基礎理論 第1章 気体の基本的性質

気体の振る舞いを支配する基本法則(ボイル・シャルル・ヘンリー・ラウール・PV=nRT等)を学ぶ章です。

ガス工業のすべての計算問題の基礎となる17節構成。

乙種甲種兼用 / 全17節 / 学習目安: 60〜90分

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1. 物質の三態と潜熱顕熱

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

状態が変わるときに使う熱(潜熱)と、温度を上げ下げするときに使う熱(顕熱)を区別する。

📖 解説(乙種ベース)

水を例にとります。氷を熱すると、まず氷の温度が上がっていきます。これは温度を変えるための熱、つまり顕熱です。やがて0℃に達すると、不思議なことに氷が水に変わっている間は熱を加えても温度は0℃のままです。この時に使われている熱が、状態を変えるための熱、つまり潜熱(融解潜熱)です。さらに加熱すると水の温度が上がり(顕熱)、100℃に達すると今度は沸騰して水が水蒸気に変わる間も温度は100℃のまま(蒸発潜熱)。

つまり、温度計が動いているときが顕熱、温度計が止まっているときが潜熱。これがガス主任試験で繰り返し問われる本質です。

計算関係
顕熱Q = m × c × ΔT(質量 × 比熱 × 温度差)
蒸発潜熱単位は kJ/kg(水は約2,260 kJ/kg、非常に大きい)

ガス工業との関係: LPGがボンベから出てくるときは液体→気体の変化(蒸発)で、周囲から蒸発潜熱を奪うためボンベが冷たくなります。

⚡ 焦点ポイント

潜熱では温度計が動かない」のイメージが最重要。融解中も蒸発中も温度は一定です。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「温度が変化しないのに熱が不要」という誤選択肢に注意。状態変化中は温度一定でも熱は必要。
  • 「潜熱では温度計が動かない(温度一定)」のイメージが最重要
  • 選択肢で「融解中は温度が上昇する」とあれば誤り
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

2. 蒸気の状態(湿り蒸気・乾き蒸気・過熱蒸気)

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

液体と蒸気が共存している状態(湿り蒸気)、全部気体になった状態(乾き飽和蒸気)、さらに加熱した状態(過熱蒸気)の3段階を区別する。

📖 解説(乙種ベース)

やかんでお湯を沸かしている場面を想像してください。沸騰し始めたばかりの蒸気は、湯気のように水滴を含んでいます。これが「湿り蒸気」。やかんの口を離れて少し時間が経つと、水滴が蒸発しきって透明になります。これが「乾き飽和蒸気」。さらに加熱して水滴のない蒸気の温度を上げると「過熱蒸気」になります。

専門的に言うと、湿り蒸気の中の気相の割合を乾き度xで表します。x=0なら全部液体(飽和液)、x=1なら全部蒸気(乾き飽和蒸気)、その間が湿り蒸気です。

⚡ 焦点ポイント

「乾き度x=1が乾き飽和蒸気、x=0が飽和液」の定義を正確に。「過熱蒸気は飽和温度より高い温度」も正文として頻出。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 乾き蒸気=「乾いている(水分ゼロ)」の意味。「湿り」「乾き」の語感で正誤を間違えやすい。
  • 「高い」が「低い」に書き換えられる(方向の逆転)
  • その他の傾向: 解説本文で太字のキーワードが類義語(似た用語・近い数値)に置き換えられる / 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

3. 蒸気圧と沸点

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

液体の飽和蒸気圧が外圧と等しくなったら沸騰する。だから外圧が変われば沸点も変わる。

📖 解説(乙種ベース)

液体の表面では、常に分子が気体に飛び出そうとしています。密閉容器に入れておくと、飛び出す分子と液体に戻る分子が釣り合って、気体の圧力が一定になります。この圧力が飽和蒸気圧です。

「沸騰する」というのは、液体の中からも気体が湧き出す現象。これは飽和蒸気圧が外の気圧と等しくなった瞬間に起こります。だから、外圧が下がる(山の上)とより低い温度で沸騰し、外圧が上がる(圧力鍋)とより高い温度まで沸騰しません。

ガス工業で重要なのは、各ガスの沸点です。これが寒冷地でブタンが使いにくい理由を直接説明します。

ガス沸点(大気圧下)寒冷地での挙動
メタン CH4-162℃通常の冷気では液化しない
プロパン C3H8-42℃厳冬地でも気化する
ブタン C4H10-1℃0℃以下で気化困難

🟦 甲種プラスα

蒸気圧と温度の関係は クラウジウス-クラペイロン式 で表されます。

ln(p₂/p₁) = -ΔHvap/R × (1/T₂ - 1/T₁)

甲種では概念問題として「クラウジウス-クラペイロン式が示す関係」を問われます。

⚡ 焦点ポイント

プロパン -42℃ブタン -1℃ は寒冷地問題で頻出。寒冷地でブタンが使いにくい理由は沸点が約 -1℃で冬期に気化しにくいから。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 蒸気圧は温度が上がると増加する(指数的に)。「温度↑ → 蒸気圧↑ → 沸点↑」ではなく、外圧が固定なら温度↑で早く沸点に達する。
  • 「42℃」が「47℃」「37℃」と書き換えられる
  • その他の傾向: 解説本文で太字のキーワードが類義語(似た用語・近い数値)に置き換えられる

4. ボイルの法則

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

温度を変えずに気体を圧縮すると、体積は圧力に反比例して小さくなる。

📖 解説(乙種ベース)

風船を手で押すと、中の空気は同じ温度のまま体積が小さくなります。このとき圧力と体積の関係は反比例で、PV = 一定 という単純な式で表されます。

観点内容
数式P₁V₁ = P₂V₂(等温変化)
直感圧力2倍 → 体積1/2、圧力3倍 → 体積1/3
注意Pは絶対圧(真空を0とする)

試験で最も多い失点ポイントは、表圧(ゲージ圧)と絶対圧の混同です。絶対圧 = 表圧 + 大気圧 ≒ 表圧 + 101.325 kPa

🟦 甲種プラスα

甲種では 等温膨張の仕事 が出題されます。W = nRT × ln(V₂/V₁)。ln(2)=0.693、ln(3)=1.099 を覚えておくと計算が速くなります。

⚡ 焦点ポイント

計算で「表圧→絶対圧の変換忘れ」が最頻出のミス。「ゲージ圧」とあれば必ず +101.325 kPa して絶対圧へ変換。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 絶対圧と gauge 圧(ゲージ圧)の混同。問題文に「ゲージ圧」とあれば +101.325 kPa して絶対圧に変換してから計算。
  • 「ボイルの法則は等温変化」「P と V は反比例」は確実に覚える
  • 計算問題では表圧→絶対圧の変換(+大気圧)を忘れないこと
  • その他の傾向: 解説本文で太字のキーワードが類義語(似た用語・近い数値)に置き換えられる / 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

5. シャルルの法則

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

圧力を変えずに気体を温めると、体積は絶対温度(K)に比例して大きくなる。ケルビンで計算するのが鉄則

📖 解説(乙種ベース)

風船を熱湯につけると膨らみます。これは圧力(大気圧)を一定に保ったまま温度を上げているので、体積が温度に比例して増えます。シャルルの法則の式は V/T = 一定、つまり V₁/T₁ = V₂/T₂

ここで重要なのは、Tが絶対温度(ケルビン) であること。摂氏のままだと0℃のときに「V/0=無限大」のような無意味な値になってしまいます。絶対温度 T[K] = t[℃] + 273.15(試験では+273でOK)。

⚡ 焦点ポイント

シャルルの法則のTは絶対温度(K)。摂氏のまま代入すると致命的ミス。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • シャルル「体積と温度の比例」vs ボイル「体積と圧力の反比例」——名前と法則の組み合わせを正確に。
  • 「シャルルの法則は等圧変化」「V と T(絶対温度)は比例」を確実に覚える
  • 計算で最もやりがちなミスが「℃をそのまま使う」こと
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

6. ボイル・シャルル

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

圧力・体積・温度がすべて変化しても、PV/T = 一定(モル数が変わらないことが条件)。

📖 解説(乙種ベース)

ボイル(等温)とシャルル(等圧)を組み合わせた、より一般的な状態変化の式です。気体の状態が「状態1」から「状態2」へ移ったとき、P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂ が成り立ちます。

計算の手順は決まっています。

1. 圧力絶対圧に変換(+大気圧)

2. 温度をケルビンに変換(+273)

3. 式に代入して未知数を求める

順番を守れば計算問題は機械的に解けます。試験では「圧縮後の体積」または「加熱後の圧力」を求める問題が定番です。

計算例: 100kPa, 30 m³, 300K の気体を 400kPa, 400K にしたときの体積

100×30/300 = 400×V₂/400V₂ = 10 m³

⚡ 焦点ポイント

絶対圧変換と絶対温度変換の両方が必要。乙種で最も多い計算は「圧縮後の体積を求める」問題。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • mol 数が変化する問題(気体の出入りがある系)にはこの式は使えない。そのときは PV=nRT を使う。
  • 「PV/T = 一定(mol 数が変わらない場合)」は確実に覚える
  • 計算では絶対圧変換(+大気圧)と絶対温度変換(+273)の両方が必要
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

7. 気体の状態方程式 PV=nRT ★乙・甲ともに最重要

重要度: 乙A / 甲A

🎯 一言で

理想気体の4変数(P・V・n・T)を結ぶ万能方程式。これを使えばモル数の関係が絡む計算もすべて扱える。

📖 解説(乙種ベース)

ボイル・シャルルは「同じ気体の状態が変わるとき」の式でしたが、PV=nRTモル数 n まで含めた一般的な式です。気体定数Rが入ることで、気体の量(モル)から圧力・体積・温度の関係が一意に決まります。

PV = nRT
P: 絶対圧 [Pa]
V: 体積 [m³]
n: モル数 [mol]
R: 気体定数 8.314 J/(mol·K)
T: 絶対温度 [K]

この式から導かれる重要な事実が、標準状態(0℃・1気圧)で1モルの理想気体は22.4Lの体積を持つこと。これは丸暗記してください。

ガス計算で扱う密度は、PV=nRTを変形すると ρ = m/V = PM/(RT)(M は分子量)。圧力↑または温度↓で密度は大きくなります。

🟦 甲種プラスα

甲種では 混合気体の密度・分子量計算 が応用問題として出ます。平均分子量 = Σ(各成分の分子量 × モル分率) を使って混合ガスの密度を計算します。

⚡ 焦点ポイント

絶対圧」「絶対温度」が大前提。ゲージ圧・摂氏のまま代入は致命的。標準状態で1mol=22.4Lはそのまま暗記。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 温度を摂氏で代入するミスが最多。必ず T[K] = t[℃]+273 に変換。圧力も絶対圧で代入すること(ゲージ圧に注意)。
  • PV = nRT は「P は絶対圧・T は絶対温度」が大前提
  • ゲージ圧・摂氏のまま代入は致命的ミス
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

8. 混合気体とドルトンの分圧法則 ★乙・甲ともに最重要

重要度: 乙A / 甲A

🎯 一言で

混合気体の全圧は、各成分が単独で同じ容器を占めたときの圧力(分圧)の合計。各成分の分圧は 全圧×モル分率 で計算できる。

📖 解説(乙種ベース)

メタンプロパンが混ざった気体を考えます。それぞれのガスは互いに干渉せず、自分だけが容器を占めているかのように振る舞います。これがドルトンの分圧法則です。

Ptotal = p₁ + p₂ + p₃ + ...、各成分の分圧 pᵢ = Ptotal × xᵢ(xᵢはモル分率)

理想気体では「体積分率 = モル分率」が成り立つので、たとえば「都市ガスメタン89%」と書かれていれば、それはモル分率0.89でもあるし、体積分率0.89でもあります。重さの比率(質量分率)とは別物なので、ここを混同すると致命的です。

🟦 甲種プラスα

甲種では 混合ガスの発熱量計算 が直接の応用です。混合ガスの発熱量 = Σ(各成分の発熱量 × モル分率) を使って、都市ガス13Aの発熱量計算などが出ます。

⚡ 焦点ポイント

「全圧 = 分圧の和」「分圧 = 全圧 × モル分率」の2式。「理想気体では体積% = モル%」もセット。
【最多ミス】 質量から計算するときは必ず「質量÷分子量」でモル数に変換してから比をとる。
例: R02乙問2: プロパン44g + 窒素28g → どちらも1mol → モル比1:1 → 全圧300kPaなら各分圧150kPa。質量比3:2のまま分圧計算すると失点する。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 質量分率とモル分率は異なる。問題が「質量で〇〇g ずつ」と言っているなら、まず mol に変換してからモル分率を計算する。
  • 「気体」が「液体」に書き換えられる(方向の逆転)
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

9. 理想気体実在気体の違い

重要度: 乙B / 甲C

🎯 一言で

理想気体は「分子間力ゼロ・分子の体積ゼロ」と仮定した仮想モデル。実在気体高圧・低温で理想からずれる。

📖 解説(乙種ベース)

理想気体は完璧な数学モデルで、分子同士は互いに引き合わず(分子間力ゼロ)、分子自身も大きさを持たない(体積ゼロ)と仮定されています。だから PV=nRT が単純に成り立ちます。

ところが実際の気体(実在気体)は分子間力もあるし、分子自身も体積を持っています。だから:

高圧になると分子同士が近づき、分子間力や分子体積が無視できなくなる

低温になると分子の熱運動が弱まり、引力の影響が相対的に大きくなる

逆に高温・低圧では分子間距離が大きく、分子の運動が活発なので、実在気体理想気体に近い振る舞いをします。水素やヘリウムは分子量が小さく分子間力も弱いため、広い温度・圧力範囲で理想気体に近いとされています。

⚡ 焦点ポイント

理想気体に最も近い条件は?」と問われたら 高温・低圧

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「理想気体は実在しない仮想モデル」。試験で「理想気体に最も近い条件は?」と問われたら、高温・低圧を選ぶ。
  • 「理想気体の仮定:分子間力なし・分子体積なし」の2点を確実に覚える
  • 「高圧・低温で理想気体からのずれが大きい」「高温・低圧で理想気体に近い」は頻出正文
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

10. ファン・デル・ワールス

重要度: 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

実在気体の補正方程式。分子間引力(a/V²)と分子自身の体積(b)の2つの補正項を追加することで、PV=nRTのずれを補正する。

📖 解説(乙種ベース)

理想気体の状態方程式 PV=nRT は、高圧・低温では実在気体からずれます。このずれを補正するのがファン・デル・ワールス式です。

(P + a/V²)(V − b) = RT  (1モル基準)

2つの補正項の意味:

補正項役割なぜそうするか
a/V²(P側に加算)分子間引力の補正分子同士が引き合うため実際の圧力は理想より低い。その分を「もし引力がなかったら」の値に足し戻す
b(V側から減算)分子体積の補正分子自身の大きさを除いた「動ける空間」を実効体積として使う

🟦 甲種プラスα

甲種では各定数の意味と方向性を問う選択肢問題が頻出。aが大きい=分子間引力が強い、極性が強い、水素結合あり(H₂O、NH₃、HF)。bが大きい=分子サイズが大きい、分子量が大きい(大型炭化水素)。圧力補正は加算、体積補正は減算

⚡ 焦点ポイント

「a/V² は P に加算(引力補正)」「b は V から減算(体積補正)」の方向を正確に。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 圧力補正は(加算)、体積補正は(減算)。符号を逆にした選択肢が引っ掛けとして登場する。
  • 「(P + a/V²)(V − b) = RT」の式の形と各項の意味を押さえる
  • 「a/V² は引力補正(Pに加算)」「b は分子体積補正(Vから減算)」の方向を確認
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

11. 圧縮係数 Z

重要度: 乙C / 🟦 甲A

🎯 一言で

実在気体理想気体からどれだけずれているかの無次元指標。Z=1なら理想気体、Z<1は分子引力支配、Z>1は分子反発支配

📖 解説(乙種ベース)

ファン・デル・ワールス式は方程式自体を修正しましたが、別のアプローチとして「補正係数を1つかける」 やり方があります。それが圧縮係数Zです。

Z = PV / (nRT)
PV = ZnRT  (実在気体の状態方程式)

Z=1なら理想気体実在気体ではZが1からずれます。

Zの値何が支配的か起こる条件
Z<1分子間引力が支配的中圧・低温
Z>1分子の排除体積が支配的高圧

🟦 甲種プラスα

実用的にはZの値はネルソン-オタ線図(コンプレッシビリティチャート) から温度・圧力の対比換算で読み取ります。CNG充填、LPGLNGターミナルの貯蔵計算、高圧パイプライン輸送など、ガス工業の高圧設備設計では必須の概念です。

⚡ 焦点ポイント

「Z=1が理想気体」「Z<1で引力支配、Z>1で排除体積支配」の方向を覚える。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「Z=1 なら理想気体」「Z≠1 なら実在気体」——これは正しい。ただし高温・低圧でも実在気体は Z≒1 に近づくだけで厳密には1ではない。
  • 「気体」が「液体」に書き換えられる(方向の逆転)
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

12. 臨界現象 ★乙種で最重要

重要度: ★ 乙A / 甲C

🎯 一言で

臨界温度より高い温度では、いくら圧力を上げても気体を液化させることができない。これが乙種で最も繰り返し問われる論点。

📖 解説(乙種ベース)

液体と気体の境界には限界があります。ある温度を超えると、どんなに圧縮しても気体は液体にならなくなります。この温度が臨界温度です。

たとえばメタン臨界温度約-82℃。これより高い常温では、いくら圧力をかけてもメタンは液体になりません。だから日本のCNG(圧縮天然ガス)は「液化」ではなく「圧縮」と呼ばれているのです。

ガス臨界温度常温での液化
メタン CH₄約 -82℃不可(CNGは圧縮のみ)
エタン C₂H₆約 32℃不可〜可の境界
プロパン C₃H₈約 97℃(LPGの根拠)
ブタン C₄H₁₀約 152℃
二酸化炭素 CO₂約 31℃不可(常温は近いが超える)

過去問でよく狙われる引っ掛け: 「二酸化炭素は常温で圧力を高めるだけで液化できる」と書かれた選択肢は(R04乙問3(イ))。CO₂の臨界温度は約31℃なので、夏場の常温(30℃以上)では液化不能になる。窒素も「常温で液化可能」と書かれたら必ず誤(臨界温度約-147℃)。「常温で液化可」が確実なのはプロパンブタンのみ。

🟦 甲種プラスα

臨界点を超えた状態を超臨界流体と呼び、液体と気体の中間的な性質を持ちます。超臨界二酸化炭素はコーヒーのカフェイン抽出や食品加工に工業利用されています。

⚡ 焦点ポイント

メタンは常温で液化不可、CNGは圧縮のみ」「プロパンは常温で液化可、それがLPGの根拠」が頻出セット。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 「臨界圧力以上に圧縮すれば必ず液化できる」→ ×(臨界温度以上ならどの圧力でも液化不可)。「臨界点では気体と液体の密度差がゼロになる」→ ○(これが臨界点の定義的特徴)。
  • 「臨界温度以上では圧縮しても液化しない」は最頻出の正文
  • 「メタンの臨界温度は約−82℃なので、常温のCNGは圧縮のみで液化できない」も正文
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

13. 熱伝導率と粘度

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

気体の熱伝導率と粘度は 温度上昇で増加する(液体と逆の挙動)。圧力にはほぼ依存しない(低〜中圧域)。

📖 解説(乙種ベース)

液体と気体では、温度を上げたときの粘度の挙動が真逆です。

液体: 温度↑ → 粘度↓(ハチミツが温まるとサラサラ)

気体: 温度↑ → 粘度↑(これが直感に反するため引っかけになる)

なぜか? 液体の粘度は分子間力で決まるので、温度が上がって分子の動きが活発になると分子間力が弱まり、流れやすくなります。一方、気体の粘度は分子衝突による運動量の伝達で決まるので、温度が上がって分子速度が増すと衝突が増え、粘度が増えるのです。

熱伝導率も同じ原理で、気体は温度↑で熱伝導率↑です。水素H₂やヘリウムHeは分子量が小さく分子速度が速いため、熱伝導率が高くなります。

🟦 甲種プラスα

動粘度 ν=μ/ρ(粘度を密度で割った値)はレイノルズ数 Re=VD/ν の計算で使います(KISO05流体力学と連携)。

⚡ 焦点ポイント

「気体は温度↑で粘度↑、液体は温度↑で粘度↓」 — 方向が逆なのが最頻出引っかけポイント。
過去5年(R03〜R07)の乙種問1〜2には毎年この論点が選択肢のひとつとして登場。熱伝導率も同じ方向(気体は温度↑で熱伝導率↑)。
圧力依存性は「常圧域ではほぼ無関係」 ── これも頻出選択肢(H30乙問3(イ)が正解)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 液体の粘度は温度↑で減少(ハチミツが温まるとサラサラ)。気体は逆に温度↑で増加。試験でよく逆を引っ掛けてくる。
  • 「気体の粘度は温度が上がると増加する(液体と逆)」は非常に頻出の引っ掛けポイント
  • 「H₂・He は分子量が小さく熱伝導率が高い」も覚えておく
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

14. 拡散(フィックの法則・グレアムの法則)

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

気体は濃度差に従って自然に広がる。広がる速度は 分子量の平方根の逆比 に従う(グレアムの法則)。

📖 解説(乙種ベース)

部屋の中で香水をふくと、しばらくすると部屋全体に香りが広がります。これが拡散現象です。気体分子は熱運動で常に動いていて、濃度の高いところから低いところへ自然に広がっていきます。

v₁/v₂ = √(M₂/M₁) (グレアムの法則)

つまり分子量が小さいガスほど速く拡散します

実例:

– 水素H₂(分子量2)は酸素O₂(分子量32)の √16 = 4倍 速く拡散

メタンCH₄(分子量16)はプロパンC₃H₈(分子量44)の 約1.66倍 速く拡散

過去問頻出パターン(R06甲問2(1)): 「水素 > メタン > エタン > プロパン」の順で拡散速度が速い(分子量2 < 16 < 30 < 44)。この4種を分子量の大小と紐づけて即答できるようにしておく。

ガス工業との関係: 漏洩時の挙動が分子量で全く違います。水素は速く上方に拡散するのに対し、LPGは床面近くに滞留するので、低い場所での換気が重要になります。

⚡ 焦点ポイント

「拡散速度比 = 分子量の平方根の逆比」を式で記憶。計算は√(M₂/M₁)を求めるだけ。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 拡散速度と流速(フロー)は別物。グレアムの法則は強制的な流れではなく自然拡散に適用する。
  • 「グレアムの法則:拡散速度比 = 分子量の平方根の逆比」の式を確実に覚える
  • 計算は √(M₂/M₁) を求めるだけ
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

15. ヘンリーの法則

重要度: 乙B / 🟦 甲A

🎯 一言で

気体が液体に溶ける量は、その気体の 分圧に比例 する(c = K_h × p)。高圧・低温ほど溶けやすい。

📖 解説(乙種ベース)

炭酸飲料を例にとります。製造時に高い圧力で二酸化炭素を液体に溶かし、栓を閉めます。栓を開けると圧力が下がり、ヘンリーの法則に従って溶けきれなくなったCO₂が泡として出てきます。

3つの重要な関係:

条件溶解度
分圧↑溶解度↑(より多く溶ける)
温度↑K_h↓ → 溶解度↓(炭酸を温めるとCO₂が抜ける)
温度↓K_h↑ → 溶解度↑

混合気体の場合は 各成分の分圧 で個別に決まります。全圧ではないので注意。

🟦 甲種プラスα

ガスパイプライン腐食: 天然ガスに含まれるCO₂やH₂Sは高圧で水分に多く溶け込み、配管内面の腐食(SCC: 応力腐食割れ)を引き起こします。製造工程で脱湿・脱炭酸・脱硫を行います。

LNG精製: -162℃まで冷却するため、原料天然ガスの中の水分・CO₂は凍結してパイプを詰まらせます。吸収塔を使ってこれらを除去する設計に、ヘンリーの法則が使われます。

⚡ 焦点ポイント

「全圧でなく分圧を使う」がドルトンの法則(8.の項)との連携ポイント。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 ヘンリーの法則は希薄溶液・低溶解度の気体に成立。高溶解性気体(NH₃, HClなど)には成立しない。
  • 「気体の溶解量は分圧に比例する(ヘンリーの法則)」は定義として確実に覚える
  • 「温度が上がると溶解度が下がる(Kₕが小さくなる)」も正文として頻出
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

16. ラウールの法則

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

混合溶液の各成分の蒸気圧 = 純粋成分の蒸気圧 × モル分率。混合LPGの蒸気圧計算に直結。

📖 解説(乙種ベース)

純粋なプロパンや純粋なブタンには、それぞれ固有の蒸気圧があります。混合溶液(液状LPG)になると、各成分の蒸気圧はモル分率で按分されます。

pᵢ = xᵢ × pᵢ*、 全圧 Ptotal = Σ(xᵢ × pᵢ*)

🟦 甲種プラスα

甲種では 沸点上昇・凝固点降下 の応用問題が出ることがあります。不揮発性溶質を加えるとモル分率が下がり、蒸気圧が下がるため沸点が上がります。海水が0℃でも凍らない、塩を撒いて雪を融かす、などの現象もラウールの法則で説明できます。

⚡ 焦点ポイント

「pᵢ = xᵢ × pᵢ*」と「全圧は寄与の和」をセットで記憶。乙種で混合LPGの蒸気圧計算が出題される。
【最多ミス】「モル比 2:1」と書かれていたら、必ずモル分率(x₁=2/3, x₂=1/3)に変換してから式に代入。比のまま代入すると蒸気圧が見かけ上大きくなり失点する。
例: R07乙問2: プロパン:ブタン=2:1のLPGの20℃蒸気圧 → P = (2/3)×0.83 + (1/3)×0.24 = 0.63 MPa

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【近年トレンド】 ラウールは「溶液から出る蒸気圧」、ヘンリーは「気体が液体に溶ける量」——方向が逆。問題文の「溶ける」か「蒸発する」かで判断。
  • 「pᵢ = xᵢ × pᵢ*」の式を確実に覚える
  • 全圧は各成分の寄与の和
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

17. 単位系・標準状態

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

SI単位(Pa・m³・K・J)と標準状態(0℃101.325 kPa)を完全に頭に入れる。計算ミスの8割は単位ミス

📖 解説(乙種ベース)

ガス計算では単位の整合性が命です。以下を完全に覚えてください。

圧力

単位関係
1気圧(atm)= 101.325 kPa0.1013 MPa
1バール(bar)= 100 kPa = 0.1 MPa
表圧 → 絶対圧+ 大気圧(≒+101.3 kPa)

体積・温度

1 m³ = 1000 L

– T[K] = t[℃] + 273.15(試験では+273)

0℃=273 K100℃=373 K、絶対零度=-273℃=0 K

標準状態(STP: 0℃・1気圧)

理想気体1 molの体積 = 22.4 L = 0.0224 m³

– 気体定数 R = 8.314 J/(mol·K)

計算の鉄則

1. 圧力は絶対圧 [Pa or kPa] に変換

2. 温度はケルビン [K] に変換

3. 体積は m³ か L に統一

4. 代入前に単位の整合を確認

⚡ 焦点ポイント

1 atm = 101.325 kPa」「1 mol = 22.4 L」は丸暗記。乙種計算問題では単位換算ミスが最大の失点ポイント。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • R=8.314 を kPa・L/(mol·K) として使うと10^3 の誤差が出る。Pa・m³ か J/(mol·K) で統一するのが安全。
  • 「1 atm = 101.325 kPa」「標準状態で1molは22.4 L」は丸暗記
  • 「表圧→絶対圧は+101.3 kPa」「℃→K は+273」の変換は計算の毎ステップで意識する
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる / 解説本文の太字キーワードが類似用語と置き換えられる / 節タイトルの主要語が類似名称と入れ替えられる

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節1 物質の三態と潜熱・顕熱: 状態が変わるときに使う熱(潜熱)と、温度を上げ下げするときに使う熱(顕熱)を区別する。
  • 節2 蒸気の状態(湿り蒸気・乾き蒸気・過熱蒸気): 液体と蒸気が共存している状態(湿り蒸気)、全部気体になった状態(乾き飽和蒸気)、さらに加熱した状態(過熱蒸気)の3段階を区別する。
  • 節3 蒸気圧と沸点: 液体の飽和蒸気圧が外圧と等しくなったら沸騰する。だから外圧が変われば沸点も変わる。
  • 節4 ボイルの法則: 温度を変えずに気体を圧縮すると、体積は圧力に反比例して小さくなる。
  • 節5 シャルルの法則: 圧力を変えずに気体を温めると、体積は絶対温度(K)に比例して大きくなる。ケルビンで計算するのが鉄則
  • 節6 ボイル・シャルル: 圧力・体積・温度がすべて変化しても、PV/T = 一定(モル数が変わらないことが条件)。
  • 節7 気体の状態方程式 PV=nRT ★乙・甲ともに最重要: 理想気体の4変数(P・V・n・T)を結ぶ万能方程式。これを使えばモル数の関係が絡む計算もすべて扱える。
  • 節8 混合気体とドルトンの分圧法則 ★乙・甲ともに最重要: 混合気体の全圧は、各成分が単独で同じ容器を占めたときの圧力(分圧)の合計。各成分の分圧は 全圧×モル分率 で計算できる。
  • 節9 理想気体と実在気体の違い: 理想気体は「分子間力ゼロ・分子の体積ゼロ」と仮定した仮想モデル。実在気体高圧・低温で理想からずれる。
  • 節10 ファン・デル・ワールス式: 実在気体の補正方程式。分子間引力(a/V²)と分子自身の体積(b)の2つの補正項を追加することで、PV=nRTのずれを補正する。
  • 節11 圧縮係数 Z: 実在気体理想気体からどれだけずれているかの無次元指標。Z=1なら理想気体、Z<1は分子引力支配、Z>1は分子反発支配
  • 節12 臨界現象 ★乙種で最重要: 臨界温度より高い温度では、いくら圧力を上げても気体を液化させることができない。これが乙種で最も繰り返し問われる論点。
  • 節13 熱伝導率と粘度: 気体の熱伝導率と粘度は 温度上昇で増加する(液体と逆の挙動)。圧力にはほぼ依存しない(低〜中圧域)。
  • 節14 拡散(フィックの法則・グレアムの法則): 気体は濃度差に従って自然に広がる。広がる速度は 分子量の平方根の逆比 に従う(グレアムの法則)。
  • 節15 ヘンリーの法則: 気体が液体に溶ける量は、その気体の 分圧に比例 する(c = K_h × p)。高圧・低温ほど溶けやすい。
  • 節16 ラウールの法則: 混合溶液の各成分の蒸気圧 = 純粋成分の蒸気圧 × モル分率。混合LPGの蒸気圧計算に直結。
  • 節17 単位系・標準状態: SI単位(Pa・m³・K・J)と標準状態(0℃101.325 kPa)を完全に頭に入れる。計算ミスの8割は単位ミス

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節1: 「潜熱では温度計が動かない」のイメージが最重要。融解中も蒸発中も温度は一定です。
  • 節2: 「乾き度x=1が乾き飽和蒸気、x=0が飽和液」の定義を正確に。「過熱蒸気は飽和温度より高い温度」も正文として頻出。
  • 節3: プロパン -42℃ブタン -1℃ は寒冷地問題で頻出。寒冷地でブタンが使いにくい理由は沸点が約 -1℃で冬期に気化しにくいから。
  • 節4: 計算で「表圧→絶対圧の変換忘れ」が最頻出のミス。「ゲージ圧」とあれば必ず +101.325 kPa して絶対圧へ変換。
  • 節5: シャルルの法則のTは絶対温度(K)。摂氏のまま代入すると致命的ミス。
  • 節6: 絶対圧変換と絶対温度変換の両方が必要。乙種で最も多い計算は「圧縮後の体積を求める」問題。
  • 節7: 「絶対圧」「絶対温度」が大前提。ゲージ圧・摂氏のまま代入は致命的。標準状態で1mol=22.4Lはそのまま暗記。
  • 節8: 「全圧 = 分圧の和」「分圧 = 全圧 × モル分率」の2式。「理想気体では体積% = モル%」もセット。
  • 節9: 「理想気体に最も近い条件は?」と問われたら 高温・低圧
  • 節10: 「a/V² は P に加算(引力補正)」「b は V から減算(体積補正)」の方向を正確に。
  • 節11: 「Z=1が理想気体」「Z<1で引力支配、Z>1で排除体積支配」の方向を覚える。
  • 節12: 「メタンは常温で液化不可、CNGは圧縮のみ」「プロパンは常温で液化可、それがLPGの根拠」が頻出セット。
  • 節13: 「気体は温度↑で粘度↑、液体は温度↑で粘度↓」 — 方向が逆なのが最頻出引っかけポイント。
  • 節14: 「拡散速度比 = 分子量の平方根の逆比」を式で記憶。計算は√(M₂/M₁)を求めるだけ。
  • 節15: 「全圧でなく分圧を使う」がドルトンの法則(8.の項)との連携ポイント。
  • 節16: 「pᵢ = xᵢ × pᵢ*」と「全圧は寄与の和」をセットで記憶。乙種で混合LPGの蒸気圧計算が出題される。
  • 節17: 「1 atm = 101.325 kPa」「1 mol = 22.4 L」は丸暗記。乙種計算問題では単位換算ミスが最大の失点ポイント。

📌 乙種 基礎理論問1〜2 出題パターン

過去5年(R03〜R07)の乙種問1〜2は、本章の中から以下の論点を組み合わせた「気体の諸性質」問題が定番です。

  • 節9(理想気体実在気体): 「高温・低圧理想気体に近い」 ← 「低温・高圧」と書き換える誤が王道
  • 節13(粘度・熱伝導率): 「気体の粘度は温度↑で増加」 ← 「減少」と書き換える誤が王道
  • 節12(臨界現象): 「臨界温度より高ければ圧縮しても液化不能」 ← この方向は変化なし、二酸化炭素・窒素が引っ掛け素材
  • 節1(潜熱顕熱): 「相変化に伴う熱を潜熱」 ← 顕熱と入れ替える誤
  • 節15(ヘンリーの法則): 「分圧に比例して溶解度↑」 ← 「反比例」「分圧でなく全圧」と書き換える誤

5択中の正解は、これらの法則を「方向(↑↓)」「比例関係」「主語(気体/液体)」のどれか1点で書き換えた誤文です。

📝 関連過去問

この章の知識が問われる過去問題リスト(全71問)。

ℹ️ 乙種・甲種は別の試験です。同じ問番号(例: 基問10)であっても、乙種と甲種では出題される問題内容は異なります。各年度・種別ごとの本文は 乙種過去問 / 甲種過去問 ページから確認してください。

乙種(38問)

令和7年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

令和6年: 基問1 / 基問2

令和5年: 基問1 / 基問2

令和4年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

令和3年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

令和2年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

令和元年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

平成30年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

平成29年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

平成27年: 基問1 / 基問2 / 基問3

甲種(33問)

令和7年: 基問1 / 基問2

令和6年: 基問1 / 基問2

令和5年: 基問1 / 基問2

令和4年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

令和3年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4

令和2年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

令和元年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

平成30年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4 / 基問5

平成29年: 基問1 / 基問2 / 基問3 / 基問4