2023年ガス主任技術者試験 乙種 製造解説

みなさま

製造の解説作成しました。

※9/29 間違っていた部分を修正しました。

(ガ)問1 都市ガスの原料に関する次の記述のうち、いずれも正しいものの組合せはどれか。

(イ)LNG において、 局部的な低圧部が生ずると、液体が気化して蒸気の細かい気泡が発生することがある。一般にこの現象をサージングという。
誤り サージング→キャビテーション
サージングとは、遠心式圧縮機の排出口を絞っていくと小流量で、吐出圧が脈動し流量が息をつき、騒音を発し振動をおこして運転できない現象を生ずること

(ロ)LNG の場合では、液封が起こると、外気熱による気化に伴い、著しい膨張が発生して内部の圧力が上昇し、 フランジ等の弱い部分が破壊されるおそれがあるため注意が必要であるが、LPG では液封への考慮は不要である。
誤り LPGは外部からの入熱により一部が気化するため、貯蔵時の圧力上昇等には十分注意を要す る。LNGと同様に液封防止についての考慮が必要である。

(ハ)LPGが地表面や水面に流出し気化したガスは、空気の1.5~2倍と重く、着火源の多い地表面に滞留するため、取り扱いには十分注意しなければならない。

(二)貯蔵中のLNGからは、外部からの入熱により沸点の低いメタンを主成分としたボイルオフガス (BOG) が発生する。

(ホ)LNGローリーの運行には、ガス事業法及び道路法等が適用される。
誤り LNGローリーの運行は、高圧ガス保安法、道路法等により管理される

解答(5)ハ、ニ

(ガ)問2 製造所の製造設備に関する次の記述のうち、いずれも正しいものの組合せはどれか。

 (イ)フレキシブルホースは、その長さ、可とう性を利用し、位置の調整及び熱収縮を吸収できるため、サテライト基地のLNG受入設備として用いられる。

(ロ)リターンガスブロアは、LNG船タンクからのLNGの払い出しによりその気相部が増大し、LNG船タンクの圧力の上昇を防止する設備である。
誤り 受入れ中には、外部からの入熱等によりLNGが気化し、LNG貯槽からボイルオフガス(BO G)が発生する。LNGの払出により密閉空間であるLNG船タンクの気相部が増大してタンクの圧力が低下することを防止するため、陸側のLNGタンクで発生したBOGの一部はリターン ガスブロワによって低圧でLNG船へ返送される。

(ハ)LNGポンプのケーブル貫通部は、LNG ポンプ側からケーブル端子側へガスが漏えいしない構造となっている。

(二)バス式LNG気化器では、気化器まわりの空気が冷却され、空気中の湿分が霧状となった冷気が漂うため、敷地境界までの距離を十分にとるか、冷気を拡散するためファンを設けるか、冷気の流れをとめるために塀を設置する等の対策を講ずる場合がある。
誤り 説明はエアフィン式LNG気化器のもの

(ホ)LNGラインに使用される仕切弁では、ボンネット内に液が封入され、圧力の異常上昇を防止するため、一般に弁体の片側にダイヤフラムを設ける。
誤り 説明は低温弁のもの
仕切弁は弁箱(ボディ)に収納された円盤状の弁体(ディスク)が流路に対して垂直に上下することで開閉を行う。

解答(2)イ、ハ

(ガ) 問3 製造所の製造設備に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。

(イ)測温抵抗体温度計は、金属の電気抵抗値が温度によって変化することを利用したものであるが、熱電対温度計と比較して常温での精度は良くない。
誤り 測温抵抗体温度計は、金属の電気抵抗値が温度上昇によって増加する 特性を利用し、熱電対より常温・中温域での精度が良い

(ロ)電波式レベル計は、マイクロ波を用いた非接触型計測器である。高温、高圧等の周囲環境が厳しいところではその影響を受けやすい。
誤り たぶん 消去法 

(ハ)耐圧防爆構造とは、可燃性のガス等が容器の内部に侵入して爆発を生じた場合に、その容器が爆発圧力に耐え、かつ爆発による火炎が外部の可燃性のガス等に点火しないようにしたものである。

(二)計装空気は、 調節弁及び緊急遮断弁の操作源等に使用される。 計装空気圧縮機は無給油式のものが採用され、水分除去のための除湿器が設置される。

(ホ)オンオフ制御を弁に採用する際、 頻繁に開閉することを防ぐため、動作すきま(ヒステリシス)を持たせることが多い。

解答(1)イ、ロ 

(ガ) 問4 都市ガスの品質に関する次の記述のうち、いずれも正しいものの組合せはどれか。

 (イ)発熱量には、燃料の燃焼によって生じた水蒸気の全量が燃焼排ガス中で凝縮して水になる場合と、水蒸気の全量が凝縮せず燃焼排ガス中に水蒸気として含まれる場合の2通りがある。前者を真発熱量、後者を総発熱量という。
誤り 前者が総発熱量、後者が真発熱量

(ロ)ガスクロマトグラフ法では、記録されたクロマトグラムのそれぞれのピークの面積を、同一条件下で得られたキャリアガスのピーク面積と比較することで、各成分を定量することができる。
誤り キャリアガスのピーク面積と比較→混合標準ガス又は純ガスのピーク面積

(ハ)増熱を行う場合、導管中でガス温度が露点域になるとLPG 等の液化によるガス発熱量の低下、導管の閉そく等が発生するため露点の管理が重要である。

(二)ガス比重とは、同一温度及び同一圧力における等しい体積のガスと乾燥空気の質量の比と定義されている。

(ホ)空気によりガスの希釈を行う場合、 高圧供給では、混合ガスの酸素濃度が4%以下とならないように空気混合量を管理する必要がある。
誤り 高圧供給では保安上 から酸素濃度が4%以上とならないよう空気混合量を管理する必要がある。

正解 (4)ハ、ニ

(ガ) 問5 都市ガスの付臭に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。

 (イ)検知管法で測定できる付臭剤成分は、テトラヒドロチオフェン(THT)、ターシャリーブチルメルカプタン (TBM)である。

(ロ)付臭剤を取り扱う設備は密閉した付臭室内に設置することが望ましい。付臭室はやや正圧にし、換気のために吸引した空気は活性炭で脱臭し排出する。
誤り 正圧→負圧

(ハ)蒸発方式においては、 混合付臭剤を使用した場合、 各成分の蒸気圧が異なり均一な付臭が難しいため、単一成分の付臭剤が適している。

(二)パネル法による臭気濃度の測定において、4人のパネルの感知希釈倍数がそれぞれ6000倍、3000倍、1500倍、1500倍であったとき、このガスの付臭濃度は3000倍である。

(ホ)付臭剤は、 人間に対して害がなく毒性もないこと、土壌透過性が低いこと等が要求される。
誤り 土壌透過性が低い→土壌透過性が高い

解答(4)ロ、ホ 

(ガ)問6 製造設備の保安及び防災に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。

 (イ)製造所には、 緊急時に迅速に通信できるように加入電話設備、専用電話設備、無線電話通信設備等を設置するとともに、回線渋滞時に備え、 衛星携帯電話や災害時優先電話等の設置が有効である。

(ロ)自己可とう管や配管ループは、地盤沈下又は地震による変位量を吸収する等により、過大な応力が発生しないようにする装置の例である。

(ハ)外気温低下時、水配管は凍結防止対策等の注意が必要であるが、LNG気化器は LNG が極低温であるため、特段の注意は必要ない。
誤り 注意の必要有り

(二)液化ガスの流動により発生する静電気の滞留を防止するため、金属部分に電位差が発生しないよう電気的に接続し、かつ、接地することが必要である。

(ホ)液化ガス用貯槽相互間、 ガスホルダー相互間及び液化ガス用貯槽とガスホルダー相互間については、保安上必要な距離が定められており、その距離は貯槽形式や直径によらない。

誤り 貯槽形式や直径による
液化ガス用貯槽(不活性の液化ガス用のもの、貯蔵能力が三トン未満のもの及び地盤面下に全部埋設されたものを除く。)の相互間、地盤面下に全部埋設された液化ガス用貯槽(不活性の液化ガス用のものを除く。)の相互間、一のガスホルダー(最高使用圧力が高圧のものであって貯蔵能力が三百立方メートル以上のものに限る。)と他のガスホルダーとの相互間及び液化ガス用貯槽(不活性の液化ガス用のもの、貯蔵能力が三トン未満のもの及び地盤面下に全部埋設されたものを除く。)とガスホルダー(最高使用圧力が高圧のものに限る。)との相互間は、ガス又は液化ガスが漏えいした場合の災害の発生を防止するために、保安上必要な距離を有しなければならない。

解答(5)ハ、ホ

(ガ) 問7 製造設備の建設及び操業に関する次の記述のうち、いずれも正しいものの組合せはどれか。

(イ)ガス事業法で定める離隔距離とは、可燃性のガス又は液化ガスを通ずるガス工作物とボイラー等の火気を取り扱う設備との距離のことである。
誤り ガス発生器及び増熱器(移動式ガス発生設備に属するものを除く。)並びにガス精製設備、排送機、圧送機、ガスホルダー及び附帯設備であって製造設備に属するものも含む

(ロ)構造物に生ずる水平及び鉛直方向の地震加速度は一般に増幅され、地表面の地震加速度よりも大きくなっている。

(ハ)ガス主任技術者は、耐圧試験、気密試験及び運転性能の記録によりガス事業法の技術基準に適合していることを確認するため、溶接に関する管理や確認を行う必要はない。

誤り 必要有り(たぶん)

(二)熱量調整設備や付臭設備の定期修理計画は、ガス製造能力に影響を与えることから、ガス発生設備等とタイミングを合わせる等の工夫を施すことが重要である。

(ホ)巡視又は点検において、 設備に異常を発見した場合は、異常の程度に関わらず速やかに設備を停止しなければならない
誤り 警報や異常が発生した場合には、その初期段階で適切な処置を行い、設備の緊急停止や事故に至 らないように努める

解答(3)ロ、二 

(ガ) 問8 製造設備の保全に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。

(イ)磁粉探傷試験(MT) は、 オーステナイト系ステンレス鋼に使用できる検査方法である。
誤り 磁粉探傷試験(MT)は、オーステナイト系ステンレス鋼には使用できない

(ロ)自然電位の異なる2種の金属を水等のイオン電導性のある腐食環境中で接触させると、自然電位が低い方の金属の腐食が促進される。これを粒界腐食という。
誤り 説明は異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)
粒界腐食とは、金属や合金の粒界又は粒界に沿った狭い部分が優先的に腐食する現象であり、ステンレス鋼がある種の熱影響を受けた後、腐食環境にさらされたときに典型的に生じる。

(ハ)応力腐食割れとは、残留応力を含む引張応力発生下にある金属に腐食作用が働いて、破断応力以下であるにもかかわらず割れが生ずる現象である。

(二)状態監視保全 (CBM) は、 設備の状態に応じて行う保全であり、 故障が予知可能な診断技術が確立されている場合に適用できる。

(ホ)突発的な設備不良による生産影響を回避するには、 設備状態をリアルタイムで監視し、異常を検知する設備診断が有効である。そのために用いられる技術の一例として、音響や振動を測定するものがある。

解答(1)イ、ロ 

(ガ)問9 環境対策に関する次の記述のうち、いずれも誤っているものの組合せはどれか。

(イ)生物化学的酸素要求量(BOD)とは、水中の有機物を酸化剤で分解するときに消費される酸化剤の量を酸素量に換算したものである。

誤り 説明は化学的酸素要求量(COD)
生物化学的酸素要求量(BOD)、水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量

(ロ)化石燃料からの温室効果ガス排出量については、燃焼時だけでなく、採掘から加工、輸送等の各段階の排出量を含めたライフサイクルでの評価が重要である。

(ハ)2021年に日本政府は、2030年度において、 温室効果ガスを2013年度比で46%削減を目指すことを表明した。

(二)ポンプの流量を回転数により制御する方式では、駆動電動機の回転数を定電圧定周波数装置 (CVCF) で制御する。

誤り たぶんこれ、消去法

(ホ)電力の力率改善装置には、 進相コンデンサーや同期モーター等がある。

解答(2)イ、ニ 

 

 

 

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