テキスト
LNG(液化天然ガス)
- メタンを主成分とした炭化物の混合物。
・沸点:-160℃
・常温では空気より軽いが、約-110℃以下の低温では空気より重くなる。
常温で地表面に流出した場合、瞬時に気化して白い霧が発生する。
(可燃性混合気なので、白い霧は危険域の存在範囲を示す。) - プール燃焼
・漏洩した気体が着火し、液表面で燃焼すること
・消火には粉末消火剤を用いる。
※注水を行ってはならない。
- LNGを扱う機器は、低温靭性に優れた材料を用いる。
BOG:ボイルオフガス
- LNGの貯蔵中に外部からの入熱により、沸点の低いメタンを主成分としたBOGが発生し、メタン以外の成分の濃度が高まる。
ロールオーバー
- LNG貯槽内で、異種LNGの密度差によって層を形成することがある(層状化)。 一度層状化すると、上層は入熱によりBOGが発生し液密度が上昇し、下層は温度上昇により液密度が低下する。このまま液密度が同等以上になると、液層が反転し、急激な混合が起こる。
ロールオーバーを防ぐため、高さ方向の密度分布を管理する必要がある。
また、移送や攪拌により、層状化を解消させる。
その他留意事項
- ※混合しないよう注意!
べーパーロック
- 急激な圧力低下や温度上昇により、液体が配管内部で気化して溜まり、ポンプ等に吸い込まれて液送できなくなる現象。
キャビテーション
- 局部的に低圧部が生じると、液体が気化して蒸気の細かい気泡が発生すること。ポンプの破損にもつながる。
ボーイング
- 配管を急激に冷却すると、部分的な温度差により、配管が弓状に変形すること。
液封
- バルブを閉じた際など、配管の閉ざされた部分に液体が充満すること。温度上昇した際に、内部の圧力が上昇し、フランジ等の弱い部分が破壊される恐れがある
水和物
- 液化ガスは水と反応すると水和物を形成する。LNG中に含まれているとラインの閉塞等が起こる可能性があるため、設備は十分に乾燥させてから取り扱う。
バイオガス
- バイオマスを原料に製造されるガス。
- ライフサイクルの中で二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラルな再生可能エネルギーとして現在注目されている。
- 発生量は季節や時間によって変動することを考慮する必要がある。
動画コンテンツ
ミニテスト
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
過去問題
第1問
都市ガスの原料としてのLNGに関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組み合わせはどれか。
(イ)LNGは、大気圧下で約-160°Cの沸点を有する液体である。
(ロ)メタンは、常温では空気の約半分の重さであり拡散しやすいが、約-110°C以下の低温では、空気より重いので注意を要 する。
(ハ)LNGを取り扱う機器に対しては、低温脆性の大きな材料を用いる必要がある。
(二)LNGのプール燃焼の消火にあたっては、粉末消火剤を用いることが望ましいが、注水によって消火する方法も有効である
(ホ)貯槽にLNGを受入中は、ロールオーバー現象の発生を防止するために、貯槽内の高さ方向の密度分布(温度分布)を常時監視し、層状化が観測された場合には迅速に層状化を解消しなければならない。
(4)ロ、ホ(5)ハ、二
第2問
都市ガスの原料に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。
(イ)LNGは貯蔵中に外部からの入熱により沸点の低いメタンを主とするボイルオフガス(BOG)が発生するため、メタン以外の成分の濃度が高まる。
(ロ)LPGが流出した場合、気化ガスは空気の1.5~2倍と重く、着火源の多い地表面に滞留するため、取扱いには十分注意しなければならない。
(ハ)LNG貯槽で層状化が発生した場合には、他の貯槽への移送、貯槽内での循環や撹拌等を行ってはならない。
(二)バイオマスは生物が光合成によって生成した有機物であるため、燃焼することにより放出される二酸化炭素は、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させない。
(ホ)LNG配管においてボーイングが起こると、外部からの入熱による温度の上昇により内部の圧力が上昇し、フランジ等の弱い部分が破壊されるおそれがある。
(4)ハ、ホ(5)二、ホ
第3問
都市ガスの原料に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
(イ)LNGは大気圧下で約-160°Cの沸点を有する液体であるため、取扱う機器には低温靭性に優れた材料を使用する必要がある。
(ロ)バイオガスは再生可能エネルギーとして注目されているが、有害成分の除去や季節、時間による発生量の変動を考慮しておく必要がある。
(ハ)LNG液化基地において天然ガスを液化する基本的な原理は、低圧下にある流体を高圧にして得られる温度低下を利用したものである。
(二)LNGの漏えい、流出に伴って発生した白い霧は、可燃性混合気を含まないので、着火、爆発等の危険域の目安とならない。
(ホ)大気圧下でプロパンは約-40°C、ブタンは約0°Cの沸点を有する液体であり、外部からの入熱により一部が気化するため、貯蔵時の圧力上昇や計測器への影響等、十分注意を要する。
(4)ハ、二(5)二、ホ
第4問
LNGに関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
(イ)LNGは、液化工程において不純物が除去されているが、産出地によってその成分や発熱量等の性状は異なる。
(ロ)LNGが配管等の内部で気化して溜まり、これがポンプ等に吸い込まれて送液できなくなる現象をキャビテーションという。
(ハ)LNG貯槽に密度差が小さな異種LNGを入れた場合、通常は貯槽内部で対流が盛んに行われ、液全体が均質な密度分布となる。
(二)常温の水平配管にLNGを流して急激に冷却したとき、管の下部と上部の温度差が大きくなり、配管が弓状に形することをボーイングと呼ぶ。
(ホ)LNGの主成分であるメタンの臨界温度は-82°Cと非常に低いため、常温で液化するには高圧に圧縮する必要がある。
(4)ハ、二(5)二、ホ
第5問
都市ガスの原料に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
(イ)LNGのプール火災の消火に当たっては、液面を攪拌するように注水することが望ましいが、粉末消火剤を使用する方法も有効である。
(ロ)LNGは、貯蔵中に外部からの入熱により沸点の低いメタンを主成分とするボイルオフガス(BOG)が発生するため、液密度が高くなる。
(ハ)LNGを取扱う際に液封がおこると、外気熱による温度の上昇によりLNGが膨張しようとするため内部の圧力が低下し、フランジ等の弱い部分が破壊されるおそれがある。
(二)層状化したLNGの上下層は、この状態で放置しておくと時間の経過とともに密度が徐々に変化し、 ある時点で瞬時に上下層が混合することがある。
(ホ)LPGは発熱量が高く、硫黄分その他の不純物をほとんど含まず、再ガス化か容易である等の利点を 持っている。
(4)ハ、二(5)二、ホ
第6問
都市ガスの原料に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
(イ)貯蔵中のLNGからは、外部からの入熱により沸点の高いメタンを主成分としたボイルオフガス(BOG)が発生する。
(ロ)LNGの貯槽や配管を急激にクールダウン(冷却)すると大きな温度差が生じ、設備の損傷に至るおそれがあるので、十分注意する必要がある。
(ハ)LNGは、天然ガスを約-160°Cまで冷却し液化したものであり、液化することにより体積が約1/600になる。
(二)メタンは、ガス温度に関係なく空気より軽く、地表面に滞留することはない。
(ホ)LNG設備内に微量の水分が含まれている場合、水和物によりラインの閉そく等のトラブルを起こすおそれがあるので、LNG設備は事前に十分な乾燥を行うことが必要である。
(4)ハ、二(5)ハ、ホ