供給 part2 整圧器とその管理

テキスト

整圧器の基本構造

整圧器

  • 二次圧力を信号源、一次圧力又は二次圧力を駆動源として作動する自力式圧力調整弁のことで、二次圧力を一定圧力に保つ機能を有している

直動式整圧器

  • 小容量の場合に適している
  • 低差圧でも使用できる
  • 二次圧力を駆動圧力としている
二次圧力が低下した場合

二次圧力が低下するとスプリングがダイヤフラムを押し下げる。それによってメインバルブが開き、ガスの流量を増加させ、二次圧力を設定圧力に戻すように作動する
二次圧力が上昇した場合

二次圧力が上昇するとダイヤフラムがスプリングを押し上げる。それによってメインバルブが閉じ、ガスの流量を制限し、二次圧力を設定圧力に戻すように作動する

パイロット式整圧器

  • 一次圧力を駆動圧力にし、作動
  • 大容量かつ要求流量制御範囲が大きい場合に適している
  • 一次圧力と二次圧力の差圧が一定以上確保されない場合、作動できなくなる
  • オフセットシフトロックアップは小さい
  • アンローディング型とローディング型とがある
アンローディング型
  • レイノルド式整圧器等がある
  • 二次圧力が上がると駆動圧力が増大し、開度が減少する

 

ローディング型
  • フィッシャーガバナ等がある
  • 二次圧力が下がる駆動圧力が増大し、開度も増大する
アキシャルフロー式(軸流)整圧器
  • ダイヤフラムとメインバルブをゴムスリーブ一枚で共用しコンパクト

整圧器の特性

静特性

  • 定常状態における流量と二次圧力の関係を静特性といい、オフセット、ロックアップ、シフトがある。
オフセット
  • 特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い、二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれをオフセットという
ロックアップ
  • 流量がゼロになるとメインバルブは締切状態になる。この時二次圧力は基準状態の圧力より高くなるが、この締切圧力と基準状態の圧力との差ロックアップという
シフト
  • 一次圧力、大気圧又はスプリング(又はウエイト)が変化すると、駆動圧力が変化し流量曲線が全体的に基準状態時の流量曲線からずれる。このことをシフトという。

 

意味は分からなくていいので出てくる文言で覚える
流量増大に従い→オフセット、締切圧力→ロックアップ
流量曲線→シフト

動特性

  • 流量の変化に対する応答の敏速性安定性のこと
  • 負荷変動が大きいところに使用される整圧器にとって重要な特性

二次圧力の異常上昇、低下

  二次圧力異常上昇 二次圧力異常低下
共通 ・メインバルブへのダスト類のかみ込みによる締切不良 ・フィルターのダスト類詰り
直動式 ・省略 ・省略
アンローディング型 ・省略 ・省略
ローディング型 ・省略 ・省略
アキシャルフロー式 ・ゴムスリーブ下流側破損 ・ゴムスリーブ上流側破損

動画コンテンツ

ミニテスト

第1問

フィッシャー式整圧器の二次圧力異常上昇の原因として、メインバルブへのダスト類のかみ込みによる締め切り不良が考えられる
正しい
フィッシャー式整圧器の二次圧力異常低下の原因として、メインバルブへのダスト類のかみ込みによる締め切り不良が考えられる
不正解、二次圧力異常低下の原因→二次圧力異常上昇の原因

第2問

特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い、二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれをシフトという
不正解、シフト→オフセット
特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い、二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれをオフセットという
正しい

第3問

直動式整圧器は、二次圧力を締切圧力として利用するのでロックアップは小さくなる
不正解、小さくなる→大きくなる
直動式整圧器は、二次圧力を締切圧力として利用するのでロックアップは大きくなる
正しい

第4問

直動式では、二次圧力を信号兼駆動圧力として利用するためオフセットが大きくなる
正しい
直動式では、一次圧力を信号兼駆動圧力として利用するためオフセットが大きくなる
不正解、一次圧力を信号兼駆動圧力→二次圧力を信号兼駆動圧力

第5問

パイロット式アンローディング型整圧器は、駆動圧力以上の一次圧力が確保されないとメインバルブが全開状態となる
正しい
パイロット式アンローディング型整圧器は、駆動圧力以上の一次圧力が確保されないとメインバルブが閉止状態となる
不正解、閉止状態→全開状態

第6問

パイロット式ローディング型整圧器は、駆動圧力が上昇するとメインバルブの開度は減少する
不正解、メインバルブの開度は減少する→メインバルブの開度は増大する
パイロット式ローディング型整圧器は、駆動圧力が上昇するとメインバルブの開度は増大する
正しい

過去問題

第1問

整圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)ハウスレギュレーターは、一般に不純除去装置と圧力上昇防止装置が一体化されている

(2)一次圧力、大気圧又はスプリング(ウエイト)が変化すると、駆動圧力が変化し、流量曲線が全体的に基準状態時の流量曲線からずれる。このことをシフトという

(3)専用整圧器等の負荷変動が大きいところに使用される整圧器にとって、動特性は重要である

(4)雨水、地下水等の浸水のおそれのある地下に設置する整圧器には、浸水を防止する措置を施す

(5)フィッシャー式整圧器の二次圧力異常低下の原因として、メインバルブへのダスト類のかみ込みによる締め切り不良が考えられる

解答
正解→(5)

(5)誤り 二次圧力以上低下の原因 → 二次圧力上昇の原因

第2問

整圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)レイノルド式整圧器は、一次圧力が一定値以下になるとメインバルブが閉止不能となる

(2)アキシャルフロー式(軸流式)整圧器のゴムスリーブ下流側が破損し、二次圧力が異常上昇した

(3)パイロット式整圧器では、作動最小差圧を考慮する必要があるが、直動式整圧器ではその必要はない

(4)パイロット式整圧器は、大容量で高い圧力制御精度が要求される場合に適している

(5)特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い、二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれをシフトという

解答
正解→(5)

(5)誤り シフト → オフセット

第3問

整圧器の特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)動特性は、専用整圧器等負荷変動の大きいところに使用される整圧器に重要な動特性で、流量の変化に対する応答の敏速性と安定性の両方が要求される

(2)静特性とは、定常状態における流量と二次圧力の関係をいう

(3)流量特性線図は、流量とメインバルブ開度(ストローク)の関係を百分率で表したものをいう

(4)パイロット式整圧器は、一次圧力と二次圧力の差圧が一定以上確保されない場合、作動できなくなる

(5)直動式整圧器は、二次圧力を締切圧力として利用するのでロックアップは小さくなる

解答
正解→(5)

(5)誤り ロックアップは小さくなる → 大きくなる

第4問

整圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)レイノルド式では、需要家のガス使用量が増加すれば低圧補助ガバナーの開度が増大し、中間圧力は低下する

(2)直動式では、一次圧力を信号兼駆動圧力として利用するためオフセットが大きくなる

(3)一の使用者にガスを供給する整圧器には、一般に負荷変動が急激かつ大幅な場合が多いので、動特性の優れた整圧器を選定する

(4)オフセット、ロックアップ及びシフトは静特性である

(5)整圧器を並列に設置している場合、予備整圧器を分解点検したときは、点検完了後、常用整圧器を停止し、予備整圧器が正常に作動することを確認する

解答
正解→(2)

(2)誤り 一次圧力を信号兼駆動圧力として → 二次圧力を信号兼駆動圧力

第5問

整圧器の特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)パイロット式アンローディング型整圧器は、駆動圧力以上の一次圧力が確保されないとメインバルブが閉止状態となる

(2)動特性は、負荷変動が大きいところに使用される整圧器にとって重要な特性である

(3)静特性とは、定常状態における流量と二次圧力の関係をいう

(4)流量がゼロになるとメインバルブは締切状態になる。この時二次圧力は基準状態の圧力より高くなるが、この締切圧力と基準状態の圧力との差をロックアップという

(5)特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれをオフセットという

解答
正解→(1)

(1)誤り メインバルブが閉止状態となる → 全開状態となる

第6問

整圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)パイロット式ローディング型整圧器は、駆動圧力が上昇するとメインバルブの開度は減少する

(2)パイロット式整圧器は、大容量、かつ要求流量制御範囲が大きい場合に適している

(3)直動式整圧器は、二次圧力を締切圧力として利用するので、ロックアップは大きくなる

(4)圧力上昇防止装置は、整圧器の故障により、二次側の圧力が異常に上昇することを防止するために用いられる

(5)整圧器及びその付属装置には、耐震上安全な方法で支持を施す

解答
正解→(1)

(1)誤り メインバルブの開度は減少する → 開度は増大する

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