2018年 過去問題 乙種

基礎

 
(基)問1

温度 27 °C、体積 3.0 L、圧力 100 kPa の理想気体を、温度 -23 °C、体積 2.5Lにしたときの圧力(kPa) として、最も近い値はどれか。 

(1)50(2)83(3)100
(4)120(5)144
解答
正解→(3)100
ボイルシャルルの法則より、P1×V1/T1=P2×V2/T2→P2=P1×V1/V2×T2/T1
P2=100×3/2.5×250/300=300×250/2.5×300=250/2.5=100kPa
(基)問2

圧力 40 MPaにおいて、ある気体が水に溶解している。ヘンリーの法則が成り立つ場合における気体 (溶質) のモル分率として、最も近い値はどれか。ただし、ヘンリー定数 H = 4000 MPa とする。

(1)0.01(2)0.02(3)0.05
(4)0.1(5)0.2
解答
正解→(1)
ヘンリーの法則より、気体の圧力(P)=ヘンリー定数×溶質のモル分率
→溶質のモル分率=気体の圧力/ヘンリー定数
モル分率=40/4000=0.01
 
(基)問3

気体の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 気体の粘度は、温度や圧力によってほとんど変わらない。

(2) 理想気体では、混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の和に等しい。

(3) 実在気体は、高温あるいは低圧の条件では、理想気体に近い性質を示す。

(4) 常圧での気体の熱伝導率は、温度の上昇とともに増加する。

(5) 臨界温度以上では、圧力をどんなに上げても気体を液化させることはできない。

解答
正解→(1)

(1)温度や圧力によってほとんど変わらない → 温度が高くになるにつれて大きくなるが、圧力が変わってもほとんど変わらない。

(基)問4

一定容積の容器に入れた温度 25 °C の空気 3kg に、 21 kJ の熱を加えた。加熱後の空気の温度(°C)として最も近い値はどれか。ただし、加えた熱はすべて空気の温度上昇に用いられるものとし、空気の定積比熱容量 C = 0.7 kJ/(kg・K) とする。

(1)30(2)35(3)40
(4)45(5)50
解答
正解→(2)35
容積一定の場合の加熱量を求める場合は以下の式を用いる
加熱量(Q)=m×Cv×(T1-T2
m:物質量 Cv:定積比熱容量 (T1-T2):温度差
21=3×0.7×(T2-25)
-25=21/2.1=10
T2=10+25=35℃
(基)問5

カルノーサイクルにおいて、次の温度条件のうち、熱効率が最大となるものはどれか。

(1) 高温熱源 : 1000K,  低温熱源 : 300K

(2) 高温熱源 : 1000K,  低温熱源 : 400K

(3) 高温熱源 : 1200K,  低温熱源 : 600K

(4) 高温熱源 : 1400K ,  低温熱源 : 700K

(5) 高温熱源 : 1500 K,  低温熱源 : 900K

解答
正解→(1)
熱効率=高温熱源温度ー低温熱源温度/高温熱源温度

(1)熱効率70%

(2)熱効率60%

(3)熱効率50%

(4)熱効率50%

(5)熱効率40%

(基)問6

化学反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 一次反応の反応速度は、反応物質の濃度に比例する。

(2) 一次反応の半減期は、反応のどの時点から測っても同じである。

(3) 速度定数は、反応温度に依存しない。

(4) アレニウスの式に基づいて、活性化エネルギーを求めることができる。

(5) 触媒は、平衡定数に影響を与えない。

解答
正解→(3)

(3)誤り 反応速度は一般に、温度の上昇によって増大し、その影響は速度定数にあらわれる

(基)問7
燃料電池に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 

(1) 水素と酸素を電気化学的に反応させて発電ができる。

(2) アノードとカソードのみで構成される。

(3) 二次電池には該当しない。

(4) 固体高分子形、りん酸形、固体酸化物形等の種類がある。

(5) 理論起電力は熱力学的に求めることができる。

解答
正解→(2)

(2)誤り アノードとカソードのみ → アノードとカソード、電解質で構成される

(基)問8

メタン 5㎥を空気比1で完全燃焼させるのに必要な空気量(㎥)として、最も近い値はどれか。ただし、気体は標準状態(温度0°C、圧力 101325 Pa) とし、空気中の窒素と酸素の体積比は4:1とする。

(1)10(2)20(3)30
(4)40(5)50
解答
正解→(5)50
メタンの燃焼反応式は以下の通り
CH4+2O2  → CO2+2H2O
メタンの1㎥の理論酸素量=2㎡
理論空気量=理論酸素量/空気中の酸素割合より
メタン1㎥の理論空気量=2/0.2=10㎥
メタン5㎥の理論空気量=5×10=50㎥
(基)問9

可燃性ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 水素の燃焼下限界(vol %)は、メタンの燃焼下限界(vol %)より小さい。

(2) 爆発性混合ガスに窒素のような不活性ガスが混合すると、燃焼範囲は広くなる。

(3) 温度を高くすると、燃焼範囲は広くなる。

(4) 爆ごう範囲は、燃焼範囲の内側にある。

(5) 爆ごうは、その伝播速度が超音速であり、衝撃波をともなう。

解答
正解→(2)

(2)誤り 燃焼範囲は広くなる → 狭くなる

(基)問10
直円管内の完全に発達した流れに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 

(1) 断面積が変化する直円管において、各断面を単位時間に通る流体の質量は変わらない。

(2) 層流における管内の圧力損失は、平均流速に比例する。

(3) 層流から流速を上げていくと、乱流へ遷移する。

(4) 層流の速度分布は放物線であり、管中心で最大速度になる。

(5) 乱流における管摩擦係数は、管壁面の粗さに依存しない。

解答
正解→(5)

(5)誤り 依存しない → 依存する

(基)問11

内径3cm の円管内を水が平均流速 100 cm/sで流れているとき、レイノルズ数として最も近い値はどれか。ただし、水の密度を 1000 kg/㎥、粘度を 1.0 × 10-3Pa・s とする。

(1)3×10(2)3×103(3)3×104
(4)3×105(5)3×106
解答
正解→(3)3×104
レイノルズ数(Re)=ρud/μ
ρ:密度 u:平均流速 d:管の内径 μ:粘度
Re=1000×1×0.03/1×10-3=10×3× 10-2 × 103=3×10(3-2+3)3×104
 
(基)問12

平均熱伝導率 0.02 W/(m・K) の平板の断熱材の片面を -175 °C とし、別の面を 25 °C に保った時の熱流束が 10 W/㎡ であった。このとき、断熱材の厚さ(m)として最も近い値はどれか。

(1)0.1(2)0.2(3)0.4
(4)1.0(5)2.0
解答
正解→(3)
熱流束(q)=λ×(Th-Tc)/L→L=λ ×(Th-Tc)/q
λ:熱伝導率 (Th-Tc):温度差 L:平板の厚さ
L=0.02×(25-(-175))/10=0.02×200/10
=4/10=0.4m
(基)問13

熱放射に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 熱放射では、電磁波を介して空間を熱エネルギーが移動する。

(2) 黒体の全放射能は、その絶対温度の4乗に比例し、これをステファン・ボルツマンの法則という。

(3) 実在物体の全放射能は、黒体の場合に比べて小さくなる。

(4) 全放射率は、実在物体の全放射能と黒体の全放射能の比である。

(5) 全放射率は、物体表面の性状に依存しない。

解答
正解→(5)

(5)誤り 依存しない → 依存する

(基)問14

ある金属材料に図のように一定の力を加えた。せん断応力が 100 kPa、原断面積が 0.1 ㎡のとき、力(kN)として最も近い値はどれか。

(1)0.01(2)0.1(3)1
(4)10(5)1000
解答
正解→(4)
応力=力/原断面積→力=せん断応力×原断面積
力=100×0.1=10
 
 
(基)問15

金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 

(1) 炭素鋼は一般に、炭素量が増加するに従い引張強さは増す。

(2) 炭素鋼に Ni、Cr、Mn、Mo などの合金元素を添加し、引張強さや伸びなど様々な性質を改善した鋼を特殊鋼という。

(3) オーステナイト系ステンレス鋼では、低温ぜい化は認められない。

(4) オーステナイト系ステンレス鋼では、応力腐食割れは認められない。

(5) アルミニウム及びアルミニウム合金は、低温用材料として使用できる。

解答
正解→(4)(4)誤り 応力腐食割れは認められない → 認められる
 
 

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