
製造設備を安全・安定に動かすための制御システムと計装機器を扱います。自動制御の基本分類、DCS/PLC/インターロックの役割、温度・圧力・流量・液面の計測原理、遠隔操作弁の構成までを整理します。
乙種・甲種兼用 / 製造第3章を分割した一部分
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📍 この章で学ぶこと
– 自動制御の分類(定値・追値・比率・FB・FF・シーケンス・オンオフ・PID)
– 制御システム(DCS・PLC・インターロック・冗長化・セキュリティ)
– 主要な計装機器(温度計・圧力計・流量計・液面計の原理比較)
– その他の計装機器(バイメタル・ベローズ・容積式・電磁式・超音波式)
– 遠隔操作弁(調節弁・駆動部・ポジショナー・リミットスイッチ)
📑 この章の目次(全5節)
1. 自動制御の分類(定値・追値・比率・FB・FF・シーケンス・オンオフ・PID)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
自動制御は3軸で分類。①目標値のとり方:定値制御・追値制御(カスケード制御)・比率制御。②制御系構成:フィードバック制御(制御遅れ→オーバーシュートあり)・フィードフォワード制御(外乱先行対応→オーバーシュートなし)・シーケンス制御。③調節器出力:オンオフ制御(ヒステリシスあり)・PID制御(P動作:オフセット残る、I動作:オフセット解消、D動作:敏速応答)。
📖 解説(乙種ベース)
製造所の温度も圧力も流量も、人が張り付いて調整しているわけではない。目標の値へ自動で寄せていく仕組み——それが自動制御である。分類が多くて覚えにくく見えるが、軸は3つしかない。「目標値をどう決めるか」「どういう仕組みで直すか」「調節器がどう出力するか」だ。
第一の軸、目標値のとり方から。定値制御は制御対象を定められた目標値に近づけるよう制御するもので、ほとんどの自動制御は定値制御である。追値制御(カスケード制御)は、一つの調節計の目標値を他の調節計により制御する方式。比率制御は2つの制御量を制御する場合に、一方の設定値にある比率を乗じた値を他方の設定値として定値制御するもので、ガス混合による熱量調整等に使われる。
第二の軸は制御系の構成だ。シャワーの温度を思い浮かべてほしい。熱いと感じてから蛇口をひねるやり方と、誰かが台所で湯を使い始めた瞬間に先回りしてひねるやり方——この違いがそのまま制御方式の違いになる。
フィードバック制御は前者だ。制御対象のプロセス量を検出して目標値と比較し、ずれ(偏差)が生じている場合は目標値に一致させるように修正動作を行う。結果を見てから直すので制御遅れがおこり、そのためオーバーシュートが生じる。ほとんどの自動制御はフィードバック制御といえる。
フィードフォワード制御は後者である。制御を乱す外的要因(外乱)が発生した場合に、その影響を予測して外乱に対応する操作を先行し、制御対象に対する修正動作を行う。フィードバック信号を使っていないので、制御遅れが起こらずオーバーシュートなしで制御できる。外乱の影響を予測して先行操作するため、検知されるまで待つフィードバックより安定した制御が可能だ。両者の定義を入れ替えるのが定番の手口なので、「結果を見て直すのがFB、先回りして直すのがFF」で判別する。
三つ目の構成がシーケンス制御である。あらかじめ定められた順序に従って制御の各段階を逐次進めていく制御で、自動販売機の動作や、自動洗濯機の給水→洗濯→排水の一連の動作が例になる。
第三の軸、調節器の出力方法へ移ろう。オンオフ制御はON(弁開)またはOFF(弁閉)の2値で制御する方式だ。ただしそのままでは目標値の前後で弁がばたついてしまう。そこで頻繁な弁の開閉を防ぐため、制御レベルに動作すきま(ヒステリシス)を持たせることが多い。目標レベルを上に一定量超えると弁開、一定量下がると弁閉、という動作すきまを設けるわけである。
もう一方のPID制御は、比例(P:Proportional)動作、積分(I:Integral)動作、微分(D:Derivative)動作を組み合わせた制御動作だ。PID調節計にはP・I・D各動作をそれぞれどの程度効かせるかを設定でき、制御対象の特性に応じて設定する。3つの動作は役割分担が明確で、そこが出題の急所になる。
P動作(比例動作)は、偏差に比例した操作量を調節器から出力する。ただし偏差が小さくなると出力も小さくなるため、わずかに偏差が残ってしまう。この残った偏差をオフセット(定常偏差)という。
その取りこぼしを拾うのがI動作(積分動作)だ。偏差値を時間的に積分した値に比例した操作量を出力する。わずかな偏差も積分すると大きくなるので、これに比例して調節することでオフセットをなくすことができる。ただしI動作だけでは、敏速に偏差の動きに対応できない。
その弱点を補うのがD動作(微分動作)である。偏差値を時間的に微分した値に比例した操作量を出力し、偏差の変化速度に比例した修正動作によって敏速に変化の動きに対応させる。「I動作で敏速に対応」「P動作でオフセット解消」という入れ替えが最頻出なので、役割の対応を崩さないこと。
各制御方式の特徴比較
フィードバック制御とフィードフォワード制御| 制御方式 | オーバーシュート | 制御遅れ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| フィードバック制御 | あり | あり | ほとんどの自動制御 |
| フィードフォワード制御 | なし | なし | 外乱が予測可能な場合 |
| シーケンス制御 | – | – | 順序制御(起動・停止手順等) |
| オンオフ制御 | – | – | 液位制御等(ヒステリシス付き) |
| PID制御 | 設定次第 | 設定次第 | プロセス量の精密制御 |
⚡ 焦点ポイント
「フィードバック:制御遅れあり→オーバーシュートあり」「フィードフォワード:制御遅れなし→オーバーシュートなし」の対比は最頻出。 / 「追値制御=カスケード制御」「オンオフ制御はヒステリシスを持たせる」も頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「フィードフォワード制御はオーバーシュートが生じる」→誤り(生じない)。 「フィードバック制御はオーバーシュートが生じない」→誤り(生じる)。 「I動作だけで敏速に偏差の動きに対応できる」→誤り(敏速対応はD動作)。 「P動作だけでオフセットをなくすことができる」→誤り(オフセットは残る。なくすにはI動作)。 「追値制御とは一つの調節計で全プロセスを制御する方式」→誤り(一つの目標値を他の調節計が制御する方式)。
2. 制御システム(DCS・PLC・インターロック・冗長化・セキュリティ対策)
重要度: 乙B / 甲C
🎯 一言で
コンピュータ制御システム:DCS(分散制御システム)・PLC(プログラマブルロジックコントローラ)。警報装置・インターロック機構:異常検知→オペレーター通報・自動緊急停止。信頼性確保:冗長化(多重化)・電磁リレーによるシーケンス制御(インターロック/トリップ回路)。セキュリティ:不正アクセス防止・ファイアウォール・バックアップ・USB管理。
📖 解説(乙種ベース)
プラントの制御は、もはや盤上のスイッチではなくコンピュータが担っている。中心にあるのがDCS(Distributed Control System:分散制御システム)で、警報等の各種設定値の変更が容易に行え、制御ブロックの結合やシーケンス制御の構築において自由度は高くなる。並んで使われるPLC(Programmable Logic Controller)は、主にシーケンス制御に用いられる。
ではプラントに異常が起きたとき、システムは何をするのか。役割は2段階に分かれている。警報装置はプラントの異常を検知してオペレーターに知らせるための装置であり、そこから先の判断は人に委ねられる。人の判断を待たずに機械の側が動くのが、次の機構だ。
止める仕組みを用意しても、その仕組み自体が壊れては意味がない。だから信頼性の設計が要る。旅客機がエンジンを複数積むのは、1基止まっても飛び続けるためだ。制御システムも同じ考え方をとる。
具体的にはこう働く。主コンピュータに不具合や故障が発生した場合に、システム管理ユニットが主コンピュータから予備コンピュータに制御の切り替えを行い、運転の継続性を維持する。あわせて電源ユニット、通信ネットワークを多重化する。制御システム全体を二重化し、異常発見やシステム故障が生じた場合に予備機へ制御を切り替えるわけである。
古い技術が退場していない点も押さえたい。電磁リレーによるシーケンス制御は故障頻度が少ないことから機能ダウンの危険性が低く、プラント設備の保護を目的としたインターロック回路やトリップ回路など重要な制御系統において利用されている。「電磁リレーは機能ダウンの危険性が高い」は向きが逆だ。
最後がセキュリティである。制御システムがネットワークにつながる以上、不正アクセスによるトラブル等に伴うリスクを把握し、必要なセキュリティ対策を行う。対策は、外からの侵入口を塞ぐ・壊れても戻せるようにする・人と媒体を管理する、の3方向で整理できる。
侵入口については、安易な他システムとのネットワーク接続の禁止と、ネットワーク上のシステム接続点におけるファイアウォール等の設置がある。ファイアウォールとは、コンピュータネットワークの接続点に設けて通過させてはいけない通信を阻止する装置のことだ。
戻せるようにする備えとしては、ソフトウェアの自動定期バックアップ機構の具備、バックアップシステムの実装または代替設備の確保がある。人と媒体の管理としては、重要機器設置場所への鍵や入退室管理装置の設置、不要なUSBポートやLANポートの閉塞、そしてUSBメモリー等外部記憶媒体使用時や保守用コンピュータ接続時における事前のコンピュータウイルスチェック機構の具備が挙げられる。
ただし守りを固めるほど使いにくくなる。だからセキュリティ対策では、「情報の利用促進」と「セキュリティ確保」のバランス、「想定される損害」と「対策レベル」のバランスを考慮すべきとされている。
制御システムの冗長化(主から予備への切替)⚡ 焦点ポイント
「DCSは設定値変更が容易・制御の自由度が高い」「インターロックは手順誤り防止と異常時緊急停止」が頻出。 / 「冗長化(多重化):予備装置を設けてトラブルに備える」「電磁リレーはインターロック/トリップ回路に使用」。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「DCSでは設定値の変更に制限がある」→誤り(容易に変更可能)。 「電磁リレーは機能ダウンの危険性が高い」→誤り(故障頻度が少ないため低い)。 「インターロックは手順を誤らせないための機構ではない」→誤り(防止する機構)。
3. 主要な計装機器(温度計・圧力計・流量計・液面計の原理と特徴比較)
💡 図の見方:浮力に頼るか、電気の性質に頼るか、反射波に頼るか——手がかりが違えば苦手な条件も違う、という関係を3つ並べて示した図です。浮力で測るディスプレースメント式は液の重さが変われば狂うので液密度の影響を受け、静電容量式は電気的な性質を持たない液(誘電率の小さい液)が苦手です。試験では「ディスプレースメント式は液密度の影響を受けない」が最頻出の誤りです。
💡 図の見方:流れをせき止めて差圧を読むオリフィス、なだらかに絞って損失を抑えるベンチュリ、絞らずに渦の数を数えるカルマン渦、という「測り方」の違いが、そのまま圧力損失とレンジアビリティの差になることを示した図です。圧力損失は大・小・極めて小の順で、レンジアビリティは5:1・10:1・10〜50:1が対応します。試験では「オリフィスはカルマン渦より圧力損失が小さい」「カルマン渦は温度・密度・粘度の影響を受ける」がいずれも誤りとして出ます。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
温度計:測温抵抗体(電気抵抗↑/温度↑・基準接点不要・常温中温域精度良)vs 熱電対(ゼーベック効果・基準接点必要・広温度範囲・振動衝撃強)。圧力計:ブルドン管式(構造簡単・高圧用・クリープ/ヒステリシス誤差)vs ダイアフラム式(応答速・汚濁高粘度可・差圧伝送器検出部)。流量計:オリフィス(Q=K√ΔP・圧力損失大・レンジアビリティ5:1)、ベンチュリ(圧力損失小・レンジアビリティ10:1)、カルマン渦(レンジ大・温度密度粘度影響なし・圧力損失極小)。液面計:ディスプレースメント式(液密度の影響受ける・高精度・LNG貯槽)、静電容量式(誘電率小液体不可)、電波式(非接触・高温高圧可)。
📖 解説(乙種ベース)
製造所の運転は「測れているか」で決まる。温度・圧力・流量・液面をどんな原理で測り、何が得意で何が苦手なのか——この節はその比較が丸ごと出題範囲になる。まずは温度計から入ろう。主役は2つ、測温抵抗体と熱電対だ。
測温抵抗体温度計は、金属の電気抵抗が温度上昇によって増加する特性を利用する。通常測定器には白金が使われ、白金測温抵抗体と呼ばれる。抵抗値そのものを読むだけなので基準接点は不要。熱電対と比較して常温・中温域での精度がよく、用途はプラント各所・LNGの温度測定である。
もう一方の熱電対式温度計は原理が違う。異なった2種類の金属の一端を接合すると、接合点と他点との間の温度差に応じた熱起電力(電圧)が生じる。
測っているのは温度差であって、温度そのものではない。だから接合点を測定個所に置き、他点を基準として温度を測定する。ここが決定的で、基準接点が必要になり、その基準接点の温度を一定に保つ必要がある。「熱電対は基準接点が不要」「測温抵抗体は基準接点が必要」という入れ替えが最頻出だが、原理から辿れば迷わない。
もっとも、基準接点という手間の見返りは大きい。熱電対は広範囲の温度測定ができ、振動・衝撃などに対して丈夫である。弱点は精度で、測温抵抗体に比べ常温・中温域での精度が劣る。用途はプラント各所・LNGの温度測定と、測温抵抗体と重なる。
温度計比較まとめ
測温抵抗体と熱電対の原理の違い(基準接点の要否)
液面計3方式 浮力・静電容量・電波のどれで液面を知るか
オリフィス・ベンチュリ・カルマン渦 3方式の測り方と圧力損失| 項目 | 測温抵抗体 | 熱電対 |
|---|---|---|
| 原理 | 電気抵抗↑/温度↑ | ゼーベック効果(熱起電力) |
| 基準接点 | 不要 | 必要 |
| 精度(常温域) | 良い | 劣る |
| 測定範囲 | 中程度 | 広範囲 |
| 振動・衝撃 | 普通 | 強い |
圧力計の種類と特徴
圧力計も2方式の対比で覚える。ブルドン管式圧力計は、曲管に流体を満たして圧力をかけると曲管が広がる方向に変位を生じることを使い、この変位を圧力値として指示する。構造が簡単で測定範囲が広く、一般的に高圧測定に用いられる。
ただし金属を曲げて測る以上、金属の癖がそのまま誤差になる。クリープ(圧力をかけると時間とともに変形が増大し指示が変わる)とヒステリシス(圧力を除いても元の位置に戻らずゼロ点や指示値に誤差が出る)による誤差が生じやすい。用途はプラント各所の幅広い圧力測定である。
ダイアフラム式圧力計は、弾力性のある膜(ダイアフラム)で片側から圧力をかけると反対側に膨らみ変位・ひずみを生じることを利用し、この変位等を検出して圧力を測定する。膜は軽く動きやすいので応答が速く、汚濁・高粘度流体の測定にも用いられる。圧力/差圧伝送器の検出部として利用され、用途はプラント各所の幅広い圧力測定だ。
流量計の種類と特徴
川幅が急に狭まる場所では、水面が下がって流れが速くなる。この当たり前の関係を機器にしたのが差圧式の流量計である。
オリフィス流量計は、管内に挿入した絞り機構(プレートに円形の穴を開けたもの)の前後に生じる差圧を測定し、流量に変換する。ここで注意したいのは、差圧と流量が比例しないことだ。流量は差圧の平方根に比例する。
特徴は構造が簡単で可動部がなく、大流量の測定ができること。ただし精度保持には直管部が必要で、流れをせき止めて測る以上、圧力損失が大きい(ベンチュリ流量計に比べて)という欠点がある。レンジアビリティ(測定可能な最大と最小の比)は5:1程度。温度・圧力・比重の影響を受ける。用途は液・ガス流量の計量、プロセス流量の管理用、取引証明用である。
同じ差圧式でも、絞り方を工夫すれば損失は減らせる。ベンチュリ流量計は原理こそオリフィスと同様だが、絞り機構に鼓型のベンチュリ管を用いて差圧を検出する。なだらかに絞ってなだらかに戻すので、圧力損失がオリフィスより小さい。汚濁水の計量ができ、温度・圧力・比重の影響を受け、直管部が必要。レンジアビリティは10:1程度で、用途は工水・上水の受入計量だ。
では、絞らずに流量を知る方法はないのか。ある。カルマン渦式流量計は、管内に渦発生器(三角柱)を挿入すると、その後方に非対称に2列の渦が発生することを使う。この渦の発生数が流速に比例するので、単位時間内の渦数を検出すればよい。
数を数える方式なので、性質が一変する。レンジアビリティが大きく(10〜50:1)、流体の温度・密度・粘度の影響を受けない。可動部がなく、圧力損失がきわめて小さい。直管部は必要である。液体・気体ともに計測可能だ。
流量計比較まとめ
| 項目 | オリフィス | ベンチュリ | カルマン渦 |
|---|---|---|---|
| 圧力損失 | 大きい | 小さい | 極めて小さい |
| レンジアビリティ | 5:1 | 10:1 | 10〜50:1 |
| 温度・密度・粘度 | 影響受ける | 影響受ける | 影響受けない |
| 直管部 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 可動部 | なし | なし | なし |
液面計(レベル計)の種類と特徴
液面計は「何を頼りに液面を知るか」で3方式に分かれる。浮力か、電気の性質か、反射波か。頼るものが違えば、苦手な条件も違ってくる。
ディスプレースメント式(サーボバランス式)は浮力に頼る方式だ。貯槽内のディスプレーサが常に一部を液中に没し、吃水を一定に保つようにサーボモータでバランスを取る。液位変化に応じて回転するワイヤドラムの回転角を検出して液位を測定する。高精度で測定範囲が広く、用途はLNG貯槽。ただし浮力は液の重さで決まるため、液密度の影響を受ける。「液密度の影響を受けない」とする選択肢は、この原理を無視したものだ。
静電容量式は電気の性質に頼る。二重管構造の電極を貯槽内に挿入し、内外電極間の静電容量が液レベルで変化することを利用する。可動部がないのが強みだが、電極間の液が電気的な性質を持たなければ変化を読み取れない。したがって誘電率の小さい液体(蒸留水等)には不向きである。用途はLNG貯槽。
電波式は液に触れずに測る。マイクロ波を測定面に照射して反射波を受信し、往復時間より距離を求める方式だ。非接触で測定可能なため、高温・高圧・高粘度にも適し、周辺環境が厳しい所でも影響されにくい。可動部品もない。
⚡ 焦点ポイント
「測温抵抗体:基準接点不要・常温域精度良」「熱電対:基準接点必要・広温度範囲・振動強」の対比は最頻出。 / 「オリフィス:Q=K√ΔP・圧力損失大・レンジ5:1」「カルマン渦:圧力損失極小・レンジ大・温度密度粘度影響なし」。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「測温抵抗体温度計は基準接点が必要」→誤り(不要)。 「熱電対は基準接点が不要」→誤り(必要)。 「オリフィス流量計はカルマン渦流量計より圧力損失が小さい」→誤り(大きい)。 「カルマン渦式流量計は流体の温度・密度・粘度の影響を受ける」→誤り(受けない)。 「ディスプレースメント式液面計は液密度の影響を受けない」→誤り(受ける)。 「オリフィス流量計のレンジアビリティはカルマン渦より大きい」→誤り(オリフィス5:1、カルマン10〜50:1)。
- 「基準接点必要」「広温度範囲」「振動強」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
4. その他の計装機器(バイメタル・ベローズ・容積式・電磁式・超音波式流量計等)
💡 図の見方:図の見方:測温抵抗体は金属(白金)の電気抵抗が温度上昇で増える性質を1本の線で読むだけなので基準接点が要らず、熱電対は異なる2種類の金属を接合して生じる熱起電力を読むため基準接点が要る、という原理の差を配線の本数で示した図です。試験では「測温抵抗体は基準接点が必要」「熱電対は基準接点が不要」と入れ替えるひっかけが最頻出なので、線1本=不要・線2本=必要と形で覚えましょう。
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
バイメタル温度計(膨張率の異なる金属の収縮差・精度が悪い)。ベローズ圧力計(差圧・絶対圧測定可)。流量計:容積式(オーバル/ルーツ型:高精度・脈動安定・圧力損失少・機構複雑・閉塞トラブル・水取引用)、電磁式(電磁誘導・温度密度粘度影響なし・圧力損失なし・導電性流体のみ・可動部なし・工業排水)、超音波式(超音波伝播時間・圧力損失なし・スラリー/腐食性流体可・温度密度粘度影響なし・直管部必要・都市ガス)。
📖 解説(乙種ベース)
その他の温度計・圧力計
前節の主役ほど登場しないが、出題される脇役がある。バイメタル式温度計は、膨張率の異なる金属を張り合わせて、その収縮差による変形により温度表示させる方式だ。構造が単純なぶん精度が悪いのが特徴で、用途はプラント各所の温度。「バイメタル式は精度が良い」は逆である。
圧力側の脇役がベローズ圧力計だ。
蛇腹は小さな圧力差でもよく動く。そのため差圧・絶対圧の測定ができ、用途はプラント各所の微圧・低圧となる。
その他の流量計
差圧でも渦でもなく、通った量を直接数える流量計もある。容積式流量計(オーバル型・ルーツ型)は、駅の自動改札が人を1人ずつ通して数えるのと同じ発想だ。2個の回転子がケースとの間に囲む容積に充満した流体を出口側に送り出し、回転子の回転数から流量を測定する。
ひと区切りずつ数えるので高精度で、脈動流に対して安定し、圧力損失が少ない。代償もある。機構が複雑でメンテナンスに手間がかかり、閉塞トラブルがある。用途は水等の取引用だ。
可動部を持たない方式もある。電磁式流量計は電磁誘導による起電力の変化を測定する。圧力損失がなく、流体の温度・密度・粘度の影響を受けず、可動部がない。ただし起電力は流体自身に発生させるので、導電性の流体しか測定できない。用途は工業排水である。
超音波式流量計は、超音波が伝播する時間を測定して流量を測定する。圧力損失がなく可動部がない点は電磁式と同じだが、流体が腐食性のもの・スラリー状のもの・ダスト含有のものの影響を受けないという強みがある。流体の温度・密度・粘度の影響も受けない。直管部は必要だ。用途は都市ガス。
流量計総合比較まとめ
容積式・電磁式・超音波式流量計の測り方の違い| 種類 | 可動部 | 圧力損失 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| オリフィス | なし | 大 | Q=K√ΔP・レンジ5:1 |
| ベンチュリ | なし | 小 | 汚濁水可・レンジ10:1 |
| カルマン渦 | なし | 極小 | 温度密度粘度影響なし・レンジ大 |
| 容積式 | あり | 少ない | 高精度・脈動安定・機構複雑 |
| 電磁式 | なし | なし | 導電性流体のみ |
| 超音波式 | なし | なし | 腐食性/スラリー可・都市ガス |
🟦 甲種プラスα
甲種では「その他の計装機器(バイメタル・ベローズ・容積式・電磁式・超音波式流量計等)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・設備名・原理をしっかり押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「電磁式流量計:導電性流体のみ(非導電性は不可)」は頻出の引っ掛け。 / 「超音波式:圧力損失なし・腐食性やスラリー状流体可・都市ガスに使用」。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「電磁式流量計はすべての流体の流量を測定できる」→誤り(導電性流体のみ)。 「超音波式流量計は直管部が不要」→誤り(必要)。 「容積式流量計は脈動流に弱い」→誤り(脈動流に対して安定)。 「バイメタル式温度計は精度が良い」→誤り(精度が悪い)。
5. 遠隔操作弁(調節弁・開閉弁・駆動部・ポジショナー・リミットスイッチ・スピードコントローラー)
💡 図の見方:図の見方:容積式は2個の回転子が送り出した回数を数える方式(唯一の可動部あり)、電磁式は電磁誘導の起電力を読むので導電性の流体しか測れない、超音波式は超音波の伝播時間を読むので流体を選ばない、という手がかりの違いを検出部の形で並べた図です。「電磁式はすべての流体を測定できる」「超音波式は直管部が不要」はいずれも誤りなので、各段のバッジで条件を確かめましょう。
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
遠隔操作弁:調節弁(弁開度連続変化)と開閉弁(全開全閉)。駆動部(ガス製造設備は空気式が主:ダイアフラム式・シリンダー式・エアモーター式)。付属品:ポジショナー(入力信号→空気量調整→弁体駆動)、リミットスイッチ(開閉状態を制御システムへ伝達)、スピードコントローラー(開閉速度調節)、減圧弁(供給空気圧を一定に保つ)。
📖 解説(乙種ベース)
製造所の弁は、現場で人が回すものばかりではない。中央から信号を送って開け閉めするのが遠隔操作弁である。テレビのリモコンに、音量を少しずつ変えるボタンと電源を入り切りするボタンがあるように、遠隔操作弁にも2つの性格がある。調節弁は弁開度を連続的に変化させて操作する弁、開閉弁は全開全閉で操作する弁だ。
遠隔操作弁は大きく分けて「駆動部」と「弁本体」に分かれる。信号を受けて実際に力を出すのが前者である。
駆動部の種類は空気式・電気式・油圧式等があるが、ガス製造設備においては空気式がほとんどである。「駆動部は電気式が主」とする選択肢はここで崩れる。
空気式の中はさらにダイアフラム式・シリンダー式・エアモーター式に分かれる。なかでもダイアフラムを用いた空気圧式遠隔操作弁の駆動部は、構造が簡単であり、比較的小口径で開閉ストロークが短い往復動形のバルブによく用いられる。動かす空気にも条件があり、空気式駆動部を作動させる計装空気には、昇圧及び脱湿された空気が用いられる。水分が残れば凍結や誤動作の元になるためだ。
駆動部のまわりには4つの付属品が付く。役割が似て見えるので、出題者はここを入れ替えてくる。空気を動かす側か、信号を返す側かで整理するとよい。
遠隔操作弁の構成(駆動部と4つの付属品)| 付属品 | 役割 |
|---|---|
| ポジショナー | 入力信号の変化に応じて、駆動部内の空気の量を連続的に調整し、弁体を駆動させる |
| リミットスイッチ | 弁体の開閉動作をする可動部に取り付け、電気信号により制御システムに開閉状態を伝える |
| スピードコントローラー | 駆動用の空気管に取り付け、空気の量を制御することにより、弁の開閉速度を調節する |
| 減圧弁 | 駆動部へ供給する空気を一定の圧力に保つ |
覚え方は単純だ。弁体を動かすのがポジショナー、動いた結果を制御システムへ伝えるのがリミットスイッチ。この2つを逆にした選択肢が、この節の最頻出である。
⚡ 焦点ポイント
「ポジショナー:入力信号→駆動部の空気量連続調整→弁体駆動」 / 「リミットスイッチ:弁の開閉状態を制御システムへ伝える(電気信号)」
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「ポジショナーは弁の開閉状態を制御システムへ伝える」→誤り(それはリミットスイッチ)。 「リミットスイッチは弁体を駆動させる」→誤り(それはポジショナー)。 「ガス製造設備の駆動部は電気式が主」→誤り(空気式が主)。
- 「ポジショナー:入力信号→駆動部の空気量連続調整→弁体駆動」
- 「リミットスイッチ:弁の開閉状態を制御システムへ伝える(電気信号)」
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 自動制御の分類(定値・追値・比率・FB・FF・シーケンス・オンオフ・PID): 自動制御は3軸で分類。①目標値のとり方:定値制御・追値制御(カスケード制御)・比率制御。②制御系構成:フィードバック制御(制御遅れ→オーバーシュートあり)・フィードフォワード制御(外乱先行対応→オーバーシュートなし)・シーケンス制御。③調節器出力:オンオフ制御(ヒステリシスあり)・PID制御(P動作:オフセット残る、I動作:オフセット解消、D動作:敏速応答)。
- 節2 制御システム(DCS・PLC・インターロック・冗長化・セキュリティ対策): コンピュータ制御システム:DCS(分散制御システム)・PLC(プログラマブルロジックコントローラ)。警報装置・インターロック機構:異常検知→オペレーター通報・自動緊急停止。信頼性確保:冗長化(多重化)・電磁リレーによるシーケンス制御(インターロック/トリップ回路)。セキュリティ:不正アクセス防止・ファイアウォール・バックアップ・USB管理。
- 節3 主要な計装機器(温度計・圧力計・流量計・液面計の原理と特徴比較): 温度計:測温抵抗体(電気抵抗↑/温度↑・基準接点不要・常温中温域精度良)vs 熱電対(ゼーベック効果・基準接点必要・広温度範囲・振動衝撃強)。圧力計:ブルドン管式(構造簡単・高圧用・クリープ/ヒステリシス誤差)vs ダイアフラム式(応答速・汚濁高粘度可・差圧伝送器検出部)。流量計:オリフィス(Q=K√ΔP・圧力損失大・レンジアビリティ5:1)、ベンチュリ(圧力損失小・レンジアビリティ10:1)、カルマン渦(レンジ大・温度密度粘度影響なし・圧力損失極小)。液面計:ディスプレースメント式(液密度の影響受ける・高精度・LNG貯槽)、静電容量式(誘電率小液体不可)、電波式(非接触・高温高圧可)。
- 節4 その他の計装機器(バイメタル・ベローズ・容積式・電磁式・超音波式流量計等): バイメタル温度計(膨張率の異なる金属の収縮差・精度が悪い)。ベローズ圧力計(差圧・絶対圧測定可)。流量計:容積式(オーバル/ルーツ型:高精度・脈動安定・圧力損失少・機構複雑・閉塞トラブル・水取引用)、電磁式(電磁誘導・温度密度粘度影響なし・圧力損失なし・導電性流体のみ・可動部なし・工業排水)、超音波式(超音波伝播時間・圧力損失なし・スラリー/腐食性流体可・温度密度粘度影響なし・直管部必要・都市ガス)。
- 節5 遠隔操作弁(調節弁・開閉弁・駆動部・ポジショナー・リミットスイッチ・スピードコントローラー): 遠隔操作弁:調節弁(弁開度連続変化)と開閉弁(全開全閉)。駆動部(ガス製造設備は空気式が主:ダイアフラム式・シリンダー式・エアモーター式)。付属品:ポジショナー(入力信号→空気量調整→弁体駆動)、リミットスイッチ(開閉状態を制御システムへ伝達)、スピードコントローラー(開閉速度調節)、減圧弁(供給空気圧を一定に保つ)。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 「フィードバック:制御遅れあり→オーバーシュートあり」「フィードフォワード:制御遅れなし→オーバーシュートなし」の対比は最頻出。 / 「追値制御=カスケード制御」「オンオフ制御はヒステリシスを持たせる」も頻出。
- 節2: 「DCSは設定値変更が容易・制御の自由度が高い」「インターロックは手順誤り防止と異常時緊急停止」が頻出。 / 「冗長化(多重化):予備装置を設けてトラブルに備える」「電磁リレーはインターロック/トリップ回路に使用」。
- 節3: 「測温抵抗体:基準接点不要・常温域精度良」「熱電対:基準接点必要・広温度範囲・振動強」の対比は最頻出。 / 「オリフィス:Q=K√ΔP・圧力損失大・レンジ5:1」「カルマン渦:圧力損失極小・レンジ大・温度密度粘度影響なし」。
- 節4: 「電磁式流量計:導電性流体のみ(非導電性は不可)」は頻出の引っ掛け。 / 「超音波式:圧力損失なし・腐食性やスラリー状流体可・都市ガスに使用」。
- 節5: 「ポジショナー:入力信号→駆動部の空気量連続調整→弁体駆動」 / 「リミットスイッチ:弁の開閉状態を制御システムへ伝える(電気信号)」
📝 一問一答(過去問ランダム)
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