第二十七条
経済産業大臣は、ガス主任技術者免状の交付を受けている者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、そのガス主任技術者免状の返納を命ずることができる。
(免状交付事務の委託)
第二十八条
経済産業大臣は、政令で定めるところにより、ガス主任技術者免状に関する事務(ガス主任技術者免状の返納に係る事務その他政令で定める事務を除く。以下「免状交付事務」という。)の全部又は一部を次条第三項の経済産業大臣の指定を受けた者に委託することができる。
2 前項の規定により免状交付事務の委託を受けた者の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る免状交付事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(ガス主任技術者試験)
第二十九条
ガス主任技術者試験は、ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安に関して必要な知識及び技能について行う。
2 ガス主任技術者試験は、毎年一回ガス主任技術者免状の種類ごとに、経済産業大臣が行う。
3 経済産業大臣は、その指定する者に、ガス主任技術者試験の実施に関する事務を行わせることができる。
4 ガス主任技術者試験の試験科目、受験手続その他ガス主任技術者試験の実施細目は、経済産業省令で定める。
(ガス主任技術者の義務等)
第三十条
ガス主任技術者は、誠実にその職務を行わなければならない。
2 ガス小売事業の用に供するガス工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、ガス主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
(ガス主任技術者の解任命令)
第三十一条
経済産業大臣は、ガス主任技術者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又はその者にその職務を行わせることがガス小売事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安に支障を及ぼすと認めるときは、ガス小売事業者に対し、ガス主任技術者の解任を命ずることができる。
(工事計画)
第三十二条
ガス小売事業者は、ガス小売事業の用に供するガス工作物の設置又は変更の工事であつて、経済産業省令で定めるものをしようとするときは、その工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、ガス工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 ガス小売事業者は、前項の規定による届出に係る工事の計画を変更しようとするときは、経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、その変更が経済産業省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
3 前二項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る工事を開始してはならない。
4 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
一 そのガス工作物が第二十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しないものでないこと。
二 そのガス工作物がガスの円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
5 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が前項各号に適合していないと認めるときは、ガス小売事業者に対し、その届出を受理した日から三十日以内に限り、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。
6 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画について、工事の工程における検査を行わなければ当該工事の計画に係るガス工作物が第二十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しているかどうかを判定することができないと認められる場合において、当該技術上の基準に適合しているかどうかを判定するために必要があるときは、次条第一項の経済産業大臣の登録を受けた者の工事の工程における検査を受けるべきことを命ずることができる。この場合において、前項に規定する期間内に、第一項又は第二項の規定による届出をした者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
7 ガス小売事業者は、第一項ただし書の場合は、工事の開始の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
8 ガス小売事業者は、第二項ただし書の場合は、その工事の計画を変更した後、遅滞なく、その変更した工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
(使用前検査)
第三十三条
ガス小売事業者は、前条第一項又は第二項の規定による届出をして設置又は変更の工事をするガス工作物(その工事の計画について、同条第五項の規定による命令があつた場合において同条第一項又は第二項の規定による届出をしていないものを除く。)であつて、経済産業省令で定めるものの工事について自主検査を行い、その結果が次項各号に適合していることについて経済産業省令で定めるところにより経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査(同条第六項の規定によりその工事の工程における検査を受けるべきことを命ぜられた場合には、その検査を含む。)を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査においては、そのガス工作物が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一 その工事が前条第一項又は第二項の規定による届出をした工事の計画(同項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第二十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
3 ガス小売事業者は、経済産業省令で定めるところにより、第一項の自主検査の記録を作成し、これを保存しなければならない。
(定期自主検査)
第三十四条
ガス小売事業者は、ガス小売事業の用に供するガス工作物であつて経済産業省令で定めるものについては、経済産業省令で定めるところにより、定期に、自主検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
(事業の許可)
第三十五条
一般ガス導管事業を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
(許可の申請)
第三十六条
前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
三 供給区域
四 一般ガス導管事業の用に供するガス工作物に関する次に掲げる事項
イ 経済産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内におけるガスの圧力
ロ ガス発生設備及びガスホルダーにあつては、これらの設置の場所、種類及び能力別の数
2 前項の申請書には、供給区域の図面その他経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
(許可の基準)
第三十七条
経済産業大臣は、第三十五条の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一 その一般ガス導管事業の開始がその供給区域における需要に適合すること。
二 その一般ガス導管事業のガス工作物の能力がその供給区域における需要に応ずることができるものであること。
三 その一般ガス導管事業の開始によつてその供給区域の全部又は一部においてガス工作物が著しく過剰とならないこと。
四 その一般ガス導管事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
五 その一般ガス導管事業の計画の実施が確実であること。
六 その他その一般ガス導管事業の開始が公益上必要であり、かつ、適切であること。
(許可証)
第三十八条
経済産業大臣は、第三十五条の許可をしたときは、許可証を交付する。
2 許可証には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 許可の年月日及び許可の番号
二 氏名又は名称及び住所
三 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
四 供給区域
五 一般ガス導管事業の用に供するガス工作物に関する次に掲げる事項
イ 第三十六条第一項第四号イの経済産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内におけるガスの圧力
ロ ガス発生設備及びガスホルダーにあつては、これらの設置の場所、種類及び能力別の数
(事業の開始の義務)
第三十九条
一般ガス導管事業者は、三年以内において経済産業大臣が指定する期間(新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)による新住宅市街地開発事業の施行に伴い、その事業の開始に特に長期間を要すると認められるときは、経済産業大臣が指定する期間)内に、その事業を開始しなければならない。
2 経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、供給区域を区分して前項の規定による指定をすることができる。
3 経済産業大臣は、一般ガス導管事業者から申請があつた場合において、正当な事由があると認めるときは、第一項の規定により指定した期間を延長することができる。
4 一般ガス導管事業者は、その事業を開始したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(供給区域の変更)
第四十条
一般ガス導管事業者は、第三十八条第二項第四号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2 第三十七条及び前条の規定は、前項の許可(同条の規定にあつては、供給区域の減少に係るものを除く。)に準用する。
(ガス工作物等の変更)
第四十一条
一般ガス導管事業者は、第三十八条第二項第五号に掲げる事項について経済産業省令で定める重要な変更をしようとするときは、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 一般ガス導管事業者は、第三十八条第二項第二号若しくは第三号に掲げる事項に変更があつたとき、又は同項第五号に掲げる事項の変更(前項に規定するものを除く。)をしたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 第一項の規定による届出をした一般ガス導管事業者は、その届出が受理された日から二十日を経過した後でなければ、その届出に係る変更をしてはならない。
4 経済産業大臣は、第一項の規定による届出の内容がその届出をした一般ガス導管事業者の一般ガス導管事業の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
5 経済産業大臣は、第一項の規定による届出の内容がその届出をした一般ガス導管事業者の一般ガス導管事業の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その届出をした一般ガス導管事業者に対し、その届出を受理した日から二十日以内に限り、その届出の内容を変更し、又は中止すべきことを命ずることができる。
(事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併及び分割)
第四十二条
一般ガス導管事業の全部又は一部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 一般ガス導管事業者たる法人の合併及び分割(一般ガス導管事業の全部又は一部を承継させるものに限る。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第三十七条の規定は、前二項の認可に準用する。
(承継)
第四十三条
一般ガス導管事業の全部の譲渡しがあり、又は一般ガス導管事業者について相続、合併若しくは分割(当該一般ガス導管事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、一般ガス導管事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該一般ガス導管事業の全部を承継した法人は、一般ガス導管事業者の地位を承継する。
2 前項の規定により一般ガス導管事業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(事業の休止及び廃止並びに法人の解散)
第四十四条
一般ガス導管事業者は、経済産業大臣の許可を受けなければ、一般ガス導管事業の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 一般ガス導管事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 経済産業大臣は、一般ガス導管事業の休止若しくは廃止又は法人の解散により公共の利益が阻害されるおそれがないと認めるときでなければ、第一項の許可又は前項の認可をしてはならない。
(事業の許可の取消し等)
第四十五条
経済産業大臣は、一般ガス導管事業者が第三十九条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間。次条第一項において同じ。)内に事業を開始しないときは、第三十五条の許可を取り消すことができる。
2 経済産業大臣は、前項に規定する場合を除くほか、一般ガス導管事業者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、第三十五条の許可を取り消すことができる。
3 経済産業大臣は、前二項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその一般ガス導管事業者に送付しなければならない。
第四十六条
経済産業大臣は、第四十条第一項の規定による第三十八条第二項第四号に掲げる事項の変更の許可を受けた一般ガス導管事業者が第四十条第二項において準用する第三十九条第一項の規定により指定した期間内にその増加する供給区域において事業を開始しないときは、その許可を取り消すことができる。
2 経済産業大臣は、一般ガス導管事業者がその供給区域の一部において一般ガス導管事業を行つていない場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、その一部について供給区域を減少することができる。
3 前条第三項の規定は、前二項の場合に準用する。
(託送供給義務等)
第四十七条
一般ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、その供給区域(一般ガス導管事業者が第五十五条第一項の規定による届出をして特定ガス導管事業を営む場合にあつては、当該届出に係る供給地点を含む。次条第一項及び第四十九条第一項において同じ。)における託送供給を拒んではならない。
2 一般ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、最終保障供給を拒んではならない。
3 一般ガス導管事業者は、当該一般ガス導管事業者の最終保障供給の業務の方法又は当該一般ガス導管事業者が行う最終保障供給に係る料金その他の供給条件についての最終保障供給の相手方(当該一般ガス導管事業者から最終保障供給を受けようとする者を含み、ガス事業者である者を除く。)からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。
(託送供給約款)
第四十八条
一般ガス導管事業者は、その供給区域における託送供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、託送供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。ただし、託送供給の申込みを受ける見込みその他の事情を勘案し、託送供給約款を定める必要がないものとして経済産業大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。
2 前項本文の規定は、同項本文の認可を受けた託送供給約款を変更しようとする場合に準用する。
3 一般ガス導管事業者(第一項ただし書の承認を受けた者を除く。以下この条において同じ。)は、同項本文(前項において準用する場合を含む。)の認可を受けた託送供給約款(第六項若しくは第九項の規定による変更の届出があつたとき、又は第五十条第二項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの)以外の供給条件により託送供給を行つてはならない。ただし、その託送供給約款により難い特別の事情がある場合において、経済産業大臣の認可を受けた料金その他の供給条件(同条第二項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの)により託送供給を行うときは、この限りでない。
4 経済産業大臣は、第一項本文(第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、第一項本文の認可をしなければならない。
一 料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。
二 第一項本文の認可の申請に係る託送供給約款によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
三 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
四 一般ガス導管事業者及び第一項本文の認可の申請に係る託送供給約款によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
五 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
六 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
5 一般ガス導管事業者は、第二項の規定にかかわらず、料金を引き下げる場合その他のガスの使用者の利益を阻害するおそれがないと見込まれる場合として経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、第一項本文の認可を受けた託送供給約款(次項又は第九項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。第八項において同じ。)で設定した料金その他の供給条件を変更することができる。
6 一般ガス導管事業者は、前項の規定により料金その他の供給条件を変更したときは、経済産業省令で定めるところにより、変更後の託送供給約款を経済産業大臣に届け出なければならない。
7 経済産業大臣は、前項の規定による届出に係る託送供給約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該一般ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、その託送供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 前項の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
二 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 一般ガス導管事業者及び前項の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
五 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
8 一般ガス導管事業者は、第二項の規定にかかわらず、他の法律の規定により支払うべき費用の額の増加に対応する場合(一般ガス導管事業(一般ガス導管事業者が第五十五条第一項の規定による届出をして特定ガス導管事業を営む場合にあつては、当該事業を含む。同項を除き、以下この節において同じ。)を行うに当たり当該費用を節減することが著しく困難な場合に限る。)として経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、第一項本文の認可を受けた託送供給約款で設定した料金その他の供給条件を変更することができる。
9 一般ガス導管事業者は、前項の規定により料金その他の供給条件を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨及びその変更後の託送供給約款を経済産業大臣に届け出なければならない。
10 前項の規定による届出に係る託送供給約款は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その効力を生じない。
11 経済産業大臣は、第九項の規定による届出に係る託送供給約款が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
一 料金の変更の内容がその変更の目的に照らして必要かつ十分なものであること。
二 第九項の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
三 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
四 一般ガス導管事業者及び第九項の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
五 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
六 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
12 経済産業大臣は、第九項の規定による届出に係る託送供給約款が前項各号のいずれかに適合しないと認めるときは、当該一般ガス導管事業者に対し、その届出を受理した日から三十日以内に限り、その託送供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
13 一般ガス導管事業者は、第一項本文の規定により託送供給約款の認可を受け、第六項若しくは第九項の規定により託送供給約款の変更の届出をし、又は第五十条第二項の規定による託送供給約款の変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、その託送供給約款を公表しなければならない。
(承認一般ガス導管事業者が行う託送供給に係る料金その他の供給条件)
第四十九条
前条第一項ただし書の承認を受けた者(以下この条において「承認一般ガス導管事業者」という。)は、その供給区域における託送供給を行おうとするときは、当該託送供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 承認一般ガス導管事業者は、前項の規定による届出をした料金その他の供給条件によるのでなければ託送供給を行つてはならない。
3 経済産業大臣は、第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、その届出をした承認一般ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、その料金その他の供給条件を変更すべきことを命ずることができる。
一 第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
二 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 承認一般ガス導管事業者及び第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
五 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
4 経済産業大臣は、託送供給に関して、承認一般ガス導管事業者と当該承認一般ガス導管事業者から託送供給を受けようとする者との間で協議をすることができず、又は協議が調わない場合で、その託送供給に係るガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあると認めるときは、当該承認一般ガス導管事業者及び当該承認一般ガス導管事業者から託送供給を受けようとする者に対して、料金その他の供給条件を指示して、託送供給契約を締結すべきことを命ずることができる。
5 前項の規定による命令があつたときは、その命令を受けた承認一般ガス導管事業者は、同項の規定による指示に係る料金その他の供給条件について、第一項の届出をしたものとみなす。
(託送供給約款に関する命令及び処分)
第五十条
経済産業大臣は、料金その他の供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、第四十八条第一項本文の認可を受けた託送供給約款(同条第二項の変更の認可を受けたとき、又は同条第六項若しくは第九項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの)又は同条第三項ただし書の認可を受けた料金その他の供給条件(次項の規定による変更があつたときは、その変更後の託送供給約款又は料金その他の供給条件)の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、託送供給約款又は料金その他の供給条件を変更することができる。
(最終保障供給約款)
第五十一条
一般ガス導管事業者は、最終保障供給に係る料金その他の供給条件について約款を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 一般ガス導管事業者は、前項の規定による届出をした約款(以下この条において「最終保障供給約款」という。)以外の供給条件により最終保障供給を行つてはならない。ただし、その最終保障供給約款により難い特別の事情がある場合において、経済産業大臣の承認を受けた料金その他の供給条件により最終保障供給を行うときは、この限りでない。
3 経済産業大臣は、最終保障供給約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該一般ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、その最終保障供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
二 一般ガス導管事業者及びガスの使用者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
三 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
四 社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、最終保障供給約款によりガスの供給を受ける者の利益を著しく阻害するおそれがあるものでないこと。
4 第四十八条第十三項の規定は、第一項の規定により最終保障供給約款の届出をしたときに準用する。
(熱量等の測定義務)
第五十二条
一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その供給するガスの熱量、圧力及び燃焼性を測定し、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
(一般ガス導管事業等の業務に関する会計整理等)
第五十三条
一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業以外の事業を営む場合には、経済産業省令で定めるところにより、一般ガス導管事業の業務及びこれに関連する業務に関する会計を整理しなければならない。
2 前項の場合において、一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、同項の整理の結果を公表しなければならない。
(禁止行為等)
第五十四条
一般ガス導管事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 託送供給の業務に関して知り得た他のガスを供給する事業を営む者(次号及び第八十条第一項において「ガス供給事業者」という。)及びガスの使用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。
二 その託送供給の業務その他のその維持し、及び運用する導管に係る業務について、特定のガス供給事業者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。
2 経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
(一般ガス導管事業の用に供する導管と接続して行う特定ガス導管事業の届出)
第五十五条
一般ガス導管事業者は、その供給区域以外の地域において特定ガス導管事業(当該事業の用に供する導管とその一般ガス導管事業の用に供する導管とを接続して行うものに限る。以下この条において同じ。)を営もうとするときは、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
一 供給地点
二 特定ガス導管事業の用に供するガス工作物に関する次に掲げる事項
イ 経済産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内におけるガスの圧力
ロ ガス発生設備及びガスホルダーにあつては、これらの設置の場所、種類及び能力別の数
三 事業開始の予定年月日
四 その他経済産業省令で定める事項
2 前項の規定による届出には、経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
3 第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る供給地点が他の一般ガス導管事業者の供給区域に含まれるときは、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供してはならない。
4 経済産業大臣は、前項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することが前項に規定する他の一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益を阻害するおそれがないと認めるときは、同項に規定する期間を短縮することができる。
5 経済産業大臣は、第三項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することにより、第三項に規定する他の一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあると認めるときは、その届出をした者に対し、その届出を受理した日から三十日(次項の規定により第三項に規定する期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)以内に限り、その届出の内容を変更し、又は中止すべきことを命ずることができる。
6 経済産業大臣は、第三項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することにより、第三項に規定する他の一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあるかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が同項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、三十日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合において、経済産業大臣は、その届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。
7 一般ガス導管事業者は、第一項第一号又は第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
8 第二項から第六項までの規定は、前項の届出に準用する。この場合において、第三項中「導管を特定ガス導管事業の用に供してはならない」とあるのは「変更をしてはならない。ただし、経済産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない」と、第四項から第六項までの規定中「導管を特定ガス導管事業の用に供すること」とあるのは「変更」と読み替えるものとする。
9 一般ガス導管事業者は、第一項第三号又は第四号に掲げる事項に変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
10 第一項の規定による届出をした者は、その特定ガス導管事業を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(供給計画)
第五十六条
一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における供給計画を作成し、当該年度の開始前に(一般ガス導管事業者となつた日を含む年度にあつては、一般ガス導管事業者となつた後遅滞なく)、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 一般ガス導管事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 一般ガス導管事業者は、第一項の規定による届出をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、その供給計画のうち経済産業省令で定める事項を公表しなければならない。前項の規定による届出をしたときも、同様とする。
4 経済産業大臣は、供給計画の変更が公共の利益の増進を図るため特に必要であると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。
5 経済産業大臣は、一般ガス導管事業者がその供給計画を実施していないため、公共の利益の増進に支障を生じていると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、その供給計画を確実に実施すべきことを勧告することができる。
(業務改善命令)
第五十七条
経済産業大臣は、事故によりガスの供給に支障を生じている場合に一般ガス導管事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他一般ガス導管事業の運営が適切でないため、ガスの使用者の利益の保護又はガス事業の健全な発達に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、ガスの使用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、その一般ガス導管事業の運営の改善に必要な措置をとることを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、一般ガス導管事業者が第四十七条第三項の規定に違反したときは、一般ガス導管事業者に対し、その業務の方法の改善に必要な措置をとることを命ずることができる。
(供給区域の調整等の勧告)
第五十八条
経済産業大臣は、二以上の一般ガス導管事業者間において、その供給区域を調整し、又はその事業を一体として経営することが公共の利益の増進を図るため特に必要であり、かつ、適切であると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、その旨を勧告することができる。
(会計の整理等)
第五十九条
一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
2 一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、前項に規定する財務計算に関する諸表を経済産業大臣に提出しなければならない。
(減価償却等)
第六十条
経済産業大臣は、一般ガス導管事業の適確な遂行を図るため特に必要があると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、一般ガス導管事業の用に供する固定資産に関する相当の償却につき方法若しくは額を定めてこれを行うべきこと又は方法若しくは額を定めて積立金若しくは引当金を積み立てるべきことを命ずることができる。
(ガス工作物の維持等)
第六十一条
一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物を経済産業省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
2 経済産業大臣は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物が前項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合していないと認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、その技術上の基準に適合するようにガス工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
3 経済産業大臣は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、そのガス工作物を移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、若しくはその使用を制限し、又はそのガス工作物内におけるガスを廃棄すべきことを命ずることができる。
(ガス工作物の所有者又は占有者の責務)
第六十二条
一般ガス導管事業の用に供するガス工作物のうち一般ガス導管事業者以外の者が所有し、又は占有するガス工作物について一般ガス導管事業者が前条第一項の規定によりその維持のため必要な措置を講じようとするときは、当該ガス工作物の所有者又は占有者はその措置の実施に協力するよう努めなければならない。
2 前項のガス工作物の所有者又は占有者は、そのガス工作物について一般ガス導管事業者が前条第二項の規定による命令又は処分を受けたときは、当該一般ガス導管事業者が当該命令又は処分を受けてとる措置の実施に協力しなければならない。
3 経済産業大臣は、第一項のガス工作物が公共の安全の確保上特に重要なものとして経済産業省令で定めるものである場合であつて、当該ガス工作物について一般ガス導管事業者に対し前条第二項の規定による命令又は処分をした場合において、その一般ガス導管事業者が当該命令又は処分を受けてとる措置の実施に当該ガス工作物の所有者又は占有者が協力せず、当該措置の実施に著しく支障を及ぼしていると認めるときは、当該ガス工作物の所有者又は占有者に対し、当該措置の実施に協力するよう勧告をすることができる。
4 前二項の規定は、第一項のガス工作物又は同項のガス工作物内におけるガスについて前条第三項の規定による命令又は処分を受けた場合に準用する。
(ガスの成分の検査義務)
第六十三条
一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その最終保障供給に係るガスの成分のうち、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがあるものの量が経済産業省令で定める数量を超えていないかどうかを検査し、その量を記録し、これを保存しなければならない。
(保安規程)
第六十四条
一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、経済産業省令で定めるところにより、保安規程を定め、事業(第六十九条第一項の自主検査を伴うものにあつては、その工事)の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 一般ガス導管事業者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。
4 一般ガス導管事業者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。
(ガス主任技術者)
第六十五条
一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、ガス主任技術者免状の交付を受けている者であつて、経済産業省令で定める実務の経験を有するもののうちから、ガス主任技術者を選任し、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせなければならない。
2 一般ガス導管事業者は、前項の規定によりガス主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
(ガス主任技術者の義務等)
第六十六条
ガス主任技術者は、誠実にその職務を行わなければならない。
2 一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、ガス主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
(ガス主任技術者の解任命令)
第六十七条
経済産業大臣は、ガス主任技術者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又はその者にその職務を行わせることが一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安に支障を及ぼすと認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、ガス主任技術者の解任を命ずることができる。
(工事計画)
第六十八条
一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物の設置又は変更の工事であつて、経済産業省令で定めるものをしようとするときは、その工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、ガス工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 一般ガス導管事業者は、前項の規定による届出に係る工事の計画を変更しようとするときは、経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、その変更が経済産業省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
3 前二項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る工事を開始してはならない。
4 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
一 そのガス工作物が第六十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しないものでないこと。
二 そのガス工作物がガスの円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
5 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が前項各号に適合していないと認めるときは、一般ガス導管事業者に対し、その届出を受理した日から三十日以内に限り、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。
6 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画について、工事の工程における検査を行わなければ当該工事の計画に係るガス工作物が第六十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しているかどうかを判定することができないと認められる場合において、当該技術上の基準に適合しているかどうかを判定するために必要があるときは、次条第一項の経済産業大臣の登録を受けた者の工事の工程における検査を受けるべきことを命ずることができる。この場合において、前項に規定する期間内に、第一項又は第二項の規定による届出をした者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
7 一般ガス導管事業者は、第一項ただし書の場合は、工事の開始の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
8 一般ガス導管事業者は、第二項ただし書の場合は、その工事の計画を変更した後、遅滞なく、その変更した工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
(使用前検査)
第六十九条
一般ガス導管事業者は、前条第一項又は第二項の規定による届出をして設置又は変更の工事をするガス工作物(その工事の計画について、同条第五項の規定による命令があつた場合において同条第一項又は第二項の規定による届出をしていないものを除く。)であつて、経済産業省令で定めるものの工事について自主検査を行い、その結果が次項各号に適合していることについて経済産業省令で定めるところにより経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査(同条第六項の規定によりその工事の工程における検査を受けるべきことを命ぜられた場合には、その検査を含む。)を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査においては、そのガス工作物が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一 その工事が前条第一項又は第二項の規定による届出をした工事の計画(同項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第六十一条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
3 一般ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、第一項の自主検査の記録を作成し、これを保存しなければならない。
第七十条
前条第一項の経済産業大臣の登録を受けた者は、同項に規定するガス工作物について同項の検査を行つた場合において、やむを得ない必要があると認めるときは、期間及び使用の方法を定めて、そのガス工作物を仮合格とすることができる。この場合において、同項の経済産業大臣の登録を受けた者は、あらかじめ経済産業大臣の承認を受けなければならない。
2 前項の規定により仮合格とされたガス工作物は、前条第一項の規定にかかわらず、前項の規定により定められた期間内は、同項の規定により定められた方法により使用することができる。
(定期自主検査)
第七十一条
一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業の用に供するガス工作物であつて経済産業省令で定めるものについては、経済産業省令で定めるところにより、定期に、自主検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
(事業の届出)
第七十二条
特定ガス導管事業(一般ガス導管事業者がその一般ガス導管事業の用に供する導管と接続して行うものを除く。以下この節において同じ。)を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
三 供給地点
四 特定ガス導管事業の用に供するガス工作物に関する次に掲げる事項
イ 経済産業省令で定める導管にあつては、その設置の場所及び内径並びに導管内におけるガスの圧力
ロ ガス発生設備及びガスホルダーにあつては、これらの設置の場所、種類及び能力別の数
五 事業開始の予定年月日
六 その他経済産業省令で定める事項
2 前項の規定による届出には、経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
3 第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る供給地点が一般ガス導管事業者の供給区域に含まれるときは、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供してはならない。
4 経済産業大臣は、前項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することが前項に規定する一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益を阻害するおそれがないと認めるときは、同項に規定する期間を短縮することができる。
5 経済産業大臣は、第三項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することにより、第三項に規定する一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあると認めるときは、その届出をした者に対し、その届出を受理した日から三十日(次項の規定により第三項に規定する期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)以内に限り、その届出の内容を変更し、又は中止すべきことを命ずることができる。
6 経済産業大臣は、第三項の場合において、第一項の規定による届出に係る導管を特定ガス導管事業の用に供することにより、第三項に規定する一般ガス導管事業者の供給区域内のガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあるかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が同項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、三十日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合において、経済産業大臣は、その届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。
7 特定ガス導管事業者は、第一項第三号又は第四号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
8 第二項から第六項までの規定は、前項の届出に準用する。この場合において、第三項中「導管を特定ガス導管事業の用に供してはならない」とあるのは「変更をしてはならない。ただし、経済産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない」と、第四項から第六項までの規定中「導管を特定ガス導管事業の用に供すること」とあるのは「変更」と読み替えるものとする。
9 特定ガス導管事業者は、第一項第一号、第二号、第五号又は第六号に掲げる事項に変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(承継)
第七十三条
特定ガス導管事業の全部の譲渡しがあり、又は特定ガス導管事業者について相続、合併若しくは分割(当該特定ガス導管事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、特定ガス導管事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該特定ガス導管事業の全部を承継した法人は、特定ガス導管事業者の地位を承継する。
2 前項の規定により特定ガス導管事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(事業の休止及び廃止並びに法人の解散)
第七十四条
特定ガス導管事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 特定ガス導管事業者たる法人が合併以外の事由により解散したときは、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあつては、破産管財人)は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(託送供給義務)
第七十五条
特定ガス導管事業者は、正当な理由がなければ、その供給地点における託送供給を拒んではならない。
(託送供給約款)
第七十六条
特定ガス導管事業者は、その供給地点における託送供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、託送供給約款を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、託送供給の申込みを受ける見込みその他の事情を勘案し、託送供給約款を定める必要がないものとして経済産業大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。
2 前項本文の規定は、同項本文の規定による届出をした託送供給約款を変更しようとする場合に準用する。
3 特定ガス導管事業者(第一項ただし書の承認を受けた者を除く。以下この条において同じ。)は、同項本文(前項において準用する場合を含む。)の規定による届出をした託送供給約款以外の供給条件により託送供給を行つてはならない。ただし、その託送供給約款により難い特別の事情がある場合において、経済産業大臣の承認を受けた料金その他の供給条件により託送供給を行うときは、この限りでない。
4 経済産業大臣は、第一項本文(第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による届出に係る託送供給約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該特定ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、その託送供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 第一項本文の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
二 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 特定ガス導管事業者及び第一項本文の規定による届出に係る託送供給約款によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
五 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
5 特定ガス導管事業者は、第一項本文の規定による届出をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、その託送供給約款を公表しなければならない。
(承認特定ガス導管事業者が行う託送供給に係る料金その他の供給条件)
第七十七条
前条第一項ただし書の承認を受けた者(以下この条において「承認特定ガス導管事業者」という。)は、その供給地点における託送供給を行おうとするときは、当該託送供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 承認特定ガス導管事業者は、前項の規定による届出をした料金その他の供給条件によるのでなければ託送供給を行つてはならない。
3 経済産業大臣は、第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、その届出をした承認特定ガス導管事業者に対し、相当の期限を定め、その料金その他の供給条件を変更すべきことを命ずることができる。
一 第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件によりガスの供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
二 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 承認特定ガス導管事業者及び第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件によりガスの供給を受ける者の責任に関する事項並びに導管、ガスメーターその他の設備に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
五 前各号に掲げるもののほか、公共の利益の増進に支障がないこと。
4 経済産業大臣は、託送供給に関して、承認特定ガス導管事業者と当該承認特定ガス導管事業者から託送供給を受けようとする者との間で協議をすることができず、又は協議が調わない場合で、その託送供給に係るガスの使用者の利益が阻害されるおそれがあると認めるときは、当該承認特定ガス導管事業者及び当該承認特定ガス導管事業者から託送供給を受けようとする者に対して、料金その他の供給条件を指示して、託送供給契約を締結すべきことを命ずることができる。
5 前項の規定による命令があつたときは、その命令を受けた承認特定ガス導管事業者は、同項の規定による指示に係る料金その他の供給条件について、第一項の届出をしたものとみなす。
(熱量等の測定義務)
第七十八条
特定ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その供給するガスの熱量、圧力及び燃焼性を測定し、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
(託送供給等の業務に関する会計整理等)
第七十九条
特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業以外の事業を営む場合には、経済産業省令で定めるところにより、託送供給の業務及びこれに関連する業務に関する会計を整理しなければならない。
2 前項の場合において、特定ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、同項の整理の結果を公表しなければならない。
(禁止行為等)
第八十条
特定ガス導管事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 託送供給の業務に関して知り得た他のガス供給事業者及びガスの使用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。
二 その託送供給の業務その他のその維持し、及び運用する導管に係る業務について、特定のガス供給事業者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。
2 経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、特定ガス導管事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
(供給計画)
第八十一条
特定ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における供給計画を作成し、当該年度の開始前に(特定ガス導管事業者となつた日を含む年度にあつては、特定ガス導管事業者となつた後遅滞なく)、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 特定ガス導管事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 特定ガス導管事業者は、第一項の規定による届出をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、その供給計画のうち経済産業省令で定める事項を公表しなければならない。前項の規定による届出をしたときも、同様とする。
4 経済産業大臣は、供給計画の変更が公共の利益の増進を図るため特に必要であると認めるときは、特定ガス導管事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。
5 経済産業大臣は、特定ガス導管事業者がその供給計画を実施していないため、公共の利益の増進に支障を生じていると認めるときは、特定ガス導管事業者に対し、その供給計画を確実に実施すべきことを勧告することができる。
(業務改善命令)
第八十二条
経済産業大臣は、事故によりガスの供給に支障を生じている場合に特定ガス導管事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他特定ガス導管事業の運営が適切でないため、ガスの使用者の利益の保護又はガス事業の健全な発達に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、特定ガス導管事業者に対し、ガスの使用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、その特定ガス導管事業の運営の改善に必要な措置をとることを命ずることができる。
第八十三条
特定ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
2 特定ガス導管事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、前項に規定する財務計算に関する諸表を経済産業大臣に提出しなければならない。
第八十四条
第六十一条、第六十四条から第六十九条まで及び第七十一条の規定は、特定ガス導管事業者に準用する。
2 第六十二条の規定は、特定ガス導管事業の用に供するガス工作物のうち特定ガス導管事業者以外の者が所有し、又は占有するガス工作物の所有者又は占有者に準用する。
第八十五条
一般ガス導管事業者及び特定ガス導管事業者(以下この条において「ガス導管事業者」という。)は、他のガス導管事業者と相互に協力して、ガス導管事業者が維持し、及び運用する導管と他のガス導管事業者が維持し、及び運用する導管との接続その他のガスの使用者の利益を増進し、及びガス事業の健全な発達を図るための経済産業省令で定める措置を講ずるよう努めなければならない。
2 ガス導管事業者が他のガス導管事業者に対し導管の接続に関する協議を求めたときは、当該他のガス導管事業者は、導管の接続によりその維持し、及び運用する導管の機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるときその他正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならない。
3 経済産業大臣は、ガス導管事業者間において、その一方が導管の接続に関する協議を求めたにもかかわらず他の一方が協議に応じず、又は協議が調わなかつた場合で、当該一方のガス導管事業者から申立てがあつたときは、導管の接続によりその維持し、及び運用する導管の機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるときその他正当な理由があると認められる場合を除き、当該他の一方のガス導管事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
4 前項の規定による命令があつた場合において、ガス導管事業者間の導管の接続に関し、当事者が取得し、又は負担すべき金額その他の導管の接続に関する取決めの条件について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、経済産業大臣の裁定を申請することができる。ただし、当事者が第百七条第三項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。
5 経済産業大臣は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
6 経済産業大臣は、第四項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
7 第四項の裁定のうち当事者が取得し、又は負担すべき金額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
8 前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
9 第四項の裁定についての審査請求においては、当事者が取得し、又は負担すべき金額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
(事業の届出)
第八十六条
ガス製造事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
三 ガス製造事業の用に供するガス工作物に関する次に掲げる事項
イ 液化ガス貯蔵設備にあつては、その設置の場所、種類及び容量
ロ ガス発生設備及びガスホルダーにあつては、これらの設置の場所、種類及び能力別の数
四 事業開始の予定年月日
五 その他経済産業省令で定める事項
2 前項の規定による届出には、経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
3 ガス製造事業者は、第一項の規定による届出に係る事項に変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(承継)
第八十七条
ガス製造事業の全部の譲渡しがあり、又はガス製造事業者について相続、合併若しくは分割(当該ガス製造事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、ガス製造事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該ガス製造事業の全部を承継した法人は、ガス製造事業者の地位を承継する。
2 前項の規定によりガス製造事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(事業の休止及び廃止並びに法人の解散)
第八十八条
ガス製造事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2 ガス製造事業者たる法人が合併以外の事由により解散したときは、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあつては、破産管財人)は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(ガス受託製造約款)
第八十九条
ガス製造事業者は、ガス受託製造(他の者の委託を受けて、当該他の者の液化ガスを原料として行う当該ガス製造事業者が維持し、及び運用する液化ガス貯蔵設備等を用いた当該他の者のためのガスの製造をいう。以下同じ。)に係る料金その他の条件について、経済産業省令で定めるところにより、ガス受託製造約款を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 ガス製造事業者は、前項の規定による届出をしたガス受託製造約款以外の条件によりガス受託製造を行つてはならない。ただし、そのガス受託製造約款により難い特別の事情がある場合において、経済産業大臣の承認を受けた料金その他の条件によりガス受託製造を行うときは、この限りでない。
3 経済産業大臣は、ガス受託製造約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該ガス製造事業者に対し、相当の期限を定め、そのガス受託製造約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 第一項の規定による届出に係るガス受託製造約款によりガス受託製造の役務の提供を受けようとする者が当該役務の提供を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
二 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。
三 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
4 ガス製造事業者は、第一項の規定による届出をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、そのガス受託製造約款を公表しなければならない。
5 経済産業大臣は、ガス製造事業者が正当な理由なくガス受託製造を拒んだときは、そのガス製造事業者に対し、ガス受託製造を行うべきことを命ずることができる。
(液化ガス貯蔵設備の容量等の公表義務)
第九十条
ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その維持し、及び運用する液化ガス貯蔵設備の容量、当該ガス製造事業者が当該液化ガス貯蔵設備において貯蔵する当該ガス製造事業者の液化ガスの量の見通し、ガス発生設備の種類及び能力その他経済産業省令で定める事項を公表しなければならない。
2 ガス製造事業者は、前項の規定により公表した事項を変更した場合には、遅滞なく、その変更した事項を公表しなければならない。ただし、その変更が経済産業省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
(熱量等の測定義務)
第九十一条
ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その製造するガスの熱量、圧力及び燃焼性を測定し、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
(禁止行為等)
第九十二条
ガス製造事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 ガス受託製造の業務に関して知り得た当該ガス受託製造の役務の提供を受ける他の者(当該ガス受託製造の役務の提供を受けようとする他の者を含む。)及びガスの使用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。
二 ガス受託製造の業務について、特定の者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。
2 経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、ガス製造事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
(製造計画)
第九十三条
ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間におけるガスの製造並びにガス工作物の設置及び運用についての計画(以下この条において「製造計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に(ガス製造事業者となつた日を含む年度にあつては、ガス製造事業者となつた後遅滞なく)、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 ガス製造事業者は、製造計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、製造計画の変更が公共の利益の増進を図るため特に必要であると認めるときは、ガス製造事業者に対し、その製造計画を変更すべきことを勧告することができる。
4 経済産業大臣は、ガス製造事業者がその製造計画を実施していないため、公共の利益の増進に支障を生じていると認めるときは、ガス製造事業者に対し、その製造計画を確実に実施すべきことを勧告することができる。
(業務改善命令)
第九十四条
経済産業大臣は、事故によりガスの供給に支障を生じている場合にガス製造事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他ガス製造事業の運営が適切でないため、ガスの使用者の利益の保護又はガス事業の健全な発達に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、ガス製造事業者に対し、ガスの使用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、そのガス製造事業の運営の改善に必要な措置をとることを命ずることができる。
第九十五条
ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
2 ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、前項に規定する財務計算に関する諸表を経済産業大臣に提出しなければならない。
第九十六条
ガス製造事業者は、ガス製造事業の用に供するガス工作物を経済産業省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
2 経済産業大臣は、ガス製造事業の用に供するガス工作物が前項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合していないと認めるときは、ガス製造事業者に対し、その技術上の基準に適合するようにガス工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
3 経済産業大臣は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、ガス製造事業者に対し、そのガス工作物を移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、若しくはその使用を制限し、又はそのガス工作物内におけるガスを廃棄すべきことを命ずることができる。
(保安規程)
第九十七条
ガス製造事業者は、ガス製造事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、経済産業省令で定めるところにより、保安規程を定め、事業(第百二条第一項の自主検査を伴うものにあつては、その工事)の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。
2 ガス製造事業者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
3 経済産業大臣は、ガス製造事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、ガス製造事業者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。
4 ガス製造事業者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。
(ガス主任技術者)
第九十八条
ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、ガス主任技術者免状の交付を受けている者であつて、経済産業省令で定める実務の経験を有するもののうちから、ガス主任技術者を選任し、ガス製造事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせなければならない。
2 ガス製造事業者は、前項の規定によりガス主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
(ガス主任技術者の義務等)
第九十九条
ガス主任技術者は、誠実にその職務を行わなければならない。
2 ガス製造事業の用に供するガス工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、ガス主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
(ガス主任技術者の解任命令)
第百条
経済産業大臣は、ガス主任技術者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又はその者にその職務を行わせることがガス製造事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安に支障を及ぼすと認めるときは、ガス製造事業者に対し、ガス主任技術者の解任を命ずることができる。
(工事計画)
第百一条
ガス製造事業者は、ガス製造事業の用に供するガス工作物の設置又は変更の工事であつて、経済産業省令で定めるものをしようとするときは、その工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、ガス工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 ガス製造事業者は、前項の規定による届出に係る工事の計画を変更しようとするときは、経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、その変更が経済産業省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
3 前二項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、その届出に係る工事を開始してはならない。
4 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が次の各号に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
一 そのガス工作物が第九十六条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しないものでないこと。
二 そのガス工作物がガスの円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
5 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画が前項各号に適合していないと認めるときは、ガス製造事業者に対し、その届出を受理した日から三十日以内に限り、その工事の計画を変更し、又は廃止すべきことを命ずることができる。
6 経済産業大臣は、第一項又は第二項の規定による届出のあつた工事の計画について、工事の工程における検査を行わなければ当該工事の計画に係るガス工作物が第九十六条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しているかどうかを判定することができないと認められる場合において、当該技術上の基準に適合しているかどうかを判定するために必要があるときは、次条第一項の経済産業大臣の登録を受けた者の工事の工程における検査を受けるべきことを命ずることができる。この場合において、前項に規定する期間内に、第一項又は第二項の規定による届出をした者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
7 ガス製造事業者は、第一項ただし書の場合は、工事の開始の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
8 ガス製造事業者は、第二項ただし書の場合は、その工事の計画を変更した後、遅滞なく、その変更した工事の計画を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
(使用前検査)
第百二条
ガス製造事業者は、前条第一項又は第二項の規定による届出をして設置又は変更の工事をするガス工作物(その工事の計画について、同条第五項の規定による命令があつた場合において同条第一項又は第二項の規定による届出をしていないものを除く。)であつて、経済産業省令で定めるものの工事について自主検査を行い、その結果が次項各号に適合していることについて経済産業省令で定めるところにより経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査(同条第六項の規定によりその工事の工程における検査を受けるべきことを命ぜられた場合には、その検査を含む。)を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の経済産業大臣の登録を受けた者が行う検査においては、そのガス工作物が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一 その工事が前条第一項又は第二項の規定による届出をした工事の計画(同項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第九十六条第一項の経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
3 ガス製造事業者は、経済産業省令で定めるところにより、第一項の自主検査の記録を作成し、これを保存しなければならない。
第百三条
前条第一項の経済産業大臣の登録を受けた者は、同項に規定するガス工作物について同項の検査を行つた場合において、やむを得ない必要があると認めるときは、期間及び使用の方法を定めて、そのガス工作物を仮合格とすることができる。この場合において、同項の経済産業大臣の登録を受けた者は、あらかじめ経済産業大臣の承認を受けなければならない。
2 前項の規定により仮合格とされたガス工作物は、前条第一項の規定にかかわらず、前項の規定により定められた期間内は、同項の規定により定められた方法により使用することができる。
(定期自主検査)
第百四条
ガス製造事業者は、ガス製造事業の用に供するガス工作物であつて経済産業省令で定めるものについては、経済産業省令で定めるところにより、定期に、自主検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
(ガス事業以外のガスの供給等の事業を行う者に対するガス工作物に係る規定の準用)
第百五条
第二十一条第一項及び第二項、第二十五条、第三十条第二項、第三十一条並びに第三十二条(第六項を除く。)の規定は、政令で定めるところにより、ガス事業以外のガスを供給する事業又は自ら製造したガスを使用する事業(これらの事業について鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)又は液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第百四十九号。以下「液化石油ガス法」という。)の適用を受ける場合にあつては、これらの法律の適用を受ける範囲に属するものを除く。)を行う者(以下「準用事業者」という。)に関し準用する。この場合において、同条第四項中「次の各号」とあるのは「第一号」と、同条第五項中「前項各号」とあるのは「前項第一号」と読み替えるものとする。
(事業の開始等の届出)
第百六条
準用事業者は、その事業を開始し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(電力・ガス取引監視等委員会によるあつせん及び仲裁)
第百七条
ガス事業者及びガス事業者(ガス製造事業者を除く。)に対するそのガス事業の用に供するためのガスの供給を行う事業を営む者(第三項において「ガス事業者等」という。)の間において、ガスの取引に係る契約その他の取決めであつて政令で定めるもの(以下この条において「契約等」という。)について、一方が契約等の締結を申し入れたにもかかわらず他の一方が協議に応じず、若しくは協議が調わないとき、又は契約等の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額、条件その他の細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、電力・ガス取引監視等委員会(以下この条において「委員会」という。)に対し、あつせんを申請することができる。ただし、当事者が第八十五条第四項の規定による裁定の申請又は第三項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。
2 電気事業法第三十五条第二項から第六項までの規定は、前項のあつせんに準用する。この場合において、同条第三項中「次条第三項」とあるのは「ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第百七条第四項において準用する次条第三項」と、同条第六項中「第二十五条第二項(第三十二条において準用する場合を含む。)の規定による裁定の申請又は次条第一項」とあるのは「ガス事業法第八十五条第四項の規定による裁定の申請又は第百七条第三項」と読み替えるものとする。
3 ガス事業者等の間において、契約等の締結に関し、当事者が取得し、又は負担すべき金額、条件その他の細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者の双方は、委員会に対し、仲裁を申請することができる。ただし、当事者が第八十五条第四項の規定による裁定の申請をした後は、この限りでない。
4 電気事業法第三十六条第二項から第四項までの規定は、前項の仲裁に準用する。
5 第一項又は第三項の規定により委員会に対してするあつせん又は仲裁の申請は、経済産業大臣を経由してしなければならない。
(政令への委任)
第百八条
前条に規定するもののほか、あつせん及び仲裁の手続に関し必要な事項は、政令で定める。
(指定)
第百九条
第二十九条第三項の指定は、経済産業省令で定めるところにより、ガス主任技術者試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行おうとする者の申請により行う。
2 経済産業大臣は、第二十九条第三項の指定をしたときは、試験事務を行わないものとする。
(欠格条項)
第百十条
次の各号のいずれかに該当する者は、第二十九条第三項の指定を受けることができない。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第百二十条第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者
イ 第一号に該当する者
ロ 第百十六条の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者
(指定の基準)
第百十一条
経済産業大臣は、他に第二十九条第三項の指定を受けた者がなく、かつ、同項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適確な実施のために適切なものであること。
二 前号の試験事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
三 一般社団法人又は一般財団法人であること。
四 試験事務以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて試験事務が不公正になるおそれがないものであること。
(試験事務規程)
第百十二条
第二十九条第三項の指定を受けた者(以下「指定試験機関」という。)は、試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 試験事務規程で定めるべき事項は、経済産業省令で定める。
3 経済産業大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第百十三条
指定試験機関は、経済産業大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(事業計画等)
第百十四条
指定試験機関は、毎事業年度開始前に(第二十九条第三項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定試験機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、経済産業大臣に提出しなければならない。
(役員の選任及び解任)
第百十五条
指定試験機関の役員の選任及び解任は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員の解任命令)
第百十六条
経済産業大臣は、指定試験機関の役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくは試験事務規程に違反したとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(試験員)
第百十七条
指定試験機関は、試験事務を行う場合において、ガス主任技術者として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、試験員に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、試験員を選任しようとするときは、経済産業省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、試験員を選任したときは、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣にその旨を届け出なければならない。試験員に変更があつたときも、同様とする。
4 前条の規定は、試験員に準用する。
(秘密保持義務等)
第百十八条
指定試験機関の役員若しくは職員(試験員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 試験事務に従事する指定試験機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(適合命令等)
第百十九条
経済産業大臣は、指定試験機関が第百十一条各号(第三号を除く。以下この項において同じ。)のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、指定試験機関に対し、当該各号に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 経済産業大臣は、前項に定めるもののほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第百二十条
経済産業大臣は、指定試験機関が第百十一条第三号に適合しなくなつたときは、第二十九条第三項の指定を取り消さなければならない。
2 経済産業大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第二十九条第三項の指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この節の規定に違反したとき。
二 第百十条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
三 第百十二条第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。
四 第百十二条第三項、第百十六条(第百十七条第四項において準用する場合を含む。)又は前条第一項若しくは第二項の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により第二十九条第三項の指定を受けたとき。
(帳簿の記載)
第百二十一条
指定試験機関は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、試験事務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(経済産業大臣による試験)
第百二十二条
経済産業大臣は、指定試験機関が第百十三条の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、第百二十条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の理由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 経済産業大臣が前項の規定により試験事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、指定試験機関が第百十三条の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は第百二十条の規定により経済産業大臣が指定試験機関の指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項については、経済産業省令で定める。
(登録)
第百二十三条
第三十三条第一項、第六十九条第一項(第八十四条第一項において準用する場合を含む。以下この節において同じ。)又は第百二条第一項の登録は、経済産業省令で定めるところにより、次の区分ごとに、第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の検査(以下この節において単に「検査」という。)を行おうとする者の申請により行う。
一 特定ガス工作物(ガス工作物のうち特定ガス発生設備及び経済産業省令で定めるその附属設備をいう。次号及び第百二十五条第一項第一号イにおいて同じ。)に係る検査
二 特定ガス工作物以外のガス工作物に係る検査
(欠格条項)
第百二十四条
次の各号のいずれかに該当する者は、第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録を受けることができない。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第百三十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
(登録の基準)
第百二十五条
経済産業大臣は、第百二十三条の規定により登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、経済産業省令で定める。
一 次のイからニまでのいずれかに該当する者が検査を実施し、その人数が検査の区分ごとに二名以上であること。
イ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学又は高等専門学校において化学、機械工学若しくは土木工学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者(これらの課程を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)であつて、ガス工作物(その申請が第百二十三条第二号の検査の区分に係る場合にあつては、特定ガス工作物を除く。ロ及びハにおいて同じ。)の工事、維持及び運用又は検査に関する実務に通算して一年以上従事した経験を有するもの
ロ 学校教育法に基づく高等学校又は中等教育学校において化学、機械工学若しくは土木工学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者であつて、ガス工作物の工事、維持及び運用又は検査に関する実務に通算して二年以上従事した経験を有するもの
ハ ガス工作物の工事、維持及び運用又は検査に関する実務に通算して三年以上従事した経験を有する者
ニ ガス主任技術者免状(その申請が第百二十三条第二号の検査の区分に係る場合にあつては、甲種ガス主任技術者免状に限る。)の交付を受けている者
二 登録申請者が、ガス事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあつては、ガス事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。以下同じ。)であること。
ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)にあつては、業務を執行する社員)に占めるガス事業者の役員又は職員(過去二年間に当該ガス事業者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、ガス事業者の役員又は職員(過去二年間に当該ガス事業者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
2 第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録は、ガス工作物検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
三 第百二十三条の検査の区分
四 登録を受けた者が検査を行う事業所の名称及び所在地
(登録の更新)
第百二十六条
第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前三条の規定は、前項の登録の更新に準用する。
(検査の義務)
第百二十七条
第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録を受けた者(以下「登録ガス工作物検査機関」という。)は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
2 登録ガス工作物検査機関は、公正に、かつ、経済産業省令で定める方法により検査を行わなければならない。
(事業所の変更の届出)
第百二十八条
登録ガス工作物検査機関は、検査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、経済産業大臣に届け出なければならない。
(業務規程)
第百二十九条
登録ガス工作物検査機関は、検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、検査の業務の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程には、検査の実施方法、検査に関する料金の算定方法その他の経済産業省令で定める事項を定めておかなければならない。
(業務の休廃止の届出)
第百三十条
登録ガス工作物検査機関は、検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(財務諸表等の備置き及び閲覧等)
第百三十一条
登録ガス工作物検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらのものが電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)で作成され、又はその作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。
2 ガス事業者その他の利害関係人は、登録ガス工作物検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録ガス工作物検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を経済産業省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて経済産業省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(適合命令)
第百三十二条
経済産業大臣は、登録ガス工作物検査機関が第百二十五条第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録ガス工作物検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第百三十三条
経済産業大臣は、登録ガス工作物検査機関が第百二十七条の規定に違反していると認めるときは、当該登録ガス工作物検査機関に対し、検査を行うべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第百三十四条
経済産業大臣は、登録ガス工作物検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第百二十四条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 第百二十七条、第百二十八条、第百二十九条第一項、第百三十条、第百三十一条第一項又は次条の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第百三十一条第二項各号の請求を拒んだとき。
四 前二条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録を受けたとき。
(帳簿の記載)
第百三十五条
登録ガス工作物検査機関は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、検査に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(経済産業大臣による検査業務実施)
第百三十六条
経済産業大臣は、第三十三条第一項、第六十九条第一項又は第百二条第一項の登録を受ける者がいないとき、第百三十条の規定による検査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、第百三十四条の規定により同項の登録を取り消し、又は登録ガス工作物検査機関に対し検査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録ガス工作物検査機関が天災その他の事由により検査の業務の全部又は一部を実施することが困難となつたときその他必要があると認めるときは、当該検査の業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
2 経済産業大臣が前項の規定により検査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における検査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、経済産業省令で定める。