テキスト
安全装置
過熱防止装置
- ガス機器本体が異常過熱した際に自動的にガスを遮断する装置
バイメタル式
- 熱膨張率の異なる2種類の金属板を貼り合わせて作られたバイメタルが、温度が上昇すると金属板が湾曲(反転)し電気回路の接点を開閉する
温度ヒューズ式
- 異常過熱があった際にヒューズが溶断することにより電気回路を切ってガスを遮断する。再起動には温度ヒューズの交換が必要である。
空だき防止装置
- 温水機器やふろがま内に水がない場合、バーナーのガス通路を開けず、空だきにならないようにする装置
水流スイッチ
- ダイヤフラム式は水圧差を利用
水量センサー(給湯回路)
- 通水量が一定以上の場合ガスを通す
水位スイッチ(ふろがま)
- 水位によって起こる圧力変動を利用
立ち消え安全装置
- 点火時の不点火、立消え、吹消え等による生ガスの流出を防止する装置
熱電対式
- 炎による熱起電力の変化を利用する
- 炎がある際に発生する熱起電力でガス電磁弁の開状態を保持する
フレームロッド式
- 炎の導電性と整流性を利用
- 熱電対式に比べて応答速度が速い
調理油過熱防止装置
- 天ぷら油の自然発火温度:約370℃
→鍋底温度がその手前の250℃になったら自動的にガスを止める装置 - 卓上型一ロコンロを除くすべての家庭用コンロの全バーナーに搭載が義務付けられている。
- 鍋底温度センサー:主としてサーミスターを使用
- センサーは油温度調節機能や炊飯機能にも利用
点火時安全装置
- 燃焼室をもつガス機器(半密閉式・密閉式)の残留未燃ガスによる爆発点火を防止するもの
- 3種類ある(風量スイッチ方式、風圧スイッチ方式、ファン回転検知方式)
ファン回転検知式
- ファン回転を電気的に検知してから点火動作に入る
転倒時安全装置
- ガス機器が転倒した際にガスを遮断する装置
仕組み | 使用機器 | |
鋼球式傾斜スイッチ方式 | 転倒時に、鋼球が転がって 回路が切れる |
ファンヒータ- |
転倒バルブ方式 | 転倒時にバルブが閉じ消火 | ストーブ |
不完全燃焼防止装置
開放式湯沸器
- 換気不良による室内・酸素濃度の低下・熱交換器のフィン詰まりによる二次空気の供給不足の場合、不完全燃焼が生じる場合がある
- 不完全燃焼防止装置と再点火防止装置(インターロック機構)が法律で義務付けられている
熱電対式
- 立消え安全装置の熱電対と逆極性で接続された熱電対(逆バイアス熱電対)の二つの熱電対で構成される
- 燃焼排ガスのあふれを熱電対で検知し、ガスを遮断
- 排ガス中の一酸化炭素濃度(体積%)が0.03%以下で、ガス通路を遮断
CF式ふろがま
- 浴室内の圧力が外気圧より低くなると燃焼排ガスが逆風止めから浴室に逆流し、不完全燃焼が生じる場合がある
サーミスタ式
- 逆風止め部に取り付けた2個のサーミスターにより燃焼排ガスの逆流を検知して、バーナーへのガス通路を遮断する
熱電対式
- 不完全燃焼により起電力が低下した場合、ガスを遮断する
- ふろがまの上部から燃焼空気を給気する構造
ファンヒーター
熱電対式
- 熱電対を炎の中に置き、異常燃焼時の火炎の形状変化を熱起電力の変化として捉える
- 立消え安全装置及び不完全燃焼防止装置の装着が法令で義務付けられており、不完全燃焼防止装置は立消え安全装置も兼ねている
FE式、FF式給湯器
- COセンサーが熱交換器上部の燃焼排ガス中に取り付けられている
- COセンサーは3種類(接触燃焼式・半導体式・固体電解質式)
ガス栓・接続具
※画像を検索して機器と接続具の組合せをイメージすると覚えやすい
ガスコード
- 鋼線で補強されたゴム製ホースの両端に迅速継手がついた定尺の接続具
- 適用ガス機器のインプット制限や、長さの制限がある
- 両端に迅速継手または継手がついている
ガスソフトコード
- 表面が樹脂コーティングされたゴム管
強化ガスホース
- 網状のワイヤーによって強化されたゴム製のホース
- 可とう性があり、耐切断性、耐候性などに優れる
- 踏まれてもガスの流れが停止しにくい
- ゴム材料を使用しているので、高温になる場所では使用不可
金属可とう管
- 鋼管より可とう性(曲げやすさ)のある金属管
機器接続ガス栓
- ねじにより直接機器に接続するガス栓
- 給湯器等に使用される
ガスコード | ガスソフトコード | 強化ガスホース | 金属可とう管 | |
対応機器 | 移動型機器 | 固定型機器 | ||
使用例 | ファンヒーター 炊飯器 |
テーブルコンロ | 小型湯沸器 ふろがま |
ビルトインコンロ RF給湯器 |
ガス栓 | コンセントガス栓 ガスコンセント |
ホースガス栓 | 可とう管ガス栓 | ねじガス栓 |
ガスコンセント
- コンセント継手を接続するだけで栓が開き、外すと栓が閉じる構造
(電気のコンセントの使い勝手のイメージ) - 過大流量のガスが流れた場合、バネ式のヒューズ弁が作動し、ガスを遮断
- ガスコンセントに接続するためには迅速継手が必要
迅速継手化するための道具
- ゴム管用ソケット:ガスソフトコードに取り付ける
- 器具用スリムプラグ:ガス機器のホースエンド(※)に取り付ける
- ガス栓用プラグ:ホースエンドガス栓(※)に取り付ける
※ホースエンド:ソフトコード等を直接差し込んで接続するもの
ヒューズガス栓
- ガス栓側やガス器具側でゴム管が外れたり、ゴム管が途中で切れた場合に自動的にガスを止める機能をもったガス栓
- 過大な流量のガスが流れると、ヒューズボール又はヒューズ弁が押し上げられて通過孔をふさぎ、ガスを遮断する構造
- 新設の家庭用のガス栓でねじ接続以外のものには、ヒューズ機構が必要
- ガス種、インプット、接続形状を考慮して使用する
ON/OFF機構
- つまみの開閉位置にかかわらず、内部の栓が常に「全開」又は「全閉」の状態を維持し、ヒューズ機構を補完する機構(中途半端な状態をなくす)
警報器
- ガス漏れ警報だけでなく不完全燃焼警報や火災警報も備えたものもある
- 爆発下限界の1/4以上のときに作動し、1/200以下のときに警報を発しないことが法律で規定されている
- ガス機器が設置してある部屋と同一室内に設置しなければならない
警報器の設置位置
- 空気より軽いガス用(都市ガス):天井より30cm以内、水平距離8m以内
- 空気より重いガス用:機器から水平距離4m以内、床面より30cm以下
半導体式 | 熱線型半導体式 | 接触燃焼式 |
可燃性ガスが表面の半導体に化学吸着して半導体の電気伝導度が上昇する性質を利用 | 可燃性ガスが表面で酸化発熱して電気抵抗が増大する性質を利用 | |
酸化スズや酸化鉄の焼結体を350℃前後に昇温 | 白金線のコイルに酸化スズ等の金属半導体を塗布し焼結させ、 約300~450℃に昇温 |
白金線にアルミナ等を焼結し表面に触媒を保持させ500℃前後に昇温 |
濃度の薄いガスに対し比較的敏感ガス濃度が上昇に伴い、その出力上昇は緩やかになる | 出力電圧はガス濃度とほぼ比例関係 |
※仕組みが理解できなくても各種のキーワードだけでも覚えると◎
業務用換気警報器(業務用厨房不完全燃焼警報センサー)
- CO中毒防止が目的
- 血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度の推定演算を行い、その値が設定値に達した時に警報を発する
- 一般的に電気化学式COセンサーが採用されている
- 厨房機器点火時に発生する一過性の一酸化炭素では反応しないよう設計
ミニテスト
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
第8問
第9問
第10問
第11問
第12問
第13問
第14問
第15問
第16問
第17問
第18問
第19問
第20問
過去問題
第1問
ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)機器を過熱させないことを目的として搭載されている安全装置には、過熱防止装置、空だき安全装置、点火時安全装置等がある。
(2)残火安全装置には、バイメタル式と温度ヒューズ式とがある。
(3)調理油過熱防止装置は、現在販売されている家庭用こんろ(卓上型の一口こんろを除く)の全口に搭載されている。
(4)電気制御回路を持たないガスストーブには、主に鋼球式傾斜スイッチ方式の転倒時安全装置が搭載されている。
(5)ファンヒーターの不完全燃焼防止装置には、立ち消え安全装置と兼用でフレームロッドが用いられている。
第2問
ガス機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ファンヒーターは、転倒したり強い衝撃が加わったとき、ガスを遮断し火災を防止する転倒時安全装置を搭載している。
(2)ガスこんろには、「鍋なし検知機能」や、地震や激しい衝撃を受けたときに自然消火する「感震自動消火装置」が装備されているものがある。
(3)現在製造されている家庭用ビルトインこんろは、ガス事業法で定めるガス用品の規制対象であり、全口に調理油過熱防止装置を標準で搭載している。
(4)炊飯器の自動消火装置には、フェライト式、サーミスター式、ヒュージブルメタル式、バイメタル式の4種類があるが、フェライト式は現在使用されていない。
(5)屋内式ガス瞬間湯沸器と屋内式ガスバーナー付ふろがまは、長期使用製品安全点検制度における特定保守製品に指定されている。
第3問
ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)すべての業務用ガスこんろには、立ち消え安全装置と調理油過熱防止装置が搭載されている。
(2)ファンヒーターには、不完全燃焼を防止する装置が搭載されていない。
(3)赤外線ストーブの不完全燃焼防止装置には、サーミスターが用いられている。
(4)FF暖房機の立ち消え安全装置には、フレームロットが用いられている。
(5)衣類乾燥機の立ち消え安全装置には、温度ヒューズが用いられている。
第4問
ガス機器の安全装置の作動原理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)熱電対式の立ち消え安全装置では、熱起電力によりガス電磁弁を開状態に保持する。
(2)温度ヒューズ式の過熱防止装置では、ヒューズが溶断することにより電気回路を切ってガスを遮断する。
(3)水量センサー式の空だき防止装置では、通水量が一定以上にならないとガス電磁弁が開かない。
(4)バイメタル式の空だき安全装置では、水圧変化を利用して電気回路を切ってガスを遮断する。
(5)COセンサー式の不完全燃焼防止装置では、排ガス中の一酸化炭素濃度を検出している。
第5問
ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)開放式瞬間湯沸器の熱交換器フィン詰まりによる不完全燃焼の発生時は、燃焼排ガスのあふれを熱電対で検知し、ガスを遮断する。
(2)浴室内に設置されているCF式ふろがまは、浴室内の圧力が外気圧より高くなると燃焼排ガスが逆風止めから浴室に逆流し、不完全燃焼を起こすことがある。
(3)消し忘れ防止装置には、長時間使用による事故を未然に防ぐ効果があり、開放式瞬間湯沸器では一定時間経過後にガスを遮断する。
(4)ガス供給圧力の増加によるオーバーインプット等を防止するため、ガスガバナーが組み込まれた湯沸器、ふろがま等のガス機器がある。
(5)立ち消え安全装置には熱電対式とフレームロッド式とがあり、ファンヒーターには主に熱電対式が用いられている。
第6問
ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ガス機器本体が異常過熱した際に自動的にガスを遮断する過熱防止装置には、バイメタル式と温度ヒューズ式とがある。
(2)立ち消え安全装置のうち、熱電対式は火炎の有無を温度で検知するもので、フレームロッド式は炎の導電性と整流性を利用して火炎の有無を検知するものである。
(3)温水機器内の通水路に残留する水が凍結しないよう用いられる凍結予防装置には、「排水」、「流動」、「加熱」のいずれかの手法を用いることが一般的である。
(4)接触燃焼式COセンサーは、白金コイル上に酸化スズを塗布し焼結したものであり、一酸化炭素が酸化スズに接触すると酸化反応が起こり、電気抵抗値が減少する。
(5)点火時安全装置には、風量スイッチ方式、風圧スイッチ方式、ファン回転検知方式の3つがある。
第7問
ガス栓と接続具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ヒューズガス栓には、作業流量の異なるいくつかの種類があり、使用機器インプット等に応じて選択する必要がある。
(2)ヒューズガス栓には、ガスヒューズが作動した場合、通常使用状態へ戻すためのリセット機構は内蔵されていない。
(3)ガスコンセントは、コンセント継手が接続されると通路が開状態となる。
(4)家庭用オーブンとねじガス栓との接続には、金属可とう管が用いられる。
(5)小型湯沸器と可とう管ガス栓との接続には、強化ガスホースが用いられる。
第8問
ガス接続具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ヒューズガス栓は、過大流量のガスが流れるとヒューズボール等が移動し、通過孔をふさぐことによりガスを遮断する。
(2)ヒューズガス栓の作動流量は、ガス栓本体に表示されている。
(3)ガスコードは、鋼線で補強されたゴム製ホースの両端に迅速継手がついている定尺の接続具である。
(4)ガス栓用プラグはガスソフトコードに取り付けて使用し、コンセント口のガス栓と接続する迅速継手である。
(5)ビルトインこんろとガス栓との接続には、一般に金属可とう管が使用されている。
第9問
ガス機器の接続及び警報器に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)テーブルこんろの接続口には、ゴム管とゴム管止めで接続してはいけない。
(2)現在製造されているBF―DP式ふろがまを設置する場合、ゴム管とゴム管止めを使用してもよい。
(3)現在製造されている開放式瞬間湯沸器を設置する場合は、ガスコードを使用してもよい。
(4)空気より軽い都市ガスを検知する都市ガス警報器は、警報器を天井より30cm以内に設置する。
(5)都市ガス警報器は、ガス機器からの水平距離が設置条件として定められているが、ガス機器が設置してある部屋と同一室内でなくてもよい。
第10問
ガス機器の接続及び警報器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)強化ガスホースは、銅線で補強されたゴム製ホースの両端に迅速継手がついた定尺の接続具で、ガスコンセントとファンヒーターとの接続に用いられる。
(2)ビルトインこんろには、一般的に機器接続ガス栓を用いてガス配管と接続される。
(3)ガスコンセントは、コンセント継手を接続するだけで円筒栓が開き、外すと円筒栓が閉じる構造になっている。
(4)都市ガス警報器は、ガスの濃度が爆発下限の4分の1以上のときに確実に作動しなければならない。
(5)住宅用火災警報器の検知方式には、煙式(光電式)と熱式(定温式)とがある。
第11問
ガス機器とガス栓との接続および警報器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ガスコンセントは、接続具が外れた場合はガスが流出しない構造となっている
(2)家庭用コージェネレーションシステムとガス栓との接続には、一般に強化ガスホースが使用されている
(3)テーブルこんろとガス栓との接続には、一般にガスコードが使用されている
(4)警報器には、ガス漏れだけでなく不完全燃焼や火災警報機能も兼ね備えた複合型のものがある
(5)業務用換気警報器は、人が呼吸する位置に基づき、床面からの設置高さが規定されている