
ガス機器の給排気方式を扱う章です。法規制とガス機器の分類、機器の基本機構、給排気方式の全体分類と各方式(開放式・CF式・FE式・BF式・FF式・RF式)の特徴・設置基準を学びます。CO中毒事故防止の観点で論述頻出。
乙種・甲種兼用 / 全10節 / 学習目安: 30〜60分
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📍 はじめに
CO中毒事故の主原因は「給排気不良」です。だからこそ、機器の設置場所と給排気方式の選定は法令で細かく規定されています。この章では、各方式の物理的なルールと安全設計の根拠を整理します。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全10節)
1-1. ガス機器の分類と法規制
重要度: ★ 乙A / 甲C
🎯 一言で
ガス用品(ガス事業法)・特定ガス消費機器(特監法)・特定保守製品の区分と対象機器
📖 解説(乙種ベース)
同じガス機器でも、面倒を見る法律は1つではない。製品そのものの安全、設置工事の安全、長期使用の点検——目的の違う3つの制度が、それぞれ別の切り口で機器を捕まえている。どの制度がどの機器を見るかを入れ替えるのが、この節の定番の出題だ。
製品としての規制がガス用品で、根拠法はガス事業法。そのうち特にガスによる災害の発生のおそれが多いものを特定ガス用品として指定し、規制を一段重くする。一方、設置工事の欠陥による災害を防ぐ枠組みが特監法の特定ガス消費機器である。
3つめが消費生活用製品安全法の特定保守製品だが、ここは制度が変わった点に注意したい。現行ではガス機器は対象から外れている。改正前の過去問がそのままでは通用しない、めずらしい箇所だ。区分ごとの根拠法・対象・規制内容は下の表で押さえる。
ガス機器の法規制マップ(3つの法律と機器区分)| 区分 | 根拠法 | 対象・条件 | 規制内容 |
|---|---|---|---|
| ガス用品 | ガス事業法 | ガス瞬間湯沸器(70kW以下)・ガスストーブ(19kW以下)・ガスバーナー付ふろがま(21kW以下等)・ガスふろバーナー・ガスこんろ(総和14kW以下) | 技術基準適合義務 |
| 特定ガス用品 | ガス事業法 | 上記のうち半密閉燃焼式(屋内)等、特にガスによる災害の発生のおそれが多いものを指定 | 検査が義務 |
| 特定ガス消費機器 | 特監法 | ①ガスバーナー付ふろがま・ガスバーナーを使用できる構造のふろがま ②ガス湯沸器:ガス瞬間湯沸器(12kW超)・その他(7kW超) ③①②の排気筒・排気筒に接続される排気扇 | 設置工事の欠陥に係るガス災害防止が目的。設置工事は「ガス消費機器設置工事監督者」の有資格者に監督させなければならない |
| 特定保守製品 | 消費生活用製品安全法 | 令和3年(2021年)8月1日施行の改正により、屋内式ガス瞬間湯沸器・屋内式ガスバーナー付ふろがま等の5品目(ガス機器・石油機器)が対象から除外。現行の特定保守製品は石油給湯機・石油ふろがまの2品目(いずれも石油機器)のみ | 長期使用製品安全点検制度。製造・輸入事業者は設計標準使用期間・点検期間・問合せ連絡先を表示する義務(対象品目について) |
⚡ 焦点ポイント
現行(令和3年改正後)制度では、ガス機器は特定保守製品の対象外。改正前の出題(H30以前)では「屋内式ガス瞬間湯沸器は特定保守製品」が「正しい」とされていたが、現行ルールでは「誤り」に変わる点に注意。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「こんろは特監法の特定ガス消費機器」→×(ガス事業法のガス用品)。「屋内式ガス瞬間湯沸器は特定保守製品」→×(令和3年改正でガス機器は対象外)。「すべてのガスふろがまは特定ガス消費機器」→○。
1-2. ガス機器の基本機構
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガス瞬間湯沸器の主な機構部:燃焼・点火・伝熱・安全・制御・給排気装置
📖 解説(乙種ベース)
ガス機器はガスを燃焼させその燃焼熱を利用するもので、構造は熱の利用目的に応じ最も有効に伝達できるようにできている。工場の流れ作業と同じで、空気・ガス・水は決まった順序で装置を通り抜ける。ガス瞬間湯沸器を例に、その並びを見ていきたい。
下から順に、給気口で空気を取り込み、バーナーで燃やし、その上の熱交換器で水に熱を渡し、残った排ガスを排気筒から捨てる。この縦の流れが骨格だ。安全装置と制御装置は独立した場所にあるのではなく、各部に組み込まれる形で載っている。主な機構部は6つに整理できる。
| 機構部 | 主な構成 |
|---|---|
| 燃焼装置 | メインバーナー・パイロットバーナー |
| 点火装置 | 点火プラグ |
| 伝熱(熱交換)装置 | 水管・吸熱フィン・内胴 |
| 安全装置 | 過熱防止装置・立消え安全装置・逆風止め |
| 制御装置 | ガス・水などの圧力制御、流量制御、水量制御、水位制御、温度制御など |
| 給排気装置 | 給気口・排気筒・排気筒トップ |
出題の基本形は、装置名を別の機構部へ移すことだ。立消え安全装置を制御装置に、点火プラグを安全装置に入れ替えるだけで誤りの選択肢ができる。どの部品がどの箱に入るか、という単位で覚えたい。
ガス瞬間湯沸器の基本構成(縦断面)⚡ 焦点ポイント
機構部は6つ(燃焼・点火・伝熱・安全・制御・給排気)。出題の基本形は「装置名を別の機構部へ移す」すり替えなので、立消え安全装置=安全装置、点火プラグ=点火装置というように、部品と箱の対応で覚える。
2-1. 給排気方式の全体分類
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
屋内設置の3区分(開放式・半密閉式・密閉式)と略号・屋外式の一覧
📖 解説(乙種ベース)
潜水士は水中でも呼吸ができる。周りの水とは切り離された空気を、外から引いてくるからだ。ガス機器の給排気も発想は同じで、部屋の空気を使うのか、外の空気だけで完結させるのかで安全性が決まる。ガス機器の給排気方式は安全上極めて重要な分類である。
屋内設置は3区分に分かれる。開放式は燃焼用空気を屋内からとり、燃焼排ガスを屋内に排出する方式で、略号なし。空気も排ガスも部屋と共有するため、換気に最も気を使う。
半密閉式は燃焼用空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒で屋外に排出する。排ガスだけを外へ出す“半分”の遮断だ。密閉式になると、屋内と離隔された燃焼室で屋外から空気を取り入れ排気するので、部屋の空気とは切り離される。
半密閉式と密閉式は、通気を自然の力に任せるか送風機で押すかで、さらに二分される。ここが略号の中身だ。
| 区分 | 方式 | 略号 | 通気の力 |
|---|---|---|---|
| 半密閉式 | 自然排気式 | CF式 | 自然通気力(ドラフト)で排気 |
| 半密閉式 | 強制排気式 | FE式 | 排気用送風機で強制排気 |
| 密閉式 | 自然給排気式 | BF式 | 自然通気力で給排気(Balanced Flue) |
| 密閉式 | 強制給排気式 | FF式 | 送風機で強制給排気(Forced Draught Balanced Flue) |
これらとは別枠が屋外式(RF式)で、機器本体を屋外に設置するもの。Roof Top Flue の略である。設置形態を示す派生略号として、-W=外壁式、-C=チャンバー式、-D=ダクト式が付く。
出題は区分の入れ替えに集中する。CF式を密閉式、BF式を半密閉式とすり替える形だ。排気筒で排ガスを外に出すだけなら半密閉式、壁を貫通して給気まで屋外から取れば密閉式——この線引きで即答したい。
給排気方式の全体分類⚡ 焦点ポイント
強制式(FE・FF)は送風機で排気するため排気筒トップの設置制約が少ない(風圧帯内も可)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「CF式は密閉式」→×(半密閉式)。「BF式は半密閉式」→×(密閉式)。
2-2. 開放式ガス機器の特徴と換気
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
開放式の定義・該当機器・機械換気と自然換気の使い分け(6kW境界)
📖 解説(乙種ベース)
締め切った車内に長くいると息苦しくなる。開放式ガス機器を置いた部屋は、これに近い状態を作り出す。燃焼用空気を屋内からとり、燃焼排ガスを屋内に排出する方式だからだ。該当機器は調理機器(こんろ)・小型湯沸器・小型ストーブ・ファンヒーター等である。
だからこの方式では、換気が機器の機能の一部になる。とはいえ、いつでも換気扇が要るわけではない。部屋の種類と合計インプットの2つで、必要な換気の強さが決まる。
「ガス機器を使用する部屋には必ず機械換気設備が必要」という断定は誤り。6kW以下という逃げ道があるからだ。逆に「調理室以外で合計6kW以下でも機械換気が必要」も誤りで、境界の向きをひっくり返すのが手口である。
機械換気では換気扇と給気口をつける。給気口は専用のものでなくてもよく、窓・ドア等の隙間も給気口とみなせる。換気扇等の操作が容易でない場所や気密性の高い部屋では、湯沸器使用時に自動作動するようにしておく。使い手が操作を忘れても効くようにする、という考え方だ。
その機械換気は、送風機をどちら側に置くかで3種類に分かれる。第1種は給気・排気の両方を送風機で行う。第2種は送風機で給気して室内を正圧に保ち、排気口から空気を押し出す。第3種は排気側だけに送風機を置いて室内を負圧にし、給気口から自然に空気を取り入れる。台所の換気扇が第3種の代表例だ。
ここは第2種と第3種の取り違えが定番のひっかけになる。ファンが給気側なら正圧、排気側なら負圧——押し込むのか吸い出すのかで確かめたい。
一方自然換気では、天井に近い位置に容易に開閉できる換気口をつける。数値の傾向としては、換気回数が多いほど室内の平衡酸素濃度は高くなる点も押さえておく。
開放式ガス機器の給排気
第1種機械換気
第2種機械換気
第3種機械換気⚡ 焦点ポイント
ファンヒーターは開放式暖房機で不完全燃焼防止装置が搭載されているが、換気が必要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「ガス機器を使用する部屋には必ず機械換気設備が必要」→×(自然換気でよい場合がある)。「調理室以外で合計6kW以下→機械換気が必要」→×(自然換気でよい)。
2-3. 半密閉式自然排気式(CF式)の特徴と設置
💡 図の見方:CF式の排気筒を下から上へ、一次排気筒→逆風止め→二次排気筒→排気筒トップの順で名前と役割を並べた図です。逆風止めは屋内で機器に近接して付けるのが正で、「屋外に取り付ける」は誤りだと、この位置関係で判断できます。二次排気筒を一次排気筒より細く描いていない点も、「口径を縮小してもよい」という選択肢を切るための目印です。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
CF式の定義・ドラフト・逆風止め・排気筒各部の名称・設置12か条
📖 解説(乙種ベース)
熱気球は、袋の中の空気を温めるだけで浮き上がる。暖かい気体は上へ行く——CF式はこの力だけで排ガスを外へ運ぶ方式だ。CF式(Conventional Flue・半密閉式自然排気式)とは、燃焼用空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒を用いて自然通気力(ドラフト)によって屋外に排出する方式をいう。
頼りにしているのが数Paという弱い力である以上、排気筒の造りがそのまま排気性能になる。各部に細かい決まりがあるのは、そのためだ。
燃焼器に接続され、排気に必要なドラフトを生じさせる部分が一次排気筒で、これは機器の一部である。ドラフトを生み出す本体だから、短くしたり曲げてはならない。その上に取り付けるのが逆風止め(バフラー)で、機器と同一室内に機器と近接した箇所に取り付ける。
逆風止めの役目は二重だ。屋外の風の逆進入を防ぎ炎が吹き消されないようにし、あわせて過度のドラフトで炎が引き消えることや熱効率の低下を防止する。強すぎる流れも弱すぎる流れも炎の敵——その両方を受け止める部品である。「屋外に取り付ける」という記述は誤りだ。
逆風止めから排気筒トップまでが二次排気筒で、口径は機器の排気筒接続部口径より縮小してはならない。細くすれば、弱いドラフトでは通り切らないからだ。終端の排気筒トップは、排気の流出抵抗が小さく、鳥や雨風の侵入しにくい構造とする。
CF式の設置ルールは12か条として整理されている。中でも主な注意事項は次のとおりで、どれも「弱いドラフトを邪魔しない」という一点でつながっている。
CF式排気筒の各部名称―一次排気筒から排気筒トップまで| # | 注意事項 |
|---|---|
| ① | 排気筒材料は不燃性・耐熱・耐食性 |
| ② | 一次排気筒は短くしたり曲げてはならない |
| ③ | 二次排気筒の口径は接続部口径より縮小しないこと |
| ④ | 排気筒の高さはガス事業法施行規則の式で算出した値以上 |
| ⑤ | 横引き部はなるべく短く中だるみや先下がり勾配としないこと |
| ⑥ | 排気筒トップは風圧帯を避け全方向の風が吹き抜ける位置 |
| ⑦ | 新築・浴室増改築でCF式ふろがまを浴室内に設置しないことが望ましい |
| ⑧ | 機器を設置する部屋にはガス機器の排気筒断面積以上の有効開口面積の給気口が必要 |
⑥に出てきた風圧帯とは、壁面に風が吹きつけた場合に圧力が高くなる部分をいう。風圧帯に排気筒排気口があると逆流現象が起こる可能性がある。数Paのドラフトでは、その風圧に押し返されてしまうからだ。
CF式(自然排気式)⚡ 焦点ポイント
チャンバー設置方式(CF-C方式):給排気口が同一箇所で風圧がかかっても給排気バランスを保つ→中高層集合住宅向け。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「CF式の逆風止めは屋外に取り付ける」→×(同一室内・機器と近接)。「二次排気筒口径は縮小してもよい」→×(縮小してはならない)。「CF式排気筒トップは風圧帯内でも設置できる」→×(風圧帯を避ける)。
2-4. 半密閉式強制排気式(FE式)の特徴
💡 図の見方:風の当たる壁面にできる圧力の高い部分が風圧帯で、そこに排気口があると逆流のおそれがあります。弱いドラフトだけで排気するCF式は風圧帯を避けなければならず、送風機で押し出すFE式は風圧帯の中にも排気筒トップを置ける——この可否の違いが左右のパネルの対比です。ただしFE式も燃焼用空気は屋内から取る半密閉式で、両パネルとも給気口が要る点を見落とさないこと。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
FE式の定義・特徴・排気筒設置制約の少なさ
📖 解説(乙種ベース)
自然の力に任せず、送風機で吸い出してしまえば確実に排気できる。掃除機で吸い出すようなもので、FE式はその発想の方式だ。FE式(Forced Exhaust・半密閉式強制排気式)とは、燃焼用空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気用送風機を用いて強制的に屋外に排出する方式をいう。
実現の仕方は2種類ある。①排気用送風機などがガス機器内に組み込まれているFE式ガス機器に排気筒を接続する方法と、②CF式ガス機器の排気筒の途中に排気用送風機を取り付ける方法(強制排気システム)だ。後者もFE式に分類される点が問われる。
ではCF式と何が変わるのか。弱いドラフトに頼らなくてよくなるぶん、設置の自由度が上がる。排気筒の横引き長さと高さの関係に特に規定がない(法令上)。さらに排気筒トップの位置も風圧帯内にすることができる(CF式では不可)。押し出す力があるので、風圧に負けないからだ。
だからFE式は、CF式では容易に設置できない場合の代替法として利用される。ただし自由になったのは排気側だけである。燃焼用空気を屋内から取る半密閉式であることは変わらないので、機器を設置する部屋には、給気上有効な給気口が必要だ。「FE式は燃焼用空気を屋外からとる」は誤りである。
FE式(強制排気式)
風圧帯と排気筒トップ―CF式は避け、FE式は中でもよい⚡ 焦点ポイント
CF式排気筒の途中に排気用送風機を取り付ける方式もFE式に分類される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「FE式は排気筒トップを風圧帯内に設置できない」→×(できる)。「FE式は燃焼用空気を屋外からとる」→×(屋内からとる・半密閉式)。
2-5. 密閉式自然給排気式(BF式)の特徴
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
BF式の定義・燃焼室遮断・専用給気口不要・BF-W/C/D式の設置注意
📖 解説(乙種ベース)
両手に同じ重さの荷物を持てば、体は傾かない。BF式の給排気も、この釣り合いで成り立っている。BF式(Balanced Flue・密閉式自然給排気式)とは、屋内と離隔された燃焼室で、給排気筒(給排気部)を外気に接する壁を貫通して屋外に出し、自然通気力によって給排気を行う方式をいう。
燃焼室は設置される部屋から遮断されており、機器内の圧力は外気と等しい状態になる。給気と排気のバランスによって燃焼を継続するので、バランス式と呼ばれる。給気口と排気口が同じ場所にあるため、風が吹きつけても両方に等しく効き、釣り合いが崩れない。
ここから重要な帰結が2つ出る。部屋の空気をいっさい使わないので、専用の給気口・換気口は必要ない。そしてBF式ふろがまは新規に浴室内に設置することができる。「専用の給気口が必要」「浴室内に設置できない」はいずれも誤りだ。
なお密閉式ガス機器の表示銘板には給排気方式等が記載されている。現場で方式を確かめるなら、まず銘板を見るのが早い。
設置場所の条件により、3つの派生方式が使い分けられる。
| 方式 | 使う場面と設置上の注意 |
|---|---|
| BF-W式(外壁式) | 機器の設置場所が外壁に面している場合。給排気部と壁との間に排気が屋内に流れ込む隙間がないこと。給排気部の先端は屋外に出ていること。給排気部の直近に障害物がないこと |
| BF-C式(バランスチャンバー式) | 集合住宅の共用片廊下部の専用給排気室(チャンバー)内に接続して廊下下に給排気。チャンバーは機器設置・給排気のための専用室(居室等に通じる扉等の開口を設けない) |
| BF-D式(バランスダクト式) | 共用給排気ダクト(UダクトまたはSEダクト)に接続して自然通気力で給排気。Uダクト式は排気ダクト側に接続、SEダクト式は垂直ダクトに接続 |
BF-D式だけは要求が一段重い。低酸素濃度での燃焼となるため、共用給排気ダクト用ガス機器として検査に合格したものでなければならない。「検査は不要」とする選択肢は誤りである。
BF式(自然給排気式)⚡ 焦点ポイント
BF式は給気・排気が同一箇所にあるため風圧がかかっても給排気バランスを保てる。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「BF式機器の設置室には専用の給気口・換気口が必要」→×(不要)。「BF式ふろがまを浴室内に設置できない」→×(できる)。「BF-D式(共用ダクト)の機器は検査不要」→×(検査に合格したものでなければならない)。
2-6. 密閉式強制給排気式(FF式)の特徴
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
FF式の定義・設置自由度・排気筒外れ検知・FF-W/C/D式
📖 解説(乙種ベース)
延長コードがあれば、コンセントから離れた場所にも家電を置ける。FF式の設置自由度は、これと同じ理屈で生まれる。FF式(Forced Draught Balanced Flue・密閉式強制給排気式)とは、給排気筒を外気に接する壁を貫通して屋外に出し、送風機を用いて強制的に給排気を行う方式をいう。
送風機で押し引きするため、給排気筒の延長ができる。その結果、機器本体が外壁に面している必要がなく設置が比較的自由になる。BF式・CF式機器に比べて設置上の制約が少ないのはこのためだ。「外壁に面して設置しなければならない」という記述は、FF式では誤りである。
設置形態はFF-W式(外壁式)・FF-C式(チャンバー式)・FF-D式(ダクト式)の3方式。密閉式なので燃焼室は部屋から遮断されており、気密性の高い部屋で換気せずに長時間使用しても不完全燃焼が生じるおそれはない。
もっとも、給排気筒を延ばせるということは、外れうる箇所が増えるということでもある。そこに手当てがしてある。
設置位置の条件も押さえておきたい。給排気部の先端は障害物または外気の流れによって給排気が妨げられない位置にあること。給排気トップは屋外に突出しているため耐風・耐雨水性が必要である。
FF式(強制給排気式)⚡ 焦点ポイント
FF暖房機は気密性の高い部屋でも安全に使用できる(燃焼室が遮断・強制給排気)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「FF式は機器本体を外壁に面して設置しなければならない」→×(設置が比較的自由)。「FF式は密閉式のため気密性の高い部屋でも不完全燃焼しない」→○。
2-7. 屋外式(RF式)の特徴
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
RF式の定義・メリット・設置方式(PS設置・壁貫通式等)
📖 解説(乙種ベース)
エアコンの室外機は、熱のやり取りを全部屋外で片づけ、室内には風だけを届ける。RF式のガス機器も同じ発想で、燃焼まわりを丸ごと外へ出してしまう。RF式(Roof Top Flue・屋外式)とは、機器本体を屋外に設置し、屋外で給排気するよう設計されたガス機器の総称である。
燃焼用空気を屋外からとり、燃焼ガスをそのまま屋外に排出する。排気方式には自然排気と強制排気がある。室内に給排気の経路が一切ないため、利点はまとめて手に入る——給排気設備が不要・室内空気を汚染しない・室内設置スペース不要・浴室内が広くなる。
設置方式は壁掛け設置・PS(パイプシャフト)設置・壁貫通式設置・壁組込設置・据置設置の5つ。このうち最も引っかかるのが壁貫通式だ。従来のBF式機器の給排気筒トップ用外壁貫通部の穴を利用して貫通部に設置するタイプで、BF式の穴を借りていても分類はRF式のままである。穴ではなく機器本体の位置で決まる、と押さえたい。
PS設置には条件がつく。PSの内部(壁面等)に設置する場合はFF式機器を用いて給排気をPS外で行える措置が必要だ。共通の注意として、近くに燃焼排ガスが室内に流入するおそれのある開口部がないこと、機器の周囲を波板等で囲まないことが求められる。囲えば屋外設置という前提そのものが崩れる。
現在では屋外式機器(RF式)が温水暖房・給湯・ふろがま用として主流である。
RF式(屋外式)の給排気(すべて屋外で完結)⚡ 焦点ポイント
壁貫通形設置機器はBF式ガス機器の給排気トップ用外壁貫通部に設置されるがRF式に分類される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「壁貫通式設置機器はBF式に分類される」→×(RF式に分類)。「RF式は室内空気を汚染する」→×(汚染しない)。
2-8. 給排気方式の変遷
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
住宅気密化→換気方式の変遷:開放式→半密閉式CF/FE→密閉式BF/FF→屋外式RF
📖 解説(乙種ベース)
住宅はこの数十年で、少しずつ“厚着”になった。隙間が減れば冬は暖かいが、室内の空気は入れ替わりにくくなる。給排気方式の歴史は、この住宅の変化を機器が追いかけた記録である。時代が進むほど、室内の空気を使わない方向——最後には機器ごと屋外へ——と移ってきた。
1950年代半ばまでは気密度の低い木造一戸建て住宅が主流だった。隙間から勝手に空気が入れ替わるので、開放式の自然換気方式・半密閉式の排気筒方式が主流でも成り立った。
ところがアルミサッシの普及等で住宅の気密化が進行すると、その前提が崩れる。開放式機器でも機械換気が必要になった。隙間という無料の給気口が消えたからだ。
次に効いたのが都市部の住宅高層化である。排気筒を屋上まで伸ばすことが技術上困難になり、チャンバー方式(CF-C式)・強制排気式(FE式)が多用されるようになった。さらに密閉式機器(BF式)・強制給排気型の密閉式機器(FF式)へと発展していく。
FF式が伸びた理由ははっきりしている。給排気筒の延長が可能で、屋根上まで排気筒トップを出す必要がないからだ。設置場所を選ばないこの強みで、暖房機器を中心に発展した。そして現在は屋外式機器(RF式)が温水暖房・給湯・ふろがまとして主流である。
最後に法規制の分担も押さえておきたい。給排気設備全般は建築基準法、湯沸器・ふろがま・調理機器・ストーブ・衣類乾燥機の技術基準はガス事業法、特定ガス消費機器の設置工事監督は特監法が受け持つ。
給排気方式の変遷(開放式→密閉式・屋外式へ)⚡ 焦点ポイント
変遷は「開放式→半密閉式CF/FE→密閉式BF/FF→屋外式RF」。気密化で開放式にも機械換気が必要になり、高層化で排気筒の延長が困難になってCF-C・FE式へ、さらにBF・FF式へ進んだという因果で押さえる。FF式が伸びたのは給排気筒を延長でき屋根上に出さなくてよいから。現在の主流はRF式。法規制の分担(給排気設備全般=建築基準法/機器の技術基準=ガス事業法/特定ガス消費機器の設置工事監督=特監法)も頻出。
🔢 消費機器の重要数値・設備の整理
給排気方式の比較表:
| 方式 | 略号 | 給気 | 排気 | 室内環境影響 |
|---|---|---|---|---|
| 開放式 | – | 室内空気 | 室内排気 | 強(換気必須) |
| 半密閉自然排気式 | CF | 室内空気 | 排気筒で室外 | 中 |
| 半密閉強制排気式 | FE | 室内空気 | 排気筒で室外(排気扇) | 中 |
| 密閉自然給排気式 | BF | 屋外 | 屋外 | 小 |
| 密閉強制給排気式 | FF | 屋外(強制) | 屋外(強制) | 小 |
| 屋外式 | RF | 屋外 | 屋外 | なし(屋外設置) |
給排気方式の安全度ランキング(室内環境影響の小さい順):
RF式 > FF式 ≒ BF式 > FE式 > CF式 > 開放式
各方式の設置制限:
– 開放式: 換気必要、特定地下街・浴室不可
– CF式: 浴室不可、特定地下街設置不可
– BF/FF式: 設置場所制限が緩い(ほぼ屋内任意)
– RF式: 屋外設置のみ
主要な数値:
– 必要排気量: 理論排ガス量の40倍(レンジフードなしの場合の目安)
– 給排気部の口径: 機器の出力に応じる
消費機器科目では、機器の方式・設置基準・安全装置の作動原理の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・方式・原理を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1-1 ガス機器の分類と法規制: ガス用品(ガス事業法)・特定ガス消費機器(特監法)・特定保守製品の区分と対象機器
- 節1-2 ガス機器の基本機構: ガス瞬間湯沸器の主な機構部:燃焼・点火・伝熱・安全・制御・給排気装置
- 節2-1 給排気方式の全体分類: 屋内設置の3区分(開放式・半密閉式・密閉式)と略号・屋外式の一覧
- 節2-2 開放式ガス機器の特徴と換気: 開放式の定義・該当機器・機械換気と自然換気の使い分け(6kW境界)
- 節2-3 半密閉式自然排気式(CF式)の特徴と設置: CF式の定義・ドラフト・逆風止め・排気筒各部の名称・設置12か条
- 節2-4 半密閉式強制排気式(FE式)の特徴: FE式の定義・特徴・排気筒設置制約の少なさ
- 節2-5 密閉式自然給排気式(BF式)の特徴: BF式の定義・燃焼室遮断・専用給気口不要・BF-W/C/D式の設置注意
- 節2-6 密閉式強制給排気式(FF式)の特徴: FF式の定義・設置自由度・排気筒外れ検知・FF-W/C/D式
- 節2-7 屋外式(RF式)の特徴: RF式の定義・メリット・設置方式(PS設置・壁貫通式等)
- 節2-8 給排気方式の変遷: 住宅気密化→換気方式の変遷:開放式→半密閉式CF/FE→密閉式BF/FF→屋外式RF
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1-1: ガス事業者は特定保守製品の制度において「関連事業者」と位置づけ(消費者の理解を増進・円滑な実施をサポート)。
- 節1-2: ガス瞬間湯沸器の機構部は燃焼・点火・伝熱・安全・制御・給排気の6つ。装置名をどの機構部に入れるかの対応で覚える。
- 節2-1: 強制式(FE・FF)は送風機で排気するため排気筒トップの設置制約が少ない(風圧帯内も可)。
- 節2-2: ファンヒーターは開放式暖房機で不完全燃焼防止装置が搭載されているが、換気が必要。
- 節2-3: チャンバー設置方式(CF-C方式):給排気口が同一箇所で風圧がかかっても給排気バランスを保つ→中高層集合住宅向け。
- 節2-4: CF式排気筒の途中に排気用送風機を取り付ける方式もFE式に分類される。
- 節2-5: BF式は給気・排気が同一箇所にあるため風圧がかかっても給排気バランスを保てる。
- 節2-6: FF暖房機は気密性の高い部屋でも安全に使用できる(燃焼室が遮断・強制給排気)。
- 節2-7: 壁貫通形設置機器はBF式ガス機器の給排気トップ用外壁貫通部に設置されるがRF式に分類される。
- 節2-8: 住宅の気密化・高層化に追随して開放式→CF/FE→BF/FF→RF式へ変遷。法規制は建築基準法・ガス事業法・特監法で分担。
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