基礎 part7 材料

テキスト

応力

  • 応力
    物体の内部に生じる力の大きさや作用方向を表現するために用いられる物質量
  • 応力は、材料にかかわる力に比例し、断面積に反比例する
応力(σ)=P/A
P:力 A:原断面積
  • 応力には引張応力圧縮応力せん断応力がある
    引張応力

    圧縮応力

    せん断応力

ひずみ

  • 応力に伴って生ずる単位寸法当たりの変形量で、単位は無次元である
  • ひずみは伸縮方向だけではなく、それと直角な方向にも生ずる
  • 弾性変形
    外力を取り去ると元に戻る変形
  • 塑性変形
    外力を取り去っても元に戻らない変形

応力ひずみ曲線

  • 応力ひずみ曲線
    応力とひずみの関係を表した線図
  • 応力が小さい時、ひずみは応力に比例する(フックの法則
フックの法則
応力(σ)=E×ε
σ(シグマ):応力 E:縦断性係数
ε(イプシロン):ひずみ

安全率

  • 安全率
    材料の基準強さ許容応力の比
安全率=基準強さ/許容応力
許容応力=基準強さ/安全率
  • 安全率は1より大きくする

金属材料

  • 炭素鋼
    主に炭素を含む鋼
    炭素の量が増加すると、引張り強さが増し、伸びが減少する
    450℃以上では、強度が著しく低下する
  • 特殊鋼
    炭素鋼にニッケルやクロムを加えたもの
    引張強さや伸びなどの性質が改善される
  • 低温装置材料
    低温において十分な強度を持ち、低温ぜい性を起こしにくい(アルミやアルミニウム合金等)
  • 疲労破壊
    繰り返し応力による破壊現象
  • クリープ
    応力を加え続けるとひずみが時間とともに増加する現象
    力が大きいほど顕著に現れる
    温度が大きいほど顕著に表れる
  • 応力腐食割れ
    引張応力下にある金属材料が、材料と腐食環境との特定の組み合わせのもとで脆性的に破壊する現象
    応力腐食割れはオーステナイト鋼で生じることがある
  • 低温脆性(ぜいせい)
    オーステナイト系ステンレス鋼などの面心立方晶では認められない
    フェライト鋼などの体心立方晶では認められる
  • 遅れ割れ
    溶接部近傍に生じる割れのうち、溶接後、長時間経過してから生じる割れであり、組織が硬いほど、水素量が多いほど発生しやすい

高分子材料

  • 高分子材料
    きわめて分子量が大きい分子でできた材料
  • 金属材料と比べて、
    熱伝導率、引張強さ、比重が小さい
    酸に対する耐食性が優れている
    クリープが常温でも発生する
  • 高分子材料の劣化
    熱酸化劣化
    高温度長時間使用すると起こりやすい光劣化
    照射時間が長いほど、温度や湿度が高いほど、 促進される。
    紫外線を吸収すると分解することがある
  • 熱酸化劣化や光劣化が発生すると、色相が変わり、表面に 微細な亀裂が発生する。
  • 環境応力割れ
    応力と化学物質の相互作用で発生する。

動画コンテンツ

ミニテスト

第1問

疲労破壊において、一般に応力振幅が大きいほど繰り返し数は大きくなる
不正解、繰り返し数は大きくなる→小さくなる
疲労破壊において、一般に応力振幅が大きいほど繰り返し数は小さくなる
正しい

第2問

高分子材料は金属材料に比べて、熱伝導率が大きい
不正解、金属材料に比べて、熱伝導率が大きい→小さい
高分子材料は金属材料に比べて、熱伝導率が小さい
正しい

第3問

オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れは認められる
正しい
オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れは認められない
不正解、応力腐食割れは認められない→認められる
 

第4問

安全係数(安全率)が大きいほど、安全に対して余裕がある設計となっている
正しい
 
安全係数(安全率)が小さいほど、安全に対して余裕がある設計となっている
不正解、安全係数(安全率)が小さいほど、→大きいほど

第5問

高分子材料は金属材料に比べて引張強さが大きい
不正解、金属材料に比べて引張強さが大きい→小さい
高分子材料は金属材料に比べて引張強さが小さい
正しい

第6問

金属材料の溶接部付近における遅れ割れは、水素量が少ないほど発生しやすい
不正解、遅れ割れは、水素量が少ないほど発生しやすい→多いほど
金属材料の溶接部付近における遅れ割れは、水素量が多いほど発生しやすい
正しい

第7問

フックの法則は応力をσ、銃弾性係数をE、縦ひずみを∑₁とすれは、σ=E×Σ₁とあらわされる
正しい
フックの法則は応力をσ、銃弾性係数をE、縦ひずみを∑₁とすれは、σ=E/Σ₁とあらわされる
不正解、σ=E/Σ₁とあらわされる→σ=E×Σ₁
 

第8問

面心立方晶金属には低温ぜい性が発生する
不正解、面心立方晶金属には低温ぜい性が発生する→発生しない
面心立方晶金属には低温ぜい性が発生しない
正しい

第9問

金属材料の溶接部付近に生じる遅れ割れは、組織が硬いほど、水素量が多いほど発生しやすい
正しい
金属材料の溶接部付近に生じる遅れ割れは、組織が柔らかいほど、水素量が多いほど発生しやすい
不正解、組織が柔らかいほど→組織が硬いほど
 

第10問

高分子材料の光劣化は、照射時間が長いほど、温度や湿度が低いほど、促進される
不正解、温度や湿度が低いほど→高いほど
高分子材料の光劣化は、照射時間が長いほど、温度や湿度が高いほど、促進される
正しい

過去問題

第1問

材料の破壊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

疲労破壊において、一般に応力振幅が大きいほど破壊までの繰り返し数は大きくなる
正解!疲労破壊において、一般に応力振幅が大きいほど破壊までの繰り返し数は小さくなる
高温化で使用される場合、金属材料はクリープにより、引張強さよりも小さな応力で破壊する
不正解
オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れの発生が見られる
不正解
アルミニウム等の面心立方晶金属では、低温ぜい性が見られない
不正解
溶接部近傍に生じる遅れ割れは、溶接部に存在する水素量が多いほど発生しやすい
不正解

第2問

高分子材料の一般的な性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

金属材料に比べて、熱伝導率が大きい
正解!金属材料に比べて、熱伝導率が小さい
金属材料に比べて、比重が小さい
不正解
金属材料に比べて、引張強さが小さい
不正解
金属材料に比べて、酸に対する耐食性が優れている
不正解
空気雰囲気下で、長時間高温度で使用していると熱と空気の酸素の影響で劣化する
不正解

第3問

金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

炭素鋼は一般に、炭素量が増加するに従い引張強さは増す
不正解
炭素鋼に、Ni、Cr、Mn、Moなどの合金元素を添加し、引張強さや伸びなど様々な性質を改善した鋼を特殊鋼という
不正解
オーステナイト系ステンレス鋼では、低温ぜい化は認められない
不正解
オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れは認められない
正解!オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れは認められる
アルミニウム及びアルミニウム合金は、低温用材料として使用できる
不正解

第4問

材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

安全係数(安全率)は小さいほど、安全に対して余裕がある設計となっている
正解!安全係数(安全率)は大きいほど、安全に対して余裕がある設計となっている
塑性変形では、外力を取り去っても材料が元の形に戻らない
不正解
ひずみの単位は、無次元である
不正解
応力は、MPaを単位として表すことができる
不正解
軟鋼の変形において比例限度までは、フックの法則が成立する
不正解

第5問

高分子材料の一般的な性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

金属材料に比べて、比重が小さい
不正解
金属材料に比べて、熱伝導率が小さい
不正解
金属に比べて引張強さが大きい
正解!金属に比べて引張強さが小さい
紫外線を吸収すると分解することがある
不正解
高温度で長時間使用していると、熱と空気中の酸素の影響で劣化する
不正解

第6問

金属材料の破壊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

疲労試験において、一般に応力振幅が大きいほど破壊までの繰り返し数は小さい
不正解
クリープは、一定応力のものでも時間とともにひずみが増加する現象である
不正解
オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れが生じることがある
不正解
低温ぜい性は、ある温度以下で急にもろくなる現象である
不正解
溶接部付近における遅れ割れは、水素量が少ないほど発生しやすい
正解!接部付近における遅れ割れは、水素量が多いほど発生しやすい

第7問

材料力学に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

比例限度以下の応力では、材料の変形は外力の大きさに比例する
不正解
外力を取り去ると元に戻る変形を弾性変形といい、外力を取り去っても元の形に戻らない変形を塑性変形という
不正解
許容応力=基準強さ(破壊限度)/安全係数(安全率)で与えられる
不正解
材料に加わる引張力をP、原断面積をA、引張応力をσとすれは、σ=P/Aと表される
不正解
フックの法則は応力うをσ、縦弾性係数をE、縦ひずみをε₁とすれば、σ=E/ε₁と表される
正解!フックの法則は応力うをσ、縦弾性係数をE、縦ひずみをε₁とすれば、σ=E×ε₁と表される

第8問

金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

面心立方晶金属には低温ぜい性が発生する
正解!面心立方晶金属には低温ぜい性が発生しない
炭素鋼は一般に炭素量が増加するに従い引張強さが増す
不正解
炭素鋼にNi、Cr、Mn、Moなどの合金元素を添加した鋼を特殊鋼という
不正解
アルミニウム及びアルミニウム合金は、低温用材料として使用できる
不正解
オーステナイト系ステンレス鋼は応力腐食割れを起こすことがある
不正解

第9問

金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

炭素鋼は一般に、炭素量が増加すると引張強さが増し、伸びは減少する
不正解
炭素鋼は一般に、450℃以上では強度が著しく低下する
不正解
高温化で長時間一定応力を加えると、時間とともにひずみが増加する現象をクリープという
不正解
低温になると急激にじん性が低下する現象を低温ぜい性という
不正解
溶接部近傍に生じる遅れ割れは、組織が柔らかいほど、水素量が多いほど発生しやすい
正解!溶接部近傍に生じる遅れ割れは、組織が硬いほど、水素量が多いほど発生しやすい

第10問

高分子材料の劣化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

熱酸化劣化は、高温度で長時間使用すると起こりやすい
不正解
光劣化は照射時間が長いほど、温度や湿度が低いほど促進される
正解!光劣化は照射時間が長いほど、温度や湿度が高いほど促進される
環境応力割れは、応力と環境要因(化学物質)の相互作用で発生する
不正解
低温になると急激にじん性が低下する現象を低温ぜい性という
不正解
高分子材料が紫外線を吸収すると分解することがある
不正解

テキスト(計算問題)

応力

応力(σ)=P/A
P:力 A:原断面積

過去問題

第1問

解答

第2問

解答

 

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