2019年 過去問題 乙種

基礎

 
(基)問1

気体の諸性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) ボイルシャルルの法によれば一定の質量の気体の体積は力に反比例温度に比例する

(2) ドルトンの圧の法則によれば混合気体における各成分の分圧は全圧各成分の量比率をかたものに等し。 

(3) ファン・デル・ワールスの式は分子間と気体分の体積を考慮して理想気体の状態方程式を補正する式である。 

(4) 相変化わない物質の温度変により吸収又は放出さる熱を顕熱変化に伴い吸収又は放出される熱を潜熱と。 

(5) 密閉容器内の液化ガスにおいて気相と液相が平衡状態で共存するとき相の圧力を蒸気圧という。

解答
正解→(2)

(2)誤り 質量比率 → モル分率
(基)問2

物質量(モル数)基準でプロパン 95 %、ブタン5% の混合液化ガス4470 g を気化させて、温度 300 K、圧力 100 kPa とした場合の体積(㎥)として最も近い値はどれか。ただし、気体 は理想気体とし、気体定数は 8.3 J/(mol・K)とする。

(1)2.5(2)2.7(3)2.9
(4)3.1(5)3.3
解答
正解→(4)3.1
プロパン1モルの質量→44g
ブタン1モルの質量→58g
44(プロパン1モル)×0.95(プロパン95%)+58g(ブタン1モル)×(ブタン5%)
=44.7g
混合ガスが4470gなのでモル数は
4470/44.7=100mol
気体の状態方程式より
PV=nRT
100×V=100×8.3×300
V=2490L=2.49㎥
※1000L=1㎥(10×10×10)
(基)問3
圧力 50 kPa で1㎥の空気を断熱圧縮して0.95 ㎥にしたときの圧力(kPa) として最も近い値はどれか。ただし、空気の比熱比は1.40 とし、(1 + x) ≒ 1 + nx と近似できるものとする。
 
(1)47(2)49(3)52
(4)54(5)57
解答
正解→(4)54
断熱変化では以下の関係が成り立つ
P1×V1γ=P2×V2γ
問題文の値を代入すると
50×11.40=P2×0.951.40
P2=(50×11.40)/0.951.40=50×1/(1-0.05)1.40
問題文の「(1 + x)n ≒ 1 + nx と近似できるものとする」より、
=50/(1-0.05×1.40
)=50/0.93=53.8kPa
 
(基)問4
気体の熱力学に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1) 窒素のジュール・トムソン係数は、常温常圧付近で正の値であり、ジュール・トムソンカ膨張に伴い温度が低下する。

(2) ヒートポンプとは、力学的な仕事を用いて、熱を低温物体から高温物体に移す装置である。

(3) エクセルギーと系が外界と平衡状態するまでに取り出すことのできる仕事の値である

(4) 定圧モル熱容量 C p定積モル熱容量 Cvの比C p/ Cvでは、常温常圧付近において、ヘリウムのような単原子気体で約1.67、窒素や酸素等の2原子気体では約 1.40 である。

(5) 理想気を定条件のもとで温度を上昇させると、エントロピーは減少する

解答
正解→(5)

(5)誤り エントロピーは減少する → 増大する

(基)問5
一次反応において、反応物が 50 % 反応するのに要する時間が 10 分のとき、75% 反応するのに要する時間(分)として最も近い値はどれか。

(1)10(2)15(3)20
(4)25(5)30

解答
正解→(3)20
1回目の半減期(10分後)で濃度50%反応
2回目の半減期(10分後)で残りの50%の50%の25%になり、反応物の75%が反応したことになる
よって10分×2=20分

(基)問6

化学反応と化学平衡に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 化学平衡とは、可逆反応において、順方向と逆方向の反速度が等しくなった状態をい。 

(2) 等温定圧下における化学反応は、自由エネルギーが大となる点で平衡状態になる。 

(3) ある反応の標準自由エネルギー変化がわかれば、平衡組成を計算により求めることができる。

(4) 発熱反応が平衡状態にあるとき、反応温度を下げると反応さらに進行して、新たな平衡状態に達する。

(5) 触媒は反応速度を変えることができる、平衡状態を変えることはない。

解答
正解→(2)

(2)誤り 自由エネルギーが極大となる → 極小となる

(基)問7

次の燃焼反応式のうち、可燃性ガス1mを完全燃焼するのに必要な酸素量が最も多い反応式と、最も少ない反応式の組合せとして、正しいものはどれか。 

(イ) CH4202 → CO2+2H2O

(ロ)2C2H6+7O2→4CO2+6H2O

(ハ)CH+5O2→3CO2+4H2O

(二)C2H4+3O2→2CO2+2H2O

(ホ)2C2H2+5O→4CO2+2H2O

 
(1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)ロ、二
(4)ハ、ホ(5)二、ホ
解答
正解→(2)イ、ハ
理論酸素量は酸素の係数÷可燃性ガスの係数で求められる
(イ)理論酸素量2㎥【最小】

(ロ)理論酸素量3.5㎥

(ハ)理論酸素量5㎥【最大】

(二)理論酸素量3㎥

(ホ)理論酸素量2.5㎥

 
(基)問8

メタン 40 vol%、プロパン 60 vol% の混合気体の空気中における燃焼下限界(vol%)として最も近い値はどれか。ただし、空気中におけるそれぞれの燃焼下限界は、メタン 5.0 vol%、プロパン 2.1 vol% とする。

(1)2.7(2)3.2(3)3.7
(4)4.2(5)4.7
解答
正解→(1)
ルシャトリエの式より
100/L=n1/N1+n2/N2
L:混合ガスの燃焼下限界
n:成分ガスの体積割合
N:成分ガスの燃焼下限界
100/L=40/5+60/2.1=(40×2.1+60×5)/(5×2.1)
=384/10.5
L=100×10.5/384=2.73vol%
(基)問9

流体に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 圧縮性流体とは、密度変化を考慮する必要がある流体である。

(2) 気体にも粘性は存在し、摩擦抵抗の原因になる。

(3) 粘度を密度で割った値を動粘度という。

(4) ベルヌーイの式は、運動エネルギーと位置エネルギーの和が一定に保存されることを示す。

(5) 直円管内の流れでは、レイノルズ数がある値以上となると層流から乱流に遷移する。

 
解答
正解→(4)

(4)誤り 運動エネルギーと位置エネルギー、圧力エネルギーの和が一定に保存されることを示す

(基)問10
径0.25 m の直円管に平均流速 3.4 m/s でガス(動粘度:1.7 x 10-5m2/s) を流したときのレイノルズ数として、最も近い値はどれか。
 
(1)10000
(2)20000
(3)30000
(4)40000
(5)50000
解答
正解→(5)
レイノルズ数(Re)=内径(d)×流速(u)/動粘度(ν)
Re=(0.25×3.4)/1.7×10550000
 
(基)問11

燃焼炉において、厚さ 40 cm の平面炉壁の内面温度が 1300 °C、外面温度が 500 °C であった。熱流束を 2.0kW/㎡とした場合、炉壁の平均熱伝導率(W/(m・K))として、最も近い値はどれか。

 

(1)0.6(2)1.0(3)1.6
(4)2.5(5)4.0
解答
正解→(2)
熱流束(q)=熱伝導率(λ)×両面の温度差(ΔT)/厚さ(L)
2000=λ×800/0.4
λ=2000×0.4/800=1W/(m・K)
 
(基)問12
対流伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
 

(1) 物体表面から流体に伝わる熱流束は、物体の表面温度と流体の温度の差に比例する。

(2) 物体表面の近くで急激な流体の温度変化が生じ、この温度変化が熱移動の駆動源となる。

(3) 一般に、液体に比べて気体の熱伝達率は大きい。

(4)一般に、自然対流に比べて強制対流の熱伝達率は大きい。

(5)一般に、沸騰・凝縮等の相変化が生じると熱伝達率は著しく大きくなる。

 
解答
正解→(3)
(3)誤り 熱伝達率は大きい → 小さい
(基)問13

直径10 mm の円柱の延性材料の試験片について、常温で引張試験を行った。降伏点での引張力が25000 N であったとき、引張応力(MPa) として最も近い値はどれか。

(1)31.8(2)105(3)318
(4)1050(5)3180
解答
正解→(3)
原断面積(A)=1/4×π×d=3.14×102/4㎟
引張応力(σ)=引張力(P)/原断面積(A)
σ=(25000×4)/(3.14×102)=1000/3.14≒3.18N/㎟=318MPa
 
(基)問14
材料の破壊に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

 (1) 疲労破壊におい一般応力振幅が大きいほど破壊までの繰り返し数は大きくな

(2) 高温下で使用される場合、金属材料はクープにより、引張強さよりも小さな応力で破壊する。  

(3) オーステナイト系ステンレス鋼では力腐食割れの発生が見。 

(4) アルミニウム等の面心立方晶金属では温脆性が見られない。 

(5) 接部近傍に生じる遅れ割れは溶接部に存在する水素量が多いほ発生しやす

 
解答
正解→(1)

(1)誤り 繰り返し数は大きくなる → 小さくなる
 
(基)問15
高分子材料の一般的な性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 

(1) 金属材料に比べて、熱伝導率が大きい。

(2)金属材料に比べて、比重が小さい。

(3) 金属材料に比べて、引張強さが小さい。

(4) 金属材料に比べて、酸に対する耐食性が優れている。

(5)空気雰囲気下で、長時間高温度で使用していると、熱と空気中の酸素の影響で劣化する。

解答
正解→(1)
(1)熱伝導率が大きい → 小さい

 

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