基礎 part6 伝熱

テキスト

伝熱

  • 伝熱には3つの形態がある
  • 物質内を伝わる熱伝導
  • 固体と流体の間を伝わる対流熱伝達
  • 離れた物体間の熱放射

熱流束、伝熱量

  • 伝熱量
    単位時間当たりの熱量
  • 熱流束
    単位面積当たりの伝熱量
熱流束(q)=Q/A
Q:伝熱量 A:伝熱面積

熱伝導

熱流束(q)=λ×(T-T/L)
q:熱流束 λ(ラムダ):熱伝導率
T:温度(T1>T2
  • 熱伝導による伝熱量は、
    平板両面の温度差比例
    熱伝導率比例
    平板の厚さ反比例

対流熱伝達

熱流束(q)=h×(T1-T2
q:熱流束 h:熱伝達率

T:温度(T1>T2
  • 対流による熱伝達量は、温度差に比例する

熱伝達率

  • 熱伝達率
    物質固有のものではなく、流体の流れの状態等によって異なる
  • 液体の方が気体より大きい
  • 強制対流の方が自然対流(浮力による対流)より大きい
  • 沸騰、凝縮などの相変化があると、著しく大きくなる

熱通過

  • 温度効率
    熱交換器の性能評価指数
高温流体の温度効率
$$=\frac{(高温流体の入口温度ー高温流体の出口温度)}{(高温流体の入口温度ー低温流体の入口温度)}$$

低温流体の温度効率
$$=\frac{(低温流体の出口温度ー低温流体の入口温度)}{(高温流体の入口温度ー低温流体の入口温度)}$$
※簡略化すると
$$高温=\frac{高、入ー高、出}{高、入ー低、入}$$
$$低温=\frac{低、出ー低、入}{高、入ー低、入}$$

熱放射

  • 熱放射
    熱が物体表面で電磁波となって空間を伝わり、他の物体に熱を伝える現象
  • 真空中でも熱放射による伝熱が生じる

黒体

  • 黒体
    光や電磁波などをすべて吸収する性質をもった理想的な物質
  • 全放射能は絶対温度の4乗に比例する(ステファン―ボルツマンの法則
  • 実在物体の全放射は、黒体より小さい

熱交換器

  • 熱交換器
    保有する熱エネルギーの異なる2つの流体(温かい流体と冷たい流体)間で熱エネルギーを交換するために使用する機器
    ※冷水と温風の場合
  • 熱交換器の種類
    単管式熱交換器
    単管にそれぞれ流体を流して熱交換を行う(トロンボン形、コイル形など)
    2流体のうち、熱伝導率の小さい側にフィンをつける二重管式熱交換器
    二重管にそれぞれ流体を流して熱交換を行う

    多管円筒式熱交換器
    多数の管束を円筒洞内に挿入した熱交換器(別名シェルアンドチューブ式熱交換器

    プレート形熱交換器
    凹凸形の伝熱板を、ガスケットをはさんで重ねた熱交換器

熱交換器の流動方法

  • 熱交換器の流動方法
    並流型
    2流体の流れが同じ方向のもの

    向流型
    2流体の流れが逆方向のもの

    直交流型
    2流体の流れが直角方向のもの
  • 向流型は平流型より温度効率がいい

動画コンテンツ

ミニテスト

第1問

一般に、液体に比べて気体の熱伝導率は小さい
正しい
一般に、液体に比べて気体の熱伝導率は大きい
不正解、熱伝導率は大きい、→小さい
 

第2問

平板を通過する熱流束は、平板の厚みに比例する
不正解、平板の厚みに比例する→反比例する
平板を通過する熱流束は、平板の厚みに反比例する
正しい
  

第3問

凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重なり合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造を二重管式熱交換器という
不正解、プレート形熱交換器
凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重なり合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造をジャケット形熱交換機という
不正解、プレート形熱交換器
凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重なり合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造をプレート形熱交換器という
正しい
凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重なり合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造をブロック形熱交換機という
不正解、プレート形熱交換器
凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重なり合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造を多管円筒式熱交換器という
不正解、プレート形熱交換器
 

第4問

全放射は物体表面の正常に依存する
正しい
全放射は物体表面の性状に依存しない
不正解、全放射は物体表面の性状に依存しない→依存する
 

第5問

放射エネルギーは、物体表面の絶対温度の2乗に比例する
不正解、絶対温度の2乗に比例する、→4乗に比例する
放射エネルギーは、物体表面の絶対温度の4乗に比例する
正しい
 

第6問

真空中でも、物体間の熱放射は生じる
正しい
真空中では、物体間の熱放射は生じない
不正解、真空中では、物体間の熱放射は生じない→生じる
 

過去問題

第1問

対流伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

物体の表面から流体に伝わる熱流束は、物体の表面温度と流体の温度の差に比例する
正しい
物体表面の近くで急激な流体の温度変化が生じ、この温度変化が熱移動の駆動源となる
正しい
一般に、、液体に比べて気体の熱伝導率は大きい
正解!一般に、液体に比べて気体の熱伝導率は大きい→小さい
一般に、自然対流に比べて強制対流の熱伝導率は大きい
正しい
一般に、沸騰・凝縮等の相変化が生じると熱伝導率は著しく大きくなる
正しい

第2問

熱放射に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

熱放射では、電磁波を介して空間を熱エネルギーが移動する
不正解
黒体の全放射能は、その絶対温度の4乗に比例し、これをステファン・ボルツマンの法則という
不正解
実在物体の全放射能は、黒体の場合に比べて小さくなる
不正解
全放射率は、実在物体の全放射能と黒体の全放射能の比である
不正解
全放射率は、物体の表面の性状に依存しない
正解!全放射率は、物体の表面の性状に依存しない→依存する

第3問

次の説明に当てはまる構造の熱交換機の名称として、適切なものはどれか 「凹凸型にプレスされた伝熱板をガスケットをはさんで重ね合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造」

二重管式熱交換器
不正解
ジャケット形熱交換器
不正解
プレート形熱交換器
正解!
ブロック形熱交換器
不正解
多管円筒式熱交換器
不正解

第4問

放射(輻射)伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

真空中でも生じる
不正解
電磁波による伝熱現象である
不正解
放射エネルギーは、物体表面の絶対温度の2乗に比例する
正解!不正解、放射エネルギーは、物体表面の絶対温度の2乗に比例する→4乗に比例
全放射率は、実在物体の全放射能と黒体の全放射能の比である
不正解
黒体は、外部から入社してくる熱放射エネルギーをすべて吸収する
不正解

第5問

熱放射に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

真空中では、物体の熱放射は生じない
正解!真空中でも、物体の熱放射は生じる
絶対零度でない限り、物体から電磁波が絶えず放射される
不正解
黒体は外部から入社してくる熱放射エネルギーをすべて吸収する
不正解
放射率は、波長分布、表面温度、物体表面の物質と性状にによって異なる
不正解
黒体でない物質表面では、熱放射すると同時に他の物質表演からの熱エネルギーの一部を吸収し、残りを反射する
不正解

第6問

熱交換器に関する次の記述について、次の【 】の中の(イ)~(二)に当てはまる語句の組み合わせとして適切なものはどれか
流動方式で分類すると、【(イ)】、【(ロ)】、【(ハ)】に分類される。
【(ロ)】は一般に【(二)】が高く、【(ハ)】は流体通路の配置の便宜上広く用いられる

(イ)並流形(ロ)向流形(ハ)直交流形(二)熱効率
不正解
(イ)向流形(ロ)直交流形(ハ)並流形(二)温度効率
不正解
(イ)向流形(ロ)並流形(ハ)直交流形(二)温度効率
不正解
(イ)並流形(ロ)直交流形(ハ)向流形(二)熱効率
不正解
(イ)並流形(ロ)向流形(ハ)直交流形(二)温度効率
正解

テキスト(計算問題)

熱流束

熱流束(q)=λ×(T-T/L)
q:熱流束 λ(ラムダ):熱伝導率
T:温度(T1>T2

過去問題(計算問題)

第1問

解答

第2問

解答

第3問

解答

 

 

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