供給 第8章 維持管理

供給 第8章 維持管理 解説動画
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導管の漏えい検査(頻度・方法・ガス検知器)、漏えい原因、更生修理工法、他工事管理(情報把握・調査・事前協議・保安措置・立会)までを扱います。論述で「他工事損傷防止」がほぼ毎年出題。

修理の工法は応急恒久で 役割が違い、その線引きが繰り返し問われる。 更生修理工法(樹脂ライニング系など)は、 これから起きる漏れを予防する工法であって、 すでに開いた穴を塞ぐ恒久修理ではない。ここが最頻出の崩しどころである。

恒久修理にあたるのは、割スリーブ鋼製修理バンド金属テープによる外面シール低圧管のみ)・管体の切断取替である。 そして高圧導管が貫通に至った場合は、 溶接スリーブでは強度が足りず、管体を切断して取り換える。 穴の大きさと圧力に応じて手当てが重くなる、と押さえるとよい。

区分工法注意
予防更生修理工法(樹脂ライニング系等)恒久修理ではない
応急応急修理用スリーブ工法高圧導管の損傷・貫通時の応急処置
恒久割スリーブ/鋼製修理バンド/金属テープ外面シール外面シールは低圧のみ
管体の切断取替高圧の貫通はこれ(溶接スリーブは強度不足)

🔑 覚える

更生修理=予防であって恒久修理ではない/外面シールは低圧のみ高圧の貫通は管体取替(溶接スリーブ不可)

乙種甲種兼用 / 全8節 / 学習目安: 30〜60分

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📍 はじめに

導管は埋設後も無事故ではいられません。漏えい検査で異常を早期発見し、他工事で傷つけないよう管理し、老朽管は更生修理する。この章では維持管理の3本柱を学びます。


📚 テキスト解説

各節は次の構成で進みます。

– 🎯 一言で

– 📖 解説(乙種ベース)

– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)

– ⚡ 焦点ポイント

– 📝 過去問のひっかけ例


📑 この章の目次(全8節)
  1. 2-1. 漏えい検査の頻度と検査方法
  2. 2-2. ガス検知器4種の原理・特性比較
  3. 2-3. 維持管理用検査装置(甲種対象)
  4. 3-1. 漏えいの原因と経年管対策
  5. 3-2. 更生修理工法の種類と適用
  6. 4-1. 他工事管理(情報把握・導管調査・事前協議)
  7. 4-2. 他工事保安措置(移設・管種変更・防護:つり防護・受け防護)
  8. 4-3. 他工事立会・巡回・保安協定

2-1. 漏えい検査の頻度と検査方法

💡 図の見方:埋設導管の漏えいを見つける3方法を1枚に並べた断面図。左2つはガスそのものを検知器で捉える方式、右の圧力保持だけはガスを嗅がずに圧力計で減った分を読む方式である、という毛色の違いを確かめる。

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

本支管高圧1年・中低圧4年 / 供内管4年 / 特定地下街等供内管1年 / 検査方法:ボーリング・地表空気吸引・圧力保持

📖 解説(乙種ベース)

埋設した導管は、埋めた瞬間から目に見えなくなる。見えない異常を見つけるため、決められた周期で漏えい検査を行う。消火器に点検ラベルが貼られているのと同じ発想だ。「まだ大丈夫そうだから」ではなく「期限が来たから調べる」が原則である。

周期を分ける基準は、漏れたときの影響の大きさにある。技省令51条は、圧力が高いほど、また人が逃げにくい場所ほど短い周期を課す。だから同じ本支管でも高圧と中低圧で差がつく。特定地下街等への供内管が一般物件より短いのも、地下は漏れたガスが滞留し逃げ場がないからだ。

漏えい検査の法定頻度(技省令51条)

🖼 図解
埋設導管の漏えい検査3方法(ボーリング・地表の空気吸引・圧力保持)埋設導管の漏えい検査3方法(ボーリング・地表の空気吸引・圧力保持)
対象頻度
本支管高圧1年に1回以上
本支管中圧低圧4年に1回以上
供内管(一般物件)4年に1回以上
特定地下街又は特定地下室等への供内管1年に1回以上

この法定周期とは別に、事業者が自ら確かめる仕組みも用意されている。

キーワード
定期自主検査高圧導管及び高圧整圧器は、定期に自主検査を行うことが法で定められている

では、地中の漏れをどうやって見つけるのか。方法は3つある。①ボーリングは、導管の路線上に小さい穴をあけ、その穴に管を立ててガス検知器又は臭気により漏えいの有無を検査する。②地表の空気吸引は、路線上の空気を連続して吸引し、水素炎イオン化式(FID)または半導体式ガス検知器で漏えいを確認する。

③圧力保持だけは毛色が違う。ガスの流入を遮断し規定の保持時間以上保持し、圧力降下の有無を確認する。ガスそのものを嗅ぎ分けるのではなく、減った分を圧力計で読む方式だ。

ここで出題者が狙う一点がある。埋設本支管の法定漏えい検査には検知管式ガス検知器は使用できない。「穴をあけて検知管を差し込めばよい」という素直な発想が、そのまま誤答になる仕掛けである。

検査とは別に、日常の点検も定められている。本支管では共同溝・架管について、漏えい状況・塗覆装伸縮継手・バルブを見る。装置類はそれぞれ固有の周期を持つので、次の2つは数字ごと押さえたい。

覚える
緊急ガス遮断装置:年1回以上の外観点検・機能点検(瞬時に閉動作・確実に遮断)/昇圧供給装置:14月に1回以上(外観・性能・機能・ガス中水分の確認)

🟦 甲種プラスα

甲種では「漏えい検査の頻度と検査方法」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

高圧1年・中低圧4年・特定地下街供内管1年」の数値が頻出。「埋設本支管の法定検査に検知管式ガス検知器は使用不可」も重要。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「高圧導管の漏えい検査は漏えいの履歴に関係なく定期検査を実施する」が正しい。漏えい実績がなくても検査は必須。

2-2. ガス検知器4種の原理・特性比較

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

識別型(電気抵抗×温度比例・選択性可) / FID(炭化水素のみ・1ppm・H₂/CO不可) / 半導体式(低濃度有効・可燃性以外も可・濃度測定不向き) / サーミスタ(熱伝導度差・0〜100%測定可)

📖 解説(乙種ベース)

ガス漏れを探すとき、どの検知器を手に取るかで結果が変わる。望遠鏡と顕微鏡を取り違えれば何も見えないのと同じで、検知器にはそれぞれ守備範囲がある。4種類あるのは、知りたいことが「漏れの有無」なのか「濃度」なのか「極微量の痕跡」なのかで、必要な性能が違うからだ。

種明かしをしよう。守備範囲を決めているのは原理である。識別型(接触燃焼式)はガスを燃やして測る。水素炎イオン化式ガス検知器FID)は水素炎という窓から覗く。半導体式ガス検知器とサーミスタ式は燃やさない。この3系統に分けるだけで、何が検知できて何ができないかがほぼ決まる。

燃やす方式は、可燃性ガスしか相手にできない。裏返せば、燃やさない方式は可燃性以外も拾える。半導体式は雰囲気ガスの吸着で電導度が変わる現象を、サーミスタ式はガスと空気の熱伝導度の差を使うため、燃えるかどうかは関係ないのだ。ここが正誤問題の的になる。

もう一つ、直感を裏切る点がある。半導体式は感度が高いのに、ガス濃度測定には向かない。低濃度では直線的に応答するが、やや濃度が高くなると感度が鈍くなるためだ。「感度が高い=濃度も正確に測れる」と読み替えた瞬間に外れる。FIDも同じ構造で、最高感度でありながらH₂やCOは原理的に見えない。

種類原理特性用途
識別型(接触燃焼式電気抵抗が温度に比例する性質を利用。コイル状フィラメントに電流を流して加熱し、可燃性ガスと酸素が反応→反応熱でフィラメント温度上昇→抵抗変化から濃度を検知すべての可燃性ガスを検知可能。選択性はないが検知エレメントの温度を変えることでメタン選択性も可能。LEL50%以内でほぼ同感度ガス漏れ箇所の詳細調査・ガス置換の確認
水素炎イオン化式ガス検知器FID水素炎の中に炭化水素が入ると炎の電気伝導度が増大する現象を利用検知対象成分は炭化水素に限られ無機化合物(H₂・CO・N₂等)は検出不可。最高感度(原理的に1ppmの検知可能)高感度のため地中埋設管のガス漏えい調査に使用
半導体式ガス検知器半導体の電導度が雰囲気ガスの吸着によって変化することを利用。燃焼反応を利用しないので可燃性ガスでなくても検知可能微ガスの検知に非常に有効(0〜2000ppmで直線性良)。ただしやや濃度が高くなると感度が鈍くなるためガス濃度測定用として不向き家庭用ガス警報器・地中埋設管のガス漏えい調査
サーミスタ式ガス検知器(熱伝導式)ガスと空気の熱伝導度が異なることを測定原理とする空気と熱伝導度が異なるガスであればすべて検出(可燃性以外も含む)。測定範囲0〜100%(燃焼反応不要のため爆発危険なし)ガスの濃度測定・新設管等のガスへの置換の確認・地中埋設管のガス漏えい調査
覚える
感度は FID(1ppm)が最高、半導体式は0〜2000ppmで直線性良。測定範囲が最も広いのはサーミスタ式(0〜100%)。識別型はLEL50%以内でほぼ同感度
🖼 図解
ガス検知器4種のアイコン図ガス検知器4種のアイコン図

⚡ 焦点ポイント

FID→炭化水素のみ・H₂/CO検知不可」「半導体→可燃性以外も検知・低濃度有効・濃度測定不向き」「サーミスタ→熱伝導度差・0〜100%測定可」「識別型→選択性なし(温度調整でメタン選択可)」の4分類を整理。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「半導体式ガス検知器は可燃性であることに限定されない」が正しい。FIDはH₂の検知ができない(炭化水素のみ)という点も引っ掛けで出題される。

2-3. 維持管理用検査装置(甲種対象)

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

漏えい磁束ピグ高圧管内走行・磁気センサで減肉検出) / 塗覆装損傷検査システム(舗装上から信号電流の位相反転で損傷位置特定)

📖 解説(乙種ベース)

高圧ガス導管の内側がどうなっているかは、掘り返さなければ見えない。そこで、管の中を自走する掃除ロボットのように、ガスの圧力によって管内を走行する道具が使われる。漏えい磁束ピグ(PIGインスペクション)である。目的は、腐食減肉や他工事等で発生した管体の損傷を検査すること。

では、走りながらどうやって減肉を見つけるのか。種明かしは磁石だ。直流磁化された管体に欠陥があると、その部分から磁束が管の内外面に漏えいする。この漏えい磁束を搭載した磁気センサで検出することで、減肉を検知する。

キーワード
漏えい磁束法 — 直流磁化した管体の欠陥部から漏れ出す磁束を磁気センサでとらえ、減肉を見つける方法

この方式の強みは、高圧導管を通常運転しながら検査できる点にある。止めずに調べられるということは、供給に穴をあけずに済むということだ。ただし、便利だからといって定期の義務になっているわけではない。

覚える
ピグや高精度塗膜欠陥検知システムを用いての検査は「必要に応じて行う」もので、定期的に実施することは決められていない

管の外側、つまり塗覆装の傷を探すのが塗覆装損傷検査システムである。舗装上から埋設管の塗覆装の損傷箇所を探知する。①発信機からの信号電流が大地を通じて塗覆装損傷部へ選択的に流入する。②管路直上に受信装置を走行させ、地表面の電位分布を地表面電位差と位相の波形として連続記録する。

決め手は③にある。塗覆装損傷部の直上で電位差が0になると同時に、極性が反転することから、損傷部の位置を探知できる。電位差ゼロという「信号が消える」現象と、位相がひっくり返るという「向きの変化」が同時に起きる地点——この2条件をセットで覚えておけば、片方だけを書いた選択肢に引っかからない。

埋設位置そのものを探すのが地中探査レーダーである。地中に向けて電磁波を入射し、埋設管で反射した電磁波をとらえて埋設位置を探査する方法で、反射波の波形から埋設物の位置・深さを測定する。

🟦 甲種プラスα

甲種では「維持管理用検査装置(甲種対象)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。

🖼 図解
漏えい磁束ピグの検査原理(減肉部からの漏えい磁束)漏えい磁束ピグの検査原理(減肉部からの漏えい磁束)

⚡ 焦点ポイント

漏えい磁束ピグ高圧導管・腐食減肉検査・運転しながら実施」「塗覆装損傷システム→電位差0かつ極性反転で損傷位置特定」「地中探査レーダー→電磁波で埋設位置確認」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「高圧導管ではピグや塗膜欠陥検知システムを使用後も定期的な漏えい検査は実施しなければならない」という点が引っ掛けで出題。

3-1. 漏えいの原因と経年管対策

💡 図の見方:経年管として名指しされる3種と、対策の2系統を上下に分けた図。白管と黒管の違いは亜鉛メッキ(防食)を施してあるか否かである点を確かめたい。更生修理は「漏れてから塞ぐ工法」ではなく、漏えいしていない管の今後の漏えいを防ぐ予防保全だという位置づけが、この節でいちばん狙われる。

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

漏えい原因5種(材料不備・腐食・地盤変動・地震等諸荷重・施工不良) / 経年管(ねずみ鋳鉄管・白管・黒管は新規埋設禁止)

📖 解説(乙種ベース)

使い込んだ靴底がすり減る理由は一つではない。素材そのものの劣化、地面からの突き上げ、歩き方の癖——原因の系統が違えば、打つ手も変わる。埋設導管の漏えいも同じで、①材料の不備・劣化、②腐食、③地盤変動、④地震・温度変化・車両・他工事等の諸荷重、⑤施工不良の5種類に整理される。

このうち①と②は、管そのものが抱える弱さだ。年数が経つほど効いてくるため、古い管は種類ごと名指しで管理される。設置してから年数が経過し、点検・更新が必要なガス管を経年管という。

対象は3種類ある。ねずみ鋳鉄管、白管(亜鉛メッキによる防食を施した鋼管)、黒管(メッキによる防食を施していない鋼管)である。白管と黒管の違いはメッキの有無、つまり防食の手当てをしてあるかどうかだ。

覚える
ねずみ鋳鉄管・白管・黒管の3種類は、新規埋設が禁止されている

では、既にあるものをどう扱うか。全部を一度に替えることはできないので、優先順位をつける。圧力・管種・故障形態等を考慮して対象設備の絞り込みと対策の優先順位付けを行い、リスクマネジメント手法に基づき、経年管のリスクを考慮して適切な対策・維持管理を実施する。

対策方法は2つ。①入替は新管に取り替える工法で、全掘削・既存パイプ内挿入・旧管破壊引込みの3種類がある。②更生修理は、導管内面に成型材・液状樹脂を貼り付けること等によって漏えいを予防する方法だ。

更生修理の位置づけには注意がいる。「修理」という語感から、漏れてから塞ぐ工法だと思い込むと、そのまま誤答になる。

キーワード
更生修理 — 漏えいしていないが今後の漏えいを防止することを目的とした予防保全の一種
🖼 図解
経年管3種と対策2系統(更生修理は予防保全という位置づけ)経年管3種と対策2系統(更生修理は予防保全という位置づけ)

⚡ 焦点ポイント

「ねずみ鋳鉄管・白管・黒管は新規埋設禁止」「漏えい原因5種」「更生修理は予防保全(漏えいしていないが今後の漏えいを防止)」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 更生修理は「漏えいを止める」だけでなく「今後の漏えいを予防する目的(予防保全)」にも使用される。「漏えいが発生してから適用する」と思い込まないこと。

3-2. 更生修理工法の種類と適用

重要度: ★ 乙C / 🟦 甲A

🎯 一言で

反転シール系(継手・亀裂・地震時漏えい予防・主に低圧)/ 樹脂ライニング系(腐食・継手漏えい予防)/ 圧送ピグ・気流搬送の施工法

📖 解説(乙種ベース)

老朽化した管を直したいが、道路を端から端まで掘り返すわけにはいかない。そこで管を残したまま内側から手当てするのが更生修理工法である。利点は3つ。①道路掘削が非常に少ないため周辺住民の生活環境・一般交通の保全性に優れる、②予想される漏えい形態に応じて適切な工法が選択できる、③道路掘削が少ないため工事費の低減が図られる。

②が示すとおり、工法は「何を防ぎたいか」で選ぶ。目的と系統の対応は次のとおりである。

目的別の工法系統対象
亀裂・折損漏えい予防工法反転シール系・樹脂ライニング系本支管
腐食漏えい予防工法樹脂ライニング系本支管供内管
継手漏えい予防工法反転シール系・樹脂ライニング系本支管供内管
地震時漏えい予防工法反転シール本支管

表を縦に読むと、地震時漏えい予防工法だけが反転シール系の単独担当になっている。ここが出題の急所だ。

その反転シール系の「反転」とは何か。靴下を裏返しながら足に押し込んでいく動きを思い浮かべてほしい。

キーワード
反転シール — 薄くて丈夫な気密性を持つシールホース(反転チューブ)を空気又は反転液を介して圧力をかけることにより管の中に反転(裏返し)させながら押出し、管内面に接着剤を介して貼り付ける工法

適用は継手漏えい予防工法・亀裂折損・地震時漏えい予防工法である。使える圧力帯は低圧が中心だが、例外が但し書きで添えられている。ここも含めて覚えたい。

覚える
反転シール系は主に低圧導管に使用(中圧B導管にも使用されるものがある)

もう一方の樹脂ライニング系は、管内面に樹脂によるライニング膜を形成する工法で、継手漏えい予防・腐食漏えい予防工法として適用する。膜の作り方は2通りだ。①圧送ピグによる工法は、管内にライニング樹脂を注入後、ピグを空気背圧で押し進めることで管内壁に樹脂層を形成する。②気流搬送による工法は、連続的に供給されるライニング樹脂を高速空気流により管内壁に沿って搬送し、連続したライニング膜を形成する。

🟦 甲種プラスα

甲種では「更生修理工法の種類と適用」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。

🖼 図解
反転シール工法の施工イメージ(反転しながら内面に貼り付け)反転シール工法の施工イメージ(反転しながら内面に貼り付け)

⚡ 焦点ポイント

反転シール→地震時漏えい予防に有効・主に低圧」「圧送ピグ→空気背圧でピグを押し進め樹脂膜形成」「気流搬送→高速空気流で樹脂搬送し連続ライニング膜」「中圧導管にも適用できる更生修理工法がある」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「更生修理工法で地震時漏えい予防に適用できるのは反転シール系のみ(本支管対象)」。樹脂ライニング系の地震時漏えい予防への適用は記載なし。

4-1. 他工事管理(情報把握・導管調査・事前協議)

💡 図の見方:パイプロケーターの2つの使い方と地中探査レーダーを並べた断面図。発信器の磁束を拾う誘導法に対し、導管へ直接電流を流す直接法のほうが精度的に優れる(向きを逆にした選択肢が定番)ことと、レーダーは電磁波の入射と反射で位置を測ることを確かめる。

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

他工事=埋設導管近くの水道・電話・電気等の工事 / パイプロケーター(電磁誘導法・間接検索)/ 地中探査レーダー(電磁波反射)/ くい打ち→必ず露出して確認

📖 解説(乙種ベース)

ガス管を傷つける工事は、ガス事業者自身が掘るとは限らない。埋設されている導管の近くで行われる水道・電話・電気等の工事を他工事といい、それらの企業者を他工事企業者という。掘る主体が別なのだから、事故を防ぐ第一歩は「知ること」になる。

そのため他工事企業者との連絡を密にして事前連絡を受けることが必要になる。加えて道路管理者・警察等関係省庁の協力を得て、地域ごとの道路調整会議等を通じて各企業が互いに情報交換をする。自社だけで探し回るより、掘る側から先に教えてもらう方が確実だからだ。

情報を得たら、次は管が本当にどこにあるかを確かめる。手段は4つある。

🖼 図解
埋設位置を探る方法(パイプロケーターの誘導法・直接法と地中探査レーダー)埋設位置を探る方法(パイプロケーターの誘導法・直接法と地中探査レーダー)
方法内容
導管系統図・導管図の調査紙情報
パイプロケーター導管の埋設位置(平面的位置及び深さ)を間接的に検索。電磁誘導法の原理による
③地中探査レーダー地中に向けて電磁波を入射し、埋設管で反射した電磁波を測定して埋設位置を探査。反射波の波形から埋設物の位置・深さを測定
④試掘必要に応じて行い直接確認

②のパイプロケーターは、砂浜で金属探知機を振るのに近い。地中の金属が返す反応を地表で拾う道具である。使い方は2通りあり、誘導法は発信器のコイルに交流電流を流し、導管によって発生する電磁誘導の磁束を測定して導管の位置を捕捉する。直接法は発信器を用いず、電流を導管に直接流して電磁波を発生させる方法だ。

では、どちらが正確か。直接流す方が上——直接法の方が誘導法より精度的に優れている。名前の直感どおりだが、逆にした選択肢が定番なので、向きを固定して覚えておきたい。

ただし、探知機で当てた位置はあくまで推定でしかない。最も危険な作業の前では、推定では足りなくなる。

覚える
矢板打ち・くい打ちのときは、他工事企業者に対してガス管を露出させて目視による確認を要請することが必要(図面や探知結果からの推定では足りない)

そして、これらの確認を工事が始まってから慌てて行うのでは遅い。他工事によるガス管の損傷を防ぐため、他工事企業者と設計時・施工前に設計協議・施工協議を実施し、必要な保安措置を決定する。これが事前協議である。

⚡ 焦点ポイント

パイプロケーター→電磁誘導法・間接的検索」「直接法の方が誘導法より精度が高い」「くい打ち→必ず露出させて目視確認」「地中探査レーダー→電磁波入射・反射で埋設位置確認」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「ガス導管に近接してくい打ちが行われる際は、必ず管を露出して確認してから打設しなければならない」が正しい。試掘ではなく「露出させて確認」が求められる点に注意。

4-2. 他工事保安措置(移設・管種変更・防護:つり防護・受け防護)

💡 図の見方:保安措置4種の並び順が、そのまま優先順位を示している図。管を危険な場所から動かせるなら移設が最善で、防護措置は上の3つが困難な場合の最後の手段にあたる。あわせて、つり防護と受け防護は支える位置が管の上か下かで区別する、という向きの違いも確かめたい。

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

保安措置4種(移設・管種変更・使用一時停止や仮移設・防護措置) / PE管露出→さや管防護原則・つり防護・受け防護

📖 解説(乙種ベース)

事前協議で危険が分かったら、次は具体的に何をするかを決める。他工事の影響を受けるガス供給施設については、他工事企業者との協議に基づいて次の保安措置を講ずる。4種類の並び順そのものが優先順位を示している——管を危険な場所から動かせるならそれが最善で、動かせないときに初めて守る話になる。

🖼 図解
他工事の保安措置4種は上から順に検討し、防護措置は最後他工事の保安措置4種は上から順に検討し、防護措置は最後
保安措置内容
①移設他工事により導管が悪影響を受けるおそれのある場合は、工事の行われていない道路または影響を受けない場所に事前に移設する
②管種変更影響を受ける本支管に対して管体強度または継手性能を向上させるため、ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管鋼管等に取り替える
③使用の一時停止や仮移設供給に支障をきたさない限り、工事期間中、ガス供給設備の使用の一時停止又は影響の少ない場所への仮移設を行う
④防護措置上記の措置が困難な場合に防護措置を講ずる

④の防護措置は、接合方法に応じて手段が変わる。押輪掛け・外面シール・抜け出し防止装置・伸縮継手・緊急遮断装置の設置・つり防護・受け防護・横振れ防止措置・固定措置等がガス事業法で定められている。

このうち紛らわしいのが、つり防護と受け防護だ。ハンモックと座椅子の違いだと思えばよい。上から吊って支えるのがつり防護、下から支持して受けるのが受け防護——支える向きで区別する。

では、掘削によりPE管が露出したときはどうか。金属管と同じ扱いでよさそうに見えるが、そうではない。PE管は外力による衝撃・作業等で発生する熱・長時間の直射日光等により損傷や劣化を被る可能性がある。だから原則としてさや管等による防護措置を施す。

覚える
PE管が露出した場合は「必要に応じて」ではなく原則としてさや管等による防護措置。さや管等にもテープでガス管であることを明示。必要に応じて、鋼管・鋳鉄管と同様のつり防護・受け防護を施す。PE管表面に有害な傷が生じている場合、その部分は取り替える

🟦 甲種プラスα

甲種では「他工事保安措置(移設・管種変更・防護:つり防護・受け防護)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。

🖼 図解
他工事でのつり防護・受け防護他工事でのつり防護・受け防護

⚡ 焦点ポイント

「掘削によりPE管が露出した場合は原則としてさや管による防護措置」「さや管にはテープでガス管と明示」「必要に応じてつり防護・受け防護」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「長期間ポリエチレン管が露出する場合は直射日光等による損傷防止のためさや管等の防護措置を行わなければならない」という点。「必要に応じて」ではなく「原則として」が正しい。

4-3. 他工事立会・巡回・保安協定

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

巡回は全ての導管について必要頻度を定めて実施 / 保安協定の締結 / 需要家・建築設備業者への周知・啓蒙活動

📖 解説(乙種ベース)

協議で決めた措置は、決めただけでは守られない。工事が取り決めどおりに進んでいるかを、現地で人が見る必要がある。町内の見回り当番と同じで、規則を作ることと、実際に歩いて確かめることは別の仕事だ。この節はその「見る」仕組みを扱う。

まず立会。協議により定められた時期に、本支管等の位置及び保安措置の実施状況等、必要な事項について他工事企業者と相互に確認を行う。また、工事中は工事方法・離隔距離・防護状況の確認のため立会いするのが望ましい。

次に巡回。あらかじめ定めた適切な時期・頻度で巡回を行い、漏えいの有無・防護措置の異常の有無等を点検するとともに、他工事の施設状況を把握する。ここで出題者が仕掛けてくるのが対象範囲だ。圧力の高い管だけ見ればよいと思わせておいて、実際は違う。

覚える
他工事の工事中における巡回は、中圧だけでなく全ての導管について、必要な頻度を定めて実施しなければならない

見る人の質も担保する。巡回及び立会業務に従事する者に対しては、防護基準類・各種要領・保安規程等についての教育及び訓練等を実施し、事故防止に努める。

他工事が大がかりで長期にわたる場合は、その都度の協議では追いつかない。そこで取り決めを文書で固定する。

キーワード
保安協定の締結 — 地下鉄・地下街・ビル・高速道路等の建設工事及び上下水道・電気・電信電話等の他工事が大規模かつ頻繁に行われるもので、導管の保安の確保及び機能の保持を図るため、他工事企業者と保安協定書を締結し、両者が協力してその実施に万全を期す

道路上の他工事だけが脅威ではない。敷地内の解体・改装でもガス管は傷つく。相手が工事のプロとは限らないため、敷地内での対応は「知らせる」ことが中心になる。

相手対応
需要家への周知・啓蒙活動各種業務機会を通じて、ガス設備の資産区分・解体・改装時の注意事項等を記載したチラシ等を配布し需要家の啓蒙を図る
建築・設備業者への周知①ガス管の事前確認、②適切な施工方法による損傷防止、③万一損傷した場合の二次災害防止措置を記載した注意チラシ等の配布
ガス管の標示現地にガス管の位置・ガスが通じている範囲・ガス事業者の連絡先等を示す標示を行う

⚡ 焦点ポイント

「巡回は中圧だけでなく全ての導管について必要な頻度を定めて実施」「保安協定書を締結し両者が協力」「内管他工事対策として建築・設備業者に事故防止講習会や注意チラシ配布」が頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「他工事工事中の巡回は中圧だけでなく全ての導管について…」が正しい。中圧だけと誤認しやすい。

🔢 供給の重要数値・設備の整理

ガス検知器の主要4種:

種類原理用途
識別型電気抵抗の温度変化(都市ガスを選択検知)都市ガス用(選択性あり)
半導体式半導体表面の電気抵抗変化微量検知
サーミスタ式ガスの熱伝導度の違い高濃度(0〜100%)測定可
FID(水素炎イオン化)火炎中のイオン高精度・微量

他工事管理の3段階(論述頻出):

1. 着工前: 他工事照会・立会計画・図面整備

2. 着工中: 現場立会・明示・連絡体制

3. 完了後: 復旧確認・記録・再発防止

更生修理工法:

– ライニング工法: 内側に樹脂ライニング

– パイプインパイプ: 既設管内に新管挿入

– 反転工法: 樹脂含浸チューブを反転敷設

– スプレー工法: 内面に塗装

供給科目では、設備名・型式・運転条件の数値・配管材料の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名・工法を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節2-1 漏えい検査の頻度と検査方法: 本支管高圧1年・中低圧4年 / 供内管4年 / 特定地下街等供内管1年 / 検査方法:ボーリング・地表空気吸引・圧力保持
  • 節2-2 ガス検知器4種の原理・特性比較: 識別型(電気抵抗×温度比例・選択性可) / FID(炭化水素のみ・1ppm・H₂/CO不可) / 半導体式(低濃度有効・可燃性以外も可・濃度測定不向き) / サーミスタ(熱伝導度差・0〜100%測定可)
  • 節2-3 維持管理用検査装置(甲種対象): 漏えい磁束ピグ高圧管内走行・磁気センサで減肉検出) / 塗覆装損傷検査システム(舗装上から信号電流の位相反転で損傷位置特定)
  • 節3-1 漏えいの原因と経年管対策: 漏えい原因5種(材料不備・腐食・地盤変動・地震等諸荷重・施工不良) / 経年管(ねずみ鋳鉄管・白管・黒管は新規埋設禁止)
  • 節3-2 更生修理工法の種類と適用: 反転シール系(継手・亀裂・地震時漏えい予防・主に低圧)/ 樹脂ライニング系(腐食・継手漏えい予防)/ 圧送ピグ・気流搬送の施工法
  • 節4-1 他工事管理(情報把握・導管調査・事前協議): 他工事=埋設導管近くの水道・電話・電気等の工事 / パイプロケーター(電磁誘導法・間接検索)/ 地中探査レーダー(電磁波反射)/ くい打ち→必ず露出して確認
  • 節4-2 他工事保安措置(移設・管種変更・防護:つり防護・受け防護): 保安措置4種(移設・管種変更・使用一時停止や仮移設・防護措置) / PE管露出→さや管防護原則・つり防護・受け防護
  • 節4-3 他工事立会・巡回・保安協定: 巡回は全ての導管について必要頻度を定めて実施 / 保安協定の締結 / 需要家・建築設備業者への周知・啓蒙活動

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節2-1: 「高圧1年・中低圧4年・特定地下街供内管1年」の数値が頻出。「埋設本支管の法定検査に検知管式ガス検知器は使用不可」も重要。
  • 節2-2: 「FID→炭化水素のみ・H₂/CO検知不可」「半導体→可燃性以外も検知・低濃度有効・濃度測定不向き」「サーミスタ→熱伝導度差・0〜100%測定可」「識別型→選択性なし(温度調整でメタン選択可)」の4分類を整理。
  • 節2-3: 「漏えい磁束ピグ高圧導管・腐食減肉検査・運転しながら実施」「塗覆装損傷システム→電位差0かつ極性反転で損傷位置特定」「地中探査レーダー→電磁波で埋設位置確認」が頻出。
  • 節3-1: 「ねずみ鋳鉄管・白管・黒管は新規埋設禁止」「漏えい原因5種」「更生修理は予防保全(漏えいしていないが今後の漏えいを防止)」が頻出。
  • 節3-2: 「反転シール→地震時漏えい予防に有効・主に低圧」「圧送ピグ→空気背圧でピグを押し進め樹脂膜形成」「気流搬送→高速空気流で樹脂搬送し連続ライニング膜」「中圧導管にも適用できる更生修理工法がある」が頻出。
  • 節4-1: 「パイプロケーター→電磁誘導法・間接的検索」「直接法の方が誘導法より精度が高い」「くい打ち→必ず露出させて目視確認」「地中探査レーダー→電磁波入射・反射で埋設位置確認」が頻出。
  • 節4-2: 「掘削によりPE管が露出した場合は原則としてさや管による防護措置」「さや管にはテープでガス管と明示」「必要に応じてつり防護・受け防護」が頻出。
  • 節4-3: 「巡回は中圧だけでなく全ての導管について必要な頻度を定めて実施」「保安協定書を締結し両者が協力」「内管他工事対策として建築・設備業者に事故防止講習会や注意チラシ配布」が頻出。

📝 一問一答(過去問ランダム)

記述が正しいか誤りかを判定。答え・理由・出典が出ます。

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