テキスト
給排気
ガス機器は燃焼用の空気を取り込み(給気)、燃焼排ガスを排出(排気)する
- 自然排気・給排気:自然通気力(ドラフト)による排気・給排気
- 強制排気・給排気:送風機などの機械による強制排気・給排気
- 半密閉式:屋内から給気し、屋外へ排気する方法
- 密閉式:屋外で給排気を行う方法
・給排気ともに屋外であれば部屋は密閉できる
給排気方式
- 給気と排気の方法の組合せ(給排気方式)は主に6つ。
半密閉式 | 密閉式 | 屋内で給排気 | 機器が屋外 | |
自然排気 | CF式 | BF式 | 開放式 |
屋外式 (RF式) |
強制排気 | FE式 | FF式(※) | - |
※強制給気(機械による給気)はFF式だけ、それ以外は自然給気
開放式
- 屋内で給排気を行うため適切な換気が必要
- 調理室以外の部屋に合計インプット6kW以上を設置
→換気扇による機械換気 - 調理室以外の部屋に合計インプット6kW以下で設置
→天井に近い位置に容易に開閉できる換気口を取り付ける(自然換気)
CF式(半密閉式)
- 自然通気力に頼るため設置条件が多い
- 一次排気筒:ドラフトが生じる場所。圧力は数Paにも及ばない。
- 逆風止め:屋外の風の侵入を防ぐ。機器と同一室内にする。
- 二次排気筒:二次排気筒の口径>接続部口径
- 排気筒トップ:風圧帯を避ける。鳥や雨風が侵入しにくい構造とする。
- 排気筒の横引き:なるべく短く、先下がり勾配としない。
BF式(密閉式)
- 燃焼室は設置される部屋の空気から遮断されており、機器内の圧力は外気と等しい状態になっている。
FE(半密閉式)
- 排気筒トップは、風圧帯内に設置することができる。
FF式(密閉式)
- 給排気筒を外気に接する壁を貫通して屋外に出し、送風機を用いて強制的に給排気を行う方式
- 屋根上まで給排気筒トップを延長する必要がない
RF式(屋外式)
- 給排気を屋外で行うため、近くに燃焼排ガスが室内に流入するおそれのある開口部がない等に設置する必要がある
換気
- ガス機器を使用する際には換気が必須である
自然換気
- 風圧や温度差による換気
機械換気
- 換気扇などによる強制換気
全体換気方式
- 部屋全体の空気を入れ替える。局所換気に比べ換気効率が低く、熱ロスにより冷暖房の効果が損なわれる。
局所換気方式
- 汚染された空気を局所的に入れ替える。レンジフード等が該当する。高い換気効率や冷暖房効果がある一方、設備の設置条件(位置など)に制限がある。
自然換気
自然換気回数
(例)2時間に室内の空気が1回入れ替わる→自然換気回数は0.5回
- 室内の空気が1時間で何回入れ替わるか示したもの
- 建物などの気密度を示す目安となる
必要換気量
- 室内の酸素濃度をある限界に保つための換気量の最小値のこと
機械換気
第1種換気
- 給気も排気も送風機で行う
第2種換気
- 送風機で給気し、排気口から空気を押し出す
- 室内は正圧になる
第3種換気
- 給気口からの自然流入により給気し、送風機で排気する
- 室内は負圧になる
レンジフードによる換気
- 局所換気方式の一つ
- フードのない換気扇と比べて必要換気量は少なくて済む
- 主に第3種換気で用いられる
CO(一酸化炭素)中毒
発生のメカニズム
- 燃焼時の空気が不足→ガス燃焼時の酸素が不足→不完全燃焼→CO発生
→COを人が吸気→COが血液中のヘモグロビンと統合(COヘモグロビン濃度の上昇)→体内に酸素が欠乏
※COのヘモグロビンに対する結合力は酸素の200~300倍強い
発生の原因
燃焼時の空気が不足する要因
- 換気量の不足
(例)・排気筒が落葉や鳥の巣等でふさがれている
・半密閉式ガス機器の排気筒トップに強風が吹きつけている - 機器の給気部や排気部の詰まり
CO中毒の症状
- CO中毒の症状は、吸入するCOの濃度と吸入時間により変化する
空気中のCO濃度 | 頭痛、めまい、吐き気、けいれん | 死亡 |
0.08% | 45分間(2時間で失神) | - |
0.16% | 20分間 | 2時間 |
0.32% | 5分~10分間 | 30分間 |
0.64% | 1~2分間 | 15分~30分間 |
1.28% | 1~3分間 |
ミニテスト
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
第8問
第9問
第10問
過去問題
第1問
ガス機器の給排気方式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)CF式とは、燃焼用空気を屋内からとり、送風機を用いて燃焼排ガスを強制的に屋外へ排出する方式である。
(2)BF方式とは、燃焼用空気を屋外からとり、送風機を用いて燃焼排ガスを強制的に屋外に排出する方式である。
(3)FE式とは、燃焼用空気を屋内からとり、自然通気力によって燃焼排ガスを屋外に排出する方式である。
(4)FF式とは、燃焼用空気を屋外からとり、自然通気力によって燃焼排ガスを屋外に排出する方式である。
(5)RF式とは、機器を屋外に設置し、燃焼用空気を屋外からとり、燃焼排ガスを屋外に排出する方式である。
第2問
給排気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)集合住宅で用いられる共用給排気ダクトのうち、SEダクト方式は水平ダクトと垂直ダクトから構成され、ガス機器の給排気筒を水平ダクトに接続する。
(2)半密閉式ガス機器の排気方式には、燃焼排ガスを自然通気力により屋外に排出するCF式と、送風機を用いて排出するFE式とがある。
(3)半密閉式ガス機器の燃焼排ガスを自然排気する際のドラフトは、数Paにも及ばない微弱なものである。
(4)ファンヒーターなどの開放式ガス機器では、燃焼排ガスを屋内に排出するため、換気に注意しなければならない。
(5)FF式ガス機器は屋根上まで給排気筒トップを延長する必要はなく、BF式やCF式ガス機器に比べて設置上の制約が少ない。
第3問
排気及び給排気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)第2種換気では室内は正圧に、第3種換気では室内は負圧になる。
(2)レンジフードによる換気は、局所換気方式の一つである。
(3)CF式ふろがまの排気筒を横引きするときは、屋外に向かって先下がり勾配としない。
(4)FE式瞬間湯沸器の排気筒トップは、風圧帯内に設置することができる。
(5)RF式瞬間湯沸器は給排気を屋外で行うため、屋外であれば制約なく設置できる。
第4問
換気及び給排気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)調理室以外の部屋に、インプットの合計が6kW以下の開放式ガス機器を設置する場合、天井に近い位置に容易に開閉できる換気口を取り付ける。
(2)CF式ガス機器に用いられる逆風止めは、機器を同一室内に取り付けられなければならない。
(3)BF式ガス機器の燃焼室は、設置される部屋の空気から遮断されており、機器内の圧力は外気と等しい状態になっている。
(4)開放式ガス機器では、給排気を確実に行うために適切な換気が必要であるが、半密閉式ガス機器を使用する場合は換気は必要ない。
(5)レンジフードを適切に設置すれば、フードのない換気扇に比べて必要換気量は少なくて済む。
(4)(5)
第5問
換気及び給排気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)レンジフードは、主に第3種換気で用いられている。
(2)自然換気回数は、「換気量(㎥/h)」、「室の容積(㎥)」で除した数値であり、建物などの気密度を示す目安となる。
(3)調理室以外の部屋に、合計インプットが6kWを超える開放式ガス機器を設置する場合は、機械換気が必要である。
(4)自然排気式(CF式)のガス機器を設置する場合、二次排気筒の口径は機器との接続部口径より縮小してはならない。
(5)自然給排気式(BF式)の機器を設置する室内には、専用の給気口を設ける必要がある。
(4)(5)
第6問
換気と一酸化炭素(CO)中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)排気筒が落葉や鳥の巣等でふさがれ十分な排気ができない場合、不完全燃焼によりCOが発生する可能性がある。
(2)半密閉式ガス機器の排気筒トップに強風が吹きつけ十分な排気ができない場合、不完全燃焼によりCOが発生する可能性がある。
(3)台所等の火気を使用する部屋の必要換気量は、次の式から求められる。必要換気量V(m3/h)= 定数×理論排ガス量K(㎥/MJ)×燃料消費量Q(MJ/h)
(4)CO中毒は、血液中のCOヘモグロビン濃度が上昇するにつれて、体内組織内の酸素が欠乏することによって引き起こされる。
(5)人がCOを1~2%含む空気を30分間吸入した場合、重篤な意識障害と激しいけいれんを起こすものの、死亡には至らない。
第7問
一酸化炭素(CO)中毒に換気に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(イ)COは無色無臭の気体であるため、室内に拡散した場合でも気づきにくい。
(ロ)CO中毒の症状は、吸入するCOの濃度と吸入時間により変化する。
(ハ)自然換気は、室内外の温度差や風によって発生する。
(二)全体換気方式は、局所換気方式と比べて換気効率が高く、冷暖房の効果をさほど損なわない。
(ホ)換気扇に使用されているファンには、ターボファン、シロッコファン及びプロペラファン等がある。
(4)(5)