供給 part5 防食設計と防食管理

テキスト

腐食

腐食

  • 金属が化学的または電気化学的反応によって表面から消耗する現象
  • 電池において、電解質(溶液)に電流を流出する電極のことをアノード、電解質から電流を受け入れる電極のことをカソードという
  • 電解質の中にある2つの異なった金属を接続すると電流が流れ、アノードとなる金属が腐食する

自然電位

  • 自然電位が高い金属がカソード低い金属がアノードになる
  • 自然電位は高い順に、銅>鉄>マグネシウム

導管腐食

電食

  • 電気設備からの迷走電流に起因する腐食

自然腐食

  • マクロセル腐食とミクロセル腐食とがある
マクロセル腐食
  • アノード部とカソード部が明確に区別される
  • マクロセルの種類
    通気差マクロセル腐食、コンクリート土壌マクロセル腐食、異種金属接触によるマクロセル腐食
ミクロセル腐食
  • アノード部とカソード部が明確に区別されない
  • ミクロセル腐食の種類
    バクテリア腐食、通常の土壌腐食、大気中の腐食

その他

  • 黄銅バルブと鋼管が電気的に接続されている場合、鋼管がアノードとなり腐食する
  • 鋳鉄管と鋼管が電気的に接続されている場合、鋼管がアノードとなり腐食する傾向がある

防食

防食

  • 腐食の原因である電気化学的反応を防止すること塗覆装
  • 塗装や被覆によって、導管を覆うことで電気化学的な反応を阻止する電気防食
  • 防食しようとする鋼管をカソードとすることで達成される

 電気防食法

  選択排流法 強制排流法
特徴 ・導管と電気鉄道のレールを接続
・導管を流れる電流をレールに帰流させて防食
・電流の逆流防止で整流器が組み込まれている
・導管と電気鉄道のレールを接続する回路に直流電源装置を入れ、レールに排流を行う
長所 ・安価 ・導管を常時防食状態とすることができる
・外部電源法よりも安価に設置可能
短所 ・他の金属構造物への干渉及び過防食を考慮する必要あり ・電気鉄道への影響を考慮する必要あり
・他の金属構造物への干渉及び過防食を考慮する必要あり

 

防食設計

管対地電位

  • 土壌と導管との電位差

仮通電試験

  • 電気防食の設計は仮通電試験を行いその結果に基づいて行う
  • 防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のプラス極を、対象物にマイナス極を接続して行う

動画コンテンツ

ミニテスト

第1問

選択排流法は、電源が不要で構造が簡単であり、常時防食効果がある
不正解、常時防食効果がある→常時防食効果はない
選択排流法は、電源が不要で構造が簡単であるが、常時防食効果はない
正しい

第2問

防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のプラス極を、対象物にマイナス極を接続して行う
正しい
防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のマイナス極を、対象物にプラス極を接続して行う
不正解、防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のプラス極を、対象物にマイナス極を接続して行う

第3問

防食シートは柔軟性に乏しいため、凹凸の激しい部分では使用できない
不正解、防食シートは柔軟性があるため、凹凸の激しい部分でも使用できる
防食シートは柔軟性があるため、凹凸の激しい部分でも使用可能である
正しい

第4問

黄銅バルブと鋼管が電気的に接続されている場合、黄銅がアノードとなり腐食する
不正解、黄銅がアノード→鋼管がアノード
黄銅バルブと鋼管が電気的に接続されている場合、鋼管がアノードとなり腐食する
正しい

第5問

建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁貫通部においてあらかじめ鉄筋とガス管とを接触しないようにし、電気的に遮断させておく
正しい
建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁貫通部においてあらかじめ鉄筋とガス管とを電気的に導通させておく
不正解、鉄筋とガス管とを電気的に導通させておく→鉄筋とガス管とを接触しないようにし、電気的に遮断させておく

第6問

電池において、電解質に電流が流出する電極のことをカソード、電解節から電流が流入する電極のことをアノードという
不正解、電池において、電解質に電流が流出する電極のことをアノード、電解節から電流が流入する電極のことをカソードという
電池において、電解質に電流が流出する電極のことをアノード、電解節から電流が流入する電極のことをカソードという
正しい

過去問題

第1問

選択排流法及び強制排流法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)選択排流法は、導管と電気鉄道のレールを電気的に接続し、導管に流れる電流をレールに帰流させる方法である

(2)選択排流法は、電源が不要で構造が簡単であり、常時防食効果がある

(3)強制排流法は、外部電源法よりも安価に設置できる

(4)強制排流法は、電気鉄道への影響を考慮する必要がある

(5)選択排流法、強制排流法のいずれの方法も、他の金属構造物への干渉及び過防食を考慮する必要がある

解答
正解→(2)

(2)誤り 常時防食効果がある → 常時防食効果はない

第2問

防食設計と防食管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)鉄はマグネシウムより自然電位が高いため、電解質中で両者を接続すると鉄がカソード、マグネシウムがアノードとなる

(2)メッキによる防食を施したものとして、亜鉛メッキ鋼管があるが、現在は露出部での使用に限定されている

(3)防食管理の路線の電位を測定する時期は、雨期等の土壌の湿潤気が好ましく、時間帯としては電気鉄道の運行時とする

(4)含水率が高い場合や、粘土質等の細粒分が多い土質は、埋設鋼管の腐食速度を速める

(5)防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のマイナス極を、対象物にプラス極を接続して行う

解答
正解→(5)

(5)誤り 防食効果を調査する仮通電試験は、地中に設置する仮電極に電源のプラス極を、対象物にマイナス極を接続して行う

第3問

塗覆装による防食に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)露出管の塗服装は、光や熱の影響を考慮し、耐候性に優れた塗装、屋外防食テープ等を使用する

(2)ペトロラタム系防食テープは、柔軟性に富み、様々な形状に対しても使用可能である

(3)防食ゴムシートは、補強用ゴムシートと防食用ブチルゴム系接着剤から構成される

(4)防食シートは柔軟性に乏しいため、凹凸の激しい部分では使用できない

(5)鋳鉄管には、エポキシ系樹脂もしくはアクリル系樹脂による塗料等が多く用いられている

解答
正解→(3)

(3)誤り 防食シートは柔軟性があるため、凹凸の激しい部分でも使用可能である

第4問

マクロセル腐食に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)マクロセル腐食に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(2)電解質の中にある2つの異なった金属を接続すると電流が流れ、アノードとなる金属が腐食する

(3)アノードとカソードの部位が定まっているタイプの腐食をマクロセル腐食という

(4)黄銅バルブと鋼管が電気的に接続されている場合、黄銅がアノードとなり腐食する

(5)鋳鉄管と鋼管が電気的に接続されている場合、鋼管がアノードとなり腐食する傾向がある

解答
正解→(4)

(4)誤り 黄銅 → 鋼管

第5問

低圧供内管の腐食や防食措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)建物に引き込まれた配管は、マクロセル腐食の原因となるコンクリートに接触する機会が多い

(2)屋内配管に流入した電流が埋設部の配管に流れないようにするため、一般に埋設配管部近くの架空配管部に絶縁継手を埋設する

(3)防食措置には、塗服装、絶縁、電気防食がある

(4)絶縁継手には、絶縁ねじ継手や絶縁フランジがある

(5)建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁貫通部においてあらかじめ鉄筋とガス管とを電気的に導通させておく

解答
正解→(5)

(5)誤り 建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁貫通部においてあらかじめ鉄筋とガス管を接触しないようにし、電気的に遮断させておく

第6問

腐食及び防食に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)電池において、電解質に電流が流出する電極のことをカソード、電解節から電流が流入する電極のことをアノードという

(2)埋設導管の腐食は、電食と自然腐食に大別できる

(3)酸性による水素発生型腐食の可能性を調査するため、土壌のpHを測定した

(4)管対地電位は、土壌等の電解質に設置した照合電極に対する導管の電位である

(5)導管の防食方法には、塗服装による措置、絶縁による措置、電気防食による措置などがある

解答
正解→(1)

(1)誤り 電池において、電解質に電流が流出する電極のことをアノード、電解節から電流が流入する電極のことをカソードという

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