2019年 過去問題 乙種

ガス技術

製造

(ガ)問1

市ガスの原料としてのLNG に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ)LNG は、大気圧下で約 -160 °C の沸点を有する液体である。

(ロ)メタンは、常温では空気の約半分の重さであり拡散しやすいが、約-110 °C 以下の低温では、空気より重いので注意を要する。

(ハ)LNG を取り扱う機器に対しては、低温脆性の大きな材料を用いる必要がある。

(二)LNG のプール燃焼の消火にあたっては、粉末消火剤を用いることが望ましいが、注水によって消火する方法も有効である。

(ホ) 貯槽に LNG を受入中は、ロールオーバー現象の発生を防止するために、貯槽内の高さ方向の密度分布(温度分布)を常時監視し、層状化が観測された場合には迅速に層状化を解消しなければならない。

(1)イ、ハ (2)イ、ホ (3)ロ、二
(4)ロ、ホ (5)ハ、二
解答
正解→(5)ハ、二
(ハ)誤り 低温脆性(ていおんぜいせい) → 低温靭性(ていおんじんせい)

(二)誤り 注水によって消火を行ってはならない
(ガ)問2

都市ガスの製造設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) BOG再液化設備の直接混合方式で力削減効果を得られる、LNG貯槽内のLNG 濃縮対策には有効ではない

(2) アフィン式気化器は転費が低廉でベースロード用として使用されるが長時間運すると空気中の水分が伝熱管の表面に氷となって付着連続運転時間に制約が生ずいる。 

(3) LNG ポンプは受に過大なスラスト荷重がかからないようにするためバランス機構を設けている。 

(4) 玉形弁(グローブ弁)弁体が弁座面に垂直に開閉する形状で流れの方向に変化がな体の圧力損失が小さい。 

(5) 口径のLNG においては直接低温液を導入することにより配の上下方向度分布が生上下の熱収縮差によりボーイング現象が発生する

解答
正解→(4)

(4)誤り 玉形弁(グローブ弁)は、弁体が弁座面に垂直に開閉する形状で、流れの方向が急激に変化するため、流体の圧力損失が大きい
(ガ)問3

製造設備の計装設備に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ)ガス製造設備の制御システムにはラントの異常を検知してオペレーターに知らせる ための警報装置異常に自動的に設備を緊急停止する等のインターロック役割を持たせている。 

(ロ)ガス製造設備の制御システムではステムへの不正アクセスによるトラブル等に伴うリスクを要なセキュリティ対策を行。 

(ハ)DCS等のコンピューターによる制御システムで、警報等の各種設定値の変更が容易に行る反面制御ブロックの結合やシーケンス制御の構築におて自由度は小さくな。 

(二) ダイヤフラムを用いた空気圧式遠隔操作弁の駆動部は構造が簡単であり、比較的大径で開閉ストロークが長い往復動形のバルブによく用いられる

(ホ) 自動制御方式のうち一つの調節計の目標値を他の調節計により制御する式をカスケード制御という

(1)イ、ハ (2)イ、ホ (3)ロ、二
(4)ロ、ホ (5)ハ、二
解答
正解→(5)ハ、二

(ハ)誤り DCS等のコンピューターによる制御システムでは、警報等の各種設定値の変更が容易に行え、制御ブロックの結合やシーケンス制御の構造において自由度は高くなる

(二)誤り 大口径で開閉ストロークが長い → 小口径で開閉ストークが短い

(ガ)問4

ガスの成分分析及び発熱量・比重の測定に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ) 総発熱量は生成した水の凝縮潜熱を真発熱量から差し引いて求める。 

(ロ)ガスクロマトグラフとは定相に移動相と呼ばれるキャリアガスを流して固定相と動相との間における試料各成分の溶解性吸着性の差によって成分物質を分離測定する装置である。 

(ハ) ガス比重とは一温度及び同一圧力における等しい体積のガスと湿り空気の質量の比と定義される。 

(二) ガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出器(FID)化合物にしか感度を示さないが、非常に高感度ある。 

(ホ)ガス比重の測定にはガスクロマトグラフ法によって得ら成分組成から計算によって求める方法ブンゼン- シリン法又は比重瓶法によって測定する方法がある

(1)イ、ハ (2)イ、ホ (3)ロ、二
(4)ロ、ホ (5)ハ、二
解答
正解→(1)イ、ハ

(イ)誤り 真発熱量は、生成した水の凝縮潜熱を総発熱量から差し引いて求める

(ハ)誤り 湿り空気 → 乾燥空気

(ガ)問5

都市ガスの付臭に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ)付臭剤は、人間に対して害がなく、毒性もないことや、土壌透過性が高いこと等が要求される

(ロ) 付臭方式の中で、ポンプ注入方式と蒸発方式は、比較的小規模な設備に適している。

(ハ) 蒸発方式による付臭剤注入量の確認方法には、蒸発器にバイパスするバイパスラインガス量からの計量や付臭剤タンクの液位測定等がある。 

(二) 臭気濃度の管理値は、パネル法では 1000 倍以上、付臭剤濃度測定法では 2000 倍以上である。 

(ホ)検知管法で測定できる付臭剤成分は、テトラヒドロチオフェン(THT)、ターシャリーブチルメルカプタン(TBM)、ジメチルサルファイド(DMS)である。

(1)イ、ハ (2)イ、ホ (3)ロ、二
(4)ロ、ホ (5)ハ、二
解答
正解→(4)ロ、ホ

(ロ)誤り ポンプ注入方式は、比較的規模の大きい付臭設備に適している

(ホ)誤り ジメチルサルファイド(DMS)は検知管法では測定することはできない

(ガ)問6

台風対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 台風は停電等により二次災害を引き起こす可能性があるため、LNG、LPG、燃料油等を備蓄しておくことが大切である。 

(2) 台風接近通過時は、LNG 船の入船、LNGローリー車等の輸送が困難となる場合があるため、事前に関係調整し、原料受入計画の見直しを行う。 

(3) 台風接近時は徐々に気圧が低下し、相対的にLNG貯槽の圧力が下降するため、事前に LNG 貯槽の圧力を上げておく。 

(4) 台風接近時は、海が荒れ、水の取水口に設置したスクリーン設備にゴミが付着して海水取水量が低下する可能性があるので、注意を要する。 

(5) 台風通過後は、直ちに構内の点検を実施するとともに、台風接近前に処置し箇所を復旧する

解答
正解→(3)

(3)誤り 台風接近時は、徐々に気圧が低下し、相対的にLNG貯槽の圧力が上昇するため、事前に LNG 貯槽の圧力を下げておく。
(ガ)問7

製造設備の建設及び操業に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ)安全設計には、システムの多重化、フェイルセーフ等の考え方やプロセスラインのブロック化、保安距離等を考慮した配置計画等がある。

(ロ)ロ レベル2地震動とは、設備の供用期間中に発生する確率の高い地震動であり、レベル2地震動に対する耐震性評価は、弾性設計法により、耐震上重要な部材に生ずる応が部材有する許容応力を超えないことを確認する。 

(ハ)LNG貯槽のLNG は外部からの入熱により濃縮(熱量上昇)が進んいく濃縮度合いは貯槽内の液位によらず一定であり、その進行況を味した上で量管理が重要である。 

(二) LNG は、水と反応して氷に似た水和物を生成するため、配管の閉そく等のトラブルをこさないよう、LNG 設備は事前に十分に乾燥を行うことが必要である。 

(ホ) ボイルオフガス (BOG)を送出ガスに混入する場合には、熱量調整設備用 LPG の混入量加等、送出ガスの質管理にも留意しなければならない。

(1)イ、ロ (2)イ、二 (3)ロ、ハ
(4)ハ、ホ (5)二、ホ
解答
正解→(3)ロ、ハ

(ロ)誤り レベル2地震動 → レベル1地震動

(ハ)誤り 液位によらず一定 → 液位によらず異なる
(ガ)問8

製造設備の保全に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ) 状態視保全とは、新設備の建設段階にさかのぼり、信頼性、保全性、経済性操作性、安全等を考慮した設計を行い、保全費用と劣化損失を最小化しようとする保全方である。

(ロ) 事後保全とは、故障が起こった後、保全を行うもので、故障しても影響の少ない設備や代替設備がある場合に適用する

(ハ) すきま腐食とは、ステンレス鋼等不動態皮膜を持つ金属が非金属質と面を接していた り、異物が付着している場合に、接触面や異物との間にできるすきま部分に局部腐食が発生する現象をいう。 

(二) 異種金属接触腐食とは、電位の異なる2種の金属をイオン電導性のある腐食環境中で接触させた場合に、電位貴な方の金属の腐食が促進される現象をいう。 

(ホ)腐食疲労とは、繰返し応力発生下にある金属に腐食作用が働いて、疲労限度以下の応力条件にもかかわらず、亀裂が生る現象をいう。

(1)イ、ロ (2)イ、二 (3)ロ、ハ
(4)ハ、ホ (5)二、ホ
解答
正解→(2)イ、二

(イ)誤り 状態監視保全 → 保全予防

(二)誤り 電位が貴 → 電位が卑
(ガ)問9

環境に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。 

(イ) サーマNOx の発生は焼雰囲気の温度及び酸素濃度が低いほどた滞留時間がいほど増加する傾向がある。 

(ロ) 物化学的酸素要求量(BOD) 水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費さ酸化剤の量を酸素量に換したものである

(ハ) メタンを主成分とる天然ガスは石油や石炭に比、分子中の水素原子の割合が大き燃焼時の二酸化炭素排出量が最も少ない化石燃料である。 

(二)化石燃料からの温室効果ガス排出量については、燃だけでく、採掘から加工・送等の各段階の排出量を含めたライフサイクルでの評価が重要である

(ホ) 廃棄物処理に定義された産業廃棄物に該当しないものはすべて一般廃棄物になる

(1)イ、ロ (2)イ、二 (3)ロ、ハ
(4)ハ、ホ (5)二、ホ
解答
正解→(1)イ、ロ

(イ)誤り サーマル NOx の発生は、燃焼雰囲気の温度及び酸素濃度が高いほど、また滞留時間が長いほど増加する傾向がある。

(ロ)誤り 生物化学的酸素要求量(BOD)  → 化学的酸素要求量(COD)

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