法令 第8章-2 製造設備・貯蔵設備の技術基準

法令 第8章-2 製造設備・貯蔵設備の技術基準 解説動画
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この章はこれだけ(3行サマリ)
  • 低圧の過圧→圧力上昇防止装置(爆発戸・破裂板等)
  • ホルダー・貯槽は遮断(回収ではない)・貯槽である旨の表示
  • 特定ガス発生設備は二系統
出題実績:過去9年で159問(乙種・関連問含む)。詳細は本文へ。

ガスを製造・貯蔵する設備に固有の技術基準を扱います。圧力上昇防止・遮断・緊急停止・冷凍設備・逆流防止・気化装置・ガスホルダー・液化ガス用貯槽・特定ガス発生設備など、25条〜43条の範囲で、設備ごとに求められるルールを整理します。

乙種・甲種兼用 / 法令第8章を3つに分割した一部分

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📍 この章-2で学ぶこと

– 圧力上昇防止装置・遮断装置・緊急停止装置・移動式ガス発生設備の設置(25-28条)

– 冷凍設備の圧力上昇防止・ガスの逆流防止・気化装置の構造(29-31条)

– ガスホルダー(構造・遮断)・液化ガス用貯槽(安全弁・遮断)・表示・耐熱・防液堤・防食(32-39条)

– 特定ガス発生設備(構成・操作用電源停止時の措置・附属設備)(41-43条)


📑 この章の目次(全4節)
  1. 7. 各論1:25条(低圧の圧力上昇防止装置)・26条(遮断装置)・27条(緊急停止
  2. 8. 各論1:29条(冷凍設備の圧力上昇防止装置)・30条(ガスの逆流防止)・31条
  3. 9. 各論1:32条(ガスホルダーの構造)・33条(ホルダーの遮断装置)・34条(表
  4. 10. 各論1:41条(特定ガス発生設備の構成等)・42条(操作用電源停止時の措置)

7. 各論1:25条(低圧の圧力上昇防止装置)・26条(遮断装置)・27条(緊急停止装置)・28条(移動式ガス発生設備の設置)

重要度: 甲A乙A / 甲B乙B

🎯 一言で

25条:低圧のガス発生設備・ガス精製設備に圧力上昇防止装置(爆発戸・破裂板・水封器等。高圧・中圧・液化ガス用は17条で安全弁)。26条:製造設備(ホルダー・貯槽・特定ガス発生設備を除く)に遮断装置。27条:ガス発生設備に緊急停止装置(移動式は発生停止装置)。28条:移動式ガス発生設備の設置等(場所・転倒防止・容器の腐食/バルブ損傷/圧力上昇防止)。

📖 解説(乙種ベース)

ガスをつくる設備の中で、圧力が想定以上に上がったらどうなるか。逃がし場がなければ、容器そのものが裂ける。だから法は「逃がす」「止める」「発生そのものを断つ」という三段構えの装置を、設備ごとに条文で割り当てている。25条から28条は、その割り当て表そのものだ。

まず第25条(低圧ガス発生設備等の圧力上昇防止装置)が受け持つのは「逃がす」役割である。規定対象は、①最高使用圧力が低圧のガス発生設備(特定ガス発生設備並びに移動式ガス発生設備及び液化ガスを通ずるものを除く)、②最高使用圧力が低圧のガス精製設備。いずれも過圧が生ずるおそれのあるものに限られる。

規定内容は2つある。①過圧を逃がすために適切な圧力上昇防止装置を設けること、②その作動時に圧力上昇防止装置から吹き出されるガスによる障害が生じないように施設することだ。逃がした先で人が浴びては本末転倒——だから②が付く。

ここで直感を裏切る点がある。圧力を逃がす装置といえば安全弁を思い浮かべるが、圧力上昇防止装置は安全弁以外の方法として、爆発戸・破裂板・水封器等も認められる。圧力鍋のおもりだけが逃がし方ではなく、蓋の一部が抜ける仕掛けでもよい——そう考えれば腑に落ちる。適用除外は特定ガス発生設備/移動式ガス発生設備/液化ガスを通ずるもの。これらは17条により安全弁の設置が必要になるからだ。出題者は「低圧」を高圧・中圧に差し替え、25条と17条の担当範囲をすり替えてくる。

キーワード
圧力上昇防止装置 — 過圧を逃がす装置の総称。安全弁以外の方法として爆発戸・破裂板・水封器等も認められる

次に「止める」役割が第26条(遮断装置)である。規定対象は製造設備(ガスホルダー、液化ガス用貯槽及び特定ガス発生設備を除く)。使用中に生じた異常による災害の発生を防止するため、その異常が発生した場合にガス又は液化ガスの流出及び流入を速やかに遮断することができる適切な装置を、適切な箇所に設ける。適切なガス遮断装置とは手動弁・遠隔操作弁・水封器等をいう。

ではなぜホルダーと貯槽が除かれるのか。要らないからではない。ガスホルダーは33条で、液化ガス用貯槽は36条で、特定ガス発生設備は44条が36条を準用して、それぞれ必須と定めているからだ。「26条の対象外=遮断装置は不要」と読ませる選択肢は、この二段構えを知らないと引っかかる。

三段目が第27条(緊急停止装置)——発生そのものを断つ装置だ。規定対象は、第1項がガス(不活性のものを除く)を発生させる設備(特定ガス発生設備及び移動式ガス発生設備を除く)、第2項が移動式ガス発生設備。第1項の規定内容は、使用中に生じた異常による災害発生防止のため、その異常発生時に迅速かつ安全にガスの発生を停止し、又は迅速かつ安全にガスを処理することができる装置を設けること。第2項では、移動式ガス発生設備に迅速かつ安全にガスの発生を停止する装置を設ける。第1項の適用除外は特定ガス発生設備/移動式ガス発生設備/液化ガスを通ずるものである。

最後の第28条(移動式ガス発生設備の設置等)だけは毛色が違い、装置ではなく置き方を縛る。規定対象は移動式ガス発生設備(第1~3項)で、第3項は容器又は容器の設置場所。第1項は、ガス又は液化ガス(不活性除く)が漏えいした場合の火災等発生防止のため、①適切な場所に設置し、②容易に移動又は転倒しないよう適切な措置を講ずること。第2項は容器の腐食及び転倒並びに容器のバルブの損傷を防止する適切な措置、第3項は容器内の圧力が異常に上昇しないよう適切な温度に維持できる適切な措置である。適用除外はなし(第1項のガスはガス又は液化ガス=不活性のものを除く)。

覚える
25条=低圧のガス発生設備・ガス精製設備に圧力上昇防止装置/26条=製造設備に遮断装置(ホルダー・貯槽・特定ガス発生設備を除く)/27条=ガス発生設備に緊急停止装置(移動式は発生停止装置)/28条=移動式ガス発生設備の設置場所・転倒防止・容器の管理
🖼 図解
圧力上昇防止装置のイメージ圧力上昇防止装置のイメージ

⚡ 焦点ポイント

「25条の圧力上昇防止装置(爆発戸・破裂板・水封器)は低圧のガス発生設備・ガス精製設備」「17条の安全弁は高圧・中圧・液化ガス用」の区分が頻出。26条=遮断装置(流出及び流入を速やかに遮断。ガスホルダー=33条/液化ガス用貯槽=36条/特定ガス発生設備は別条)と、27条=緊急停止装置(移動式は迅速・安全に発生停止)、28条=移動式ガス発生設備の設置等を取り違えないこと。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 25条の圧力上昇防止装置は『低圧』のガス発生設備・ガス精製設備が対象(高圧・中圧は17条の安全弁)。水封器・爆発戸・破裂板も圧力上昇防止装置として認められる
  • 26条は『遮断装置』(ガス・液化ガスの流出及び流入を速やかに遮断)。ガスホルダー(33条)・液化ガス用貯槽(36条)・特定ガス発生設備は除き別条で規定
  • 27条の緊急停止装置は『迅速かつ安全に発生停止又は処理』、移動式は『発生停止装置』。28条は移動式ガス発生設備の設置・転倒防止・容器の管理

8. 各論1:29条(冷凍設備の圧力上昇防止装置)・30条(ガスの逆流防止)・31条(気化装置の構造)

重要度: 甲A乙A / 甲C乙C

🎯 一言で

29条:冷凍設備の冷媒ガスで過圧のおそれのある部分に圧力上昇防止装置。30条:ガスに直接液体・気体を送入する装置を持つ製造設備(移動式を含む)はガスの逆流防止構造(逆止弁等)。31条:気化装置は直火加熱禁止・温水凍結防止措置・液化ガス流出防止。

📖 解説(乙種ベース)

ガスを冷やす、逆流させない、液を気体に戻す——29条から31条は、製造設備の中でも「相手が液体や冷媒である」場面を扱う3条だ。相手が変われば壊れ方も変わる。壊れ方に合わせて条文が用意されている、と考えると整理しやすい。

第29条(冷凍設備の圧力上昇防止装置)の規定対象は、冷凍設備のうち冷媒ガスの通ずる部分であって過圧が生ずるおそれのあるもの。規定内容は、①過圧を逃がすために適切な圧力上昇防止装置を設けること、②その作動時に圧力上昇防止装置から吹き出される冷媒による障害が生じないように施設すること。適用除外はなし。25条と同じ二段構えだが、吹き出すのが「ガス」ではなく「冷媒」である点が読み替えどころだ。

第30条(ガスの逆流防止)は甲乙ともAランクの最頻出条文である。規定対象は、ガスの通ずる部分に直接液体又は気体を送入する装置を有する製造設備(移動式ガス発生設備を含む)。送入部分を通じてガスが逆流することによる設備の損傷又はガスの大気への放出を防止するため、逆流が生じない構造のものでなければならない。具体的には逆止弁等を設置する。適用除外はなし。

ここで出題者が狙うのは括弧の中だ。移動式ガス発生設備は25条や27条第1項では「除く」側に回るのに、30条では規定対象に含む。除外の常連だから今回も除外だろう——その思い込みを突いてくる。

キーワード
ガスの逆流防止(30条) — 送入部分を通じたガスの逆流による設備の損傷・大気への放出を防ぐ構造。逆止弁等を設置し、移動式ガス発生設備も規定対象に含む

第31条(気化装置の構造)の規定対象は、液化ガス(不活性のものを除く)を気化する装置(気化装置)。第3項は気化装置又はそれに接続される配管等である。第1項は、直火で加熱する構造のものは不可という直火加熱の禁止だ。チョコレートを湯せんで溶かすのと同じ発想で、加熱は間接的に——これが基本姿勢である。なお、サブマージド式気化器などは水中燃焼バーナで気化させるもので直火式ではない。

第2項は、温水で加熱する構造であって加熱部の温水が凍結するおそれのあるものに、温水の凍結を防止する措置を求める(被覆・加温・不凍液等=寒冷地)。温水で加熱する装置が凍る、という一見矛盾した状況を思い描いておくと忘れない。第3項は、気化装置又はそれに接続される配管等に、気化装置から液化ガスの流出を防止する措置を講ずること。適用除外は各項とも不活性の液化ガスを気化するもので、第3項はさらに、気化装置からの液化ガスの流出を考慮した設計である場合も除かれる。

🖼 図解
気化装置の構造3要件(31条)気化装置の構造3要件(31条)

⚡ 焦点ポイント

30条=ガスの逆流防止(甲乙ともA・最頻出)。送入部分からのガス逆流による設備損傷・大気放出を防止する逆止弁等を設け、移動式ガス発生設備も対象に含む点が頻出。31条=気化装置の構造は『直火で加熱する構造は禁止』(サブマージド式等の水中燃焼バーナは可)・温水加熱部の凍結防止が要点。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 30条はガスの逆流防止。逆止弁等で逆流を防ぎ、移動式ガス発生設備も対象に含む
  • 31条の気化装置は『直火で加熱する構造は不可』。温水加熱で凍結のおそれがあるものは凍結防止措置(寒冷地)
  • 29条は冷凍設備の冷媒ガスの圧力上昇防止(作動時に冷媒による障害が生じないよう施設)

9. 各論1:32条(ガスホルダーの構造)・33条(ホルダーの遮断装置)・34条(表示)・35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)・36条(貯槽の遮断装置)・37条(耐熱措置)・38条(防液堤)・39条(貯槽の防食措置)

重要度: 甲A乙A / 甲A乙B / 甲B乙B / 甲B乙C / 甲C乙C

🎯 一言で

32条:ガスホルダーの構造(凝縮液抜き取り装置・体積変化方式の貯蔵機能保護)。33条:ホルダーの送出/受入配管に遮断装置(適用除外なし)。34条:貯槽・ホルダーである旨の表示。35条:液化ガス用貯槽の安全弁+低温貯槽の負圧防止。36条:貯槽の送出/受入配管に遮断装置(不活性・流出おそれなしは除外)。37条:液化ガス用貯槽・高圧ホルダー(支持物含む)の耐熱措置。38条:防液堤(貯蔵能力1000トン〔特定事業所500トン〕未満は除外)。39条:埋設貯槽の防食措置。

📖 解説(乙種ベース)

ここからは、ガスを「ためる」設備の話になる。つくる設備と違い、ホルダーや貯槽は中身が常に大量にある。だから条文の関心は、漏らさない・逃がす・止める・知らせる、の4方向に広がる。32条から39条までは、その4方向をガスホルダーと液化ガス用貯槽に割り振った一群だ。

第32条(ガスホルダーの構造)の規定対象は、第1項がガスホルダーであって凝縮液により機能の低下又は損傷のおそれがあるもの(無水式ホルダー等)、第2項がガスを貯蔵する部分の体積を変化させる方式のガスホルダー(有水式・無水式)である。第1項は、ガスホルダーの凝縮液を抜く装置(凝縮液抜き取り装置)を設置し、内面腐食やガス中水分が多くならないようにすること。第2項は、体積の変化を可能にする機構に起因してガスを貯蔵する機能が損なわれないよう適切な措置を講ずること(有水式は補給水管設置、無水式はピストンが円滑に動くよう設置)。適用除外はなし。

キーワード
凝縮液抜き取り装置(32条第1項) — ホルダー内にたまる凝縮液を抜く装置。内面腐食とガス中水分の増加を防ぐ

第33条(ガスホルダーの遮断装置)の規定対象は、ガスホルダーのガスを送り出し、又は受け入れるために用いられる配管。ガスが漏えいした場合の災害発生防止のため、ガスの流出及び流入を速やかに遮断することができる適切な装置を適切な箇所に設ける(緊急遮断装置等を送出・受入配管に設置)。注目すべきは適用除外の欄で、33条には適用除外の規定がない。後に読む36条には除外があるため、この非対称がそのまま出題材料になる。

第34条(表示)は、設備そのものではなく人への情報提供を求める条文だ。規定対象は、①液化ガス用貯槽(不活性の液化ガス用のものを除く)又はこれらの付近、②ガスホルダー又はこれらの付近。その外部から見やすいように、液化ガス用貯槽又はガスホルダーである旨の表示をしなければならない。直接表示するか、付近に表示板・立て札等で表示する。適用除外は、液化ガス用貯槽については不活性の液化ガス用のもの。ガスホルダーは除外なしである。

第35条(液化ガス用貯槽の安全弁等)の規定対象は、第1項が液化ガス用貯槽であって過圧が生ずるおそれのあるもの、第2項が低温貯槽である。第1項は、①過圧を逃がすために適切な安全弁を設置し、②安全弁はその作動時に安全弁から吹き出されるガスによる障害が生じないように施設すること(17条と同趣旨)。

第2項は逆向きの危険を扱う。低温貯槽(圧力が0Pa=大気圧における沸点が0℃以下の液化ガスを0℃以下、又は気相部の通常使用状態の圧力0.1MPa以下の液体状態で貯蔵する貯槽)には、負圧による破壊を防止するため適切な措置を講ずる(真空安全弁等の負圧防止措置)。圧力が高すぎて裂けるのが第1項、低すぎて潰れるのが第2項——向きが正反対だ。適用除外は第2項=不活性の液化ガス用のもの。

第36条(液化ガス用貯槽の遮断装置)の規定対象は、液化ガス用貯槽の液化ガスを送り出し、又は受け入れるために用いられる配管。液化ガスが漏えいした場合の災害発生防止のため、液化ガスの流出及び流入を速やかに遮断することができる適切な装置を適切な箇所に設置する(緊急遮断装置等を送出・受入配管に設置)。33条と同様だが、33条には適用除外がない点が相違する。36条の適用除外は、①不活性の液化ガス用のもの、②液化ガスの流出のおそれのない構造のものだ。

第37条(耐熱措置)が守る相手は火災である。規定対象は、①液化ガス用貯槽及びこれらの支持物、②高圧のガスホルダー及びこれらの支持物。最高使用圧力が高圧のガスホルダー及びこれらの支持物、並びに液化ガス用貯槽及びこれらの支持物は、当該設備が受けるおそれのある熱に対し十分に耐えるものとし、又は適切な冷却装置を設置する(火災による影響を防ぐ耐熱措置)。中圧・低圧のホルダーは対象に入らない。適用除外は、①液化ガス用貯槽については埋設された液化ガス用貯槽のその埋設された部分、②不活性の液化ガス用貯槽であって可燃性の液化ガス用貯槽の周辺にないもの。地中に埋まっていれば火災の熱を受けない——除外の理由もそこにある。

第38条(防液堤)は、鉢植えの受け皿と同じ考え方の設備だ。こぼれても、広がる前にその場で受け止める。規定対象は、第1項が液化ガス用貯槽、第2項が防液堤の外面から防災作業のために必要な距離の内側。第1項は、液化ガス用貯槽からの液化ガスが漏えいした場合の災害発生防止のため、適切な防液堤を設置すること。第2項は、防液堤の外面から防災作業のために必要な距離の内側には、液化ガスの漏えい又は火災等の拡大を防止する上で支障のない設備以外の設備を設置してはならないことである。

第1項の適用除外は3つ。①不活性の液化ガス用のもの、②貯蔵能力1000トン(特定事業所に設置されるものにあっては500トン)未満のもの、③地下埋設貯槽及び一部埋設で液面が盛土の天端面以下にあり、貯槽内液化ガスの最高液面以下の部分と周囲地盤との間に空隙がないもの。②は「1000トン未満なら不要」であり、特定事業所ではより厳しく500トンで線が引かれる。この2つの数値を入れ替える手口が定番だ。

覚える
33条(ホルダー遮断)=適用除外なし/36条(貯槽遮断)=不活性・流出のおそれなし構造は除外/37条 耐熱措置=液化ガス用貯槽と高圧のガスホルダー(埋設部分は除外)/38条 防液堤=貯蔵能力1000トン(特定事業所500トン)未満は除外

第39条(貯槽の防食措置)の規定対象は、液化ガス用貯槽の埋設された部分。設置された状況により腐食を生ずるおそれがある場合には、当該設備の腐食を防止するための適切な措置を講ずる(埋設部分の防食措置)。適用除外は不活性の液化ガス用のもの。37条では「埋設部分は除外」、39条では「埋設部分こそが対象」——同じ埋設という語が、条文によって正反対の役割を果たす点に注意したい。

🖼 図解
ガスホルダーと遮断装置ガスホルダーと遮断装置

⚡ 焦点ポイント

33条(ホルダー遮断=適用除外なし)と36条(貯槽遮断=不活性・流出おそれなしは除外)の対比が頻出。35条は安全弁+低温貯槽(沸点0℃以下を0℃以下又は0.1MPa以下の液体で貯蔵)の負圧防止。37条 耐熱措置の対象は液化ガス用貯槽と高圧ホルダー(埋設部分は除外)。38条 防液堤は貯蔵能力1000トン(特定事業所500トン)未満が除外。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 33条(ホルダー遮断)は適用除外なし。36条(貯槽遮断)は不活性・流出おそれなし構造を除外、という対比が頻出
  • 37条の耐熱措置は『液化ガス用貯槽』と『高圧のガスホルダー』が対象(中圧・低圧ホルダーは対象外。埋設部分は除外)
  • 38条の防液堤は貯蔵能力1000トン(特定事業所は500トン)未満が適用除外。35条の低温貯槽は沸点0℃以下の液化ガスを0℃以下又は0.1MPa以下の液体で貯蔵するもの

10. 各論1:41条(特定ガス発生設備の構成等)・42条(操作用電源停止時の措置)・43条(附属設備等)

重要度: 甲C乙C

🎯 一言で

41条:特定ガス発生設備の構成(同一ガス発生能力の二系統・圧力低下時に自動的に他系統からガス発生・液化ガス量確認装置)。42条:気化装置を電源操作するものは操作用電源停止時にガス供給を維持する装置。43条:附属設備等(容器の腐食/転倒防止・バルブ損傷防止・圧力が異常上昇しない温度維持)。

📖 解説(乙種ベース)

特定ガス発生設備は、容器に詰めた液化ガスから小規模にガスを起こして供給する設備である。大きな製造所と違い、常駐の運転員がいない場所にも置かれる。だから41条から43条は、人がいなくても供給が途切れず、容器が危険にならないための独自の基準を並べている。

第41条(構成等)の規定対象は、第1項が特定ガス発生設備(容器に附属する気化装置内においてガスを発生させるものを除く)の容器の部分・集合装置の部分、第2項が容器に附属する気化装置内においてガスを発生させる特定ガス発生設備の容器の部分である。

第1項の規定内容は2つ。①容器の部分は集合装置により連結される同一のガス発生能力を有する二系統で構成される構造であること、②集合装置の部分は、一の系統の容器から発生するガスの圧力が供給に支障のある圧力以下に低下した場合、自動的に他の系統の容器からガスが発生する装置を設けることだ。予備のカートリッジを積んだプリンタが、片方が切れた瞬間に自動で持ち替えるのと同じ仕組みである。第2項は、当該容器内の液化ガスの量を確認することができる装置を設けること。

適用除外も項ごとに分かれる。第1項は、特定製造所において容器に充てんすることができ、当該容器の液化ガス量を確認できる装置を設けたもの。第2項は、一の系統の容器内液化ガス量が供給に支障ある量以下に低下した場合、自動的に他の系統の容器から液化ガスが流出する装置を設けているものである。

キーワード
二系統構成(41条第1項) — 同一のガス発生能力を有する二系統を集合装置で連結し、一方の圧力が供給に支障のある圧力以下に低下すると自動的に他系統からガスが発生する構造

第42条(操作用電源停止時の措置)の規定対象は、容器に附属する気化装置内においてガスを発生させる特定ガス発生設備であって、当該気化装置を電源によって操作するもの。自家発電機その他の操作用電源が停止した際にガスの供給を維持するための装置を設けなければならない。適用除外はなし。

ここが最大のひっかけどころだ。停電と聞けば「止める装置」を連想するが、42条が求めるのは供給を維持する装置である。緊急停止装置は27条の話であって、42条ではない。停止と維持——正反対の語を入れ替えるのが出題者の常套手段だ。

第43条(附属設備等)の規定対象は、第1項が特定ガス発生設備(容器・容器のバルブ)、第2項が容器又は容器の設置場所。第1項は、①容器は腐食及び転倒を防止する適切な措置、②容器のバルブは損傷を防止する適切な措置。第2項は、容器又は容器の設置場所には、容器内の圧力が異常に上昇しないよう適切な温度に維持できる適切な措置を講ずること。適用除外はなし。28条の移動式ガス発生設備と規定内容がよく似ているので、対象設備の入替えにも注意したい。

🖼 図解
特定ガス発生設備の二系統構成(41条)特定ガス発生設備の二系統構成(41条)

⚡ 焦点ポイント

特定ガス発生設備(41〜43条)は独自の基準41条=二系統構成で一系統の圧力低下時に自動的に他系統からガス発生する装置。42条=操作用電源停止時にガス供給を維持する装置(緊急停止ではない)。43条=附属設備等(容器の腐食・転倒・バルブ損傷の防止、圧力の異常上昇を防ぐ温度維持)。点検周期(14月)は63条の昇圧供給装置の話であり43条ではない。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 41条は特定ガス発生設備の構成=同一能力の二系統で、一系統の圧力低下時に自動的に他系統からガス発生
  • 42条は『操作用電源停止時の措置』=電源停止時にガス供給を維持する装置(緊急停止装置=27条とは別)
  • 43条は『附属設備等』=容器の腐食・転倒防止、バルブ損傷防止、圧力が異常上昇しない温度維持。『点検14月』は63条(昇圧供給装置)であり43条ではない

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

節7

25条:低圧のガス発生設備・ガス精製設備に圧力上昇防止装置(爆発戸・破裂板・水封器等。高圧・中圧・液化ガス用は17条で安全弁)。26条:製造設備(ホルダー・貯槽・特定ガス発生設備を除く)に遮断装置。27条:ガス発生設備に緊急停止装置(移動式は発生停止装置)。28条:移動式ガス発生設備の設置等(場所・転倒防止・容器の腐食/バルブ損傷/圧力上昇防止)。

節8

29条:冷凍設備の冷媒ガスで過圧のおそれのある部分に圧力上昇防止装置。30条:ガスに直接液体・気体を送入する装置を持つ製造設備(移動式を含む)はガスの逆流防止構造(逆止弁等)。31条:気化装置は直火加熱禁止・温水凍結防止措置・液化ガス流出防止。

節9

32条:ガスホルダーの構造(凝縮液抜き取り装置・体積変化方式の貯蔵機能保護)。33条:ホルダーの送出/受入配管に遮断装置(適用除外なし)。34条:貯槽・ホルダーである旨の表示。35条:液化ガス用貯槽の安全弁+低温貯槽の負圧防止。36条:貯槽の送出/受入配管に遮断装置(不活性・流出おそれなしは除外)。37条:液化ガス用貯槽・高圧ホルダー(支持物含む)の耐熱措置。38条:防液堤(貯蔵能力1000トン〔特定事業所500トン〕未満は除外)。39条:埋設貯槽の防食措置。

節10

41条:特定ガス発生設備の構成(同一ガス発生能力の二系統・圧力低下時に自動的に他系統からガス発生・液化ガス量確認装置)。42条:気化装置を電源操作するものは操作用電源停止時にガス供給を維持する装置。43条:附属設備等(容器の腐食/転倒防止・バルブ損傷防止・圧力が異常上昇しない温度維持)。

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