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10. 製造・消費機器の計算 過去9年の計算問題 3問を、使う公式ごとに並べました。各公式の先頭に「いつ使うか・式の意味・落とし穴」を置いています。問題名をクリックすると解答例が開きます。
熱量調整(増熱・混合の熱量収支)9年で1回
🔎 いつ使うか(見分け方)LNG(天然ガス)をLPGで増熱して、目標熱量の都市ガスを作るときの必要量を求めるとき。
💡 式の意味熱量の収支式 H₁x+H₂(V−x)=Hₘ·V。混ぜても熱量の総和は変わらない、というだけの式です。xが求めたい一方のガス量、Vが全体量。13Aの標準熱量45 MJ/m³Nに合わせる調整が、実際の製造現場で行われている操作そのものです。
- 全体量Vと目標熱量Hₘを確認する
- H₁x+H₂(V−x)=Hₘ·V を立てる
- xについて解く
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)
- 求めるのがどちらのガス量か(天然ガスか、LPGか)を取り違える
- 熱量の単位(MJ/m³N)をそろえる
製造分野で唯一の定番計算。連立にせず1変数で立てるのが速い。
この公式の過去問(1問)
乙R4LNGが気化した天然ガスをLPGで増熱して45 MJ/m³Nの供給ガスを1000m³N製+ 解答例
LNGが気化した天然ガスをLPGで増熱して45 MJ/m³Nの供給ガスを1000m³N製造する場合の天然ガスの使用量(m³N)として最も近い値はどれか。ただし、天然ガス及びLPGの発熱量は以下のとおりとする。(m³N:標準状態におけるガスの体積)
天然ガスの発熱量(MJ/m³N) 40
LPGの発熱量(MJ/m³N) 100
天然ガスの発熱量(MJ/m³N) 40
LPGの発熱量(MJ/m³N) 100
使う式
H1 x + H2 (V – x) = Hm V (増熱の熱量収支)
記号:H1:天然ガス発熱量40 / H2:LPG発熱量100 / Hm:目標45[MJ/m³N] / V:製造量1000m³N / x:天然ガス使用量
解き方
- 正解は (5) ≒ 917 m³N。
- 増熱の連立式:天然ガス x、LPG y で x+y=1000、40x+100y=45,000。
- → x = 55,000/60 = **916.67 ≒ 917 m³N**
答え:917 m³N(正解の選択肢 (5))
必要換気量・ガス消費量9年で1回
🔎 いつ使うか(見分け方)ガス機器を使う部屋の必要換気量を求めるとき。
💡 式の意味V=定数N×理論廃ガス量K×燃料消費量Q。Nは換気方式で決まる係数で、排気フードⅠ型なら30、Ⅱ型なら20、換気扇のみなら40。設備が排気をよく捕らえるほど、必要な換気量は小さくて済む、という関係がそのまま数字になっています。
- 換気方式からNを決める(この係数の選択が本体)
- KとQの単位を問題文で確認する(燃料消費量がkW表示かMJ/h表示かで、Kの単位も変わります)
- V=N×K×Q を計算する
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)
- ★ 係数Nの取り違え。フードⅠ型(30)とⅡ型(20)と換気扇のみ(40)で計算した値が、それぞれ選択肢に並びます
- KとQの単位系をそろえ忘れる(問題文の与え方に必ず合わせる)
計算自体は掛け算3つ。勝負はNの暗記だけです。
この公式の過去問(1問)
甲R3排気フードⅠ型の下で燃料消費量が5kWのガスこんろを使用するとき、部屋の必要換気量(m³+ 解答例
排気フードⅠ型の下で燃料消費量が5kWのガスこんろを使用するとき、部屋の必要換気量(m³/h)として最も近い値はどれか。ただし、燃料の単位発熱量あたりの理論排ガス量は0.93m³/kWhとする。
使う式
V = N × K × Q = 30 × 0.93 × 5 = 139.5 ≒ 140,m3/h
記号:排気フードⅠ型は火源の真上のみを覆い周囲が開放されているため捕集効率が低く、係数N=30と大きい。換気扇のみ(フードなし)はN=40、フードⅡ型はN=20、排気筒方式はN=2。Ⅰ型とⅡ型(20)を取り違えると20×0.93×5=93≈90で(3)を誤選択する。
解き方
- 必要換気量の式: V = N × K × Q
- N(排気フードⅠ型の係数)= 30
- K(理論排ガス量)= 0.93 m³/kWh
- Q(燃料消費量)= 5 kW
- V = 30 × 0.93 × 5 = 139.5 m³/h
- 最も近い値は140 → (4)
答え:140(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り
- フードⅡ型の係数20を用いると約90((3))、換気扇のみの係数40を用いると186((5))となる。係数の取り違えに注意。
ノズル噴出量・ウォッベ指数9年で1回
🔎 いつ使うか(見分け方)ノズルから噴出するガス量、口径や圧力を変えたときの倍率を求めるとき。
💡 式の意味Q=C·A·√P。断面積Aは口径の2乗に比例し、圧力は平方根で効きます。だから口径4倍・圧力4倍なら、16×2=32倍。『面積は2乗、圧力は√』の組み合わせで考えます。
- 口径の変化を面積の変化(2乗)に直す
- 圧力の変化は平方根にする
- 掛け合わせる
⚠ 落とし穴(★は過去問で実際に多い誤り)
- ★ 口径をそのまま面積の倍率に使う(2乗が必要)
- ★ 圧力をそのまま倍率に使う(平方根が必要)
消費機器では珍しい計算問題。倍率で聞かれる形がほとんどです。
この公式の過去問(1問)
乙R2円形のノズルから噴出するガス量について、ノズルの口径を4倍、ガスの圧力を4倍にしたとき、+ 解答例
円形のノズルから噴出するガス量について、ノズルの口径を4倍、ガスの圧力を4倍にしたとき、ガス量は何倍になるか。次の値のうち、最も近いものはどれか。
使う式
Q = C ・ A ・ P (オリフィス系)
記号:Q:ガス量 / A:ノズル開口面積 / P:圧力. A∝D²
解き方
- ノズル流出ガス量: Q ∝ A·√P. A は口径Dの2乗に比例(A∝D²)
- よって Q ∝ D² × √P
- 口径4倍, 圧力4倍: Q’ / Q = 4² × √4 = 16 × 2 = 32倍
- 最も近い値は (4) 32
答え:32 倍(正解の選択肢 (4))
この問題で多い誤り
- 口径(D)と面積(A)の関係を取り違える (Aは D² に比例)
- 圧力Pをそのまま倍率で適用
ウォッベ指数と燃焼速度(互換性の判定)過去9年の出題なし
🔎 いつ使うかガスの互換性、機器をそのまま使えるかを判断するとき。
💡 式の意味ウォッベ指数 WI=発熱量÷√比重。同じノズル・同じ圧力なら、WIが同じガスは同じ熱量を出します。ノズルからの噴出量が√比重に反比例するため、発熱量を√比重で割った値が『実際に出る熱量』の指標になる、という理屈です。13Aの標準は WI=52.7±4.2 MJ/m³、燃焼速度 MCP は約52。
- 発熱量と比重を確認する
- WI=発熱量/√比重 を計算する
- 互換性はWIと燃焼速度MCPの両方が範囲内かで判断する
⚠ 落とし穴
- 比重の平方根を取り忘れる
- WIだけで互換性を判断する(燃焼速度も必要)
計算問題としての出題はまだありませんが、WIの定義そのものは知識問題で頻出です。
給湯器の号数過去9年の出題なし
🔎 いつ使うか瞬間湯沸器の能力や、必要な号数を求めるとき。
💡 式の意味1号=水温を25℃上げたお湯を毎分1L出せる能力。20号なら、25℃上昇で毎分20L。冬に水温が下がって温度差が大きくなると、出せる湯量は減ります。
- 必要な温度差(給湯温度−水温)を出す
- 号数×25÷温度差=毎分の湯量(L)
⚠ 落とし穴
- 基準が25℃上昇であることを忘れる
- 夏と冬で出湯量が変わる理由を取り違える
消費機器の教材で扱う定義です。数値を変えた出題があり得ます。
