テキスト
化学反応
- 化学反応―化学物質が別の化学物質へと変化すること
- 分子・原子の衝突や光の吸収によって起こる
- 酸化反応
物質が電子を失う反応
物質が酸素と化合する反応
物質から水素を取り去る反応 - 還元反応
物質が電子を受け取る反応
物質が酸素を奪われる反応
物質が水素と化合する反応
燃焼反応
- 燃焼反応
可燃物質と酸素の反応のうち、発熱や発光を伴う反応
反応熱
- 反応熱
化学反応に伴って出入りする熱 - 反応に伴う熱は、反応の初めと終わりの条件のみで決まり、途中の経路には無関係。(ヘスの法則)
- 定圧での反応熱=エンタルピーの変化
- 定容での反応熱=内部エネルギーの変化
- 化合物1モルが完全燃焼するときの熱を燃焼熱という
化学平衡
- 反応の平衡時には、順方向の反応速度と逆方向の反応速度が等しい
- 平衡時に反応物と生成物の構成比が見かけ上変化しない
ル・シャトリエの原理
- ル・シャトリエの原理-平行移動の法則
- 平衡状態にある反応にある変化を与えると、その変化を打ち消す方向に反応が進む
温度を上げると、熱を吸収する方向
圧力を上げると、体積が減少する方向
ある物質の濃度を増やすと、その物質が減少する方向 - 触媒は平衡移動には無関係
反応速度
- 反応速度
特定物質の濃度が変化する速度 - 温度の上昇により、反応速度も増大
- 温度一定のもとでは、
一次反応の反応速度は反応物質の濃度に比例する
反応速度定数は、その反応に固有の定数 - アレニウスの式に基づけば、反応速度定数と絶対温度の逆数は直線関係にある
活性化エネルギーを求めることができる
半減期
- 半減期
反応物質の濃度が半分になるのに要する時間 - 一次反応の半減期は初濃度に無関係
触媒
- 触媒
微量で、反応に必要な活性化エネルギーを減少させ、反応を促進させる物質。 - 自発的に起こらない方向の反応を起こすことはできない。
- 触媒は平衡状態を変えることはない。
- 均一触媒反応:触媒と反応物質が同じ相にある反応。
不均一触媒反応:触媒と反応物質が異なる相にある反応
電気化学反応
- 電気化学反応
電子を放出する反応と、電子を受けとる反応を別の場所で行わせ、電子の授受によって全体の反応を行う化学反応
アノード:電子を放出する反応
カソード:電子を受けとる反応 - 物質の持つ自由エネルギーを直接電気として取り出せる。
- 外部から電気を与えることにより、逆方向の反応を起こすことができる
水の電気分解は、水素の燃焼反応の逆反応
電池
- 電池の構成
電解質、アノード、カソードで構成される。 - 電解質
溶液中に溶解したとき、陽イオン、陰イオンに解離する化学物質。 - 一次電池―放電はできるが充電はできない電池
マンガン乾電池、アルカリ乾電池、ニッケル乾電池など - 二次電池―充電により繰り返し使用できる電池
- 燃料電池―水素と酸素の電気化学的な反応により、継続的に発電できる電池
燃料電池
- 燃料電池は、一般的な電池と同様、電解質、アノード、カソードで構成される
- 固体高分子燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、個体酸化物形燃料電池等の種類がある
電極電位
- 電極電位
電極と電解質溶液との間の電位差
銅(Cu)の標準電極電位は、亜鉛(Zn)より高い - 標準電極電位が高い金属は、イオン化傾向が小さい
- 二種類の金属の内、標準電極電位が高い金属が、電池ではプラス側の電極となる
- 燃料電池の理論起電力は熱力学的に求められる
- 燃料電池の電池効率低下の要因
濃度分極
電極と電解質界面付近の燃料不足による電圧低下
オーム損失
電池の内部抵抗による電圧低下で、電流に比例する
動画コンテンツ
ミニテスト
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
第8問
過去問題
第1問
化学反応と化学平衡に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第2問
化学反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第3問
燃料電池に関する記述のうち、誤っているものはどれか
第4問
電気化学反応の電極電位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第5問
化学反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第6問
電気化学反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第7問
燃料電池に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
第8問
電池に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
テキスト(計算問題)
標準反応熱
※単体ガス(H2、O2など)の標準生成熱=0
メタン(CH4)の場合
※標準反応熱→CH4:-75kJ/mol H2O:-285kJ/mol CO2:-390kJ/mol H2:0kJ/mol
化学反応式 CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
左辺(反応系) 右辺(生成系)
標準反応熱={(1×-390)+(2×-285)} - {(1×-75)+(2×0)}
右辺(生成系)の標準生成熱の和 - 左辺(反応系)の標準生成熱の和
=(-960)-(-75)
=-885
ル・シャトリエの原理
- 平衡状態にある反応にある変化を与えると、その変化を打ち消す方向に反応が進む
- 温度を上げると、熱を吸収する方向
- 圧力を上げると、体積が減少する方向
- ある物質の濃度を増やすと、その物体が減少する方向
温度の変化
- 発熱反応なのか、吸熱反応なのかを確認
CO + H2O ⇄ CO2 + H2 発熱反応
CH4 + H2O ⇄ CO + 3H2 吸熱反応
※ガス主で出てくる化学反応で吸熱反応は基本的にこれのみ。これ以外は発熱反応だと思っていよい
- 発熱反応の場合、温度を上げると左方向へ、
吸熱反応の場合、温度を上げると右方向へ反応が進む
圧力の変化
反応式の物質のモル数を確認(1は省略されている)
CH4 + H2O ⇄ CO + 3H2
モル数 1 1 1 3
左辺のモル数2、右辺のモル数4
圧力を上げると左方向(モル数を下げる方向)反応が進む
水蒸気量の変化
反応式中のH2Oを確認
CO + H2O ⇄ CO2 + H2
水蒸気比率を上げるとH2Oの分圧が減る方向(左)へ反応が進む
半減期
- 半減期
反応物質の濃度が半分になるのに要する時間 - 半減期を3回繰り返すと1/8(1/2×1/2×1/2)、4回繰り返すと1/16(1/2×1/2× 1/2×1/2)になる
※積ではなく、累乗
過去問題(計算問題)
第1問
次の標準反応熱(kJ/mol)はいくらか
CO(g)+1/2O2(g)→CO2(g)
ただし、各成分の標準生成熱は以下のとおりであり、(g)は気体状態を示す
CO(g):-110.5kJ/mol
CO2(g):-393.5kJ/mol
O2(g):0kJ/mol
第2問
次の化学反応式における平衡に関する記述として、誤ているものはどれか。ただし、Q(>0)は反応熱である
CH4+H2O=CO+3H2+Q
(1)右方向へは吸熱反応である
(2)圧力を上げると左方向への反応が進みやすくなる
(3)温度を下げると左方向へ反応が進みやすくなる
(4)水蒸気(H2O)を増加させると左方向への反応が進みやすくなる
(5)この反応において、触媒は化学平衡状態に影響を与えない
第3問
一次反応において、反応物質の濃度が初期濃度の50%になるまでに10分を要した。反応の開始から初期濃度の12.5%になるまでに要する時間(分)はいくらか