
- 防護措置は内径100mm未満の低圧を除外・遮断メーターは16m³/h以下
- 漏えい検査はPE管・屋外非埋設を除外
- 地下整圧器は浸水を防止(検知ではない)
ガスを需要家まで届ける供給系設備(導管・整圧器・昇圧供給装置)に固有の技術基準を扱います。48条〜63条の範囲で、ガス遮断装置・漏えい検査・防護措置・整圧器の浸水防止・昇圧供給装置の点検期間など、試験で頻出する論点を整理します。
乙種・甲種兼用 / 法令第8章を3つに分割した一部分
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📍 この章-3で学ぶこと
– 導管:防護措置・ガス遮断装置・マイコンメーター・漏えい検査(48-51条)
– 導管:設置場所・防護基準・他者掘削露出への措置(52-55条)
– 整圧器:ガス遮断装置・浸水防止・昇圧供給装置(57-63条)
11. 各論2(導管):48条(防護措置)・49条(ガス遮断装置等)・50条(ガス遮断機能を有するガスメーター)・51条(漏えい検査)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
48条:道路露出導管(内径100mm以上)に衝撃防護、PE本支管の掘削損傷防止(道路埋設:5kPa以上PE管対象)。49条:高圧・中圧本支管にガス遮断装置、地下室等・特定建物への緊急遮断装置。50条:使用最大流量16m³/h以下のガスメーターはガス遮断機能必須(地震250ガル・過大流量・圧力低下)。51条:漏えい検査頻度(高圧:1年、その他特定管理管:1年、一般:4年)。
📖 解説(乙種ベース)
ここからは、つくる設備から届ける設備へ話が移る。道路の下や路面を走る導管を脅かすのは、内側の圧力よりも外から来る力だ。車がぶつかる、他人の重機が掘り当てる——48条から51条は、その外力と「気づかないうちに進む漏れ」に備える4条である。
第48条(防護措置)は外力から管を守る条文だ。第1項の対象は、道路路面に露出している導管——ただし最高使用圧力が低圧で内径100mm未満のものは除く。これらには、車両の接触等の衝撃による損傷を防止する措置を講じなければならない。
ではなぜ細い低圧管が除かれるのか。圧力が低く径も小さければ、傷ついたときに噴き出す量が限られるからだ。ただし「低圧」と「内径100mm未満」の両方がそろって初めて除外になる。出題者はここで「未満」を「以上」にひっくり返す。方向の逆転こそ、この節で最も多い手口である。
第2項が備える相手は掘削だ。道路に埋設される本支管のうち、最高使用圧力が5kPa以上のポリエチレン管(PE管)には、掘削等による損傷を防止するための適切な措置を講ずる。第3項は場所を道路の外へ広げ、道路以外の地盤面下に埋設される本支管(低圧の場合はPE管で5kPaを超えるもの以外を除く)にも、掘削等による損傷を防止するための適切な措置を求めている。
第49条(ガス遮断装置等)は、漏れたときに流れを断つ弁をどこに置くかを、圧力と建物の性格で場合分けした条文である。5つの項が並ぶが、読み解く軸は「どれだけ急いで止めるか」だ。速やかに・容易に・直ちに——この副詞の差が、そのまま危険度の差を表している。
第1項は、高圧又は中圧の本支管。分岐点等に、速やかに遮断できるガス遮断装置を設ける。第2項は、低圧本支管で特定地下街等へガスを供給するもので、こちらは容易に遮断できるガス遮断措置である。
第3項の対象は建物引込管だ。超高層建物・高層建物・特定大規模建物等・中圧導管・低圧70mm以上のものには、速やかに遮断できるガス遮断装置を設ける。第4項は地下室等への導管で、地上から操作できるガス遮断装置が必要になる。地下にガスがたまった状況で、その地下まで降りて弁を回せというのは無理な話だからだ。
そして第5項。特定地下街等・特定地下室等・超高層・特定大規模建物への引込管には、外壁貫通箇所付近に直ちに遮断できる緊急ガス遮断装置を設ける。最も逃げ場のない場所に、最も強い語「直ちに」が割り当てられている——この対応を崩す差し替えが狙われる。
第50条(ガス遮断機能を有するガスメーター)が定めるのは、家庭のメーターに組み込まれた自動遮断の仕組みだ。分電盤のブレーカーが電気を落とすように、異常を感じたメーターがガスを止める。対象はガス事業者・準用事業者が使用者との取引に使用するガスメーターである。
ただし、すべてのメーターではない。①使用最大流量が毎時16m³以下、②使用最大圧力が4kPa以下、③口径250mm以下——この3条件を満たす小口のメーターが対象になる。大口の設備には別の保安手段があるため、条件で切り分けているわけだ。
検知して遮断する機能は3つある。①災害の発生のおそれのある大きさの地震(250ガルを超えるもの)を検知したとき、②過大なガスの流量(使用最大流量の2倍超)を検知したとき、③異常なガス圧力の低下(0.2kPaを継続して下回るもの)を検知したときだ。地震・流し過ぎ・圧力低下と、原因の毛色が違う3つを1台で拾う。
適用除外は2つ。①使用者の承諾が得られない場合、②設置場所の状況により機能が有効に働けない場合である。「承諾が得られなければ設置しなくてよい」という除外があること自体が意外で、だからこそ最頻出のひっかけに使われる。
第51条(漏えい検査)は、埋まって見えない管の漏れを、期間を決めて確かめさせる制度である。第1項は、道路に埋設されている導管の漏えい検査頻度を管の種類ごとに定める。危険が大きいものほど周期が短くなる——そう見れば、次の表の並びは自然に頭に入る。
最高使用圧力が高圧のものは埋設日以後1年に1回、ねずみ鋳鉄管等の特定管理管も1年に1回、それ以外は4年に1回だ。1年と4年を入れ替える、あるいは高圧を中圧に差し替えるのが定番の崩し方である。
漏えい検査みなし措置
ガス遮断機能付きメーターのイメージ| 導管の種類 | 検査頻度 |
|---|---|
| (1)最高使用圧力が高圧のもの | 埋設日以後1年に1回 |
| (2)特定管理管(ねずみ鋳鉄管等)で特定のガスを通ずるもの | 埋設日以後1年に1回 |
| (3)(1)又は(2)以外のもの | 埋設日以後4年に1回 |
ここまでが第1項、道路に埋設されている導管の話である。 条文はこのあと、どこの部分かで場所を変えて同じことを繰り返す。第2項は 道路埋設の導管からガス栓まで、第3項は 特定地下街等・特定地下室等。表が3つ並ぶので、 まず「どの項の話か」を決めてから頻度を思い出すのが事故を防ぐ順序になる。
第2項は、道路の下から需要家のガス栓までの区間である。ここだけに 6年という周期が出てくる。絶縁措置が 講じられ、そこからガス栓までがプラスチックで被覆された部分—— 電気的にも化学的にも守られているぶん、周期を延ばしてよいという理屈だ。 6年はこの1マスにしか存在しない。他の場所に6年を持ち込む選択肢は誤りになる。
| 第2項:道路埋設導管からガス栓まで(特定地下街等を除く) | 検査頻度 |
|---|---|
| (1)絶縁措置が講じられ、その部分からガス栓までプラスチック被覆された部分 | 埋設の日以後6年に1回以上 |
| (2)特定管理管で特定のガス(一酸化炭素を含むもの)を通ずる部分 | 埋設の日以後1年に1回以上 |
| (3)(1)又は(2)以外の部分 | 埋設の日以後4年に1回以上 |
第3項は特定地下街等・特定地下室等にガスを供給する部分である。 逃げ場のない地下という条件がそのまま周期に効いて、区分を問わずすべて 1年に1回以上になる。第2項の6年と隣り合わせなので、 「地下街なのに6年」と書かれた選択肢が繰り返し出る。
| 第3項:特定地下街等・特定地下室等 | 検査頻度 |
|---|---|
| (1)特定管理管で特定のガスを通ずる部分 | 埋設の日以後1年に1回以上 |
| (2)(1)以外の部分 | 埋設の日以後1年に1回以上 |
適用除外も、第1項より第2項・第3項のほうが多い。第1項の2つ (漏えい検知装置・ポリエチレン管)に加えて、 立入りの承諾が得られない場合と 屋外において埋設されていない部分が足される。 人の家に入れなければ検査しようがなく、目で見える屋外の露出部は 周期を決めた検査になじまない——除外の理由はどちらも現場の事情そのものだ。
🔑 覚える
6年は第2項(1)だけ(絶縁措置+プラスチック被覆)/ 特定地下街等は全部1年/除外に立入り承諾なし・屋外の非埋設が加わる/ みなし規定は基準日前4月以内(6月ではない)
最後に第4項のみなし規定である。前回の検査日から所定の期間が過ぎる日を 基準日といい、その前4月以内に 検査を済ませていれば、基準日に検査したものとみなす。実務では検査を きっかり周期どおりには回せないので、手前に寄せる分だけ認める仕組みだ。 ここを「前6月以内」に書き換えるのが定番のひっかけになっている。
適用除外は2つ、漏えい検知装置が設置されている部分と、ポリエチレン管を使用している部分である。常時見張る装置があるなら周期を決めた検査は要らず、腐食しない材質なら老朽化による漏れを心配しなくてよい——除外の理由はどちらも明快だ。
⚡ 焦点ポイント
51条の検査頻度(高圧・特定管理管:1年に1回、その他:4年に1回)は最頻出。50条のガスメーター遮断機能(地震250ガル・流量2倍超・圧力0.2kPa以下)の数値も出題される。48条の「内径100mm未満の低圧導管は露出防護除外」という適用除外を覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 50条のガスメーター遮断機能で「使用者の承諾が得られない場合は免除」という適用除外が引っ掛け。51条の「特定管理管」はねずみ鋳鉄管・白管・アスファルト布巻管等の老朽管(COガス含む特定のガスを通ずるもの)。PE管は検査除外。
12. 各論2(導管):52条(導管の設置場所)・54条(防護の基準)・55条(他者掘削露出への措置)
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
52条1項:高圧導管は建物内部・基礎面下に設置禁止(ガス供給に係る建物を除く)。52条2・3項:特定地下街等・中圧引込管の外壁貫通部付近のガス漏れ警報設備。54条:ガス事業者自身の掘削で露出した導管の防護基準(地中支持・つり受け防護・補強固定・伸縮吸収・ガス遮断措置)。
📖 解説(乙種ベース)
導管をどこに通してよく、どこに通してはいけないのか。52条はその線引きを扱う。漏れたガスが逃げられない場所——建物の内部、基礎面下、地下街——ほど規制は強くなる。続く54条・55条はさらに進んで、掘削で土から出てしまった導管の守り方を定める。54条はガス事業者自身の掘削、55条はそれ以外の者の掘削が対象だ。
第52条(導管の設置場所)の第1項は設置禁止の規定である。最高使用圧力が高圧の導管は、建物の内部又は基礎面下に設置してはならない。漏えいしても逃げ場がなく、高圧ゆえ噴出量が大きく、しかも建物の下は掘り返して確かめることもできない。禁止の理由はこの3点に尽きる。
適用除外は、当該建物がガスの供給に係るものの場合(整圧器室等ガス供給に係る建物)だ。出題者が仕掛けるのは主に2か所——「高圧」を中圧や低圧にすり替える手口と、「建物の内部又は基礎面下」のどちらか一方しか書かない手口である。
第2項は特定地下街等への引込導管の制約だ。特定地下街等又は特定地下室等にガスを供給する導管は、適切なガス漏れ警報設備の検知区域において、当該特定地下街等または特定地下室等の外壁を貫通するように設置しなければならない。貫通部は漏れやすい急所であり、そこを警報設備の視界の中に置け、という要求である。
第3項は中圧引込導管の制約。最高使用圧力が中圧の導管であって建物にガスを供給するもの(工場等は除く)は、適切な自動ガス遮断装置又は適切なガス漏れ警報器の検知区域において、当該建物の外壁を貫通するように設置する。さらに建物内で溶接以外の接合を行う場合は、検知区域において接合するよう設置しなければならない。溶接以外の接合部もまた、漏れの起点になりうるからだ。
第54条(防護の基準)は、ガス事業者の掘削によって周囲が露出することとなった露出導管の守り方を、五つの号で具体的に指示する。土に支えられていた管が宙に浮く——物干し竿と同じで、長くなるほど中間で支えなければたわみ、接合部に力が集中する。号の並びも、支える・吊る・固める・伸縮を逃がす・止める、という流れになっている。
第一号は地中の支持。露出部分の両端は、地くずれのおそれのない地中に支持する。第二号はつり・受け防護で、露出部が規定の長さを超える場合、又は露出部分に水取り器・ガス遮断装置・整圧器・不純物除去装置があるか、溶接以外の接合部が2以上ある場合に、告示基準に適合するつり防護又は受け防護を行う。重い付属品が付いていれば、短くても支えが要るという理屈だ。
規定の長さ(別表)は、管種と地中支持の堅固さで4通りに分かれる。鋼管で接合部がないもの又は溶接接合のものは、堅固な地中支持なら6.0m、その他なら3.0m。その他のものは、堅固な地中支持なら5.0m、その他なら2.5m。丈夫な管ほど、しっかり支えられているほど長く許される——数値の大小はこの向きで覚えると入れ替えに強くなる。
第三号は補強・固定措置で、露出部がガス供給に供されている場合に働く。印ろう型接合部には漏えい防止措置、特定接合以外の直管以外の接合部には抜出し防止措置、曲管部・分岐部・管端部(曲り角度30度超)には固定措置を講ずる。
この抜出し防止措置は、「特定接合以外」に限るという 条件つきである点が繰り返し問われている。ここでいう 特定接合とは、 溶接・フランジ接合・ 融着・ねじ接合のこと。 これらは接合そのものが強く、抜けるおそれが小さいため、措置の対象から外れる。
つまり直管以外の管の接合部がフランジ接合であれば、 抜出し防止措置は不要である。過去問は 「フランジ接合の部分にも抜出し防止措置が必要」と書いて誤りにしてくる。 ボルトで締め付けるフランジが抜けるとは考えにくい——そう腑に落とせば迷わない。
🔑 覚える
抜出し防止措置が要るのは特定接合以外の、直管以外の接合部。
特定接合=溶接・フランジ接合・融着・ねじ接合(これらは対象外)
第五号はガス遮断措置である。露出導管(低圧かつ内径100mm未満のものを除く)で、露出長さ100m以上、かつガス供給中のものには緊急遮断措置を講ずる。中・高圧は内径によらず対象になる点に注意したい。48条第1項と同じ「低圧かつ内径100mm未満は除外」という条件がここでも顔を出すので、対にして押さえておくとよい。
第55条(ガス事業者以外の掘削による露出導管)は、54条第三号イロ・第四号ロ・第五号を準用する。掘ったのが誰であれ、露出した管に働く力は同じだ。ただし準用される号は限定されており、そこが問われる。
導管の埋設と防護の断面図⚡ 焦点ポイント
52条の「高圧導管は建物内部・基礎面下に設置禁止」は最頻出。54条のつり・受け防護の「規定の長さ」(鋼管溶接:6m・その他:5m)も出題される。54条第五号「内径100mm以上・露出長さ100m以上でガス遮断措置」の数値を覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 52条の高圧導管設置禁止は「建物内部及び基礎面下」の両方。ただし「ガス供給に係る建物(整圧器室等)は除外」。54条のつり防護は露出長さが規定長さを「超える場合」または「接合部や装置がある場合」に必要。
13. 各論2:57条(整圧器のガス遮断装置等)・58条(整圧器の浸水防止等)・60〜63条(昇圧供給装置)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
57条:整圧器入口にガス遮断装置・不純物除去装置(一使用者用は除外)・一使用者向けは圧力上昇防止装置。58条:地下設置整圧器の浸水防止・凍結防止・耐震支持。60条:昇圧限界は毎時18.5m³未満。61条:過充てん防止・運転異常措置・内部変更防止。62条:屋外設置・屋外充てん・地盤固定。63条:14月に1回以上の点検。
📖 解説(乙種ベース)
整圧器は、送られてきたガスの圧力を使う側に合う高さまで落とす装置だ。落とす以上、上流には流れを止める手段と汚れを取る手段が要り、下流には上がりすぎを防ぐ手段が要る。57条はその三点セットを定めている。
第57条(整圧器のガス遮断装置等)の規定対象は整圧器。一号は、入口にガス遮断装置を設けること——ここに適用除外はない。二号は、入口に不純物を除去する装置を設けること。こちらは一の使用者にガスを供給するためのもの(1需要家向け整圧器)が適用除外になる。
浄水器のカートリッジと同じで、汚れを取る装置は通す量が多いほど意味を持つ。1軒分の小さな整圧器にまで求める必要はない——だから二号にだけ除外が付く。一方、止める装置は1軒分でも必要だ。この非対称が本節で最も問われる。「ガス遮断装置を設けること。ただし、一の使用者にガスを供給するためのものにあっては、この限りでない」という但書付きの記述は誤り。但書が付くのは二号の不純物除去装置のほうである。
三号は逆に、一の使用者にガスを供給するための整圧器にこそ義務が生じる。ガスの圧力が異常に上昇することを防止する装置(スプリング式安全器・入口側自動遮断弁等)を設けること。「異常に上昇」を「異常に低下」へ、「防止する装置」を「供給を維持する装置」へ差し替える手口が繰り返し出ている。
第58条(整圧器の浸水防止措置等)は、整圧器を襲う3つの外的条件——水・氷・揺れ——への備えを並べた条文である。
第1項は浸水防止。浸水のおそれのある地下に設置する整圧器には、浸水を防止するための措置を講ずる。ここは過去問が繰り返し狙う一点で、「浸水を検知するための措置」「腐食を防止するための措置」への差し替えが定番だ。検知しても水は止まらない。求められているのは、そもそも水を入れないことである。
第2項は凍結防止。ガス中の水分の凍結により整圧機能を損なうおそれのある整圧器には、凍結を防止するための措置を講ずる。凍るのはガスそのものではなく、ガスの中に含まれる水分だという点を押さえておきたい。
第3項は耐震支持である。整圧器の制御用配管・補助整圧器その他の附属設備は、地震に対し耐えるよう支持されていなければならない。本体だけ丈夫でも、細い制御用配管が折れれば圧力は制御できない。義務の範囲が附属設備にまで及ぶ点が問われる。
昇圧供給装置は、天然ガス自動車への充てんなどのためにガスの圧力を上げる装置である。圧力を上げる行為そのものが危険を生むため、60条から63条は「どこまで上げてよいか」「どう置くか」「どれだけの頻度で見るか」を数値で縛っている。
第60条(昇圧供給装置の昇圧限界)の規定対象は、昇圧供給装置で天然ガス自動車に高圧にしたガスを充てんする場合。圧縮できるガスの量は、標準状態において毎時18.5m³未満でなければならない。半端な数値だからこそ狙われる。「18.5m³以下」への書き換えや、30m³といったまるい数値への差し替えに警戒したい。
第61条(昇圧供給装置の安全措置等)は3項からなる。第1項は適切な過充てん防止措置、第2項は装置の運転異常・取扱いにより障害を生じないよう適切な措置、第3項は内部が容易に変更できないよう適切な措置である。第3項は、設定を勝手にいじられて限界を超えることを防ぐ規定と読める。
第62条(昇圧供給装置の設置場所等)の第1項は、昇圧供給装置は屋外に設置し、屋外で充てんしなければならない、と定める。漏れても滞留しない場所で扱え、ということだ。適用除外は、十分な能力を備えた換気設備を有する屋外以外の場所において、適切なガス漏れ警報器が適切な方法により設けられている場合。換気と警報がそろって初めて屋外以外が許される。第2項は、容易に移動し又は転倒しないよう地盤又は建造物に固定しなければならない。
第63条(昇圧供給装置の点検)は、設置の日以後14月に1回以上、適切な点検を行い、装置の異常が認められなかったものでなければ使用してはならない、と定める。1年でも12月でもなく14月——年1回の点検が多少ずれても違反にならないよう幅を持たせた期間、と理解しておくと忘れにくい。適用除外は産業保安監督部長の承認を受けた場合である。
整圧器の付属装置(57・58条)⚡ 焦点ポイント
57条の「整圧器の不純物除去装置は一使用者向けは免除」「一使用者向けは圧力上昇防止装置が必要」という対比が最頻出。58条の「浸水防止は地下設置のもの」「耐震支持は附属設備まで含む」も出る。63条の「14月に1回以上」という点検頻度は特殊な数値として覚える。60条の「18.5m³未満」も要暗記。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 不純物除去装置は「一使用者向けは不要」だが「ガス遮断装置はすべての整圧器に必要」(除外なし)。昇圧供給装置の点検は「14月に1回以上」(1年ではなく14月:約1年2か月)。昇圧限界「18.5m³未満」は「以下」ではなく「未満」。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節11 各論2(導管):48条(防護措置)・49条(ガス遮断装置等)・50条(ガス遮断機能を有するガスメーター)・51条(漏えい検査): 48条:道路露出導管(内径100mm以上)に衝撃防護、PE本支管の掘削損傷防止(道路埋設:5kPa以上PE管対象)。49条:高圧・中圧本支管にガス遮断装置、地下室等・特定建物への緊急遮断装置。50条:使用最大流量16m³/h以下のガスメーターはガス遮断機能必須(地震250ガル・過大流量・圧力低下)。51条:漏えい検査頻度(高圧:1年、その他特定管理管:1年、一般:4年)。
- 節12 各論2(導管):52条(導管の設置場所)・54条(防護の基準)・55条(他者掘削露出への措置): 52条1項:高圧導管は建物内部・基礎面下に設置禁止(ガス供給に係る建物を除く)。52条2・3項:特定地下街等・中圧引込管の外壁貫通部付近のガス漏れ警報設備。54条:ガス事業者自身の掘削で露出した導管の防護基準(地中支持・つり受け防護・補強固定・伸縮吸収・ガス遮断措置)。
- 節13 各論2:57条(整圧器のガス遮断装置等)・58条(整圧器の浸水防止等)・60〜63条(昇圧供給装置): 57条:整圧器入口にガス遮断装置・不純物除去装置(一使用者用は除外)・一使用者向けは圧力上昇防止装置。58条:地下設置整圧器の浸水防止・凍結防止・耐震支持。60条:昇圧限界は毎時18.5m³未満。61条:過充てん防止・運転異常措置・内部変更防止。62条:屋外設置・屋外充てん・地盤固定。63条:14月に1回以上の点検。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節11: 51条の検査頻度(高圧・特定管理管:1年に1回、その他:4年に1回)は最頻出。50条のガスメーター遮断機能(地震250ガル・流量2倍超・圧力0.2kPa以下)の数値も出題される。48条の「内径100mm未満の低圧導管は露出防護除外」という適用除外を覚える。
- 節12: 52条の「高圧導管は建物内部・基礎面下に設置禁止」は最頻出。54条のつり・受け防護の「規定の長さ」(鋼管溶接:6m・その他:5m)も出題される。54条第五号「内径100mm以上・露出長さ100m以上でガス遮断措置」の数値を覚える。
- 節13: 57条の「整圧器の不純物除去装置は一使用者向けは免除」「一使用者向けは圧力上昇防止装置が必要」という対比が最頻出。58条の「浸水防止は地下設置のもの」「耐震支持は附属設備まで含む」も出る。63条の「14月に1回以上」という点検頻度は特殊な数値として覚える。60条の「18.5m³未満」も要暗記。
📝 一問一答(過去問ランダム)
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