
ガスメーターの種類、方式別の特徴(膜式・回転子式・タービン式・渦流式・サーマルフロー式・オリフィス式・超音波式)、故障の種類、検定制度、マイコンメーターの機能までを扱います。
乙種・甲種兼用 / 全7節 / 学習目安: 30〜60分
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📍 はじめに
ガス使用量の計測は、料金徴収だけでなく安全管理の起点でもあります。マイコンメーターは異常時に自動遮断する保安装置の役割も担っています。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全7節)
1. ガスメーターの種類(実測式・推量式の分類体系)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガスメーターは実測式(体積を直接計測)と推量式(流速等から推算)に大別される。各方式の代表例と計測原理の違いを整理する。
📖 解説(乙種ベース)
ガスの量をどうやって数えるか。やり方は大きく2つしかない。升で直接量るか、流れの速さから見積もるかだ。①実測式(体積式)はガスを一定容積の計測室に入れ直接体積を計測し、②推量式(流速式)は流速・差圧・温度等からガス流量を推算する。どの方式がどちらに属するかの入れ替えが、この節の定番の出題である。
実測式(体積式)は2種類だ。(1)膜式(Diaphragm Type)は家庭用・小口需要の標準メーターで、ゴム膜(ダイヤフラム)が往復運動して計量室に充填・排出する。計測原理は計量室体積 × 往復回数 = 体積であり、最大流量はQmax 0.5〜16 m³/h(家庭用)。(2)回転子式(Rotary Type / ルーツ型)は中・大口需要向けで、まゆ型(ひょうたん形)の2枚の回転子が回転して体積を計測する。圧力損失が小さい・計量精度が高いのが持ち味で、最大流量はQmax 50〜2,000 m³/h である。
推量式(流速式)は5種類ある。(3)タービン式(Turbine Type)は翼車(タービン翼)がガス流速で回転し、その回転数から流量を計算する。大流量・高圧向けで、流れを整えるための直管部が必要(上流:5D以上、下流:2D以上が目安)となる。(4)渦流式(Vortex Type)はブラフボディ(障害物)によるカルマン渦の発生周波数から流量を計測する。流量に比例した周波数なので電気信号で計測しやすい。
残る3方式は、測る対象がさらに変わる。(5)サーマルフロー式(Thermal Flow Type)は熱線の冷却効果から質量流量を計測し、中圧・中流量の計測(大口需要家用)に適する。(6)オリフィス式(Orifice Type)はオリフィス板前後の差圧から流量を計算し(ベルヌーイの定理)、大口需要・計量法対象外の計測に使用される。(7)超音波式(Ultrasonic Type)は超音波パルスの伝播時間差から流速・流量を計測し、可動部なし・メンテナンスが容易である。
ガスメーターの分類マップ⚡ 焦点ポイント
「膜式=家庭用」「回転子式=中大口需要」「タービン式・渦流式=大口径推量式」の組み合わせで出題される。分類体系を整理しておく。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 実測式は体積を直接計測するため精度が高い。推量式は流速等から推算するため直管部・設置条件が重要。両者の計測原理を混同しないこと。
- 「膜式=家庭用」「回転子式=中大口需要」「タービン式・渦流式=大口径推量式」の組み合わせで出題される
- 分類体系を整理しておく
2-1. 膜式・回転子式ガスメーターの構造と特徴
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
膜式(ダイヤフラム式)の計量原理と回転子式(ルーツ型)の構造を理解する。両者の適用流量範囲・精度・圧力損失の違いを整理する。
📖 解説(乙種ベース)
実測式の2方式は、どちらも「決まった体積を何回送り出したか」を数えている。違うのは数える仕掛けの形だけだ。膜式ガスメーター(Diaphragm Gas Meter)は膜の往復で、回転子式ガスメーターは回転ドアのような噛み合い回転で数える。
まず膜式の構造から。計量部は2〜4室の計量室(容積一定)で、ダイヤフラム(ゴム膜)が往復してガスを計量室に充填・排出する。各計量室へのガスの入出を切り替えるのが分配弁(スライドバルブ)、往復運動を歯車で回転運動に変換して指針・液晶表示につなぐのが計数装置である。
動く順に追うと4段階になる。1. ガスが入口→分配弁→計量室Aに流入(充填)、2. 計量室Bからガスが押し出され出口へ、3. ダイヤフラムが規定量動いたら分配弁が切り替わる、4. 往復1回ごとに決まった体積(計量室容積)が積算される。1往復=決まった体積、というこの単純さが精度を支えている。
結果として、長所は精度が高い・低流量でも計量可能・構造単純・安価となる。短所は大口径では寸法・重量が大きくなること、そして振動・衝撃に弱いこと。用途は家庭用(0.5〜16 m³/h)・小口業務用である。
回転子式(Rotary Gas Meter / ルーツ型)に移ろう。計量部はまゆ型回転子(ひょうたん形)2枚が互いに噛み合って回転する構造で、回転子の回転数 × 1回転あたりの排出体積 = 積算流量となり、歯車・計数装置で積算表示する。
動作は3段階だ。1. 入口側のガス圧力で回転子が回転、2. 回転子とケーシング間に一定体積のガスが閉じ込められる、3. 出口側へ排出し、この排出量を積算する。回転ドアが人を一定人数ずつ通すように、閉じ込めた分だけを確実に数える。
長所は流量レンジが広い(ターンダウン比大)こと、圧力損失小・大流量対応であること。ただし精密機械で高価であり、異物に弱いため上流フィルター必須で、振動発生ありという短所も抱える。用途は中大口業務用・工業用(50〜2,000 m³/h)である。
実測式メーター2種の計量原理(膜式・回転子式)⚡ 焦点ポイント
「膜式の計量原理=ダイヤフラム往復+分配弁」「回転子式=ルーツ型・まゆ型回転子」の組み合わせは頻出。適用流量範囲(膜式〜16 m³/h、回転子式50 m³/h以上)も重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 膜式は『体積を直接計る』ので精度が高い。回転子式も体積式だが可動部が多く異物に弱い。「推量式と違い可動部がある」という点で誤答させる選択肢に注意。
2-2. タービン式・渦流式・サーマルフロー式・オリフィス式・超音波式の原理と特徴
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
推量式5種(タービン・渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波)の計測原理と適用条件を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
推量式は体積を直接数えない。では何を数えているのか。回転数・周波数・放熱量・差圧・時間差——方式ごとに「流量の代役」を1つ決めて測っている。ここを1対1で結べれば、5方式は一気に整理できる。
タービン式(Turbine Type)が測るのは回転数だ。ガス流速で回転する翼車の回転数から流量を積算する。大流量対応・高精度で、圧力損失やや大。流れが乱れていると翼車が正しく回らないため、上流直管部が必要(上流5D・下流2D以上)であり、脈動に弱い。用途は大口業務用・高圧ラインである。
渦流式(Vortex Type)が測るのは周波数である。ブラフボディ(障害物柱体)周りに発生するカルマン渦の周波数を計測する。旗が風にはためくリズムが風速で変わるように、渦の生まれる間隔が流速を教えてくれる。
特徴は可動部なし・メンテナンス容易・幅広い流量範囲。ただし低流量(レイノルズ数が低い)では渦がきれいに並ばず精度低下する点に注意したい。用途は中大口需要で、蒸気計測にも使用される。
サーマルフロー式(Thermal Flow Type)が測るのは放熱量だ。熱線(抵抗体)の放熱量がガス流速に比例する現象を利用し、定温度方式(加熱電力から流速計算)と温度差方式(上下流の温度差から流速計算)がある。質量流量を直接計測可能で、専用フィルターが必要。熱の逃げ方はガスの中身でも変わるため、ガス組成変化の影響を受ける。用途は中圧・中流量の大口需要家用である。
オリフィス式(Orifice Type)が測るのは差圧である。オリフィス板前後の差圧ΔPから流量を計算する(ベルヌーイの定理応用)。
シンプル・大口径対応だが圧力損失大。オリフィス板の摩耗・汚れで精度低下するため点検を要し、直管部必要である。用途は大口高圧計測・計量法対象外の場合。
超音波式(Ultrasonic Type)が測るのは時間差だ。上下流方向に超音波パルスを送受信し伝播時間差から流速を計測する(流速 V = (L/2cosθ) × (1/t1 − 1/t2))。流れに乗れば速く、逆らえば遅く届く——その差が流速になる。可動部なし・高精度で圧力損失ゼロに近い、双方向計測可能という利点を持つ一方、気泡・脈動の影響あり、高価である。用途は大口径・大口需要・スマートメーター。
🟦 甲種プラスα
甲種では「渦流式の計測原理(カルマン渦)」「オリフィス式の計算式」「超音波式の伝播時間差」が論述問題で狙われる
推量式メーターの計測原理3小図(カルマン渦・差圧・超音波時間差)⚡ 焦点ポイント
甲種では「渦流式の計測原理(カルマン渦)」「オリフィス式の計算式」「超音波式の伝播時間差」が論述問題で狙われる。各方式の長所・短所も整理しておくこと。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 渦流式はカルマン渦の『周波数』から流量を計算(振幅ではない)。オリフィス式は差圧の『平方根』に比例(Q∝√ΔP)で線形ではない。この非線形性が引っ掛けポイント。
2-3. ガスメーターの特徴比較(直管・フィルター・用途・流量範囲)
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
7種のガスメーター(膜式・回転子式・タービン・渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波)を比較表形式で整理する。
📖 解説(乙種ベース)
方式ごとの原理を押さえたら、最後は横並びで比べておきたい。同じ棚に並んだ7つの道具のうちどれをどこで使うかは、分類・可動部・流量範囲・精度・圧力損失・直管部・フィルター・主用途という見出しで決まる。試験ではこの表の1マスだけを入れ替えて出題されるので、列ごとに「例外はどれか」を意識しながら読むとよい。
必要な直管部と上流フィルターの位置(タービン・渦流・オリフィス・超音波)| メーター種 | 分類 | 可動部 | 流量範囲 | 精度 | 圧力損失 | 直管部 | フィルター | 主用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 膜式 | 実測 | あり(ダイヤフラム) | 〜16 m³/h | 高 | 小〜中 | 不要 | 不要 | 家庭用 |
| 回転子式 | 実測 | あり(回転子) | 25〜5000 m³/h | 高 | 小 | 不要 | 必要(上流) | 中大口業務 |
| タービン式 | 推量 | あり(翼車) | 100〜 m³/h | 高 | 中 | 必要(5D以上) | 必要 | 大口業務 |
| 渦流式 | 推量 | なし(ブラフボディ) | 中〜大 | 中〜高 | 中 | 必要 | 必要(専用) | 中大口 |
| サーマルフロー | 推量 | なし(熱線) | 中 | 中 | 極小 | 不要 | 必要(専用) | 中圧・大口 |
| オリフィス式 | 推量 | なし(板) | 大口径 | 中 | 大 | 必要 | 必要 | 大口高圧 |
| 超音波式 | 推量 | なし | 大口径 | 高 | 極小 | 必要 | 不要 | 大口スマート |
表の中でも設置に直結する3項目は、覚え方を分けておくと速い。まず可動部の有無である。ありは膜式・回転子式・タービン式、なしは渦流式・サーマルフロー式・オリフィス式・超音波式。動く部品を持つのは実測式2種にタービン式が加わるだけ、と押さえればよい。
次に直管部。流速から流量を推し量る方式は、流れが乱れていれば答えを誤る。だから上流に助走区間を要求する。
| 方式 | 必要な直管部 |
|---|---|
| タービン式 | 上流5D以上・下流2D以上 |
| 渦流式 | 上流15D以上・下流5D以上(より厳しい場合も) |
| オリフィス式 | 上流20D以上が一般的 |
| 超音波式 | 上流10D以上程度 |
3つめが上流フィルターである。必要なのは回転子式(精密回転子の保護)・タービン式(翼車の保護)・オリフィス式(オリフィス板保護)。守りたい部品がはっきりしている方式ほど、上流で異物を止めると考えると迷わない。
試験によく出る特徴も4点に絞れる。①膜式は計量法の検定の主対象で、有効期間10年(Qmax>16は7年)。②回転子式はターンダウン比が大きい(広い流量範囲で使える)。③超音波式は圧力損失がほぼゼロ・可動部なし・双方向計測可能。④サーマルフロー式は中圧・中流量の大口需要家用・専用フィルター必要である。
🟦 甲種プラスα
甲種では「ガスメーターの特徴比較(直管・フィルター・用途・流量範囲)」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「可動部なし=渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波」「直管部必要=タービン・渦流・オリフィス・超音波」の組み合わせで選択問題が出る。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「可動部がない=メンテ不要」ではない。オリフィス板は定期点検が必要。「圧力損失が最小」は超音波式(板や翼がないため)。
3. ガスメーターの故障(不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり)
💡 図の見方:6種の故障のうち最も混同されやすい「不動」と「不通」を、同じ構図の2枚で見分ける図。左は矢印が通っているのに指針が止まる(使えるが数えられない)、右は矢印そのものが止まる(そもそも使えない)という正反対の症状を確かめる。
💡 図の見方:流速から流量を推し量る推量式は、流れが乱れていると誤るため上流に助走区間(直管部)を要求する。上流の寸法線の長さが方式ごとに違うこと、フィルターは翼車やオリフィス板を守るタービン式・オリフィス式の上流に付くことを見比べる。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
ガスメーターの6種の故障(不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり)の定義・原因・影響を整理する。
📖 解説(乙種ベース)
時計の壊れ方に「止まる」「進む」「遅れる」があるように、ガスメーターの壊れ方にも決まった型がある。不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおりの6種だ。この6分類はそのまま出題されるので、名前と定義を1対1で結んでおきたい。
とくに紛らわしいのが最初の2つである。不動はガスが流れているのに指針が動かない状態、不通はメーターがガスを通さない状態。前者は使えるが数えられない、後者はそもそも使えない——症状は正反対だ。名前が似ているだけで中身は真逆、という組み合わせを出題者は好んで狙う。
残る4つは、影響の出方から覚えると早い。漏れは保安上の問題に直結し、器差不良は料金の誤りに、感度不良は微少漏れの見逃しに、あおりは燃焼状態の不安定化につながる。下の表で、各故障の定義・主な原因・影響と対応を確かめてほしい。
「不動」と「不通」の違い(流れているのに数えない/そもそも流れない)| 故障名 | 定義 | 主な原因 | 影響・対応 |
|---|---|---|---|
| ①不動(No-flow Registration) | ガスが流れているのに指針が動かない(積算しない) | 計量機構の固着・ダイヤフラム破れ・分配弁の故障・歯車の摩耗 | 使用量を積算できない→検針時に発覚 対応:メーター交換・保修申告 |
| ②不通(No Gas Flow) | メーターがガスを通さない状態 | 分配弁の固着・異物詰まり・凍結による固着 | ガスが供給されない 対応:緊急交換・凍結の場合は解凍処置 |
| ③漏れ(Leakage) | メーター本体・接続部からガスが漏れる | Oリング・シールの劣化・腐食・機械的損傷・施工不良 | ガス漏れ(安全上の問題) 対応:即時交換・漏れ箇所の補修 |
| ④器差不良(Metering Error) | 実際の流量とメーター計量値の誤差が許容範囲を超える状態 | ダイヤフラム(膜)の硬化・弾性低下・計量室の摩耗・分配弁の不完全閉鎖 | 過大または過少な使用量計算 判定:検定公差・使用公差を超えた場合に「器差不良」 器差 E = (I − Q) / Q × 100 [%](I:指示量、Q:実際の流量) |
| ⑤感度不良(Sensitivity Failure) | ごく少量のガス流量ではメーターが動かない状態(始動流量以下) | 分配弁の摩擦増加・ダイヤフラムの硬化・グリスの固化 | 微少漏れを見逃す・少量使用の計量不能 始動流量:メーターが動き始める最小流量(Qminより小さい設計値) |
| ⑥あおり(Oscillation / Surging) | メーターにガスを通したとき、メーター出口の圧力変動が著しくなり、ガスの燃焼状態を不安定にする故障 | 整圧器の整圧不良(ハンチング)・バーナーの不規則燃焼・急開閉バルブ | 燃焼状態の不安定化(燃焼機器の火が不安定になる) 対策:脈動の発生源の除去・整圧器の調整・消音器の設置 |
⚡ 焦点ポイント
「不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり」の6分類はそのまま出題される。各故障の『定義』を正確に答えられることが重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「不動」=積算しない(ガスは流れている)、「不通」=ガスが通らない。この2つは症状が全く異なるので混同しないこと。「あおり」は脈動が原因で、整圧器のハンチングとの関連を問われることがある。
- 「不動」「不通」「漏」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
4. ガスメーターの検定(検定対象外3例・有効期間・器差E・検定公差・使用公差)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
計量法に基づくガスメーターの検定制度。検定対象外3種・有効期間(10年/7年)・器差計算式・検定公差±1.5%(小流量域±3.0%)・使用公差は検定公差より大を正確に覚える。
📖 解説(乙種ベース)
ガスメーターの数字は料金の根拠になる。だから食品の賞味期限と同じで、いつまで信用してよいかが制度で線引きされている。それが計量法に基づく検定制度で、型式承認と検定合格の2段階からなる。ガスメーターは経済産業大臣の型式承認を受け、都道府県知事・指定検定機関の検定に合格しなければ取引・証明に使用できない。すでに使用中のメーターは有効期間内に継続使用可である。
もっとも、すべてのメーターが検定を要するわけではない。検定対象外(計量法の検定が不要なもの)は3種で、①口径250mm(25cm)を超えるもの、②最大圧力10kPa を超えるもの、③実測式の湿式ガスメーター(Wet Type Gas Meter)である。※この3つは確実に暗記すること。試験で「以下」「未満」「以上」「超える」の区別も問われる。
有効期間は原則10年(ほとんどの家庭用・業務用膜式・回転子式)。例外はQmax(最大流量)が16 m³/h を超えるメーターで、こちらは7年となる。大口需要用メーターは使用頻度・摩耗が多いため短縮されるからだ。境界の扱いに注意したい。条文は「超える」であって「以上」ではないので、ちょうど16 m³/hは10年の側に残る。
次に、メーターがどれだけ狂っているかを表す器差(Instrument Error)である。
符号の意味も押さえておく。E > 0 ならメーターが実際より多く積算しており(ユーザーに不利)、E < 0 ならメーターが実際より少なく積算している(事業者に不利)。どちらに不利かまで結び付けておけば、正誤判定で迷わない。
この器差をどこまで許すかが公差である。2種類あり、狙いが違う。
①検定公差は新品メーターが検定に合格するための許容誤差で、検定公差(計量法)は使用最大流量域±1.5%、小流量域(最小流量〜最大流量の0.1倍未満)±3.0%と定められている。②使用公差は使用中のメーターに認められる許容誤差で、検定公差より大きく設定される(具体値は機種・規定による)。使ううちに多少狂うのは織り込み済みだが、使用公差を超えた場合は器差不良として交換となる。
器差はどう測るのか。鐘型湿式基準器(Bell Prover)等の基準量器に接続してガスを通し、指示量と実際量を比較する。1点だけでは癖が分からないため、各流量点(最大・中間・最小)で測定する。
ガスメーター検定のタイムライン(有効期間10年/7年)⚡ 焦点ポイント
「検定対象外3種」「有効期間10年/7年の境界(Qmax 16 m³/h)」「器差の計算式」「検定公差は使用最大流量域±1.5%・小流量域±3.0%(使用公差はこれより大)」は毎年のように出題される最重要事項。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「Qmax16 m³/h超→7年」であり、『以上』ではなく『超える』。Qmax=16 m³/hちょうどは10年が正しい。計算式 E=(I-Q)/Q で分母はIでなくQ(実際の流量)。
- 「10年」が「15年」「5年」と書き換えられる
- 「16m³」が「21m³」「11m³」と書き換えられる
5. マイコンメーターの構成・機能・遮断条件(250ガル・0.2kPa・継続使用時間等)
💡 図の見方:自動で遮断する4条件と、遮断せず警報だけを出す内管漏えい検知を左右に分けた図。250ガル・0.2kPaという数値に加えて、「30日連続してガスが流れた」は警報であって遮断ではないという線引きがこの節の急所。圧力低下遮断は0.2kPaを「下回った」ときに働くという向きも、あわせて確かめたい。
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
マイコンメーターは安全機能(地震・圧力低下・継続使用時間・異常流量)を持つ高機能ガスメーター。各遮断条件の数値を正確に暗記する。
📖 解説(乙種ベース)
ガスメーターは料金を数える機械——そう思っていると、この節でつまずく。マイコンメーターはマイコン(マイクロプロセッサ)を内蔵したガスメーターで、通常の積算計量機能に加え、異常検知・自動遮断・警報・通信機能を持つ。エレベーターの地震管制運転と同じで、異常を見つけたら自分の判断で止める保安装置だ。家庭用から業務用まで普及し、現在は家庭用の標準となっている。
その判断を支えるのが8つの構成要素である。入力側では、①流量センサ(サーマルフロー式等)が瞬時流量・積算流量を計測し、②地震センサ(感震器)が地震動の加速度を検出、③圧力センサが上流側ガス供給圧力を監視する。
受け取った情報を処理し実行するのが④マイクロプロセッサ(各センサ情報を演算・判定)と⑤遮断弁(電磁弁・モーター弁)で、後者が自動的にガス流路を遮断する。⑥表示部は現在流量・積算量・警報表示を担う。
残る2つは、この機械が止まらないための備えだ。⑦電池は内蔵電池で5〜10年動作し(商用電源不要)、停電しても保安機能が生き続ける。⑧通信部については、スマートメーターはIoTで遠隔通信可である。
■ 遮断条件(重要!数値を正確に暗記)
マイコンメーターの遮断4条件と、警報だけの内管漏えい検知| 種別 | 基準値・条件 | 検知目的・備考 |
|---|---|---|
| ①地震遮断 | 250ガルを超える(250 cm/s²超の)地震動 | 感震器が検出すると自動遮断。「250ガル」は設問に頻出する基準値 |
| ②圧力低下遮断 | 上流側ガス供給圧力が0.2kPaを下回る | 配管の損傷・大量漏れを検知するため(供給不足ではなく漏れの可能性を検知) |
| ③継続使用時間遮断 | 同一ガス器具が連続して使用されていると判断される時間を超過 | Qmax1〜16 m³/hのメーター共通で、ガス消費量区分に応じた継続使用時間を設定 |
| 内管漏えい検知(別機能・警報のみ) | 口火の連続使用や少量漏れ等で30日間連続してガスが流れた場合 | ガス漏れ警報を表示(遮断ではない) |
| ④異常流量遮断 | 流量がQmaxを大幅に超えた場合や、急激な流量変化(配管破損等を示す)。漏洩センサーが動作した場合 | − |
遮断したあと、メーターは自分で元に戻るのか。答えは否である。⑤感震遮断後の復帰(ガス復帰操作)では、遮断後はガス器具を全閉にして復帰ボタンを押す必要があり、自動復帰はしない(現場での操作が必要)。器具を開けたまま勝手に再開すれば、かえって危険だからだ。
警報機能もある。ガス漏れ警報器との連動(CO警報器連動型もある)が可能で、マイコンメーターのランプ・表示で異常を知らせる。遮断と警報は別の働きであり、この区別こそが正誤問題で問われる。
最後に学習機能——Qmax25 m³/h以上の大型メーターの特徴だ。通常の使用パターン(時間帯別流量)を学習し、学習パターンから外れた異常流量をより精度よく検知する。ただし覚えるには時間がいる。初期学習期間(1か月程度)中は精度が低い点まで含めて押さえておきたい。
⚡ 焦点ポイント
「250ガル(地震)」「0.2kPa(圧力低下)」「30日連続=内管漏えい警報(遮断ではない)」「Qmax25 m³/h以上で学習機能」の4つの数値は確実に暗記する。組み合わせ問題で頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 圧力低下遮断は上流側ガス供給圧力が0.2kPaを『下回った』場合に遮断(R2乙問12)。「30日連続でガスが流れた」のは内管漏えい検知の警報であって遮断ではない点、継続使用時間遮断はQmax1〜16m³/h共通機能である点が引っ掛けで問われる。
- 「30日」が「35日」「25日」と書き換えられる
🔢 供給の重要数値・設備の整理
ガスメーターの分類:
– 実測式: 体積を直接測定(膜式・回転子式)
– 推量式: 流速・流量を間接測定(タービン式・電磁式・超音波式)
マイコンメーターの遮断条件(主要):
– 地震時遮断: 250ガルを超える地震動
– 圧力低下遮断: 0.2 kPa を下回ると遮断
– 継続使用時間遮断: ガス器具の連続使用時間超過で遮断(Qmax1〜16 m³/h共通)/30日連続は内管漏えい警報(遮断でなく表示)
– 大量流量遮断: 機器ごとの設定値超過
主要メーターの故障種別:
– 不動: 計数機構が動かない
– 不通: ガスが通らない
– 漏れ: メーター本体からの漏えい
– 器差不良: 器差が公差を外れる
– 感度不良: 微小流量を計測できない
– あおり: 圧力変動で異常な動作
供給科目では、設備名・型式・運転条件の数値・配管材料の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名・工法を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 ガスメーターの種類(実測式・推量式の分類体系): ガスメーターは実測式(体積を直接計測)と推量式(流速等から推算)に大別される。各方式の代表例と計測原理の違いを整理する。
- 節2-1 膜式・回転子式ガスメーターの構造と特徴: 膜式(ダイヤフラム式)の計量原理と回転子式(ルーツ型)の構造を理解する。両者の適用流量範囲・精度・圧力損失の違いを整理する。
- 節2-2 タービン式・渦流式・サーマルフロー式・オリフィス式・超音波式の原理と特徴: 推量式5種(タービン・渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波)の計測原理と適用条件を整理する。
- 節2-3 ガスメーターの特徴比較(直管・フィルター・用途・流量範囲): 7種のガスメーター(膜式・回転子式・タービン・渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波)を比較表形式で整理する。
- 節3 ガスメーターの故障(不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり): ガスメーターの6種の故障(不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり)の定義・原因・影響を整理する。
- 節4 ガスメーターの検定(検定対象外3例・有効期間・器差E・検定公差・使用公差): 計量法に基づくガスメーターの検定制度。検定対象外3種・有効期間(10年/7年)・器差計算式・検定公差±1.5%(小流量域±3.0%)・使用公差は検定公差より大を正確に覚える。
- 節5 マイコンメーターの構成・機能・遮断条件(250ガル・0.2kPa・継続使用時間等): マイコンメーターは安全機能(地震・圧力低下・継続使用時間・異常流量)を持つ高機能ガスメーター。各遮断条件の数値を正確に暗記する。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 「膜式=家庭用」「回転子式=中大口需要」「タービン式・渦流式=大口径推量式」の組み合わせで出題される。分類体系を整理しておく。
- 節2-1: 「膜式の計量原理=ダイヤフラム往復+分配弁」「回転子式=ルーツ型・まゆ型回転子」の組み合わせは頻出。適用流量範囲(膜式〜16 m³/h、回転子式50 m³/h以上)も重要。
- 節2-2: 甲種では「渦流式の計測原理(カルマン渦)」「オリフィス式の計算式」「超音波式の伝播時間差」が論述問題で狙われる。各方式の長所・短所も整理しておくこと。
- 節2-3: 「可動部なし=渦流・サーマルフロー・オリフィス・超音波」「直管部必要=タービン・渦流・オリフィス・超音波」の組み合わせで選択問題が出る。
- 節3: 「不動・不通・漏れ・器差不良・感度不良・あおり」の6分類はそのまま出題される。各故障の『定義』を正確に答えられることが重要。
- 節4: 「検定対象外3種」「有効期間10年/7年の境界(Qmax 16 m³/h)」「器差の計算式」「検定公差は使用最大流量域±1.5%・小流量域±3.0%(使用公差はこれより大)」は毎年のように出題される最重要事項。
- 節5: 「250ガル(地震)」「0.2kPa(圧力低下)」「30日連続=内管漏えい警報(遮断ではない)」「Qmax25 m³/h以上で学習機能」の4つの数値は確実に暗記する。組み合わせ問題で頻出。
📝 一問一答(過去問ランダム)
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