
導管の種類(本支管・供給管・内管)、材料(鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管・フレキ管)、接合方法、遮断装置、設計手順、内圧応力(円周応力・軸応力)、外力(上載荷重・車両荷重)、熱応力までを扱います。
乙種・甲種兼用 / 全10節 / 学習目安: 30〜60分
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📍 はじめに
導管は地中・建物内に長期間埋設されるため、材料選定と応力設計が要です。この章では、用途に応じた材料の使い分けと、設計時に考慮すべき応力を整理します。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全10節)
- 1. 導管の種類と最高使用圧力による区分(本支管・供給管・内管・圧力区分別材料)
- 2. 導管材料の特性と製造法比較(鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管・フレキ管)
- 3. 導管の接合方法(融着・溶接・機械的接合・フランジ・ねじ接合)と圧力別適用
- 4. 遮断装置(バルブの種類と特徴:ボール・プラグ・バタフライ・玉形・ゲート弁)
- 5. 本支管の設計手順と供内管の設計(手順・建物区分・配管口径・防食)
- 6-1. 内圧による応力(円周方向応力・軸方向応力)の算定と計算
- 7. 温度変化による熱応力と架管の設計(可とう性配管・伸縮継手比較)
- 6-2. 応力とひずみ・上載荷重・車両荷重と最小管厚(外力設計)
- 9-1. 供内管のガス遮断装置(引込管ガス遮断装置・緊急ガス遮断装置・業務用)
- 9-2. フレキ配管工法・不等沈下対策・変位吸収措置・高層階圧力上昇防止
1. 導管の種類と最高使用圧力による区分(本支管・供給管・内管・圧力区分別材料)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
導管は敷設位置(本支管・供給管・内管)と最高使用圧力(高圧・中圧A/B・低圧)で区分され、圧力区分ごとに使用できる材料が異なる。
📖 解説(乙種ベース)
ガスは製造所から一本の太い管で出発し、道路の下を通り、最後は台所のガス栓にたどり着く。人の体でいえば大動脈から毛細血管へ枝分かれしていく流れだ。この長い道のりを、どこを通っているかで3つに区切ったものが導管の種類である。
道路に平行して敷設され、ガスの使用場所に引き込むための導管を除いたものが本支管。口径が大きいものを本管、小さいものを支管と呼ぶ。そこから分岐し、使用者が占有・所有する土地と道路との境界線、すなわち官民境界に至るまでが供給管だ。官民境界からガス栓の入側までが内管である。
区切りの目印が官民境界である点を押さえておきたい。ここを「敷地の入口」や「メーターの位置」にすり替える選択肢が、用語の入れ替え問題の定番だからだ。なお供給管と内管を合わせて供内管といい、灯外内管・灯内内管という名称も用いられる。
もう一つの区分軸が最高使用圧力である。圧力が高いほど管が内側から押される力は強くなるから、耐えられる材料は限られてくる。高圧・中圧A/B・低圧の区分ごとに、使用できる材料が次のように決まっている。
■ 最高使用圧力による区分と使用材料
本支管・供給管・内管の区分(官民境界)| 圧力区分 | 圧力範囲 | 使用可能材料 |
|---|---|---|
| 高圧 | 1MPa以上 | 鋼管のみ |
| 中圧A | 0.3MPa以上〜1MPa未満 | 鋼管・鋳鉄管 |
| 中圧B | 0.1MPa以上〜0.3MPa未満 | 鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管 |
| 低圧 | 0.1MPa未満 | 鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管・フレキ管 |
表は丸暗記するより、下へ行くほど使える材料が増えていく形として捉えたい。高圧では鋼管のみ使用可能で、圧力が下がるにつれて鋳鉄管、ポリエチレン管、フレキ管と選択肢が加わる。出題者が狙うのは、その境目だ。ポリエチレン管は中圧B以下までで中圧Aは不可、フレキ管(ステンレス鋼フレキシブル管)は低圧のみ——この2つの線引きを一段ずらした選択肢が繰り返し出る。
⚡ 焦点ポイント
「高圧=鋼管のみ」「ポリエチレン管=中圧B以下」「フレキ管=低圧のみ」の組み合わせが頻出。圧力区分の境界値(0.1MPa・0.3MPa・1MPa)も正確に覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ポリエチレン管は中圧B(0.1〜0.3MPa未満)まで使用可能だが、中圧A(0.3MPa以上)には使用できない。フレキ管は低圧内管(供内管)のみ。
2. 導管材料の特性と製造法比較(鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管・フレキ管)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
4種の導管材料(鋼管・ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管・フレキ管)の材料特性(引張強さ・破断伸び・縦弾性係数・融点)と製造法を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
せんべいは硬いが、力をかければ割れる。餅は柔らかいが、引っ張るとどこまでも伸びる。硬さと伸びやすさは別の性質だ——導管材料の比較で最初につまずくのがここである。鋼管・ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管・フレキ管の4種を、引張強さ・破断伸び・縦弾性係数・融点という4つのものさしで並べ替えてみる。
引張強さは鋳鉄管>鋼管>ポリエチレン管の順になる。「鋼管が一番強いはずだ」と思ったなら、それが正常な反応だ。ところが破断伸び(伸びやすさ)はポリエチレン管>鋼管>鋳鉄管と、順序がほぼ裏返る。鋳鉄管は強いが伸びない、つまりせんべい側の材料なのである。
残る2つのものさしは順序が一致する。縦弾性係数(ヤング率。同じ力に対してどれだけ変形しにくいか)は鋼管>鋳鉄管>ポリエチレン管、融点も鋼管>鋳鉄管>ポリエチレン管。金属2種が上位で樹脂が最下位という素直な並びだ。引張強さの1位だけが例外——そう覚えると混乱しない。
順位が頭に入ったら、次はそれぞれの材料が現場でどう使い分けられているかを見ていく。
■ 各材料の特徴
| 材料 | 特性 | 主用途 |
|---|---|---|
| ①鋼管(SGP:配管用炭素鋼鋼管) | 加工容易・強靭・品質均一 | 低圧〜高圧まで幅広く使用(高圧では鋼管のみ使用可) |
| ②ポリエチレン管 | 電気絶縁性→耐腐食性、引張伸びが大きく柔軟性・可とう性に優れる。軽量(鋼管・鋳鉄管比)、小口径はスクイズオフで遮断可 | 低圧埋設管の主流材料 |
| ③鋳鉄管 | 球状黒鉛鋳鉄品(ダクタイル鋳鉄):Mg添加で黒鉛を球状化→高強度・高伸び 黒心可鍛鋳鉄品(マリアブル鋳鉄):小口径管継手に使用 | 中・低圧に使用 |
| ④フレキ管(ステンレス鋼フレキシブル管) | 材質:SUS304(ステンレス鋼)。耐食・耐久性・可とう性に優れ、耐震性が高い。波付け後、塩化ビニール等の樹脂で被覆 | 低圧内管(供内管)のみに使用 |
製造法も材料の性格をそのまま映している。金属は継ぎ目をつくって丸めるか、はじめから継ぎ目なしに引き抜くか。樹脂は溶かして押し出すか、型に流し込むか。フレキ管だけは成形後に波付けという工程が入り、あの蛇腹の形が生まれる。
| 材料 | 製造法 |
|---|---|
| 鋼管 | 鍛接法・電気抵抗溶接法・継目無法・UOE法 |
| ポリエチレン管 | 押出成形法・射出成形法(継手) |
| 鋳鉄管 | 遠心力金型鋳造法・砂型鋳造法・シェルモード法 |
| フレキ管 | ステンレス鋼を円筒形に成形→波付け→樹脂被覆 |
⚡ 焦点ポイント
「引張強さ=鋳鉄管が最大」「破断伸び=ポリエチレン管が最大」「縦弾性係数=鋼管が最大」の3つの順位は頻出。フレキ管の材質(SUS304)も問われる。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「引張強さが最大=鋳鉄管」は直感に反する。鋼管より鋳鉄管の方が引張強さが大きい。しかし伸びは鋳鉄管が最小(もろい)。引張強さと伸びは別の概念。
- 「引張強さ=鋳鉄管が最大」「破断伸び=ポリエチレン管が最大」「縦弾性係数=鋼管が最大」の3つの順位は頻出
- フレキ管の材質(SUS304)も問われる
3. 導管の接合方法(融着・溶接・機械的接合・フランジ・ねじ接合)と圧力別適用
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
導管接合の5種類(溶接・融着・機械的接合・フランジ接合・ねじ接合)の特徴と、圧力区分・材料別の使用可否を整理する。融着(HF・EF)は特に重要。
📖 解説(乙種ベース)
管をつなぐ方法を間違えれば、そこがガス漏れの入口になる。だから接合法は圧力区分と材料でほぼ決められている。導管の接合は溶接・融着・機械的接合・フランジ接合・ねじ接合の5種類。まずは熱で溶かしてつなぐ2つ——溶接接合と融着接合——から見ていく。
溶接接合は鋼管の主要接合法である。V型開先加工をして裏波溶接する突合せ溶接と、隅肉溶接がある。継手効率が高く母材と同等の強度が出るため、低圧から高圧まで使用できる。鋼管が全圧力区分で使えるのは、この接合法が支えているからだ。
一方、融着接合はポリエチレン管専用となる。樹脂を熱で溶かして一体化させる方法なので、金属には使えない。方式は熱源をどこに置くかで2つに分かれる。
HF(ヒートフュージョン)接合は、外から210〜260℃のヒーターを当てて溶融させ、加圧圧着する。種類はバット融着・ソケット融着・サドル融着の3種類。うまく融着できたかは、はみ出したビード(盛り上がり)を目視で確認する。
EF(エレクトロフュージョン)接合は、継手内面の電熱線(ワイヤー)に通電して溶融させる——熱源が仕込まれた電気毛布を巻いてからスイッチを入れるようなものだ。熱源が継手の内側にあるため、管どうしを直接突き合わせるバット方式は成立しない。種類はソケット融着・サドル融着の2種類(バットなし)となる。
確認方法も、この構造の違いから決まる。溶けている場所が継手の内側なのでビードは見えない。代わりにインジケーターの出方で判定する(目視不可)。「EFをビードで目視確認」と書かれた選択肢は、ここを知っていれば即座に切れる。なお方式を問わず、融着直前に融着面をスクレーパーで切削し、エタノール等で清掃する。
残る3つは、溶かさずにつなぐ方法である。機械的接合はゴムパッキン・Oリング等で気密性を確保する。可とう性があって伸縮性に富むため地盤の動きに追随でき、中圧まで使用可能だ。主として小口径の鋼管・鋳鉄管の接合に使われる。
フランジ接合は、ガスケット(合成ゴム)をはさんでボルト・ナットで締め付ける。組立て・取外しが容易なので、バルブ・ガバナ回り配管や屋内配管に多用される。ただしボルトで押さえているだけなので、大きい曲げモーメントがかかる場所では注意が必要になる。
ねじ接合は鋼管に用い、小口径低圧管の露出管・内管用配管が守備範囲だ。ここで一つ手当てが要る。接合終了後は防食テープ等で被覆する。目的は締付けの補強ではなく防食である——この目的をすり替えた選択肢に注意したい。
圧力区分ごとに使える接合法をまとめると、次のようになる。
■ 圧力別接合方法(鋼管)
ポリエチレン管の融着2方式(HF接合とEF接合)| 圧力区分 | 鋼管接合法 |
|---|---|
| 高圧・中圧A | 溶接・フランジ・機械的接合 |
| 中圧B | 溶接・フランジ・機械的接合・ガス型接合 |
| 低圧 | 溶接・フランジ・機械的接合・ねじ・ガス型・ユニオン接合 |
🟦 甲種プラスα
甲種では「導管の接合方法(融着・溶接・機械的接合・フランジ・ねじ接合)と圧力別適用」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「融着=ポリエチレン管専用」「HF接合のバット・ソケット・サドル3種」「EF接合はバットなし2種」「EFはインジケーターで確認」が頻出。ねじ接合後の「防食テープ被覆」も重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 EF接合の確認はインジケーターで行う(目視不可)。HF接合はビードが目視で確認できる。この逆を選ぶ選択肢が引っ掛けとして出る。融着面は「エタノール」で清掃(アセトンという誤りに注意)。
- 「バット」「ソケット」「サドル」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
4. 遮断装置(バルブの種類と特徴:ボール・プラグ・バタフライ・玉形・ゲート弁)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
導管に設ける遮断装置(バルブ)の5種類の構造・特徴・用途を整理する。各バルブの圧力損失・流量制御性・長所短所を比較できるようにする。
📖 解説(乙種ベース)
台所の混合水栓を思い出してほしい。レバーを倒すだけで一気に水が出るものと、ハンドルを何回も回してじわじわ調整するものがある。バルブも同じで、素早く止められるものと細かく流量を絞れるものは別物だ。導管に設ける遮断装置は5種類あり、構造・圧力損失・流量制御性・長所短所で使い分ける。
ボールバルブは、穴あきボールを90°回転させて開閉する。流路面積を管内径と同一にできるため、圧力損失が非常に小さい。この同一にしたタイプがフルボア(ボア径≒配管内径で圧力損失最小)で、これに対してボア径<配管内径としたものがレデュースボアだ。コンパクトになる代わりに圧力損失は大きくなる。用途は広く一般使用である。
プラグバルブは、円錐形弁せんを90°回転させて開閉する。弁せんが座面に密着する構造のため、ダスト等の不純物による遮断効果の低下が生じにくい。主として中圧管に使用され、定期的なグリス注入が必要になる。
バタフライ弁(蝶型弁)は、円板状の閉止弁を回転させて開閉する。板を少しずつ傾けていく構造なので、バルブ開度と流量が比例し、流量コントロールが容易になる。構造が簡単で安価という長所がある一方、長時間閉止状態にしておくと密着して開かないことがある。主として熱量変更時の低圧管の地区分割用だ。
玉形弁(グローブ弁)は、弁棒を回すと円筒状の閉止弁が上下し、弁座との隙間で流量を制御する。締め切り性能が良く流量調整が容易——ハンドル式の蛇口そのものである。ただし流路が内部で曲げられるぶん、圧力損失が大きいのが欠点だ。主として整圧器回りの小口径配管に使用される。
ゲートバルブ(スルースバルブ)は、くさび形の弁体が直線的に昇降して開閉する。全開にすれば弁体が流路から抜けるので、全開時の圧力損失が小さい。半端な開度で使う設計ではないため流量調整には不向きで、ダスト等が弁座にたまりやすく遮断能力が低下することがある。
■ 比較まとめ
バルブ4種類の断面アイコン| バルブ | 圧力損失 | 流量制御 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ボールバルブ | 最小 | △ | 汎用・高圧対応 |
| バタフライ | 中 | ○ | 安価・流量比例 |
| 玉形弁 | 大 | ◎ | 整圧器周り |
| ゲートバルブ | 小(全開時) | × | 大口径 |
⚡ 焦点ポイント
「ボールバルブ=圧力損失小」「玉形弁=圧力損失大・流量調整容易」「バタフライ=流量比例・安価・長期閉止で固着」の3点が頻出。ゲートバルブはダストが弁座にたまりやすいことも重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 バタフライ弁は「構造が簡単で安価」だが「複雑で高価」という誤りの選択肢が出る。玉形弁は「流量調整◎」だが「圧力損失が最大」。速やかな完全遮断には不向き。
- 「流量比例」「安価」「長期閉止」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
5. 本支管の設計手順と供内管の設計(手順・建物区分・配管口径・防食)
💡 図の見方:建物区分は番号が小さいほど保安上の優先度が高く、ガスが溜まって逃げ場のない地下や高層ほど上位に来る、という並びを縦一列で確かめる図。右側の帯は、上位区分ほど安全設備が厚くなる対応を表している。区分4の特定大規模建物と区分6の特定中規模建物の境界値を取り違えさせる出題が定番。
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
本支管の設計は10ステップ(供給圧力決定→口径決定→路線→現場調査→…→河川軌道横断)。供内管設計は建物区分11種に応じた安全設備選定と配管口径・防食計画が核心。
📖 解説(乙種ベース)
家を建てるとき、いきなり基礎を打つ人はいない。どこに建てるか、地盤はどうか、周りに何が埋まっているか——順番に決めていく。本支管の設計も同じで、10ステップの手順が定まっている。順序そのものが出題対象になるので、流れとして頭に入れたい。
まず①供給圧力の決定、②口径決定、③路線決定と、机上で骨格を決める。次に④現場調査、⑤他埋設物調査で現地の事情を確かめ、それを踏まえて⑥工法の選定、⑦埋設位置及び埋設深さ、⑧導管材料の選定へ進む。最後に⑨遮断装置の設定、⑩水取り器の設置を決め、必要に応じて河川・軌道横断の検討が加わる。
工法の選定では、開削工法に加えて非開削工法の適用を検討する。道路を掘り返さずに済めば、経済性でも周辺環境への影響でも有利になるからだ。軌道横断はさらに厄介で、迷走電流の影響が大きいため電気防食設計が必要になる。軌道横断=迷走電流=電気防食設計、と3点を鎖でつないでおきたい。
いっぽう供内管の設計は、使う側から逆算していく。供給圧力決定→燃焼機器ガス消費量→ガス栓・接続具選定→メーター選定と進み、続いて配管経路・位置→ガス遮断装置の設置→配管口径の決定→配管材料と接合法→防食→配管支持→安全設備の順で決めていく。
この供内管設計の核心は、建物区分11種に応じた安全設備の選定と、配管口径・防食計画にある。順に見ていこう。
建物区分は、構造・用途・メーター換算べ号数によって11区分に分けられ、保安上の優先順位が設定されている。番号が小さいほど優先度が高い——ここが読み取りの起点だ。ガスが溜まって逃げ場のない場所ほど上位に来ると考えれば、並びに理屈がつく。
優先1位は区分1の特定地下街、2位が区分2の特定地下室。ここまでは地下である。3位が区分3の超高層建物(60m超)、4位が区分4の特定大規模建物(180m³/h以上)、5位が区分5の高層建物(31m超)と続く。区分6〜11は特定中規模・公共・工業用・一般業務・一般集合・一般住宅である。
この区分が効いてくるのが安全設備の選定である。ヒューズガス栓の設置は全区分に共通するが、区分1〜5および一部の区分では、都市ガス警報器・引込管ガス遮断装置・緊急ガス遮断装置の設置が必要になる。優先順位が高い建物ほど装備が厚くなるという、素直な対応だ。
配管口径の決め方は考え方が違う。設計流量が流れた時にガス栓出口で必要な圧力が確保できること——これが唯一の判断基準になる。設計流量は下流側の燃焼機器ガス消費量から決めるが、全機器が同時に使われるわけではない。そこで戸建・集合住宅各住戸では住戸用同時使用率を、集合住宅共用配管部では集合住宅用同時使用率を参考にする。
本支管の設計手順10ステップ(机上→現地→仕様決定)
供内管の建物区分:番号が小さいほど優先度が高く装備が厚い⚡ 焦点ポイント
本支管の設計手順10ステップの順序と、供内管の建物区分(11区分)・安全設備の選定が出題される。「軌道横断→迷走電流→電気防食設計」の流れも重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 建物区分の優先順位は数字が小さいほど優先度が高い(区分1=特定地下街が最高)。区分4の特定大規模建物(180m³/h以上)と区分6の特定中規模建物(30m³/h以上)の境界値を混同しないこと。
- 本支管の設計手順10ステップの順序と、供内管の建物区分(11区分)・安全設備の選定が出題される
- 「軌道横断→迷走電流→電気防食設計」の流れも重要
6-1. 内圧による応力(円周方向応力・軸方向応力)の算定と計算
💡 図の見方:本支管の設計10ステップを番号順に並べたフロー図。順序そのものが出題対象なので、机上で骨格を決める①〜③、現地を確かめる④〜⑤、それを踏まえて仕様を決める⑥以降、という3つのかたまりで流れを追う。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
ガス内圧により導管に生じる円周方向応力(フープ応力)と軸方向応力の計算式を正確に覚える。円周方向応力は軸方向応力の2倍。
📖 解説(乙種ベース)
ウインナーを茹でると、決まって縦にぱっくり裂ける。輪切りの向きに切れることはまずない。同じことが、ガス内圧を受ける導管でも起きている。管には円周方向と軸方向の2つの応力が同時に生じ、円周方向のほうが大きいからだ。
円周方向応力(フープ応力)σ_c は、管を輪切りの向きに引きちぎろうとする力である。内径Dが大きいほど受ける力が増して強まり、管厚tが厚いほど分散して弱まる。つまり内径に比例し、管厚に反比例する。内圧により直管に生じる最大応力は、この円周方向応力になる。
軸方向応力 σ_ℓ は、管を長手方向に引き伸ばそうとする力だ。管の両端に平板を取り付けた場合を考えると、内圧による引張荷重は W = P × πD²/4 となる。これを断面積 πDt で割れば σ_ℓ = W/A = (P × πD²/4) / (πDt) = PD / (4t) [N/mm²] が出てくる。
2つの式を並べれば、違いは分母が 2t か 4t かだけだと分かる。したがって σ_c = 2σ_ℓ となり、軸方向応力は円周方向応力の1/2である。ウインナーが縦に裂けるのはこのためだ。出題者はこの「2倍」の向きを逆にしてくる——大きいのは円周方向、ここだけは取り違えない。
では、実際に何mmの管を使えばよいのか。ガス事業法には管厚を求める式が定められており、必要な厚さに腐れしろCを足し込む形になっている。長年埋まっているうちに減る分を、あらかじめ上乗せしておくという発想だ。
注意したいのは、応力の式が内径Dを使うのに対し、この管厚の式は外径Dₒを使う点だ。いまどちらの式に立っているのかを毎回確認したい。
■ 計算例
外径210mm、管厚5mmの鋼管が内圧P=0.3MPaを受ける場合の円周方向応力:
内径 D = 210 – 5×2 = 200mm
σ = PD/(2t) = 0.3 × 200 / (2×5) = 60/10 = 6 (N/mm²)
🟦 甲種プラスα
甲種最頻出の計算問題
管にかかる2方向の応力(円周方向は軸方向の2倍)⚡ 焦点ポイント
甲種最頻出の計算問題。「σ = PD/(2t)」の式を使った数値計算と、「円周方向応力=軸方向応力の2倍」の関係式が毎年のように出題される。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 管厚の計算では内径Dを使い、外径Dₒを使わないこと。内径D=外径Dₒ-2t で求める。「内圧によって生じる応力は縦弾性係数(ヤング率)と無関係」という命題も正しい。
7. 温度変化による熱応力と架管の設計(可とう性配管・伸縮継手比較)
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
温度変化により生じる熱応力の計算式(σ=EαΔT)と架管設計での熱応力吸収方法(可とう性配管・ベローズ型伸縮継手)の比較を理解する。
📖 解説(乙種ベース)
夏の線路には、レールとレールの間にすき間が空けてある。伸びる余地を残しておかないと、金属は自分の膨張で自分を壊してしまうからだ。導管も同じで、自由に膨張・収縮できない拘束された状態で温度が変化すると熱応力が生じる。埋設管なら土の摩擦力等で拘束されている場合に、地上配管(架管)なら両端が堅固に固定された場合に生じる。
大きさはどう決まるのか。パイプ長さ ℓ の一端が自由な場合、伸び量は δ = α × ΔT × ℓ となる。これをひずみに直すと ε = δ/ℓ = αΔT で、長さ ℓ が約分されて消える。あとはフックの法則で応力に換算するだけだ。
式に長さ ℓ が入っていない点に注目したい。両端固定の直管における熱応力は管の長さに無関係で、EαΔTのみによる。「長い管ほど熱応力が大きい」はもっともらしいが誤りだ。伸びる量は長さに比例しても、ひずみ(伸び÷元の長さ)は長さによらないからである。
向きも押さえておく。温度が上昇すると管は伸びようとするが、固定されて伸びられない。結果として圧縮応力が発生する。逆に温度が低下すると管は縮もうとして引き止められ、引張応力が発生する。伸びたいのに伸ばせないから圧縮、と結びつけておけば逆転の選択肢に引っかからない。
では、この熱応力を実際の配管でどう逃がすのか。架管設計における可とう性配管とベローズ型伸縮継手の比較が、次のテーマになる。
橋に添架する導管を架管という。地中と違って外気にさらされ、しかも両端は堅固に固定される。温度変化による応力が大きくなるため、熱応力吸収方法の検討が最重要になる。
逃がし方は2通りだ。配管そのものを曲げて変形の余地をつくる可とう性配管(曲り配管)と、蛇腹状の継手に伸縮を肩代わりさせるベローズ型伸縮継手である。前者はスペースを食うが管自体は鋼管のまま、後者は場所を取らない代わりに薄肉の可動部を抱える。この得失の裏返しが、そのまま次の比較表になっている。
■ 可とう性配管と伸縮継手の比較
両端固定管の熱応力(温度上昇=圧縮・温度低下=引張)| 項目 | 可とう性配管(曲り配管) | ベローズ型伸縮継手 |
|---|---|---|
| 固定点の必要性 | 配管形状により必要 | 必要 |
| 配管の強度 | 鋼管で強度的に問題なし | 薄肉で問題となることあり |
| 特別な点検 | 不要 | 可動部の点検が必要 |
| 配管スペース | 必要 | 不要(継手のみ) |
| 設定位置 | スペースさえあれば露出・埋設可 | 露出部が望ましい |
| 伸縮吸収能力 | 曲り配管スペース次第で大量吸収可 | 構造により制限 |
架管施工では橋台等の壁貫通部にスリーブを設け、弾性シール材(加硫ゴム)を充填する
🟦 甲種プラスα
「熱応力σ=EαΔT」の計算と「両端固定の熱応力は管長さに無関係」は甲種頻出
⚡ 焦点ポイント
「熱応力σ=EαΔT」の計算と「両端固定の熱応力は管長さに無関係」は甲種頻出。可とう性配管とベローズ型伸縮継手の比較表は両者の特徴を混同しないよう整理する。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「熱応力は管の長さに比例する」→誤り。EαΔTなので管の長さとは無関係。「曲り管のたわみは通常の曲り梁理論より大きい」は正しい(偏平化するため)。
- 「熱応力σ=EαΔT」の計算と「両端固定の熱応力は管長さに無関係」は甲種頻出
- 可とう性配管とベローズ型伸縮継手の比較表は両者の特徴を混同しないよう整理する
6-2. 応力とひずみ・上載荷重・車両荷重と最小管厚(外力設計)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
フックの法則(σ=Eε)・上載荷重(Wf=0.001γh)・車両荷重(埋設深さの2乗に反比例)と最小管厚の決定(内圧・外荷重のいずれか大きい方)を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
ここまでは管の内側からかかる力の話だった。埋設された導管には、外からも力がかかる。上に載る土の重みと、道路を走る車両の重みである。それらを扱う前に、応力とひずみの基礎を押さえておきたい。
応力 σ は荷重を断面積で割った値、σ = W/A である。引く向きなら引張応力(+)、押す向きなら圧縮応力(-)と符号で区別する。ひずみ ε は変形量を元の長さで割った値、ε = δ/ℓ(伸び/元の長さ)だ。力の強さと変形の度合い、この2つを結びつけるのがフックの法則である。
もう一つ、外力の設計で効いてくるのが曲げ応力 σ = (M/I)・y である。Mは曲げモーメント、Iは断面二次モーメント、yは中立軸からの距離を表す。管がたわむと、内側が圧縮・外側が引張の曲げ応力が生じる。定規をしならせたときの内と外の差を思い浮かべればよい。
この基礎の上に、土がのしかかる上載荷重(Wf = 0.001γh)と、埋設深さの2乗に反比例する車両荷重が重なってくる。次にその2つを比べていく。
重ねた布団の上に人が立つ場面を考えてほしい。布団を1枚ずつ増やせば、下にかかる重みは素直に増えていく。しかしその人が飛び跳ねたときの衝撃は、布団が厚いほどぼやけて伝わる。埋設管にかかる2種類の外力は、まさにこの関係にある。
上載荷重は埋め戻した土の重みそのものだから、埋設深さに比例して大きくなる。深く埋めるほど不利になる荷重だ。いっぽう車両荷重(輪荷重)はブジネスクの式で算定し、埋設深さの2乗に反比例する。土の層が緩衝材として働くので、深いほど影響が小さくなる。
方向が逆である点が、この節の急所である。深く埋めれば車両荷重は楽になるが土圧は増す——片方だけを問う選択肢も、もう一方の向きを覚えていれば見破れる。なお管断面への作用としては、管頂と管底でへこみ管側で膨らむ変形が生じ、曲げモーメントは管頂・管底で最大になる。
最後に管厚をどう決めるか。埋設される導管の管厚は、①内圧から求めた厚さ(内圧設計)と、②上載荷重と車両荷重の外荷重から求めた厚さ(外荷重設計)の、いずれか大きい値とする。厳しいほうに合わせるという安全側の考え方だ。ただし低圧管で車両荷重を受けるおそれのないものは、この限りでない。
上載荷重(深さに比例)と車両荷重(深さの2乗に反比例)⚡ 焦点ポイント
「上載荷重は埋設深さに比例」「車両荷重は埋設深さの2乗に反比例」の対比が頻出。最小管厚は内圧設計と外荷重設計の「いずれか大きい値」を採用する。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 車両荷重は深さの2乗に反比例するため、深く埋めるほど車両荷重の影響が小さくなる。逆に上載荷重(土圧)は深さに比例して大きくなる。両者の方向性が逆であることに注意。
9-1. 供内管のガス遮断装置(引込管ガス遮断装置・緊急ガス遮断装置・業務用)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
供内管に設置する4種のガス遮断装置(引込管・緊急・分岐バルブ・業務用)の設置対象・設置場所・操作方式・停電対策を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
家の分電盤には、家全体を落とす主幹ブレーカーと、部屋ごとの分岐ブレーカーがある。どこで何を止めるかを役割分担しているわけだ。供内管のガス遮断装置も同じ考え方で、止める範囲と止め方を変えた4種が使い分けられている。
見分ける軸は3つある。どこに付いているか(設置場所)、誰がどう操作するか(操作方式)、どんな建物に必要か(設置対象)だ。とくに引込管ガス遮断装置と緊急ガス遮断装置は、この3軸を入れ替えた選択肢が定番の出題になる。前者は建物外の引込管(埋設部)にあって地上から手動で操作するもの、後者は外壁貫通部付近にあって遠隔操作するもの——この組合せを崩さないことが要点である。
供内管のガス遮断装置
■ ガス遮断装置の種類(4種)
引込管ガス遮断装置と緊急ガス遮断装置の設置位置| 装置名 | 設置場所 | 操作方式 | 設置対象・用途 | 停電対策 |
|---|---|---|---|---|
| ①引込管ガス遮断装置 | 建物外の引込管(埋設部)に設置、地上から容易に操作できる場所 | 手動 | ・最高使用圧力が中圧以上の引込管 ・内径が70mm以上の低圧引込管 ・超高層建物・高層建物・特定大規模建物への引込管 ・地下室・地下街・その他地下でガスが充満するおそれのある場所への引込管 | − |
| ②緊急ガス遮断装置 | 建物への引込管の外壁貫通部付近に設置 | 遠隔操作(自動または人が操作) | 特定地下街・特定地下室・超高層建物・特定大規模建物・中圧供給建物 (ただし工場・廃棄物処理場・ガスが滞留しないおそれがない場所は除外) | 停電時も操作可能なように非常電源接続またはバッテリー内蔵操作器 |
| ③分岐バルブ | 配管の分岐部に設置 | − | 検査時・施工時・長期不使用時に操作しガスを遮断 | − |
| ④業務用ガス遮断装置 | 業務用厨房に設置 | 手動または都市ガス警報器からのガス漏れ信号でガスを遮断(遮断弁と操作器で構成) | − | − |
緊急ガス遮断装置には、弁を動かすための操作器が組み合わされる。一般的なのは炭酸ガス式・ばね式で、別の操作器からの作動信号を受けて自動作動する。ここで問題になるのが電気だ。ガスを止めたい場面は、停電が同時に起きている場面でもある。だから停電時も作動できるよう、非常電源またはバッテリー内蔵が必要になる。
⚡ 焦点ポイント
「引込管ガス遮断装置の設置対象(中圧以上・内径70mm以上等)」「緊急ガス遮断装置の設置場所(外壁貫通部付近)と停電対策」が頻出。2つの装置の違いを正確に区別できることが重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 引込管ガス遮断装置は『手動操作』、緊急ガス遮断装置は『遠隔操作(自動または手動)』。引込管が「低圧で内径70mm未満」なら引込管ガス遮断装置は不要。
9-2. フレキ配管工法・不等沈下対策・変位吸収措置・高層階圧力上昇防止
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
供内管設計の実務的事項:フレキ配管工法の特徴・不等沈下対策の4手法・変位吸収措置(ボールスライドジョイント等)・高層階の圧力上昇防止対策を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
フレキ管(SUS304)を使った内管の配管工法をフレキ配管工法という。曲げられる管なので狭いスペースでも配管でき、継手接続箇所が少なくて済む。可とう性・耐久性・耐食性に優れ、熟練技術がなくても施工できるため配管スピードも上がる。対象はメーター下流の、埋設でない配管だ。
ただし曲がるということは、それだけ薄いということでもある。管肉が薄いため釘打ち等で損傷しやすく、防護措置が必要になる。また圧力損失は、直管どうしで比較すると鋼管より若干大きい。「大幅に大きい」と誇張した選択肢が出るが、正しくは若干である。
埋設やコンクリート内埋込みで使う場合は、さや管に入れて土・コンクリートに直接接触させない。薄い管を土やコンクリートに触れさせないための措置で、腐食対策と物理的な保護を兼ねている。
この先は、供内管設計の実務的事項として不等沈下対策の4手法、変位吸収措置(ボールスライドジョイント等)、高層階の圧力上昇防止対策を見ていく。
桟橋と船をつなぐ渡し板は、必ず片側が動くようになっている。両端をがっちり固定したら、潮の満ち引きで折れてしまうからだ。軟弱地盤や超重量建物に引き込む供内管も事情は同じで、建物周囲の地盤沈下を考慮した設計が必要になる。
対策例は4つある。①溶接接合した鋼管またはポリエチレン管で可とう性を利用する、②ねじ・機械的・溶接接合で曲管を組合せる、③伸縮継手を用いる、④その他。いずれも「動く余地を残す」という一点で共通している。
地震時の相対変位にも、同じ発想で備える。建物のエキスパンションジョイント部を通る配管は、揺れたときに両側が別々に動くため、変位を吸収する措置が必要だ。具体的には、外壁貫通部で使うボールスライドジョイント(両端ユニバーサル部+中央スライド部)、可とう管継手、そして配管を曲げることでたわみ性を持たせ変位を吸収するループ配管の3つがある。
ここで設置場所に条件が付く。ボールスライドジョイントも可とう管継手も、露出部に設置する。可動部を持つ以上、目の届かない場所に納めるわけにいかないからだ。免震層通過配管にはボールスライドジョイントまたは可とう管継手を使用し、戸建免震住宅ではフレキ管で基礎側・建物側の変位を吸収する。
最後に高さの問題がある。建物内の高さ差によりガス栓での圧力が供給約款で定める最高値を超える場合には、圧力上昇防止対策を講じる。
⚡ 焦点ポイント
「フレキ管の圧力損失は鋼管より若干大きい」「不等沈下対策の4手法」「ボールスライドジョイントは露出部に設置」が頻出。埋設フレキはさや管に入れることも重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ボールスライドジョイントは『露出部に設置しなければならない』(地中埋設はできない)。フレキ管の圧力損失は「鋼管より大きい」が「大幅に大きい」わけではなく「若干大きい」。
🔢 供給の重要数値・設備の整理
主要導管材料:
– 鋼管(SGP等): 高圧・中圧、強度高、腐食対策必須
– ポリエチレン管(PE管): 低圧、耐腐食性◎、融着接合
– 鋳鉄管: ねずみ鋳鉄の経年管は更新対象(ダクタイル鋳鉄管は中・低圧で現用)
– フレキ管: 屋内配管、不等沈下対策
圧力区分別の材料選択:
– 高圧: 鋼管(溶接接合)
– 中圧: 鋼管(溶接) or PE管(融着)
– 低圧: PE管(融着)が主流
薄肉円筒の応力(覚え方):
– 円周応力 σθ = PD/2t
– 軸応力 σz = PD/4t
– σθ : σz = 2 : 1(円周応力の方が大きい)
遮断装置の主要種類:
– ボール弁: 90度回転、開閉迅速
– プラグ弁: 円錐型プラグ
– バタフライ弁: 大口径低圧用
– ゲート弁: 全開時の圧力損失小
– 玉形弁: 流量調整用
供給科目では、設備名・型式・運転条件の数値・配管材料の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名・工法を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
地震時の相対変位を吸収する措置(ボールスライドジョイントとループ配管)💡 図の見方:地震時に両側が別々に動く継ぎ目をまたぐ配管の図。ボールスライドジョイントが「両端ユニバーサル部+中央スライド部」で変位を吸収すること、可動部を持つため露出部に設置すること(地中埋設はできない)を確かめる。
- 節1 導管の種類と最高使用圧力による区分(本支管・供給管・内管・圧力区分別材料): 導管は敷設位置(本支管・供給管・内管)と最高使用圧力(高圧・中圧A/B・低圧)で区分され、圧力区分ごとに使用できる材料が異なる。
- 節2 導管材料の特性と製造法比較(鋼管・ポリエチレン管・鋳鉄管・フレキ管): 4種の導管材料(鋼管・ポリエチレン管・ダクタイル鋳鉄管・フレキ管)の材料特性(引張強さ・破断伸び・縦弾性係数・融点)と製造法を整理する。
- 節3 導管の接合方法(融着・溶接・機械的接合・フランジ・ねじ接合)と圧力別適用: 導管接合の5種類(溶接・融着・機械的接合・フランジ接合・ねじ接合)の特徴と、圧力区分・材料別の使用可否を整理する。融着(HF・EF)は特に重要。
- 節4 遮断装置(バルブの種類と特徴:ボール・プラグ・バタフライ・玉形・ゲート弁): 導管に設ける遮断装置(バルブ)の5種類の構造・特徴・用途を整理する。各バルブの圧力損失・流量制御性・長所短所を比較できるようにする。
- 節5 本支管の設計手順と供内管の設計(手順・建物区分・配管口径・防食): 本支管の設計は10ステップ(供給圧力決定→口径決定→路線→現場調査→…→河川軌道横断)。供内管設計は建物区分11種に応じた安全設備選定と配管口径・防食計画が核心。
- 節6-1 内圧による応力(円周方向応力・軸方向応力)の算定と計算: ガス内圧により導管に生じる円周方向応力(フープ応力)と軸方向応力の計算式を正確に覚える。円周方向応力は軸方向応力の2倍。
- 節7 温度変化による熱応力と架管の設計(可とう性配管・伸縮継手比較): 温度変化により生じる熱応力の計算式(σ=EαΔT)と架管設計での熱応力吸収方法(可とう性配管・ベローズ型伸縮継手)の比較を理解する。
- 節6-2 応力とひずみ・上載荷重・車両荷重と最小管厚(外力設計): フックの法則(σ=Eε)・上載荷重(Wf=0.001γh)・車両荷重(埋設深さの2乗に反比例)と最小管厚の決定(内圧・外荷重のいずれか大きい方)を整理する。
- 節9-1 供内管のガス遮断装置(引込管ガス遮断装置・緊急ガス遮断装置・業務用): 供内管に設置する4種のガス遮断装置(引込管・緊急・分岐バルブ・業務用)の設置対象・設置場所・操作方式・停電対策を整理する。
- 節9-2 フレキ配管工法・不等沈下対策・変位吸収措置・高層階圧力上昇防止: 供内管設計の実務的事項:フレキ配管工法の特徴・不等沈下対策の4手法・変位吸収措置(ボールスライドジョイント等)・高層階の圧力上昇防止対策を整理する。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 「高圧=鋼管のみ」「ポリエチレン管=中圧B以下」「フレキ管=低圧のみ」の組み合わせが頻出。圧力区分の境界値(0.1MPa・0.3MPa・1MPa)も正確に覚える。
- 節2: 「引張強さ=鋳鉄管が最大」「破断伸び=ポリエチレン管が最大」「縦弾性係数=鋼管が最大」の3つの順位は頻出。フレキ管の材質(SUS304)も問われる。
- 節3: 「融着=ポリエチレン管専用」「HF接合のバット・ソケット・サドル3種」「EF接合はバットなし2種」「EFはインジケーターで確認」が頻出。ねじ接合後の「防食テープ被覆」も重要。
- 節4: 「ボールバルブ=圧力損失小」「玉形弁=圧力損失大・流量調整容易」「バタフライ=流量比例・安価・長期閉止で固着」の3点が頻出。ゲートバルブはダストが弁座にたまりやすいことも重要。
- 節5: 本支管の設計手順10ステップの順序と、供内管の建物区分(11区分)・安全設備の選定が出題される。「軌道横断→迷走電流→電気防食設計」の流れも重要。
- 節6-1: 甲種最頻出の計算問題。「σ = PD/(2t)」の式を使った数値計算と、「円周方向応力=軸方向応力の2倍」の関係式が毎年のように出題される。
- 節7: 「熱応力σ=EαΔT」の計算と「両端固定の熱応力は管長さに無関係」は甲種頻出。可とう性配管とベローズ型伸縮継手の比較表は両者の特徴を混同しないよう整理する。
- 節6-2: 「上載荷重は埋設深さに比例」「車両荷重は埋設深さの2乗に反比例」の対比が頻出。最小管厚は内圧設計と外荷重設計の「いずれか大きい値」を採用する。
- 節9-1: 「引込管ガス遮断装置の設置対象(中圧以上・内径70mm以上等)」「緊急ガス遮断装置の設置場所(外壁貫通部付近)と停電対策」が頻出。2つの装置の違いを正確に区別できることが重要。
- 節9-2: 「フレキ管の圧力損失は鋼管より若干大きい」「不等沈下対策の4手法」「ボールスライドジョイントは露出部に設置」が頻出。埋設フレキはさや管に入れることも重要。
📝 一問一答(過去問ランダム)
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