を通って燃料極から空気極へ移動することにより発電を行う

(2)溶融炭酸塩形燃料電池は、炭酸イオンが電解質を通って空気極へ移動することにより発電を行う

(3)固体高分子燃料電池では、燃料電池本体の触媒を保護するために、その前段に一酸化炭素除去器が必要である

(4)都市ガスを改質する方法のうち、エネファームでも用いられている水蒸気改質方式の化学反応は吸収反応である

(5)固体高分子形燃料電池は、作動温度が高く、発電効率も固体酸化物燃料電池より高い

解答
正解→(5)

(5)誤り 固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、発電効率も固体酸化物燃料電池より低い

 

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