テキスト
ガスの冷暖房設備
吸収式
- 吸収冷温水機、吸収冷凍機、吸収ヒートポンプ
圧縮式
- GHP(ガスエンジンヒートポンプ)
吸収式
仕組み(単効用吸収冷凍サイクル)
- 蒸発→吸収→再生→凝縮のサイクルを繰り返す
- 冷媒は水、冷媒蒸気は水蒸気、吸収剤は臭化リチウム水溶液
各工程
- 蒸発器:冷媒が蒸発するときの潜熱を利用して冷水が作られる
- 吸収器:蒸発器で作られた冷媒蒸気を吸収液に吸収させる
- 再生器:冷媒を吸収した吸収液を加熱して濃縮する
- 凝縮器:再生器から送られた冷媒蒸気を冷却して液体(水)に戻す
仕組み(二重効用吸収冷凍サイクル)
- 単効用吸収冷凍サイクルに、高温再生器をもう一つ加えたもの
- 高温再生器で発生した冷媒の凝縮熱を低温再生器で加熱に利用
- 単効用に比べて冷却水に捨てられる熱の比率が小さく、COPは約2倍
冷凍機に関する係数
- COP(冷凍機の運転性能を表す)=冷凍能力(kW)/ガス加熱量(kW)
- 1冷凍トン(冷凍機の能力を表す):0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするために取り去る熱量
吸収冷凍機・吸収冷温水機
- フロンを使用しない空調方式・低NOX
- 運転にボイラー技士等の資格者が不要
- 吸収冷温水機はガスを加熱源とするもの(二重効用型、三重効用型)と、コージェネレーションシステム等からの廃熱を加熱源とするものがある
GHP(ガスエンジンヒートポンプ)
- ガスエンジンによる冷媒蒸気圧縮サイクルを利用した冷暖房システム
- 電力の夏期ピーク需要抑制に貢献できる機器として開発
- 投入するガスの熱量を上回る冷暖房能力を得ることができる
- 冷媒はフロン
構成部品
蒸発器・凝縮器・圧縮機・膨張弁・四方(切替)弁・レシーバータンク
- 膨張弁:フロン液が蒸発しやすいように減圧する弁
- 四方(切替)弁:冷暖房の切り替えのために用いる弁
- レシーバータンク:凝縮器で液化した冷媒を一時貯蔵する容器
仕組み(冷房サイクル)
各工程
- 圧縮機:ガスエンジンによりコンプレッサーで冷媒を圧縮
- 凝縮器:室外機内の熱交換器で凝縮熱を出して液化
- 膨張弁:膨張弁で膨張
- 蒸発器:室内機内の熱交換器で室内空気から熱を奪って蒸発(冷房効果)
仕組み(暖房サイクル)
各工程
- 圧縮機:ガスエンジンによりコンプレッサーで冷媒を圧縮
- 凝縮器:室内機内の熱交換器で凝縮熱を出して液化(暖房効果)
- 膨張弁:膨張弁で膨張
- 蒸発器:室外機内の熱交換器で外気から熱を奪って蒸発
※1台の室外機で冷房と暖房とを同時に行うことができるものがある
ミニテスト
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
過去問題
第1問
ガス冷暖房等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ガスタービン式コージェネレーションシステムは、ガスエンジン式と比べて小規模な需要にも対応できる。
(2)1冷凍トンとは、0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするために取り去る熱量をいう
(3)ガスエンジンヒートポンプの主要構成部品は、蒸発器、凝縮器、圧縮機、膨張弁、四方(切替)弁とレシーバータンクである。
(4)GHPの冷房と暖房の切替は、室外機内で冷媒の流路を切り替えることによって行う。
(5)現在使用されている天然ガス自動車のほとんどは、圧縮天然ガス自動車である。
第2問
ガス冷暖房とコージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、誤っているものの組み合わせはどれか
(イ)GHPの性能を表す数値として、近年では通年エネルギー消費効率(APFp)が用いられている。
(ロ)GHPの中には、1台の室外機で冷房と暖房とを同時に行うことができるものがある。
(ハ)固体高分子形燃焼電池は、酸素イオンが電解質の中を移動し、水素と反応することによって発電を行う。
(二)1冷凍トンとは、0℃の水1トンを1時間で0℃の氷にする冷凍能力である。
(ホ)吸収冷温水機は、冷媒に水を用いるノンフロン空調機である。
(4)ハ、二(5)二、ホ
第3問
ガス冷暖房に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)冷暖房方式には冷凍機の原理により吸収式と圧縮式とがあり、ガスエンジンヒートポンプ(GHP)は圧縮式に属する。
(2)吸収冷温水期には、ガスを加熱源としたものに加えて、ガスコージェネレーションシステムの排熱を加熱源として組み合わせたのがある。
(3)GHPの冷房サイクルでは、室外機内の熱交換機を蒸発器として利用している。
(4)GHPは、投入するガスの熱量を上回る冷暖房能力を得ることができない。
(5)吸収冷凍機の蒸発器では、冷媒が蒸発する時の潜熱を利用して冷水が作られる。
第4問
ガス冷暖房、業務用ガス機器及び家庭用コージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか
(イ)吸収冷凍機は、冷媒に臭化リチウムを用いたノンフロン空調機である。
(ロ)二重効用吸収冷凍サイクルの濃縮行程では、冷媒は低温再生器を経て高温再生器に至る。
(ハ)一度に大量の炊飯を行うことができる立体式炊飯器は、低輻射熱機器が開発されている。
(二)排気温度センサーやCOセンサー等の安全装置を備えた「排気ダクト接続型給湯器」には、潜熱回収型のものはない。
(ホ)固体高分子形燃焼電池コージェネレーションシステムには、一酸化炭素除去機が搭載されている。
(4)ハ、ホ(5)二、ホ