
都市ガスを使った冷暖房システムを扱う章です。吸収冷温水器(LiBr吸収式)の構成・原理・成績係数(COP)、吸収ヒートポンプ、GHP(ガスエンジンヒートポンプ)の構造・冷暖房切替原理・特長までを学びます。
乙種・甲種兼用 / 全9節 / 学習目安: 30〜60分
💡 このページの読み方
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📍 はじめに
電気のエアコンとは別に、ガスを使った冷暖房があります。吸収冷温水器は化学反応の力で冷気を作り、GHPはガスエンジンで圧縮機を動かす。この章では、ガス独自の冷暖房技術を整理します。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全9節)
1. 都市ガスによる冷暖房方式の概要
重要度: ★ 乙C / 🟦 甲A
🎯 一言で
吸収式とGHPの2方式。試験では分類と特徴が頻出。
📖 解説(乙種ベース)
冷房と聞けば電気のエアコンを思い浮かべる。しかしガスでも冷やせる。都市ガスを利用した冷暖房には①吸収式(吸収冷温水機・吸収冷凍機・吸収ヒートポンプ)と②圧縮式(GHP:ガスエンジンヒートポンプ)の2方式があり、この章の全節はどちらかにぶら下がる。
分かれ目は「何で駆動するか」である。吸収式はガスの燃焼熱で冷媒を駆動する熱駆動サイクル。GHPはガスエンジンで圧縮機を駆動する機械駆動サイクルだ。ろうそくの熱で回る走馬灯と、モーターで回す扇風機——同じ回転でも、力の出どころが根本から違う。
普及の背景は両者に共通している。両方式ともフロン系冷媒問題・電力ピーク対策・石油代替という観点で普及が進んだ。冷やす方法の話であると同時に、何を減らすための技術かという話でもある。
🟦 甲種プラスα
甲種では「都市ガスによる冷暖房方式の概要」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
ガス冷暖房2方式の対比(熱駆動の吸収式と機械駆動のGHP)⚡ 焦点ポイント
吸収式とGHPの定義・分類を正確に区別すること。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 吸収ヒートポンプは「冷暖房機器」ではなく「加熱専用機」である点に注意。
- 吸収式とGHPの定義・分類を正確に区別すること
2-1. 吸収冷温水器の構成と原理
💡 図の見方:上下の違いは再生器の数だけです。単効用型は再生器が1個でCOP≒0.7、二重効用型はガスで焚く高温再生器と、その蒸気で焚く低温再生器の2段構えでCOP≒1.2〜1.3になります。炎はどちらも1つしか描かれていない——同じガス量で二度加熱に使うから効率が上がるという因果が急所で、COPの値を上下で取り違えないこと。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
4容器(蒸発器・吸収器・再生器・凝縮器)+溶液熱交換器。単効用・二重効用の違いがカギ。
📖 解説(乙種ベース)
水は低圧にすると低い温度で沸く。この性質を冷房に使うのが吸収冷温水器で、冷媒=水、吸収剤=臭化リチウム(LiBr)水溶液という組み合わせを用いる。フロンではなく水が冷媒——ここが最頻出の急所だ。装置は4つの容器を冷媒が巡る形になっている。
巡る順は蒸発→吸収→再生→凝縮である。①蒸発器では低圧条件下で冷媒(水)が蒸発し、冷水を冷却する(冷房側熱交換)。蒸発するときに周囲から熱を奪うので、冷房はここで生まれている。
蒸発した冷媒蒸気は、そのままでは行き場がない。②吸収器では濃溶液(LiBr)が冷媒蒸気を吸収して希溶液になり、あわせて熱を放出する。押し入れの乾燥剤が湿気を吸うのと同じで、吸い続ければやがて水を含んで力を失う。
その乾燥剤を天日で乾かす工程にあたるのが③再生器だ。希溶液をガスで加熱し、冷媒蒸気を分離するとともに濃溶液に再生する。ガスの炎が入るのはこの位置である。分離された蒸気は④凝縮器で冷却され、液冷媒に戻って蒸発器へ返る。
効率を底上げする部品も付いている。溶液熱交換器は、再生器の高温濃溶液と吸収器へ戻る希溶液を熱交換させて効率向上を図る。捨てるはずの熱を、これから加熱するものへ先渡しする発想だ。
型の違いは再生器の数で決まる。単効用型は再生器1個でCOP≒0.7。二重効用型は高温再生器(ガス加熱)+低温再生器(高温再生器からの蒸気で加熱)の2段再生とし、COP≒1.2~1.3(単効用の約2倍)に届く。高温再生器で出た蒸気をもう一度加熱に使うから、同じガス量でより多く冷やせるわけだ。
吸収冷温水器の4プロセス円環
吸収冷温水器の単効用型と二重効用型―再生器の数の違い⚡ 焦点ポイント
「二重効用=高温再生器追加・COP約2倍」を数値とセットで記憶すること。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 冷媒は「フロン」ではなく「水」。吸収剤はブロマイド(臭化リチウム)。
2-2. 吸収冷温水器の成績係数(COP)
💡 図の見方:COPは冷凍能力(または加熱能力)をガス加熱量で割った値で、分子・分母とも[kW]なので単位のない無次元数です。上段で入力の矢印が2本(ガス加熱量と外部熱源)なのに分母はガス加熱量だけ、という点がCOPが1を超えるからくりで、エネルギー保存則に反しているわけではありません。下段の3枚のカードは機種とCOPの対応そのものが問われるので、0.7・1.2〜1.3・1.6をどれがどれか取り違えないこと。
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
COP=冷凍能力[kW]÷ガス加熱量[kW]。無次元。単効用≒0.7、二重効用≒1.2。
📖 解説(乙種ベース)
同じ冷房能力なら、ガスを食わない機械のほうが優れている。それを1つの数字で表すのが成績係数(COP:Coefficient of Performance)で、機器の効率を示す無次元数である。車の燃費と同じ発想——投入量あたり、どれだけの仕事を取り出せたかを見ている。
数値は型ごとに頭へ入れておきたい。単効用型吸収冷凍機はCOP≒0.7、二重効用型吸収冷温水機はCOP≒1.2~1.3、吸収ヒートポンプ第1種はCOP≒1.6(加熱COP)である。並べると、再生を二段にした効果と、熱源を外から借りた効果が数字で見えてくる。
ここで引っかかるのがCOP>1という値だ。投入した以上の熱が出てくるなら、エネルギーが増えたことにならないか。種明かしをすると、増えてはいない。廃熱・蒸発潜熱など外部熱源を利用するため、ガス以外の場所から熱を持ち込んでいるだけである。
COPが1を超えても成り立つ理由―外部熱源の持ち込み⚡ 焦点ポイント
COPは「無次元数」=単位なし。これを問う出題あり。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- COP>1でも「エネルギー保存則の違反」ではない。外部熱源(排熱・冷媒蒸発熱)を活用しているため。
2-3. 吸収冷温水器の特徴
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
フロン不使用・低NOx・ボイラー技士不要・大容量受電設備不要が4大特長。
📖 解説(乙種ベース)
吸収式の長所は、ほとんどが「持っていないもの」から生まれる。電動圧縮機を積まず、フロンも使わない。電気ポットをやめてやかんに戻すようなもので、電気に頼る部分を削ったぶん身軽になる。フロン不使用・低NOx・ボイラー技士不要・大容量受電設備不要が4大特長である。
まず環境面。①フロン系冷媒を使用しない(冷媒=水)ため、オゾン層破壊・地球温暖化への影響がない。②低NOx燃焼器搭載機種が多く、環境負荷低減につながる。冷媒の話と燃焼の話という別々の理由から来ている点に注意したい。
次に設備と資格の面である。③駆動に電動機・コンプレッサーを使わないため、ボイラー技士・冷凍機械責任者の資格が不要になる。④電動圧縮機を持たないため大容量の電気受電設備が不要で、初期コスト削減につながる。⑤可動部が少ないので振動・騒音が少ない。
もちろん万能ではない。欠点はCOPが電動ヒートポンプより低めであること、そして冷却塔が必要な場合があることだ。長所だけを並べた選択肢が出たら、この2点を思い出して疑ってかかりたい。
🟦 甲種プラスα
甲種では「吸収冷温水器の特徴」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「ボイラー技士不要」「フロン不使用」はよく問われる。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 吸収式は「電力ピーク抑制」に貢献するが、完全無電力ではない(補機類に電力使用)。
3. 吸収ヒートポンプの種類と特徴
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
第1種:加熱量増加型COP≒1.6。第2種:昇温型COP≒0.5(廃熱のみ駆動)。
📖 解説(乙種ベース)
吸収ヒートポンプは名前こそヒートポンプだが、冷暖房ではなく主に加熱(給湯・暖房)用途で使われる。ここが第一の引っかけだ。種類は第1種と第2種で、COPも駆動方式も用途もすべて異なる。分ける軸は、量を増やすのか温度を上げるのかである。
第1種吸収ヒートポンプ(加熱量増加型)は量を増やす型だ。ガス(高温熱源)+低温熱源(大気・河川水等)を入力し、中温熱を大量出力する。COP≒1.6——入力エネルギー以上の熱量を取り出せるのは、大気や河川水から熱を借りているからである。用途は給湯・暖房などになる。
第2種吸収ヒートポンプ(昇温型)は温度を上げる型である。廃熱(中温)のみで駆動し、高温熱として出力する(ガス入力なし)。COP≒0.5で、廃熱の一部だけが高温に変換され、残りは低温排熱となる。用途は工場廃熱の温度引き上げだ。
COP≒0.5では損に見える。だが第2種の値打ちは効率ではなく、温度のはしごを一段上れる点にある。ガスを入れずに、使い道のなかった廃熱を使える温度帯まで押し上げる——だからCOPが1を下回っても成立する。
吸収ヒートポンプ第1種と第2種のエネルギーの流れ⚡ 焦点ポイント
第1種と第2種でCOP・駆動方式・用途が全て異なる。対比して記憶すること。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 「第2種はCOP<1だが無駄ではない」:廃熱のみで高温熱を得る装置であるため。
- 第1種と第2種でCOP・駆動方式・用途が全て異なる
- 対比して記憶すること
4-1. GHP(ガスエンジンヒートポンプ)の概要
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガスエンジンで圧縮機を駆動。冷媒はフロン。夏季電力ピーク抑制・石油代替が目的。
📖 解説(乙種ベース)
エアコンの心臓部は冷媒を押し縮める圧縮機で、これを何で回すかが方式を決める。GHP(Gas engine driven Heat Pump)はガスエンジンの動力で冷媒圧縮機を駆動するヒートポンプである。同じ回転を、コンセントから取るか、エンジンから取るか——電動工具とエンジン工具の違いに近い。
冷媒はフロン系冷媒で、電動ヒートポンプと同様だ。前の節で見た吸収式は冷媒が水だった。同じ「ガスによる冷暖房」でありながら冷媒は逆——この対比がそのまま出題される。
導入の目的は2つある。①夏季電力ピーク需要の抑制で、冷房に電力をほぼ使わない。②石油代替で、ガスで冷暖房を賄う。どちらも、電気や石油に集中していた需要をガスへ振り分ける狙いだ。
電動ヒートポンプ(EHP)と並べると差がはっきりする。GHPは圧縮機をエンジンで駆動するため、消費電力は同能力EHPの約1/10。EHPは電動モーターで圧縮機を駆動する。「ほぼ使わない」であって「使わない」ではない点に注意したい。
GHPとEHPの違い(圧縮機を何で駆動するか)⚡ 焦点ポイント
GHPの冷媒は「フロン」(吸収式とは異なる)。この区別が頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 GHPが「省電力」なのは電力を使わないのではなく、ほぼ使わない(補機に若干使用)から。
4-2. GHPのガスエンジン構造
💡 図の見方:図の見方:GHPもEHPも中央の圧縮機は同じで、それをガスエンジンで回すか電動モーターで回すかだけが違うことを、同じ形の箱と左側の駆動源の差で示した図です。GHPの消費電力は同能力のEHPの約1/10(ゼロではない)であること、冷媒はフロン系冷媒で吸収式の水とは異なることが、この1枚の急所です。
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
オットーサイクル4ストローク。吸入→圧縮→爆発(膨張)→排気。クランク2回転で1サイクル。
📖 解説(乙種ベース)
GHPの動力源は、自動車と同じ内燃機関である。熱力学サイクルはオットーサイクル(内燃機関)で、行程数は4サイクル(4ストローク)。吸って・縮めて・押し出されて・吐く——深呼吸を4カウントで区切るように、同じ順番がひたすら繰り返される。
順序を追っておこう。①吸入(Intake)で混合気をシリンダー内に吸入し、②圧縮(Compression)で混合気を圧縮する。続く③爆発・膨張(Power)で点火→爆発が起き、ピストンを押し下げて動力を取り出す。最後が④排気(Exhaust)で、燃焼ガスを排出する。
ここで問われるのが回転数だ。1サイクルでクランクシャフトが2回転し、ピストンは上下4回する。行程は4つ、ピストンの上下は4回、クランクは2回転——この3つの数字をセットで覚えれば、2サイクルエンジンとの取り違えを誘う設問にも動じない。
エンジンに回される側の部品も押さえたい。圧縮機の種類は①レシプロ式(往復動)②ベーンロータリー式③スクロール式である。エンジンの行程とは別の話なので、混ぜずに整理しておくこと。
🟦 甲種プラスα
甲種では「GHPのガスエンジン構造」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
オットーサイクル4行程(吸入→圧縮→爆発→排気)⚡ 焦点ポイント
「4行程の順序」と「クランク2回転=1サイクル」はそのまま出題される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「2サイクルエンジン」との混同に注意。GHPは4サイクル(4ストローク)。
4-3. GHPの冷暖房切替原理
重要度: 乙B / 甲C
🎯 一言で
四方弁で冷媒流路を切替。冷房=室内機が蒸発器、暖房=室内機が凝縮器。
📖 解説(乙種ベース)
同じ機械が夏は冷やし、冬は温める。GHPは電動ヒートポンプと同じ蒸気圧縮冷凍サイクルを用いており、部品の役割を入れ替えることで両方をこなす。担い手が四方(切替)弁で、冷媒の流れる方向を逆転させることで冷房↔暖房を切替える。線路のポイントを倒して列車の進路を変えるのと同じだ。
冷房運転では、室内機が蒸発器として機能し、室内の熱を吸収する(冷風)。吸収した熱は室外機が凝縮器となって屋外に放出する。熱が消えたのではなく、外へ運び出されただけである。
暖房運転では役割がそっくり入れ替わる。室内機が凝縮器として機能して熱を室内に放出し(暖風)、室外機が蒸発器となって外気から熱を汲み上げる。冷たい外気にも熱はある——それを室内へ運ぶのが暖房だ。
GHPならではの上乗せもある。ガスエンジンの排熱(排気熱・冷却水熱)を暖房に活用するため、暖房能力が高い。その結果、デフロスト(除霜)運転がほぼ発生しない。エンジンを積んでいることが、そのまま冬の強さになっている。
GHPの冷暖房切替(四方弁)⚡ 焦点ポイント
「四方弁で切替」「冷房時=室内が蒸発器」の基本原理を押さえること。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 暖房能力がEHPより高い理由は「排熱利用」。低外気温でも安定した暖房が可能。
4-4. GHPの特長と種類
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
省電力・高暖房能力・デフロストほぼなし。種類:パッケージ型(シングル/マルチ)・ビル用マルチ・発電機能付き。
📖 解説(乙種ベース)
GHPの特長は、エンジンを積んだ結果として出てくる。①消費電力が電動ヒートポンプの約1/10で、夏季電力ピーク対策になる。②エンジン排熱を暖房に利用するため、低外気温でも高い暖房能力を保てる。走り出した車のヒーターがエンジンの熱で効くのと、同じ構図だ。
暖房まわりの利点は、そこから派生する。③排熱で蒸発器を温められるため、デフロスト(除霜)運転がほぼ発生しない。④瞬時立ち上がり暖房も可能で、エンジン始動後すぐに排熱暖房が使える。ただし「ほぼ発生しない」であって「不要」ではない——言い切った選択肢は疑ってかかること。
種類は設置の規模で分かれる。
| 種類 | 構成・対象 |
|---|---|
| ①パッケージ型(シングル) | 室外機1台+室内機1台 |
| ②パッケージ型(マルチ) | 室外機1台+室内機複数台 |
| ③ビル用マルチ型 | 大規模ビル向け、多室・大容量に対応 |
| ④発電機能付きGHP(コージェネレーション型) | エンジン余力で発電も行う |
最後の④だけは毛色が違う。冷暖房のために積んだエンジンに余力を持たせ、発電も行うからだ。1台のエンジンから動力と電気の両方を取り出す——ここがコージェネレーション型と呼ばれる理由になる。
⚡ 焦点ポイント
特長の数値「約1/10の省電力」と「デフロストほぼなし」は頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「デフロストが不要」ではなく「ほぼ発生しない」。完全ゼロとは言い切れない。
🔢 消費機器の重要数値・設備の整理
吸収冷温水器の原理:
– 冷媒: 水
– 吸収液: LiBr(臭化リチウム)水溶液
– 蒸発器(冷気発生)→吸収器(LiBrが水蒸気を吸収)→再生器(熱で水を分離)→凝縮器
– 熱源: ガス直だきのほか、120℃程度の廃温水や90℃前後の温水でも駆動可(単効用温水吸収冷凍機)
成績係数(COP)の比較:
| システム | 冷房COP | 暖房COP |
|---|---|---|
| 単効用吸収冷凍機 | 0.7前後 | – |
| 二重効用吸収冷温水器 | 1.1〜1.3 | – |
| GHP | 1.3〜1.6 | 1.4〜1.7 |
| 電気エアコン(参考) | 4〜6 | 4〜6 |
GHPの主な特長:
– ガスエンジンで圧縮機を動かす
– 排熱を暖房に利用(暖房時COP高い)
– 電力消費量が少ない(電気エアコンの1/10程度)
– ピーク電力対策に有効
吸収冷温水器とGHPの使い分け:
– 大型施設(オフィス・病院): 二重効用吸収冷温水器
– 中小規模: GHP
消費機器科目では、機器の方式・設置基準・安全装置の作動原理の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・方式・原理を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
GHPの4種類(室外機と室内機の組み合わせ)💡 図の見方:図の見方:GHPの4種類を、室外機1台に何台の室内機がつながるかという構成の違いで上から順に並べた図です。④の発電機能付きだけは冷暖房用のエンジンの余力で発電も行うため、室外機から電気の出力矢印が1本余分に出ている——ここがコージェネレーション型と呼ばれる理由です。
- 節1 都市ガスによる冷暖房方式の概要: 吸収式とGHPの2方式。試験では分類と特徴が頻出。
- 節2-1 吸収冷温水器の構成と原理: 4容器(蒸発器・吸収器・再生器・凝縮器)+溶液熱交換器。単効用・二重効用の違いがカギ。
- 節2-2 吸収冷温水器の成績係数(COP): COP=冷凍能力[kW]÷ガス加熱量[kW]。無次元。単効用≒0.7、二重効用≒1.2。
- 節2-3 吸収冷温水器の特徴: フロン不使用・低NOx・ボイラー技士不要・大容量受電設備不要が4大特長。
- 節3 吸収ヒートポンプの種類と特徴: 第1種:加熱量増加型COP≒1.6。第2種:昇温型COP≒0.5(廃熱のみ駆動)。
- 節4-1 GHP(ガスエンジンヒートポンプ)の概要: ガスエンジンで圧縮機を駆動。冷媒はフロン。夏季電力ピーク抑制・石油代替が目的。
- 節4-2 GHPのガスエンジン構造: オットーサイクル4ストローク。吸入→圧縮→爆発(膨張)→排気。クランク2回転で1サイクル。
- 節4-3 GHPの冷暖房切替原理: 四方弁で冷媒流路を切替。冷房=室内機が蒸発器、暖房=室内機が凝縮器。
- 節4-4 GHPの特長と種類: 省電力・高暖房能力・デフロストほぼなし。種類:パッケージ型(シングル/マルチ)・ビル用マルチ・発電機能付き。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 吸収式とGHPの定義・分類を正確に区別すること。
- 節2-1: 「二重効用=高温再生器追加・COP約2倍」を数値とセットで記憶すること。
- 節2-2: COPは「無次元数」=単位なし。これを問う出題あり。
- 節2-3: 「ボイラー技士不要」「フロン不使用」はよく問われる。
- 節3: 第1種と第2種でCOP・駆動方式・用途が全て異なる。対比して記憶すること。
- 節4-1: GHPの冷媒は「フロン」(吸収式とは異なる)。この区別が頻出。
- 節4-2: 「4行程の順序」と「クランク2回転=1サイクル」はそのまま出題される。
- 節4-3: 「四方弁で切替」「冷房時=室内が蒸発器」の基本原理を押さえること。
- 節4-4: 特長の数値「約1/10の省電力」と「デフロストほぼなし」は頻出。
📝 一問一答(過去問ランダム)
記述が正しいか誤りかを判定。答え・理由・出典が出ます。
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