製造 第1章 原料ガスとLNG基地

都市ガスの原料となる天然ガスLNGLPGオフガスバイオガスの性状と取扱い留意点を扱う章です。LNGの低温・気化・漏えい時の挙動、貯槽内の腐食現象LPGオフガスバイオガスなどの代替原料の特徴までを学びます。

乙種甲種兼用 / 全3節 / 学習目安: 30〜60分

💡 このページの読み方
乙種受験者の方 — 通常のテキスト本文だけでも合格圏に届きます
甲種受験者の方 — 各節の 🟦 甲種プラスα ボックスもあわせてお読みください

📍 はじめに

都市ガスは、原料そのものから始まります。LNG はマイナス162℃の極低温液体で、扱いを誤ると重大事故になる代物。この章では、原料ごとの性質と現場での留意点を整理し、後続章(製造設備・運転管理)の前提を作ります。


📍 この章で学ぶこと(1ブロック・全3節)

各節の重要度を 乙種 / 甲種 で並べて表示します。

🟦 = 甲種で重要度が乙種より上がる節 / ★ = 重要度A節

ブロック1: 原料ガスとLNG基礎

タイトル
1天然ガスLNGの性状と特徴(都市ガス原料の概要)CC
2LNG取扱い留意事項(気化・低温・漏えい・貯槽内挙動・各種トラブル)★A★A
3LNGプロジェクト・LPGオフガスバイオガス・次世代エネルギー原料B🟦 ★A

📚 テキスト解説

各節は次の構成で進みます。

– 🎯 一言で

– 📖 解説(乙種ベース)

– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)

– ⚡ 焦点ポイント

– 📝 過去問のひっかけ例


1. 天然ガスLNGの性状と特徴(都市ガス原料の概要)

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

都市ガスの原料は液体原料(LNGLPG)と気体原料(天然ガスオフガス)に分類される。天然ガスは構造性・水溶性・炭田ガスに大別され、国産天然ガスは不純物が少なく脱硫不要だが脱炭酸が必要。LNG(液化天然ガス)は天然ガスを約−160℃まで冷却液化したもので、体積が約1/600になり海上輸送が可能。メタンを主成分とし、CO₂・H₂S等の不純物を精製除去済みのクリーンな原料。

📖 解説(乙種ベース)

都市ガスの原料は液体原料(LNGLPG)と気体原料(天然ガスオフガス)に分類される。天然ガスは構造性・水溶性・炭田ガスに大別され、国産天然ガスは不純物が少なく脱硫不要だが脱炭酸が必要。LNG(液化天然ガス)は天然ガスを約−160℃まで冷却液化したもので、体積が約1/600になり海上輸送が可能。メタンを主成分とし、CO₂・H₂S等の不純物を精製除去済みのクリーンな原料。

都市ガス原料の分類

液体原料:LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)

気体原料:天然ガスオフガス

2010年3月、IGF21計画により高カロリーガス(13A中心)への集約完了。

現在はLNG天然ガスを原料とするガスとプロパン・エアー混合ガス方式に集約。

供給ガス性状例

種別総発熱量(MJ/m³)比重(空気=1)MCP
LNG気化ガス1450.6437
LNG気化ガス2460.6637
プロパン・エアー631.3441
天然ガス12A400.5636

天然ガスの種類

・構造性天然ガス(石油系ガス):原油と伴う油井ガス(伴伴ガス)と単独産出のガス井ガス(非伴伴ガス)

・水溶性ガス(メタン系ガス):水に溶解し、地下水と一緒に産出(例:千葉県)

・炭田ガス:炭田地帯の炭層や炭層付近の地層に存在

国産天然ガスの特徴

・H₂S等の不純物が少ない → 脱硫設備等の精製設備を必要としない

・CO₂が多く含まれる場合 → 水と共存して導管を腐食するため「脱炭酸」が必要

・水分管理 → 高圧輸送時に凝縮で障害、天然ガスと結合してガスハイドレート(雪状固体)生成

 → 水分除去と露点管理が重要

国産天然ガスの組成例:

成分水溶性ガス(千葉)構造性ガス(新潟)
CH₄ (%)9987
C₂H₆ (%)0.027.2
C₃〜 (%)0.004.9
CO₂ (%)0.500.15
比重0.60.7
発熱量(MJ/m³)4045

LNG(液化天然ガス)の性状

定義:天然ガスを約−160℃まで冷却液化したもの。液化前にCO₂・H₂S・水分・水銀・重質炭化水素等を精製除去済み。

LNG産地別組成例(成分 %):

成分豪州マレーシアカタールサハリン
CH₄87919092
C₂H₆8.25.06.44.6
C₃H₈3.32.92.22.1
C₄H₁₀0.91.01.01.0
N₂0.050.10.20.06
液体密度(kg/m³)465456457451
総発熱量(MJ/m³)45444443

LNG都市ガス原料としての特徴

①不純物がなく、脱硫設備等の精製設備を必要としない

②受入基地として低温貯蔵設備と気化装置が必要

③極低温液体のため、設備材料の選択と取扱いに注意(気化特性・腐食現象・水和物等)

④貯蔵中に外部からの入熱でBOG(ボイルオフガス/蒸発ガス)が発生

 → メタン以外の成分の濃度が高まる(濃縮)。沸点上昇・液密度増加・発熱量増加

LNGの冷熱を利用することができる(冷熱発電・空気液化分離等)

体積:LNGは気化すると体積が約600倍になる(1/600に圧縮して液体輸送)

⚡ 焦点ポイント

乙種ではC評価のため出題頻度は低いが、「国産天然ガスは精製不要・脱炭酸は必要」「LNGは体積1/600・不純物除去済み」という基本事項は他章と絡めて問われることがある。「水溶性ガスは水に溶解して地下水と一緒に産出する」という定義も確認。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「国産天然ガスは不純物が少ないので精製不要」は正しい。ただし「CO₂が多い場合は脱炭酸が必要」という点で精製が全く不要ではない。「LNGはBOGが発生すると濃縮が進む」→ 沸点が上昇し液密度が増加する(発熱量も増加)。
  • 「低い」が「高い」に書き換えられる(方向の逆転)
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

2. LNG取扱い留意事項(気化・低温・漏えい・貯槽内挙動・各種トラブル)

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

LNGは−160℃の極低温液体で、気化・低温・漏えい・貯槽内挙動の各面で特有の危険がある。主要トラブル:ペーパーロック(気化で送液不可)・ロールオーバーBOG急増・圧力急上昇)・水和物(ライン閉塞)・ボーイング(配管弓状変形)・液封(圧力上昇)・ガイザリング(配管振動)・液撃(管路内衝撃)。プール燃焼消火は粉末消火剤で火炎前から左右に掃き、注水は厳禁。

📖 解説(乙種ベース)

LNGは−160℃の極低温液体で、気化・低温・漏えい・貯槽内挙動の各面で特有の危険がある。主要トラブル:ペーパーロック(気化で送液不可)・ロールオーバーBOG急増・圧力急上昇)・水和物(ライン閉塞)・ボーイング(配管弓状変形)・液封(圧力上昇)・ガイザリング(配管振動)・液撃(管路内衝撃)。プール燃焼消火は粉末消火剤で火炎前から左右に掃き、注水は厳禁。

気化現象とペーパーロック・キャビテーション

LNG配管等の内部で気化して留まり、ポンプ等に吸い込まれて液送できなくなる現象を「ペーパーロック」という。

急激な圧力低下や温度上昇によりペーパーロックが起こり、送液が不可能になったり、

ポンプがキャビテーション(液体内の局所低圧部で蒸気の細かい気泡が発生し消滅時に衝撃)を起こすことがある。

低温性と材料・クールダウン

LNG用機器は低温靭性(じん性:低温でのねばり強さ)に優れた材料を使用する必要がある。

(注意:低温脆性=ぜい性とは逆の概念。低温靭性の大きい材料を選ぶ)

・クールダウン:LNG機器を急激に冷却すると配管が弓状に変形する(ボーイング)ため、

 LNGを少しずつ注入して大きな温度差が生じないよう時間をかけてクールダウンを行う。

・乾燥:LNG取扱い前に機器内を十分に乾燥させる(水分・油分の凍結によるライン閉塞防止)。

ボーイング(配管の弓状変形)

配管を急激にクールダウンすると、先に配管下部の温度だけが低下し、上部との温度差が大きくなり、

金属の収縮量の差により配管が弓状に反るように変形する現象。

→ 時間をかけてクールダウンすることで防止する。

液封(Liquid Seal)

バルブを閉じる操作等により、配管の閉ざされた部分に液体が充満している状態を「液封」という。

外気熱により温度上昇→LNGが膨張→内部圧力が上昇→フランジ等の弱い部分が破壊されるおそれ。

→ 正しい手順でバルブ操作を行い、液を封じ込めない処置が重要。

ガイザリング(配管振動現象)

LNGの受入配管等で、外部からの入熱によりLNGの一部が気化し、

鉛直配管部での液・気相間の急激な相転移が連続して生じ、気液同伴状態で吹き上がる現象。

ガイザリングとは、この現象またはそれにより発生する配管の振動現象をいう。

→ 防止:流れ方向に上り勾配をつけて配管に液が滞留しないようにする。

液撃(水撃・ウォーターハンマー)

管路内を流れるLNG等の流体を急激に締め切った時に、流体の慣性で管内に衝撃と高圧が発生する現象。

弁の急激な閉鎖やポンプの急停止等により発生し、発生した高圧は遠方の設備にまで衝撃を与える。

水和物(ハイドレート)によるライン閉塞

液化ガスLNGLPG共通)は水と反応して氷に似た水和物(ハイドレート)を生成し、

ラインの閉塞トラブルを引き起こす。

LNG設備はLNGを取り扱う前に機器内を十分乾燥させることが必要。

漏えい時の対策

■ガス拡散:

LNGが漏えいし気化した低温メタンガスにより形成される可燃性混合気は、

ほとんどの場合「白い霧(白雲状態)」の内部に存在する。

→ 白い霧は危険域の存在範囲を示す一つの目安。

メタンは常温では空気の約半分の重さで拡散しやすいが、

「約−110℃以下の低温では空気よりも重い」ため地表面に漂う可能性がある。

■プール燃焼(Pool Fire):

LNGが漏えいし大気中に気化・拡散した時、燃焼範囲内の混合気が火気に接すると着火。

拡散ガスに着火すると火炎が伝播し液表面での燃焼(プール燃焼)となる。

■消火方法:

・使用する消火剤:粉末消火剤(二酸化炭素・ハロン等も可)

・消火方法:火炎の手前から左右に掃くようにして、火炎を前方に追い込み消火する

・注水は厳禁:液面が攪拌されると同時に水からの入熱によりLNGの蒸発が助長され、

 かえって燃焼が盛んになるため行ってはならない

・ガスが漏えいした状態で消火するとかえって危険なため、

 漏えいが安全に停止されない限り消火しない

貯槽内の挙動:層状化とロールオーバー

■層状化:

密度差の異なる異種LNGを貯槽に入れると、下層に重質液・上層に軽質液という

異なった密度の層が形成されることがある。

上層は側壁からの入熱及び下層液との界面からのわずかな入熱により徐々に濃縮され液密度が上昇。

下層は界面の加圧条件下で側壁・底部からの入熱により液温上昇→液密度が低下。

ロールオーバー

上下層の密度差が逆転し、急激に混合することで、

下層液に顕熱として蓄熱された熱分のBOGが「急激に」発生し、貯槽内圧が急上昇する現象。

→ 最悪の場合は貯槽破損に至る危険性がある。

■層状化防止策:

①受入時に既存LNGと受入れるLNGの密度差が一定値を超えないよう管理

②貯蔵中は貯槽内LNGの高さ方向の密度分布(温度分布)を常時監視

③万一層状化が発生した場合は他の貯槽に移送したり、貯槽内を循環する等して層状化を解消

⚡ 焦点ポイント

「プール燃焼消火は粉末消火剤・注水は厳禁」は最頻出の引っ掛け。「ロールオーバーBOG急激発生→貯槽内圧急上昇」の流れを整理する。「メタン-110℃以下で空気より重い」という温度の数値も出題される。「ペーパーロック」「ガイザリング」「ボーイング」「液封」「液撃」の5つのトラブル名とその定義・原因・対策はセットで覚える。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 ■注水はLNGプール燃焼消火に使ってはならない(水からの入熱でLNG蒸発が助長される)。 ■ロールオーバーは「層状化が生じていない場合には発生しない」。密度差管理が予防の鍵。 ■「低温靭性の大きい材料を選ぶ」→低温靭性(じん性)大=低温脆性(ぜい性)小。「低温靭性が大きい」と「低温脆性が小さい」は同義。 ■ガスが漏えいした状態での消火は危険→まず漏えいを止める(バルブ閉止)のが先決。
  • 「以下」が「超」に書き換えられる(方向の逆転)
  • 「上昇」が「下降」に書き換えられる(方向の逆転)
  • 「定義」「原因」「対策」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

3. LNGプロジェクト・LPGオフガスバイオガス・次世代エネルギー原料

重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

LNG液化基地では天然ガスを油分分離→酸性ガス除去→脱水→水銀除去→重質分除去→液化プロセスで精製液化。LNG船は1次防壁(タンク)・2次防壁を設け、防熱部間に窒素を封入。内航船は蓄圧方式。LPGプロパン(C₃H₈・発熱量99MJ/m³・沸点−42℃・比重1.5)とブタン(C₄H₁₀・129MJ/m³0℃・2.0)で空気より重く地表に滞留。バイオガスカーボンニュートラル・再生可能エネルギー。シロキサン(下水汚泥由来)・リモネン(柑橘類)に注意。

📖 解説(乙種ベース)

LNG液化基地では天然ガスを油分分離→酸性ガス除去→脱水→水銀除去→重質分除去→液化プロセスで精製液化。LNG船は1次防壁(タンク)・2次防壁を設け、防熱部間に窒素を封入。内航船は蓄圧方式。LPGプロパン(C₃H₈・発熱量99MJ/m³・沸点−42℃・比重1.5)とブタン(C₄H₁₀・129MJ/m³0℃・2.0)で空気より重く地表に滞留。バイオガスカーボンニュートラル・再生可能エネルギー。シロキサン(下水汚泥由来)・リモネン(柑橘類)に注意。

LNG液化基地(出荷基地)の精製フロー

天然ガス → 油分分離 → 酸性ガス除去 → 脱水 → 水銀除去 → 重質分除去 → 液化プロセス

・油分(コンデンセート)分離:ガスに同伴する油分を分離

・酸性ガス除去:液化工程時の凝固防止・設備腐食防止・LNG品質のためCO₂・H₂Sを除去

・脱水:ガスハイドレート(水分と天然ガスが結合した雪状の固体物質)の生成を防ぐため水分除去

・水銀除去:低温部材として広く使用されるアルミニウムを腐食する水銀を除去

・重質分除去:低温で固化するペンタン等の重質分を分離

・液化プロセス:冷媒を圧縮し断熱膨張させることによる温度低下を利用して液化。

 代表的な「混合冷媒方式」:冷媒を冷却・分離しながら複数段の温度レベルに分け断熱膨張。

LNG船(外航船

主な性能要件:

①極低温対策:メタン臨界温度は−82℃と非常に低く、常温で加圧するだけでは液化しない。

 → 常圧のメタンの沸点(約−160℃)近くの極低温で輸送。

②蒸発性・可燃性対策:1次防壁(タンク)と2次防壁の間の防熱部には「窒素ガス」を封入

 → 万一タンクからガス漏えいしても、空気と可燃性ガスが混合しないようにする

 BOGは通常、船の燃料として消費。

③低比重対策:LNGは比重が軽く貨物量当りのタンク容積が大きくなるため、

 風圧・操縦性・復原性対策が必要。

LNG船のタンク方式:

・独立球形タンク方式(モス型):アルミニウム合金製の球形タンク+スカートで船体に据え付け

・メンブレン方式:船体内部に防熱材を取り付け、内面をメンブレン(金属の薄膜)で覆った構造

・方形独立タンク方式(SPB方式):建造コストが高いため採用は限定的

LNG内航船

・国内就航中のLNG内航船の貨物タンクは「蓄圧方式」を採用

・航海中に発生するBOGはタンクに蓄圧される(外航船BOGを燃料として消費)

LNGローリー・LNGコンテナ

LNGローリー:車両(または牽引車両)にタンクが固定されたもの

LNGコンテナ:タンクを強固なフレーム状のコンテナに収めて鉄道・道路輸送を可能にしたもの

・構造:真空断熱方式を採用した内槽(LNGの貯槽)と外槽(保冷槽)からなる二重殻式横置円筒型の超低温容器

・適用法令:高圧ガス保安法及び道路法等が適用される

LPG(液化石油ガス)の性状と特徴

LPGプロパン(C₃H₈)とブタン(C₄H₁₀)を主成分とする炭化水素。

性状比較:

性状プロパン(C₃H₈)ブタン(C₄H₁₀)メタン(参考)
総発熱量(MJ/m³)9912940
ガス比重1.52.00.55
沸点(℃)−420−161
燃焼下限(%)2.11.65.0

都市ガス原料用LPGの必要性状:

①H₂S等の硫黄化合物を含まないこと(LPG貯蔵タンク材料への応力腐食割れ防止)

②水分または沈殿物を含まないこと

都市ガス原料としての供給方式:

①製造ガスに混入して供給(熱量調整

②空気と混合してLPG・エアー混合ガスとして供給

③LPガスを直接供給

LPG取扱い上の留意事項

■気化現象:大気圧下でプロパンは約−40℃ブタン約0℃の沸点を有する液体。

 外部からの入熱により一部が気化するため、貯蔵時の圧力上昇・計測器への影響等に注意。

 LNGと同様に液封防止についての考慮が必要。

■ガス拡散:LPGの気化ガスはプロパンで空気の約1.5倍、ブタンで空気の約2倍の重さ。

 → 着火源の多い地表面に滞留するため取扱いには十分注意。

■燃焼:LPGの燃焼限界(爆発範囲)

 プロパン:2.1〜9.5%ブタン:1.6〜8.4%

 着火するとプール燃焼となる。

■水和物:LPGは水と反応して氷に似た水和物を生成し、ラインの閉塞トラブルを引き起こす。

 → 機器内を充分乾燥させてから取り扱う。

オフガスバイオガス・次世代エネルギー原料

オフガス(Off Gas):

・石油精製のオフガス(H₂主成分)と石油化学のオフガス(CH₄等の炭化水素主成分)の2種類

・現在は石油化学由来のオフガスLPGで増熱して都市ガスを製造・供給している

バイオガス

・バイオマスを原料として製造されるガス(下水・家畜糞尿等の水分の多い有機物の無酸素状態でのメタン発酵)

・組成:ほとんどがメタン(CH₄)と二酸化炭素(CO₂)

カーボンニュートラル:バイオマスは光合成によって生成した有機物であり、

 燃焼で放出するCO₂は生物の成長過程の光合成により吸収したCO₂であるため、

 ライフサイクルでは大気中のCO₂を増加させない → 再生可能エネルギー

都市ガス原料にするにはCO₂・有害成分除去のため精製が必要

・発生量が季節・時間によって変動→ベースロード用ガスとして使用できない

バイオガス利用時の注意:

・シロキサン(Si-O-Si結合):下水汚泥由来のバイオガスに含まれる場合あり。

 シャンプー・リンス等に由来。低濃度でもシリカとなって燃焼機器内燃機関内部に付着し部品寿命に影響。

 → 吸着除去が必要

・リモネン:柑橘類の果皮に多く含まれる。機械のゴム部分を劣化させ、付臭をマスキングする。

■次世代エネルギー原料:

・コールベッドメタン(CBM):石炭の生成過程で発生したメタンを主成分とする天然ガスが石炭層中に物理吸着状態で貯留

メタンハイドレート:水分子がかご状に集合した中にメタン分子が取り込まれ氷状になっている固体物質。日本近海に存在。

シェールガス:泥岩(頁岩:シェール)層に含まれる非在来型天然ガス(砂岩層が貯留層の在来型ガス田とは異なる)

🟦 甲種プラスα

甲種では「LNGプロジェクト・LPGオフガスバイオガス・次世代エネルギー原料」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・設備名・原理をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

LPGのガス比重(プロパン1.5・ブタン2.0)と沸点(プロパン42℃ブタン0℃)は頻出数値。「LPGは空気より重く地表面に滞留する」→LNGとの違いとして頻出。「バイオガスカーボンニュートラル・再生可能エネルギー・精製必要・ベースロード不可」の4点。「LNG内航船は蓄圧方式」「LNG外航船BOGを燃料消費」という対比も出題される。「シロキサン:下水汚泥由来・吸着除去が必要」というキーワードを覚える。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 ■LPGは常温・常圧では気体だが、「加圧または冷却により容易に液化する」。 ■LPGは「プロパンで約2.1%、ブタンで約1.6%」の燃焼下限値。ブタンの方が燃焼下限が低い。 ■LNG船防熱部の封入ガスは「窒素」(酸素や空気ではない)。 ■「内航船は蓄圧方式」「SPB方式は建造コストが高く採用は限定的」。 ■バイオガスの「メタン発酵」は嫌気性発酵(無酸素)であることに注意。
  • 「42℃」が「47℃」「37℃」と書き換えられる
  • 「カーボンニュートラル」「再生可能エネルギー」「精製必要」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
  • その他の傾向: 解説本文で太字のキーワードが類義語(似た用語・近い数値)に置き換えられる

🔢 製造の重要数値・設備の整理

LNGの基本物性:

– 沸点: -162℃(大気圧下)

– 液体→気体の体積比: 約1/600(液体1単位 → 気体600単位)

– 主成分: メタン(CH4)約90%

– 燃焼で水蒸気とCO2のみ生成(クリーン)

主要原料の比較:

原料主成分沸点用途
LNGCH4-162℃都市ガス13A原料
LPGC3H8/C4H10-42℃/-1℃増熱・サテライト基地
バイオガスCH4(発酵)再生可能エネルギー
製造科目では、設備名・型式・運転条件の数値・原料の物性値の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節1 天然ガス・LNGの性状と特徴(都市ガス原料の概要): 都市ガスの原料は液体原料(LNGLPG)と気体原料(天然ガスオフガス)に分類される。天然ガスは構造性・水溶性・炭田ガスに大別され、国産天然ガスは不純物が少なく脱硫不要だが脱炭酸が必要。LNG(液化天然ガス)は天然ガスを約−160℃まで冷却液化したもので、体積が約1/600になり海上輸送が可能。メタンを主成分とし、CO₂・H₂S等の不純物を精製除去済みのクリーンな原料。
  • 節2 LNG取扱い留意事項(気化・低温・漏えい・貯槽内挙動・各種トラブル): LNGは−160℃の極低温液体で、気化・低温・漏えい・貯槽内挙動の各面で特有の危険がある。主要トラブル:ペーパーロック(気化で送液不可)・ロールオーバーBOG急増・圧力急上昇)・水和物(ライン閉塞)・ボーイング(配管弓状変形)・液封(圧力上昇)・ガイザリング(配管振動)・液撃(管路内衝撃)。プール燃焼消火は粉末消火剤で火炎前から左右に掃き、注水は厳禁。
  • 節3 LNGプロジェクト・LPG・オフガス・バイオガス・次世代エネルギー原料: LNG液化基地では天然ガスを油分分離→酸性ガス除去→脱水→水銀除去→重質分除去→液化プロセスで精製液化。LNG船は1次防壁(タンク)・2次防壁を設け、防熱部間に窒素を封入。内航船は蓄圧方式。LPGプロパン(C₃H₈・発熱量99MJ/m³・沸点−42℃・比重1.5)とブタン(C₄H₁₀・129MJ/m³0℃・2.0)で空気より重く地表に滞留。バイオガスカーボンニュートラル・再生可能エネルギー。シロキサン(下水汚泥由来)・リモネン(柑橘類)に注意。

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節1: 乙種ではC評価のため出題頻度は低いが、「国産天然ガスは精製不要・脱炭酸は必要」「LNGは体積1/600・不純物除去済み」という基本事項は他章と絡めて問われることがある。「水溶性ガスは水に溶解して地下水と一緒に産出する」という定義も確認。
  • 節2: 「プール燃焼消火は粉末消火剤・注水は厳禁」は最頻出の引っ掛け。「ロールオーバーBOG急激発生→貯槽内圧急上昇」の流れを整理する。「メタン-110℃以下で空気より重い」という温度の数値も出題される。「ペーパーロック」「ガイザリング」「ボーイング」「液封」「液撃」の5つのトラブル名とその定義・原因・対策はセットで覚える。
  • 節3: LPGのガス比重(プロパン1.5・ブタン2.0)と沸点(プロパン42℃ブタン0℃)は頻出数値。「LPGは空気より重く地表面に滞留する」→LNGとの違いとして頻出。「バイオガスカーボンニュートラル・再生可能エネルギー・精製必要・ベースロード不可」の4点。「LNG内航船は蓄圧方式」「LNG外航船BOGを燃料消費」という対比も出題される。「シロキサン:下水汚泥由来・吸着除去が必要」というキーワードを覚える。

📝 関連過去問

この章の知識が問われる過去問題リスト(全21問)。

ℹ️ 乙種・甲種は別の試験です。同じ問番号(例: 基問10)であっても、乙種と甲種では出題される問題内容は異なります。各年度・種別ごとの本文は 乙種過去問 / 甲種過去問 ページから確認してください。

乙種(11問)

令和7年: 製問1

令和6年: 製問1

令和5年: 製問1

令和4年: 製問1 / 製問4

令和3年: 製問1

令和2年: 製問1

令和元年: 製問1

平成30年: 製問1

平成29年: 製問1

平成28年: 製問1

甲種(10問)

令和7年: 製問1

令和6年: 製問1

令和5年: 製問1

令和4年: 製問1 / 製問4

令和3年: 製問1

令和2年: 製問1

令和元年: 製問1

平成30年: 製問1

平成29年: 製問1