製造 第3章-2 電気保安

製造 第3章-2 電気保安 解説動画
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製造設備で必要な電気設備の保安を扱います。受変電系統、保安電源(UPS・非常用発電)、電動機の種類と特性、電気絶縁・接地・防爆構造・静電気除去・雷保護といった電気保安の基本を整理します。

乙種・甲種兼用 / 製造第3章を分割した一部分

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6. 受変電系統・保安電源(受電方式・保護装置・UPS・非常用発電設備)

💡 図の見方:平常時は交流入力→整流部→蓄電池→インバータ部→交流出力、停電時は蓄電池の放電→インバータ部→交流出力という経路の違いを、同じ並びの上下で比べた図です。停電時でも必ずインバータ部を通る点が要で、蓄電池の直流をそのまま出しているわけではありません。試験では「停電時は蓄電池から直流をそのまま出力する」が定番の誤りなので、蓄電池から出力へ直行する矢印が無いことを確かめてください。

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

受電方式:1回線(最も簡単・信頼性低)vs 2回線(ループ・並行2回線・常用予備方式)。ガス製造所は常用電源予備方式が多い。保護装置:避雷器(異常電圧→絶縁破壊防止)・保護継電器(異常検出)・遮断器(開閉アーク消弧)・配線用遮断器(動作ばらつき少・再使用可)。保安電源:買電・自家発電・蓄電池等から選定。UPS(停電時蓄電池→インバータ→交流出力)≒CVCF。非常用発電設備定格容量:起動電流が大きく影響するため負荷積み上げ合計値より十分大きい容量が必要。

📖 解説(乙種ベース)

製造所の電気が止まれば、ポンプも計器も緊急遮断弁の制御も同時に沈黙する。だから電気の入口——受変電系統——は「どう受けるか」の設計から始まる。受け方は大きく1回線受電2回線受電の2つ。信頼性と経済性のどちらを取るかの判断である。

1回線受電は電力会社から1系統のケーブルで電力供給を受けるケースで、最も簡単だが信頼性が低く経済的だ。ケーブルが1本しかない以上、そこが切れれば製造所は丸ごと止まる。そこで2回線受電が登場する——ただし一口に2回線と言っても、事故が起きたときのふるまいは3種類で大きく違う。

🖼 図解
停電時の保安電源の切替停電時の保安電源の切替
🖼 図解
UPSの変換の流れ 平常時と停電時で経路が変わるUPSの変換の流れ 平常時と停電時で経路が変わる
2回線受電の方式事故時のふるまい
ループ受電方式ループ受電方式内一個所の事故があってもループが開放するだけで停電にならない
並行2回線受電方式いずれか一方の受電事故に対しても無停電で受電が継続できる
常用予備受電方式常用線が停電すると一度停電するが、予備線に切り替えることで短時間で復電できる

意外に思うかもしれないが、ガス製造所で採用が多いのは無停電の並行2回線ではなく、一度停電する常用予備受電方式のほうだ。電気供給の安定性を考慮した結果、常用電源予備方式の採用が多い。この方式はさらに2つのタイプに分かれ、ここが正誤問題の的になる。

予備線タイプは保守時の切り替えを無停電で行うことができる。予備電源タイプは信頼度が高いが、保守時の切り替えは停電させて行う。「信頼度が高いのだから保守も無停電だろう」と読み手に補完させるのが出題者の手口である。信頼度の高さと保守時の無停電は、別の話だ。

覚える
常用電源予備方式:予備線タイプ=保守切替は無停電/予備電源タイプ=信頼度は高いが保守切替は停電させて行う

受けた電気を守るのが保護装置である。避雷器は、電線路から雷電圧などの異常電圧が侵入した場合に、電器機器を絶縁破壊(絶縁体が破壊され絶縁状態が保てなくなること)から保護するもの。異常を見つける役は保護継電器で、主に電気回路の異常を短時間に正確に検出するために用いられ、電流継電器・電圧継電器・電力継電器・周波数継電器等がある。継電器とは、ある回路の電流の断続に応じて別の回路を開閉する装置(リレー)のことだ。

見つけた異常を切り離すのが遮断器である。電気回路を開放すると開閉器の電極間にアークが発生する。高圧・大電流の場合、この開閉アークの消弧(アークを消し去ること)が開閉装置の基本となり、負荷電流の開閉をはじめ事故時の大電流も遮断する機能を有する。分類は消弧の原理からで、ガス遮断器空気遮断器真空遮断器磁気遮断器油遮断器気中遮断器等——名称がそのまま「何でアークを消すか」を語っている。

これに対し配線用遮断器低圧配線の保護を目的にした遮断器で、ヒューズに比べ動作特性のばらつきが少ない再使用できる等の特徴がある。溶けて役目を終えるヒューズと違い、切れても入れ直せる。高圧側の遮断器と低圧側の配線用遮断器、どちらの話をしているのかを取り違えないこと。

保安電源

ノートパソコンは電源コードを抜いても画面が消えない。内蔵バッテリーが瞬時に肩代わりするからだ。製造所の保安電源も発想は同じで、止まってはいけない設備に別ルートの電気を用意しておく。保安電力は、買電自家発電蓄電池等による電力または電力以外の動力の中から選定する。「買電のみから選定する」と限定する選択肢は、この一文で崩れる。

根拠も押さえておきたい。ガス工作物の技術上の基準を定める省令では、停電等の緊急時に製造設備等の安全確保を図るために必要な保安電力等について規定されている(技省令21条)。

自家発電設備は用途で2つに分かれる。常用発電設備は通常買電と並列運転し、電気事業法の「発電所」に相当する。原動力は蒸気タービン・LNG冷熱タービン・ガスタービン・ガスエンジン等だ。対する非常用発電設備は停電時に短時間で起動する必要があることから、原動機にはディーゼル機関やガスタービン・ガスエンジンが用いられる。液体燃料とガスの切り替えが可能なデュアルフュエルタイプもある。

ここが最頻出の論点。非常用発電設備の定格容量は、つなぐ負荷を足し算すれば決まる——と考えると誤る。起動する電動機の起動電流が大きく影響するため、負荷の積み上げ合計値よりも十分大きい定格容量のものが必要となるからだ。加えて平常時は動作しない回路のため、定期的に起動・送電機能の確認が必要である。使わない備えほど、動くことを確かめておく。

覚える
非常用発電設備の定格容量は、起動電流の影響により「負荷の積み上げ合計値より十分大きい」ものが必要(合計値と同じでは足りない)

ただし発電機には、起動してから電気が出るまでの空白がある。その空白を埋めるのが蓄電池設備UPS:Uninterruptible Power Supply)で、停電等によるシステムダウンを回避するために設置する電源装置である。平常時の流れは交流入力→整流部で直流に変換・蓄電池に充電、そしてインバータ部で一定電圧・一定周波数の交流に変換して出力する。

キーワード
停電時のUPS蓄電池の放電→インバータを経由して交流出力される。蓄電池の直流をそのまま出すのではない

構成は蓄電池(鉛蓄電池アルカリ蓄電池)+ CVCF定電圧定周波数装置:Constant Voltage Constant Frequency)である。大容量のUPSでは蓄電池部とCVCFが分割して設置されるケースもあるため、UPSのことをCVCFと呼ぶこともある。呼び名が2つあるのは、この設置形態の事情による。

最後に直流電源装置。重要設備の計装・制御回路、受変電機器の制御回路、通信機器、非常照明等の電源は、停電時の保安の確保を目的に直流で構成される。なぜわざわざ直流なのか。直流電源装置は停電時に蓄電池の出力をそのまま供給できるため、交流を出力するUPSに比べ単純な回路構成となるからだ。変換の工程が少ないほど、止まる原因も減る。

🟦 甲種プラスα

甲種では「受変電系統・保安電源(受電方式・保護装置・UPS・非常用発電設備)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・設備名・原理をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

「非常用発電設備の定格容量は起動電流が大きく影響するため負荷積み上げ合計値より十分大きい容量が必要」は頻出。 / 「UPS:交流入力→整流→直流→蓄電池・インバータ→交流出力」の変換フローを整理。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「非常用発電設備の定格容量は負荷積み上げ合計値と同じで十分」→誤り(十分大きい容量が必要)。 「UPS停電時は蓄電池から直流をそのまま出力する」→誤り(インバータを経由して交流出力)。 「保安電源は買電のみから選定する」→誤り(買電・自家発電・蓄電池等から選定)。 「常用予備受電方式(予備電源タイプ)は保守時の切り替えが無停電で行える」→誤り(停電させて行う)。

7. 電動機(かご形誘導電動機・同期電動機の特徴比較)

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

電動機は交流(かご形誘導電動機・同期電動機)と直流電動機に分類。かご形誘導電動機:同期速度より3〜10%遅く回転・構造簡単・丈夫・安価・始動容易・速度調整困難・力率悪い・始動電流大・始動トルク小。同期電動機:同期速度で運転する定速電動機・効率良・力率調整可・励磁装置必要・速度制御困難・定速度大容量負荷用。

📖 解説(乙種ベース)

工場負荷の多くはポンプ、圧縮機などの電動機である。どれを選ぶかで電気設備の設計も保守の手間も変わるため、種類ごとの癖を知っておきたい。電動機には交流電動機直流電動機があり、交流電動機はさらにかご形誘導電動機同期電動機に分かれる。試験で問われるのは、この交流2種の比較だ。

比較の軸は「回転が電源の刻みにぴったり合うかどうか」の一点に尽きる。メトロノームを思い浮かべてほしい。同期電動機は刻みに完全に合わせて回るが、かご形誘導電動機はいつもわずかに遅れる。この差が、そのまま長所と短所を生む。

かご形誘導電動機は、電源の交流周波数と電動機の極数で定まる一定の回転速度(同期速度)よりやや遅い3〜10%程度)速度で回転する電動機である。ガス製造所をはじめ産業用に最も多く使用されている。理由は長所の多さだ。構造が簡単で丈夫、特性もほぼ同一でほとんどの負荷に使用でき、始動が簡単、取扱いが簡単で保守が容易、そして安価である。

弱点もはっきりしている。力率が比較的悪く、始動電流が大きく、そのわりに始動トルクが小さい。さらに速度調整が困難だ。負荷例はポンプファンブロワー圧縮機等。電流が大きいなら力も強いはず——直感はそう言うが、事実は逆である。出題者はこの直感への裏切りを毎回突いてくる。

覚える
かご形誘導電動機は同期速度より3〜10%遅い。始動電流は大きいのに始動トルクは小さい

一方の同期電動機同期速度で回転する定速電動機である。定常状態では一定速度以外の速度では運転を続けることができないので、定速度負荷に用途が限られる。長所は定速性が良い効率が良い力率の調整ができることで、力率の調整等にも利用されるのはこの性質による。

短所は2つ。励磁装置同期化装置等の制御が必要なことと、速度制御が困難なことだ。ここで見落としやすいのは、速度調整の難しさがかご形と同期に共通している点である。「同期電動機は速度調整が容易」という選択肢は、この共通点を知っていれば即座に切れる。負荷例は圧縮機等の定速度大容量負荷である。

電動機比較まとめ

🖼 図解
かご形誘導電動機と同期電動機(同期速度に対する回転の遅れ)かご形誘導電動機と同期電動機(同期速度に対する回転の遅れ)
項目かご形誘導電動機同期電動機
回転速度同期速度より3〜10%遅い同期速度で一定
構造簡単・丈夫励磁装置・同期化装置必要
力率比較的悪い調整可能
効率普通良い
始動電流大きい(始動トルク小)
速度調整困難困難
保守容易複雑
価格安価高価
用途ポンプ・ファン等圧縮機等の定速大容量負荷

⚡ 焦点ポイント

「かご形誘導:同期速度より3〜10%遅い・構造簡単安価・始動電流大・始動トルク小・力率悪い」。 / 「同期電動機:同期速度で運転・力率調整可・励磁装置必要・圧縮機等の定速大容量負荷」。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「かご形誘導電動機は同期速度と等しい速度で回転する」→誤り(3〜10%遅い)。 「同期電動機は速度調整が容易」→誤り(困難)。 「かご形誘導電動機は力率が良い」→誤り(比較的悪い)。 「かご形誘導電動機は始動電流が小さい」→誤り(大きい)。
  • 「10%」が「15%」「5%」と書き換えられる
  • 「構造簡単安価」「始動電流大」「始動トルク小」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)

8. 電気保安(電気絶縁・接地・防爆構造4種類・静電気除去・雷保護システム)

💡 図の見方:同じ雷保護でも、外部は受けて下ろして大地へ逃がし、内部は線路を伝わってきた雷サージを避雷器で吸収する、と守る相手も構成も別物であることを示した図です。コンピュータや計装設備は耐電圧が低く、直撃を受けなくても誘導で壊れるため内部側の備えが要ります。試験では「外部雷保護システムはコンピュータ・計装設備の保護が目的」という取り違えが出ます。

💡 図の見方:図の見方:電源周波数と極数で決まる同期速度に対し、同期電動機はぴったり一致し、かご形誘導電動機は3〜10%遅れて回るという唯一の決定的な差を、棒の長さと破線までのすきまで示した図です。始動電流は大きいのに始動トルクは小さいこと、速度調整は両方とも困難であること(下の帯)も同時に確認でき、「同期電動機は速度調整が容易」という選択肢はここで切れます。

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

電気絶縁:絶縁物で漏電防止。絶縁抵抗低下→短絡・地絡・感電・火災。接地:ケース等を電気抵抗小さい電線で大地と接続→感電災害・漏電火災防止。防爆構造4種類:耐圧防爆(全閉構造・内部爆発を外部に点火しない)・内圧防爆(保護ガス送入→内部ガス侵入防止)・安全増防爆(安全性を高めた構造)・本質安全防爆(点火するおそれがないことを点火試験で確認)。静電気:液化ガスを通ずるガス工作物には静電気除去措置が必要(接地・人体の静電気除去)。雷保護:外部(受雷部・引下げ導線・接地)・内部(コンピュータ・計装設備保護・雷サージ電圧→インパルス電圧→避雷器で吸収消滅)。

📖 解説(乙種ベース)

電気は目に見えないまま、決められた道から外れようとする。液化ガスを扱う製造所でそれが起きれば、感電や火災にとどまらず着火源にもなる。だから電気保安は「漏らさない」「逃がす」「火をつけない」の三段構えで組み立てられている。順に追っていこう。

第一が電気絶縁だ。電気を安全に適正に利用するには、電気回路以外の部分へ電気が漏れないようにすることが必要である。配線や機器では電線相互間・電線と大地間などを絶縁物(電気をほとんど通さない物)を用いて相互に絶縁し、その電気を通さない程度を「絶縁抵抗」という。

キーワード
絶縁抵抗 — 電気を通さない程度を表す値。低下や絶縁物の損傷は短絡地絡事故につながり、さらには感電火災などの原因になる

だからこそ電気設備点検時は、絶縁抵抗が省令で定める絶縁性能を有していることを確認する。点検の目的は数値を記録することではなく、事故の入口をふさぐことにある。

第二が接地である。電気機器のケース等と大地間を電気抵抗の小さい電線で電気的に接続することを「接地をする」という。ではなぜ安全になるのか。ケース等を接地しておけば漏電電流は電線を経由して大地へ流れ、ケースの電圧が低くなる。加えて漏電電流が接地側に多く流れるので、人体を通る分が小さくなるのだ。

接地の役割は感電対策にとどまらない。感電災害漏電火災の防止のほか、電気回路や機器の保護、静電気対策避雷対策等の目的に対し重要な役割を果たす。このあと出てくる静電気除去も雷保護も、たどれば接地に行き着く。

第三が防爆構造だ。ガス事業の技省令において、ガス又は液化ガスを通ずるガス工作物等の付近に設置する電気設備は、その設置場所の状況及び当該ガス又は液化ガスの種類に応じた防爆性能を有するものでなければならないと規定されている。

どの機器を選ぶかは現場条件で決まる。防爆電気機器及び配線方法の選定は、危険場所の種類、対象とする可燃性ガスの爆発等級及び発火度等の危険特性、点検及び保守の難易度等を考慮して決定する。そのうえで構造そのものは、次の表の4種類に整理される。

🖼 図解
防爆構造のイメージ防爆構造のイメージ
🖼 図解
雷保護システムの2系統 外部は設備、内部は計装機器を守る雷保護システムの2系統 外部は設備、内部は計装機器を守る
防爆構造原理・定義
耐圧防爆構造全閉構造であって、可燃性のガスなどが容器の内部に侵入して爆発を生じた場合に、当該容器が爆発圧力に耐え、かつ爆発による火炎が当該容器の外部のガスなどに点火しないようにしたもの
内圧防爆構造容器の内部に空気窒素炭酸ガスなどの保護ガスを送入または封入し、当該容器の内部にガスまたは蒸気が侵入しないようにしたもの
安全増防爆構造絶縁性能並びに温度の上昇による危険及び外部からの損傷等に対する安全性を高めた構造
本質安全防爆構造電気機械器具を構成する部分で発生する火花・アークまたは熱がガスまたは蒸気に点火するおそれがないことが点火試験等により確認された構造

4種類は、金庫の守り方にたとえると腹落ちする。耐圧は分厚い扉で爆発を内側に閉じ込め、内圧は中から押し返して侵入を許さず、安全増は壊れにくさを底上げし、本質安全はそもそも火種になるエネルギーを持たない。仕組みが違えば防ぎ方も違う——だからこそ、名称と定義の入れ替えが出題の定番になる。なお、これら4種類のほかに油入防爆構造樹脂充填防爆構造非点火防爆構造特殊防爆構造もある。

次は静電気だ。ガス事業の技省令(解釈例)では、液化ガスを通ずるガス工作物には静電気を除去する措置を講じなければならないことが規定されている。対象が「液化ガスを通ずるガス工作物」である点がそのまま急所で、これを天然ガスにすり替えた選択肢が繰り返し出る。

覚える
静電気除去措置の対象は「液化ガスを通ずるガス工作物」(天然ガスではない)

具体策は設備と人の両面に及ぶ。対策が必要な貯槽・配管等には確実な方法で接地を施す。あわせて、貯槽管理や受入・払出作業を行う者の人体の静電気除去として、除電棒を設備し素手で接触し除電する、帯電防止靴帯電防止作業衣を着用する、といった措置をとる。設備だけ接地しても、人が帯電したままでは着火源が残る。

最後が雷である。雷保護システムには外部雷保護システム内部雷保護システムがあり、守る相手が違う。外部雷保護システムの目的は雷撃によって生じる火災・設備破損または人畜への傷害を防止することだ。構成は受雷部システム引下げ導線システム接地システム——受けて、下ろして、大地へ逃がす、という流れがそのまま名称になっている。

設置対象と基準も押さえたい。製造所等における可燃性の流体を通ずる塔槽類には、避雷設備を設置することとされており、避雷設備の基準はJISによる。

一方、内部雷保護システムの目的は制御装置計装設備等の保護である。コンピュータや計装設備は耐電圧が低いため、雷に起因する誘導エネルギーによって破壊されやすい。直撃を受けなくても壊れる、というのがこの系統の厄介さだ。

被害の仕組みを追えば、対策の置き場所が見えてくる。線路に誘導した雷サージ電圧が進行波として線路を伝わり、現場側に接続されている伝送器や計器室に設置されている機器の端子に、瞬間的なインパルス電圧となって現れる。だからこの線路に避雷器を設けてインパルス高電圧エネルギーを吸収消滅させることで、雷サージによる破壊を防止する。

🟦 甲種プラスα

甲種では「電気保安(電気絶縁・接地・防爆構造4種類・静電気除去・雷保護システム)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・設備名・原理をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

防爆構造4種類の定義を正確に覚える:「耐圧:全閉・爆発圧力に耐え外部に点火しない」「内圧:保護ガス送入・内部にガス侵入しない」「安全増:安全性を高めた構造」「本質安全:点火するおそれがないことを試験で確認」。 / 「静電気除去対象:液化ガスを通ずるガス工作物」は頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「耐圧防爆構造は内部に保護ガスを送入する構造」→誤り(それは内圧防爆構造)。 「内圧防爆構造は全閉構造で爆発圧力に耐える構造」→誤り(それは耐圧防爆構造)。 「静電気除去措置は天然ガスを通ずるガス工作物に義務付けられている」→誤り(液化ガスを通ずるガス工作物)。 「外部雷保護システムはコンピュータ・計装設備の保護が目的」→誤り(それは内部雷保護)。 「本質安全防爆構造は全閉構造」→誤り(全閉は耐圧防爆)。
  • 防爆構造4種類の定義を正確に覚える:「耐圧:全閉・爆発圧力に耐え外部に点火しない」「内圧:保護ガス送入・内部にガス侵入しない」「安全増:安全性を高めた構造」「本質安全:点火するおそれがないことを試験で確認」
  • 「静電気除去対象:液化ガスを通ずるガス工作物」は頻出

🔢 製造の重要数値・設備の整理

自動制御の主要分類:

– 定値制御: 目標値が一定(温度を一定に保つ)

– 追値制御: 目標値が変動(プログラム制御)

– 比率制御: 2変数の比率を一定に

– FB(フィードバック)制御: 偏差を測定して修正

– FF(フィードフォワード)制御: 外乱を予測して先回り

– PID制御: 比例(P)・積分(I)・微分(D)の組合せ

防爆構造の4種類:

1. 耐圧防爆構造: 容器内爆発を外部に伝えない

2. 内圧防爆構造: 内部に保護ガスを封入

3. 安全増防爆構造: 絶縁性能・温度上昇による危険・外部からの損傷に対する安全性を高めた構造

4. 本質安全防爆構造: 火花・アーク・熱がガスに点火しないことを点火試験で確認

主要計装機器:

– 圧力計: ブルドン管、ベローズ、ダイアフラム

– 流量計: オリフィス、ベンチュリ、電磁式、超音波式

– 液面計: 静電容量式、フロート式、超音波式

製造科目では、設備名・型式・運転条件の数値・原料の物性値の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節6 受変電系統・保安電源(受電方式・保護装置・UPS・非常用発電設備): 受電方式:1回線(最も簡単・信頼性低)vs 2回線(ループ・並行2回線・常用予備方式)。ガス製造所は常用電源予備方式が多い。保護装置:避雷器(異常電圧→絶縁破壊防止)・保護継電器(異常検出)・遮断器(開閉アーク消弧)・配線用遮断器(動作ばらつき少・再使用可)。保安電源:買電・自家発電・蓄電池等から選定。UPS(停電時蓄電池→インバータ→交流出力)≒CVCF。非常用発電設備定格容量:起動電流が大きく影響するため負荷積み上げ合計値より十分大きい容量が必要。
  • 節7 電動機(かご形誘導電動機・同期電動機の特徴比較): 電動機は交流(かご形誘導電動機・同期電動機)と直流電動機に分類。かご形誘導電動機:同期速度より3〜10%遅く回転・構造簡単・丈夫・安価・始動容易・速度調整困難・力率悪い・始動電流大・始動トルク小。同期電動機:同期速度で運転する定速電動機・効率良・力率調整可・励磁装置必要・速度制御困難・定速度大容量負荷用。
  • 節8 電気保安(電気絶縁・接地・防爆構造4種類・静電気除去・雷保護システム): 電気絶縁:絶縁物で漏電防止。絶縁抵抗低下→短絡・地絡・感電・火災。接地:ケース等を電気抵抗小さい電線で大地と接続→感電災害・漏電火災防止。防爆構造4種類:耐圧防爆(全閉構造・内部爆発を外部に点火しない)・内圧防爆(保護ガス送入→内部ガス侵入防止)・安全増防爆(安全性を高めた構造)・本質安全防爆(点火するおそれがないことを点火試験で確認)。静電気:液化ガスを通ずるガス工作物には静電気除去措置が必要(接地・人体の静電気除去)。雷保護:外部(受雷部・引下げ導線・接地)・内部(コンピュータ・計装設備保護・雷サージ電圧→インパルス電圧→避雷器で吸収消滅)。

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節6: 「非常用発電設備の定格容量は起動電流が大きく影響するため負荷積み上げ合計値より十分大きい容量が必要」は頻出。 / 「UPS:交流入力→整流→直流→蓄電池・インバータ→交流出力」の変換フローを整理。
  • 節7: 「かご形誘導:同期速度より3〜10%遅い・構造簡単安価・始動電流大・始動トルク小・力率悪い」。 / 「同期電動機:同期速度で運転・力率調整可・励磁装置必要・圧縮機等の定速大容量負荷」。
  • 節8: 防爆構造4種類の定義を正確に覚える:「耐圧:全閉・爆発圧力に耐え外部に点火しない」「内圧:保護ガス送入・内部にガス侵入しない」「安全増:安全性を高めた構造」「本質安全:点火するおそれがないことを試験で確認」。 / 「静電気除去対象:液化ガスを通ずるガス工作物」は頻出。

📝 一問一答(過去問ランダム)

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