テキスト
ガスの燃焼
基礎分野の以下の内容も併せて出題されるので復習しておきましょう
燃焼速度・比重・燃焼範囲・理論空気量・燃焼ガス・発熱量等
燃焼速度・比重・燃焼範囲・理論空気量・燃焼ガス・発熱量等
ガスの噴出量
- 円形の孔のノズルから噴出するガス量は以下の式で算出される
$$ガス流量(㎥N/h)=定数 × (ノズルの口径(mm))² × \frac{ガス圧力(kPa)}{ガス比重}$$
- ノズル口径の2乗に比例し、ガスの供給圧力の平方根に比例する
インプット
- ガスの能力を表す指標
$$インプット=(ガス流量)×(発熱量)$$
$$インプット=定数×(ノズルの口径(mm))² × \sqrt{ガス圧力(kPa)} × WI$$
$$※WI(ウォッベ指数)=\frac{発熱量}{\sqrt{比重}}$$
$$インプット=定数×(ノズルの口径(mm))² × \sqrt{ガス圧力(kPa)} × WI$$
$$※WI(ウォッベ指数)=\frac{発熱量}{\sqrt{比重}}$$
<苦手なひとは言葉で覚えよう>
- インプットはノズル口径の2乗に比例し、ガス発熱量に比例し、ガス圧力の平方根に比例し、ガス比重の平方根に反比例する
- インプットはガス圧力とノズルロ径が一定ならばウォッベ指数に比例する
燃焼方式
赤火式 | セミ・ブンゼン式 | ブンゼン式 | 全一次空気式 | |
炎の色 | 赤黄色 | 青 | 青緑 | |
炎の温度 | 900℃ | 1,000℃ | 1,300℃ | 950℃ |
炎の長さ | 長い | やや長い | 短い | |
一次空気率 | 0% | 30~40% | 40~70% | 100% |
二次空気率 | 100% | 70~60% | 60~30% | 0% |
赤火式燃焼
- 燃焼に必要な空気は炎の周囲から供給される
- 燃焼室の容積を大きくする必要があり、小さくすると不完全燃焼をおこす
- 炎が冷たい物質の表面に接触すると、すすが発生する
セミ・ブンゼン式燃焼
- 一次空気量<二次空気量
- パイロットバーナーなどに用いられる
ブンゼン式燃焼
- 内炎と外炎を形成し、内炎の少しが最も温度が高い
- 外炎では、内炎で発生した中間生成物が二次空気と接触することによって反応が進む
- 消火音や燃焼音を発生することがある
- ノズルからガスが噴出するときの運動エネルギーで一次空気を供給
全一次空気式燃焼
- 一次空気のみで燃焼する方式
- 取り付け方向に制限がなく、赤外線ストーブなどに使用される
- 高空気比で燃焼(希薄予混合燃焼)させると、燃焼ガス温度が低下し、NOX生成を抑制できるため、低Noxバーナーとして用いられる
ガス燃焼時の注意すべき事象
イエローチップ
- 燃焼反応が十分な速さで進んでいないとき、途中で発生した炭素粒子が、未燃のまま赤黄色に輝いている現象
- 1次空気の不足が原因
- 赤黄色に輝いている炭素からすすが発生
(影響)→こんろ使用時の鍋底に付着
→湯沸器の熱交換器に付着し排ガスの通路を閉そくし不完全燃焼
リフティング
- 燃焼速度がガスと空気の混合気の噴出速度より低下した際にバーナーより離れた位置で燃焼する現象
~参考:覚え方イメージ~
下からのガスと空気が強すぎて炎が浮いてしまう
原因:燃焼速度<噴出速度
- ガス圧力が高い(噴出速度↑)
- インプットの高い状態で一次空気を多く吸引(噴出速度↑)
- 燃焼室内の給排気が不良で、二次空気が極端に減少
フラッシュバック(逆火)
- 燃焼速度がガスと空気の混合気の噴出速度を超えた際にバーナー内に炎が戻る現象
~参考:覚え方イメージ~
燃料が足りなくなった炎が燃料を求めてバーナーの根本まできてしまう
⇩
ガスの空気の混合気の噴出が弱くなった
原因:噴出速度<燃焼速度
- バーナー部が高温になり、混合ガスの温度が上昇(燃焼速度↑)
- ガス圧力の異常低下(噴出速度↓)
- ノズル・器具栓の詰まりによるガス量の低下(噴出速度↓)
- 一次空気の過剰供給(燃焼速度↑)
赤火式 | セミ・ブンゼン式 | ブンゼン式 |
全一次空気式 |
|
リフティング | しやすい | - | しやすい |
- |
フラッシュバック | なし | なし | しやすい |
しやすい |
NOx
- 燃焼機器におけるガスの燃焼においては窒素酸化物(NOx)が生成される
サーマルNOx
燃焼用空気中の窒素(N2)と酸素(O2)とが高温状態で反応して生成
- 温度が高いと急速に増加
- 空気比1.0で最大
プロンプトNox
燃焼用空気中の窒素(N2)が火炎中の(CH)、(CH2)等と反応して生成
- 空気比0.7~0.8で最大
濃淡燃焼バーナー
- ブンゼンバーナー(濃バーナー)と全一次空気燃焼バーナー(淡バーナー)を交互に配置した濃淡バーナーを使用した燃焼
濃バーナーの役割:保炎性を高める、リフティングを抑える
淡バーナーの役割:Noxを低減させる
淡バーナーの役割:Noxを低減させる
→NOx濃度が低く、COや未燃ガスの発生量が少ない安定した火炎を形成
伝熱(熱の伝わり方)
放射(ふく射・輻射)
- 熱が電磁波の形で中間物質媒体なしに、直接伝達される現象
放射率
- 放射熱を出し易いか否かを表わす数値
- 物質及びその表面の状態によって決まる
黒体
- 放射熱を全て吸収する物体
- 放射率は1.0
対流
- 熱せられた媒介物の移動(物質移動)によって熱が移っていく現象
流体特有の伝熱現象
自然対流
- 流体の局部的な温度差によって生じた比重差による対流
強制対流
- 外力による強制的な対流(使用例:ガスファンヒーター)
伝導
- 物体を伝わって熱が高温側から低温側へ移る現象
- 同一物体中の分子間あるいは接触している他の物体の分子へ熱のみが移動
熱伝導率
- 物質の熱伝導のし易さを表わす数値
- 熱伝導率が高い→熱が伝わりやすい