
- 保安規程は13項目・届出(認可ではない)
- ガス主任技術者は免状の範囲(乙種=中低圧+高圧の液石貯槽・移動式)と選解任
- 工事計画の届出→使用前検査の流れ
ガス工作物(配管・整圧器・タンクなど)の保安を定める章です。工事のときに何を届け出るか、設備使用前にどんな検査が必要か、定期検査の頻度は、保安規程には何を書くか、ガス主任技術者の役割と免状の種類など、現場の保安体制を支える法令を扱います。
乙種・甲種兼用 / 全17節 / 学習目安: 60〜90分
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📍 はじめに
ガス工作物の保安は「事前(工事計画)」「使用前(検査)」「使用中(定期検査・保安規程)」「人(ガス主任技術者)」の4本柱で構築されています。この章でそれぞれを整理すると、論述問題でも組み立てやすくなります。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全17節)
- 1. ガス工作物保安の基本的な考え方(3つの規制パターン)
- 2. 工事計画の事前届出(法68条・規則97条)
- 3. 工事計画の変更・例外規定(非常時・軽微・記載事項以外)
- 4. 経済産業大臣の命令・承認(工事計画関連:法68条4〜6項)
- 5. 別表第1(工事計画届出・使用前検査の対象工事)
- 6. 使用前自主検査・登録ガス工作物検査機関の検査(法69条)
- 7. 使用前検査の記録保存・仮合格(規則104条・法70条)
- 8. 定期自主検査の対象・時期・方法(法71条・告示)
- 9. 定期自主検査の記録作成・保存(規則109条)
- 10. ガス工作物の技術基準適合維持義務(法21条)
- 11. 経済産業大臣の改善等の命令(技術基準不適合・緊急)
- 12. 成分検査の義務と方法(法23条・63条・規則22条)
- 13. 保安規程の作成・届出・遵守義務(法24条)
- 14. 保安規程に定めるべき事項13項目(規則24条)
- 15. ガス主任技術者の選任・届出・保安監督(法25条・規則26条)
- 16. ガス主任技術者免状の種類と監督範囲(法26条・規則30条)
- 17. ガス主任技術者の義務・免状返納・解任命令・認定高度保安実施事業者
1. ガス工作物保安の基本的な考え方(3つの規制パターン)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガス工作物に対する保安規制は「国が直接規制」「事業者の責務」「所有者・占有者の協力責務」の3パターンからなる。
📖 解説(乙種ベース)
ガスの保安は、誰が守るのか。国か、事業者か、それとも設備の持ち主か——答えは「三者全員、ただし役割分担つき」だ。ガス工作物に対する保安規制は、①国が直接規制する、②事業者の責務として課す、③所有者・占有者の協力責務として顧客に課す、という3パターンで組み立てられている。試験ではこの仕分けそのものが問われるので、下の表の切り口で整理しておこう。
ガス工作物保安の3つの規制パターン| パターン | 具体的な制度 |
|---|---|
| ①国が直接規制する場合 | 工事計画の事前届出(届出受理後30日間は工事着手不可)/登録ガス工作物検査機関の受検命令/仮合格の承認(一般ガス導管事業・ガス製造事業のみ) |
| ②事業者の責務としてガス事業者に課している場合 | ガス工作物の技術基準への適合維持義務/ガスの成分の検査義務/保安規程の作成(変更)届出・遵守義務/ガス主任技術者の選任(解任)届出・保安監督義務/使用前検査(自主検査及びその結果に関する登録ガス工作物検査機関の検査)/定期自主検査/ガス小売事業者・一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・ガス製造事業者相互の連携 |
| ③所有者・占有者の協力責務として顧客に課している場合 | ガス工作物の所有者又は占有者の責務(技術基準適合維持への協力) |
仕分けのコツは時間軸だ。工事の前にチェックするのが事前規制、完成後・使用中に確かめるのが検査、日常の保安を担うのが事業者自身——この視点で各制度を振り分けると迷わない。注意したいのは③で、所有者・占有者に課されるのは「協力」であって、事業者と同列の義務ではない。出題者は②と③の入れ替え、義務と協力のすり替えを狙ってくる。
では、事業者の内部で保安を支える仕組みの核心はどこか。保安規程とガス主任技術者制度——この2つがガス事業者の内部における自主保安体制の核心、いわゆる2本柱だ。「3本柱」とすり替える選択肢が出たら誤りである。
さらに令和5年度からは、認定高度保安実施ガス事業者制度が加わった。テクノロジーを活用しつつ自立的に高度な保安を確保できるガス事業者を国が認定し、その保安力に応じた規制体系(特例措置)へ移行できる制度である。
⚡ 焦点ポイント
3パターンの分類(国直接規制・事業者責務・所有者協力)を整理する。保安規程とガス主任技術者制度が「自主保安体制の2本柱」である点は頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「所有者又は占有者の協力責務」は義務ではなく「努めなければならない」という努力義務(強制力が弱い)。ガス事業者の義務とは異なる。
- 「国直接規制」と「事業者責務」が入れ替えられる
- 所有者・占有者の協力が「努力義務」ではなく「義務」と書き換えられる
- 「自主保安体制の2本柱」が「3本柱」と書き換えられる
- 「保安規程」と「ガス主任技術者制度」のどちらかが別の用語に置き換えられる
2. 工事計画の事前届出(法68条・規則97条)
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
全4事業者は主要なガス工作物の設置・変更工事の計画を経済産業大臣に事前に届け出る義務がある。届出受理後30日経過後に工事開始可能。
📖 解説(乙種ベース)
大口径の導管を新設する——そんな大工事を、事業者の判断だけで始めてよいのだろうか。答えは否。ガス事業者(ガス小売・一般ガス導管・特定ガス導管・ガス製造の全4事業者)は、それぞれの事業の用に供する主要ガス工作物の設置又は変更の工事をする場合は、工事の計画を経済産業大臣に「事前に」届け出なければならない(法68条1項)。対象工事は、規則97条(別表第1)の上欄に掲げる工事の種類に応じて、同表の中欄に掲げるものだ。
しかも届け出れば即着工、とはいかない。届出が受理された日から「30日」を経過した後でなければ、工事を開始してはならない(法68条3項)。なぜ30日待つのか。種明かしをすると、この30日は大臣が計画を審査し、問題があれば止めるための期間である。出題者の手口は2つ——「30日経過後」を「30日以内」「60日経過後」にすり替える、「事前届出」を事後届出や許可にすり替える。経過した「後」だから、着工できるのは31日目以降だ。
条文は事業ごとに枝分かれしている。中身は同じ構造なので、番号の対応だけ表で押さえればよい。
工事計画届出の流れ| 事業 | 条文 |
|---|---|
| ガス小売事業 | 法32条(規則39・40条) |
| 一般ガス導管事業 | 法68条(規則97・98条) |
| 特定ガス導管事業 | 一般ガス導管事業準用 |
| ガス製造事業 | 法101条(規則153・154条) |
穴埋めで問われるのもこの2点だ。一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・ガス製造事業者は、工事の計画を経済産業大臣に「事前」に届け出る。そして工事計画の届出者は、届出が受理された日から「30日」を経過した後でなければ工事を開始してはならない。
🟦 甲種プラスα
甲種では「工事計画の事前届出(法68条・規則97条)」の本文の内容をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。条文番号や手続きの順序まで正確に押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「事前」届出と「30日経過後」工事開始がセットで頻出。非常時の例外(事後届出)・軽微な変更(事後届出)・記載事項以外の変更(届出不要)の3つの例外も重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「受理された日から30日」→ 30日経過「後」に工事開始。経過「した日」ではなく「した後」。つまり31日目以降から着工可能。
- 「30日経過後」工事開始が「30日以内」「60日経過後」に書き換えられる
- 「事前届出」が「事後届出」「届出不要」に書き換えられる
- 「軽微な変更」が「事前届出が必要」と誤って出題される
- 「記載事項以外の変更」が「届出が必要」と誤って出題される
3. 工事計画の変更・例外規定(非常時・軽微・記載事項以外)
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
工事計画の変更も原則事前届出が必要。ただし非常時の一時的工事・軽微な変更・記載事項以外の変更には異なる扱いがある。
📖 解説(乙種ベース)
届け出た工事計画を変更したくなったらどうするか。原則は新規と同じで、「事前に」経済産業大臣に届け出なければならない(法68条2項)。だが、災害でガス工作物が損壊した夜にも届出を出して待つのか——そんなはずはない。法はここに3つの例外を用意している。
例外①は非常時の一時的な工事(法68条1項ただし書き・7項)。ガス工作物が滅失・損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、工事計画の届出は不要。ただし工事の開始後、遅滞なく届け出なければならない(事後届出)。例外②は軽微な変更(法68条8項・規則97条2項・3項)——別表第1の中欄の工事を伴う変更以外の変更をするときは、変更後、遅滞なく経済産業大臣に届け出る(事後届出)。例外③は工事計画の記載事項以外の変更で、これは届出不要だ。
同じ事後届出でも、起算点が「工事の開始後」か「変更後」かで異なる——ここが最頻出のひっかけだ。さらに「遅滞なく」を「直ちに」や「30日以内」にすり替える手口も定番なので、表で固めておこう。
工事計画変更の届出4パターン| 区分 | 届出タイミング |
|---|---|
| 原則(重要な変更) | 事前届出 |
| 例外①(非常時) | 工事開始後・遅滞なく(事後届出) |
| 例外②(軽微な変更) | 変更後・遅滞なく(事後届出) |
| 例外③(記載事項以外) | 届出不要 |
🟦 甲種プラスα
甲種では「工事計画の変更・例外規定(非常時・軽微・記載事項以外)」の本文の内容をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。条文番号や手続きの順序まで正確に押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
3種類の例外の届出タイミングを正確に区別する。「遅滞なく」は事後届出の共通表現。別表第1の数値(20%・低圧以上・500m・高圧)は穴埋め頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 非常時の事後届出は「工事の開始後、遅滞なく」。軽微な変更は「変更後、遅滞なく」。どちらも「事後」だが、タイミングの基準点が異なる(工事開始後 vs 変更後)。
- 「遅滞なく」が「直ちに」「速やかに」「30日以内」に書き換えられる
- 別表第1の「20%」が「25%」「30%」に書き換えられる
- 「500m」が「100m」「1000m」に書き換えられる
- 「低圧以上」が「中圧以上」「高圧のみ」に書き換えられる
4. 経済産業大臣の命令・承認(工事計画関連:法68条4〜6項)
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
経済産業大臣は工事計画の届出に対し、期間短縮承認・変更廃止命令・工程中検査受検命令の3種類の権限を持つ。
📖 解説(乙種ベース)
届け出られた工事計画を、大臣はただ受け取るだけではない。経済産業大臣には、期間短縮承認・変更廃止命令・工程中検査受検命令という3種類の権限がある。ポイントは、どの権限がどんな「条件」で発動するかの対応関係だ。
①期間短縮承認(法68条4項)。技術上の基準に適合し、ガスの円滑な供給を確保するため技術上適切——各条件に「適合している」と認める場合、経済産業大臣は工事開始までの期間(30日)を短縮できる。問題のない計画なら、待たせる理由がないからだ。
②変更・廃止命令(法68条5項)。技術上の基準に適合していない、又はガスの円滑な供給を確保するため技術上適切でない——「適合していない」と認めるとき、大臣は届出受理後30日以内に、工事の計画の変更・廃止を命ずることができる。なぜ30日以内なのか。30日が過ぎると工事を開始できてしまうから、命令を打てるのはその前まで、という理屈だ。
③工程中検査受検命令(法68条6項)。工程中検査を行わなければ、基準に適合しているかどうかを判定できない場合、大臣は登録ガス工作物検査機関の検査を受けるべきことを命ずることができる。
工事計画に対する大臣の3権限| 権限 | 条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 期間短縮承認 | 適合 | 30日を短縮(工事を早く開始させてあげる) |
| 変更廃止命令 | 不適合 | 30日以内に変更・廃止を命令(不適切な工事を止める) |
| 工程中検査命令 | 判定困難 | 検査機関の検査受検を命令(確認のため工事中に検査) |
出題者の定番は「適合→短縮」と「不適合→命令」の入れ替えだ。同じ30日という数字が「短縮される期間」と「命令を打てる期限」の2つの顔で登場する——この対を崩されても見抜けるようにしておきたい。
🟦 甲種プラスα
甲種では「経済産業大臣の命令・承認(工事計画関連:法68条4〜6項)」の本文の内容をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。条文番号や手続きの順序まで正確に押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
3つの権限の「条件」をセットで暗記。期間短縮は「適合→短縮可」、変更廃止命令は「不適合→30日以内に命令」。30日という数字の使い方が逆になるので注意。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 変更廃止命令は「受理後30日以内」に出す(30日が過ぎれば工事開始可能なので、命令できる期間は30日以内に限られる)。工事開始後には変更廃止命令は出せない。
- 「適合→期間短縮可」が「不適合→短縮可」と入れ替えられる
- 変更廃止命令の「30日以内に命令」が「60日以内」「90日以内」と書き換えられる
- 「期間短縮承認」と「変更廃止命令」の対象条件が入れ替えられる
- 「工程中検査受検命令」が他の権限と混同されて出題される
5. 別表第1(工事計画届出・使用前検査の対象工事)
💡 図の見方:届出の列はどれも対象で、差がつくのは使用前検査の列だけ、という見方をする図。配管は届出だけで使用前検査がなく、廃止の工事も使用前検査の対象外。配管の150mmと導管の500mは入れ替えて出題される。
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
別表第1に定める工事が工事計画届出・使用前検査の対象。廃止工事は使用前検査対象外。ガス発生器・ガスホルダー・配管・導管・整圧器の各数値を覚える。
📖 解説(乙種ベース)
どの工事なら届出が要り、どの工事なら使用前検査まで要るのか。その線引きを一手に握るのが別表第1だ。別表第1に定める工事が工事計画届出の対象であり、原則としてそのまま使用前検査の対象になる。ただし大きな例外がひとつ——廃止の工事は工事計画届出の対象だが、使用前検査の対象「ではない」。これから使わなくなる設備に「使用前」の検査を課す意味がない、と考えれば忘れない。
まず設置工事の全体像から。製造所の設置・製造設備の設置はガス発生設備・液化ガス貯槽・ガスホルダー等の設置(低圧含む)、供給所の設置はガスホルダー・圧送機・整圧器の設置(低圧含む)が対象になる。個々のガス工作物の工事は数値基準が細かいので、表で覚えるのが早い。
工事計画の届出は要るが使用前検査は要らない工事はどれか| 設備 | 工事と基準 | 届出 | 使用前検査 |
|---|---|---|---|
| ガス発生器 | 設置 | ○ | ○ |
| ガス発生器 | 改造(変更後高圧):20%以上の能力変更・耐圧部分の強度影響・安全弁 | ○ | ○ |
| ガス発生器 | 廃止 | ○ | なし |
| ガスホルダー | 設置(低圧以上=圧力によらず) | ○ | ○ |
| ガスホルダー | 廃止 | ○ | なし |
| 配管 | 設置(高圧又は液化ガス用・内径150mm以上) | ○ | なし |
| 配管 | 改造(強度影響、変更後高圧・液化ガス用・内径150mm以上) | ○ | なし |
| 導管 | 高圧導管の設置(取替え設置:500m以上) | ○ | ○ |
| 導管 | 高圧導管の廃止 | ○ | なし |
| 整圧器(高圧整圧器のみ) | 設置 | ○ | ○ |
| 整圧器(高圧整圧器のみ) | 改造:整圧能力変更・安全弁 | ○ | ○ |
| 整圧器(高圧整圧器のみ) | 廃止 | ○ | なし |
表を眺めると規則性が見える。配管は設置も改造も「届出のみ」で使用前検査がなく、導管の取替設置は「500m以上」で両方の対象になる。出題者は配管の「内径150mm以上」と導管の「500m以上」を入れ替えたり、「廃止工事も使用前検査の対象」とすり替えたりしてくる。数値と「検査なし」の位置——狙われるのはこの2点だ。
🟦 甲種プラスα
甲種では「別表第1(工事計画届出・使用前検査の対象工事)」の本文の内容をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。条文番号や手続きの順序まで正確に押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
廃止工事は届出対象だが使用前検査対象外という点は頻出。配管の設置は「内径150mm以上」が届出基準(使用前検査はなし)。導管の取替設置は「500m以上」が届出基準。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 配管(内径150mm以上)は届出対象だが使用前検査対象外。導管の届出条件は「高圧・500m以上」。ガスホルダーの設置は「低圧以上」=圧力によらず届出対象。
- 「廃止工事は使用前検査対象外」が「使用前検査対象」と誤って出題される
- 配管設置の「内径150mm以上」が「100mm」「200mm」に書き換えられる
- 導管取替の「500m以上」が「100m」「1000m」に書き換えられる
- 「配管の設置」と「導管の取替」の基準値が入れ替えられる
6. 使用前自主検査・登録ガス工作物検査機関の検査(法69条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
工事計画届出工事が完了したら、使用前自主検査を実施し登録ガス工作物検査機関の検査を受けて合格後に使用開始できる。
📖 解説(乙種ベース)
工事が終わった。ではすぐ使えるか——使えない。ガス事業者(ガス小売事業者を含む)は、別表第1の工事(廃止工事を除く)について「自主検査」を行い、その結果が次項各号に適合していることについて、経済産業大臣の登録を受けた者(登録ガス工作物検査機関)が行う「検査」を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない(法69条1項)。自分で確かめ、第三者にも確かめてもらう——二重のチェックを経て初めて使用開始できる仕組みだ。
自主検査の方法は規則102条にある。ガス工作物の各部の損傷、変形等の状況並びに機能及び作動の状況について、合格条件を確認するために十分な方法で行う。では使用前検査の合格条件とは何か。法69条2項が定めるのは2つ——①届け出た工事計画の通りであること、②技術基準(技省令)に適合していること。この2つは穴埋めの定番で、①の「届出工事計画通り」を「設計図書通り」に変える手口が仕掛けられる。
使用前自主検査の結果について登録ガス工作物検査機関の検査を受検し合格すれば、ガス工作物の使用を開始できる(法69条1項)。検査記録の保存(5年間)は次節で扱う。条文番号は事業ごとに分かれる。
使用前検査の流れ| 事業 | 条文 |
|---|---|
| ガス小売事業 | 法33条(規則43〜47条) |
| 一般ガス導管事業 | 法69条(規則101〜106条) |
| ガス製造事業 | 法102条(規則157〜161条) |
例外もある(規則103条)。①ガス工作物を試験のために使用する場合(ガスを使用者に供給する場合は使用方法変更ごとに熱量等測定)、②経済産業大臣の承認を受けた場合、③経済産業大臣が支障がないと認めて指示した場合は、検査機関の検査合格なしに使用できる。試験目的なら使える——ただし供給するなら熱量等測定、という条件付きの点が狙われる。
⚡ 焦点ポイント
使用前検査の合格条件2つ(①届出工事計画通り、②技術基準適合)は穴埋め頻出。「試験目的での使用」は例外として検査なしで使用可だが、ガスを使用者に供給する場合は熱量等測定が必要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 使用前検査の合格条件「届出工事計画通り」は、軽微な変更をした場合も含む(ただし書きの内容)。仮合格制度はガス小売事業と特定ガス導管事業にはない(一般ガス導管・ガス製造のみ)。
- 「届出工事計画通り」が「設計図書通り」と書き換えられる
- 「技術基準適合」が「保安規程適合」と書き換えられる
- 「試験目的での使用」が「使用不可」と誤って出題される
- ガス供給時の「熱量等測定」が「成分測定」と書き換えられる
7. 使用前検査の記録保存・仮合格(規則104条・法70条)
💡 図の見方:上段は仮合格の順序で、検査機関は仮合格とする前にあらかじめ経済産業大臣の承認を受ける必要がある。下段は適用事業者で、仮合格の規定があるのは一般ガス導管事業者とガス製造事業者だけ。右上の記録保存5年間もあわせて押さえる。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
使用前自主検査の記録は5年間保存。仮合格は一般ガス導管・ガス製造のみに適用され、経済産業大臣の事前承認が必要。
📖 解説(乙種ベース)
検査は、やって終わりではない。使用前自主検査を行ったら記録を作成しなければならない(法69条3項・規則104条・105条)。記録に書くべき事項は規則104条1項に7つ列挙されている。
仮合格の手順と仮合格が使える事業者| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 一 | 自主検査年月日 |
| 二 | 自主検査の対象 |
| 三 | 自主検査の方法 |
| 四 | 自主検査の結果 |
| 五 | 自主検査を実施した者の氏名 |
| 六 | 補修等の措置内容 |
| 七 | 登録ガス工作物検査機関の検査結果 |
保存期間は、記録を行った日から「5年間」(規則104条2項)。登録ガス工作物検査機関の検査の場合は合格日から5年間で、電磁的方法による保存も可(規則105条)。7項目めの「検査機関の検査結果」は、後で学ぶ定期自主検査の記録にはない項目——ここが両者を見分ける目印になる。
次に使用前検査における仮合格(法70条・規則106条)。検査機関は、やむを得ない場合に、期間・使用方法を定めて仮合格とすることができる。ただし検査機関は、あらかじめ(事前に)経済産業大臣の「承認」を受けなければならない。なぜこんな制度があるのか。製造設備や導管工事が遅れることで多数の消費者に迷惑が及ぶことを避けるためだ。高圧では合格にならないが、中・低圧なら支障がない場合に、検査合格までの間、一定の期間・方法での使用を認める。
仮合格を使えるのは一般ガス導管事業者・ガス製造事業者のみ(ガス小売事業・特定ガス導管事業には仮合格の規定なし)。あわせて、ガス工作物を「試験」のために使用する場合は検査なしで使用できる点、記録は「その記録を行った日」から「5」年間保存という穴埋めポイントも押さえておこう。
⚡ 焦点ポイント
記録保存「5年間」(熱量等の1年間と比較して覚える)。記録の7項目(特に「登録ガス工作物検査機関の検査結果」が定期自主検査の記録と異なる点)に注意。仮合格は一般ガス導管・ガス製造のみ。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 使用前検査の記録保存は「5年間」。定期自主検査の記録保存も「5年間」→ 同じ。熱量等測定の記録「1年間」と混同しないこと。仮合格制度はガス小売・特定ガス導管には「ない」。
- 記録の「7項目」が「6項目」(定期自主検査と混同)と書き換えられる
- 「仮合格は一般ガス導管・ガス製造のみ」が「ガス小売も含む」と誤って出題される
- 記録項目の「登録ガス工作物検査機関の検査結果」が外される
8. 定期自主検査の対象・時期・方法(法71条・告示)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
高圧のガス工作物(ガス発生設備・ガスホルダー・導管・整圧器)について、告示で定める時期ごとに定期自主検査を実施する。
📖 解説(乙種ベース)
クルマに車検があるように、ガス工作物にも決まった周期の検査がある。それが定期自主検査(法71条・規則107条)だ。ガス事業者(ガス小売事業者を含む)は、高圧のガス工作物の内、規則で定めるもの(ガス発生設備、ガスホルダー、導管、整圧器等)について、告示で定める時期ごとに定期自主検査を実施し、検査記録を作成し、5年間保存しなければならない。
対象を規則107条1項で確かめると、最高使用圧力が「高圧」のガス発生設備(移動式ガス発生設備、液化石油ガス気化設備を除く)・ガスホルダー・導管・整圧器で、不活性ガス(空気を含む)や液化ガスのみを通ずるものは除かれる。なぜ高圧だけなのか。高圧設備は定期的な点検が特に重要だからだ。乙種試験では「中圧のガスホルダーも対象」とする誤り選択肢が出るが、対象は高圧のみ——中圧のガスホルダーに定期自主検査は不要である。
検査の時期は告示で決まっていて、以下の月数を超えない時期に検査を行わなければならない。
定期自主検査の整理| 設備 | 時期 |
|---|---|
| 液化ガス用ガス発生設備(2千時間以内/年) | 37か月 |
| 液化ガス用ガス発生設備(2千時間超/年) | 25か月 |
| ガスホルダー | 25か月 |
| 導管 | 25か月 |
| 整圧器 | 37か月 |
| 特定ガス発生設備 | 25か月 |
検査の方法(規則107条2項)は2本立てだ。開放・分解その他の各部の損傷、変形及び異常の発生状況を確認するために十分な方法。そして試運転その他の機能及び作動の状況を確認するために十分な方法——「分解して見る」と「動かして見る」の両面から確かめる。
⚡ 焦点ポイント
検査時期の数値(37か月と25か月)をセットで暗記。液化ガス用ガス発生設備は運転時間で分岐(2千時間が境界)。整圧器と液化ガス用ガス発生設備(2千時間以内)が37か月で他は25か月。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 定期自主検査は「高圧」のガス工作物のみが対象。「中圧」や「低圧」のガスホルダーや導管は定期自主検査不要。乙種試験で「中圧のガスホルダーも対象」という誤り選択肢が出る。
- 検査周期「37か月」が「36か月」「48か月」に書き換えられる
- 検査周期「25か月」が「24か月」「30か月」に書き換えられる
- 「整圧器」と「液化ガス用ガス発生設備」の検査周期が入れ替えられる
9. 定期自主検査の記録作成・保存(規則109条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
定期自主検査の記録は6項目を記載し5年間保存。使用前検査の記録(7項目)と項目数が異なる点に注意。
📖 解説(乙種ベース)
定期自主検査でも記録を作る(規則109条1項)。記載事項は6項目——使用前検査の7項目と見比べると、何が消えたか分かるだろうか。
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 一 | 自主検査年月日 |
| 二 | 自主検査の対象 |
| 三 | 自主検査の方法 |
| 四 | 自主検査の結果 |
| 五 | 自主検査を実施した者の氏名 |
| 六 | 補修等の措置内容 |
種明かしをしよう。消えたのは「七 登録ガス工作物検査機関の検査結果」。定期自主検査は検査機関の検査を受けないため、書きようがないのだ。理由ごと覚えれば、「6項目か7項目か」で迷わない。保存期間は「5年間」(規則109条2項)で、電磁的方法による保存も可(規則110条)。
保存期間は横並びで比較されると崩れやすい。表と語呂で固めておこう。
| 記録 | 保存期間 |
|---|---|
| 使用前自主検査 | 5年間 |
| 定期自主検査 | 5年間 |
| 熱量等の測定 | 1年間 |
| 成分検査 | 1年間 |
⚡ 焦点ポイント
定期自主検査の記録は6項目(使用前検査は7項目)。保存期間は同じ「5年間」。保存期間の比較表(5年・5年・1年・1年)は試験で表形式で出題されることがある。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「登録ガス工作物検査機関の検査結果」は使用前検査の記録には含まれるが、定期自主検査の記録には含まれない(定期自主検査には検査機関による検査がないため)。
- 記録「6項目」が「7項目」(使用前検査と混同)と書き換えられる
- 保存期間比較表の他の項目の年数と入れ替えられる
10. ガス工作物の技術基準適合維持義務(法21条)
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
全4事業者はガス工作物を技術上の基準に適合するように維持しなければならない。基準不適合・緊急の場合に大臣が改善命令等を発する。
📖 解説(乙種ベース)
設備は作ったときに適合していればよいのか。違う——使い続ける限り、ずっとだ。ガス事業者(全4事業者)は、ガス事業の用に供するガス工作物を経済産業省令で定める技術上の基準に適合するよう維持しなければならない(法21条1項)。穴埋めで狙われるのは「ガス事業の用に供するガス工作物」という限定表現——「全てのガス工作物」にすり替える手口が定番だ。基準に適合しないとき大臣がどう動くかは、次節の命令権限で扱う。
条文番号は事業ごとに分かれるが、規則の定めはいずれもない。
維持義務と大臣命令| 事業 | 条文 |
|---|---|
| ガス小売事業 | 法21条(規則 なし) |
| 一般ガス導管事業 | 法61条(規則 なし) |
| 特定ガス導管事業 | 一般ガス導管事業準用 |
| ガス製造事業 | 法96条(規則 なし) |
では、設備の一部を顧客が所有していたらどうなるか。法22条の出番だ。ガス事業の用に供するガス工作物のうちガス事業者以外の者が所有し、または占有するガス工作物について、当該ガス事業者が技術基準の適合維持のために必要な措置を講じようとするときは、当該ガス工作物の所有者又は占有者はその措置の実施に協力するよう「努めなければならない」。義務ではなく努力義務——「しなければならない」へのすり替えが最頻出のひっかけである。
⚡ 焦点ポイント
維持義務の対象が「ガス事業の用に供するガス工作物」という限定表現は穴埋め頻出。所有者・占有者の協力は「努めなければならない」(努力義務)であることも重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 技術基準適合維持義務はガス工作物「全般」ではなく「ガス事業の用に供するガス工作物」に限定される。また所有者・占有者の義務は「しなければならない」ではなく「努めなければならない」(努力義務)。
- 「ガス事業の用に供する」の限定表現が外されて「全てのガス工作物」と書き換えられる
- 所有者・占有者の「努めなければならない」(努力義務)が「義務」と書き換えられる
- 所有者・占有者と事業者の責任関係が入れ替えられる
11. 経済産業大臣の改善等の命令(技術基準不適合・緊急)
💡 図の見方:2つの場面で大臣が打てる手を重なりで示した図。中央の重なりが両方に共通する移転・使用の一時停止・使用の制限、左のはみ出しが技術基準不適合だけの修理・改造、右のはみ出しが緊急の場合だけのガスの廃棄。存在しない組合せを差し込む選択肢はこの位置関係で見破れる。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
大臣は技術基準不適合の場合と緊急の場合に異なる命令権限を持つ。「修理・改造」は技術基準不適合のみ、「ガス廃棄命令」は緊急時のみ。
📖 解説(乙種ベース)
維持義務が守られなかったら、大臣はどう動くか。法21条2項・3項は、経済産業大臣がガス事業者(全4事業者)に対して発動できる命令を、2つの場面に分けて定めている。場面が違えば、打てる手も違う——ここがこの節の背骨だ。
場面①は技術基準不適合の場合(法21条2項)。ガス事業の用に供するガス工作物が技術上の基準(9節技省令参照)に適合していないと認めるとき、大臣は修理、改造、移転、使用の一時停止を命令し、使用を制限できる。直せば済む話だから、「修理・改造」という選択肢があるわけだ。
場面②は緊急の場合(法21条3項)。公共の安全維持、災害の発生防止のため、緊急の必要があると認めるとき、大臣は移転、使用の一時停止を命令し、使用を制限し、さらにガス廃棄を命令できる。修理を待つ時間がない場面だから「修理・改造」はなく、代わりに「廃棄」まで踏み込める。両者の違いを下の比較表で確認してほしい。
比較表
大臣が出せる命令(技術基準不適合と緊急の場合)| 場合 | 修理 | 改造 | 移転 | 使用停止 | 使用制限 | ガス廃棄 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 技術基準不適合 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| 緊急の場合 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
整理すると、①技術基準不適合と緊急の場合に共通する命令は移転、使用停止、使用制限。②技術基準不適合のみにあるのが修理・改造(技術基準に適合させるため修理・改造させる)。③緊急の場合のみにあるのがガス廃棄命令(緊急時には廃棄も認める)だ。出題者は「緊急時に修理命令」「不適合時に廃棄命令」という存在しない組合せを差し込んでくる——表の×の位置ごと覚えるのが最短である。
⚡ 焦点ポイント
「修理・改造」は技術基準不適合のみ(緊急時には修理・改造は含まれない)。「ガス廃棄命令」は緊急時のみ(技術基準不適合では廃棄命令は出せない)。この2点が最頻出の引っ掛けポイント。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 緊急時に「修理命令」は出せない(緊急時は修理している時間がないため、すぐに移転・停止・廃棄)。技術基準不適合時に「ガス廃棄命令」は出せない(修理・改造で対処できるから)。
- 「修理・改造」が緊急時の権限として誤って出題される(本来は技術基準不適合のみ)
- 「ガス廃棄命令」が技術基準不適合時の権限として誤って出題される(本来は緊急時のみ)
- 命令の発動条件「不適合」と「緊急」が逆になる
12. 成分検査の義務と方法(法23条・63条・規則22条)
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
ガス小売事業者と一般ガス導管事業者(最終保障供給に係るもの)は供給ガスの有害成分(硫黄・硫化水素・アンモニア)を毎週1回検査する義務がある。
📖 解説(乙種ベース)
供給されるガスに有害な成分が混ざっていないか——それを確かめ続ける義務が、成分検査だ(法23条・63条)。義務を負うのはガス小売事業者(法23条)と一般ガス導管事業者(法63条・最終保障供給に係るもの)で、特定ガス導管事業者・ガス製造事業者には成分検査義務がない。供給するガスの成分のうち、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがある成分の量が経済産業省令で定める数量を超えていないかどうかを検査し、その量を記録し、これを保存しなければならない。
検査対象は3成分で、上限値は規則22条2項が定める。硫黄全量は0.5g/m³N(標準状態における乾燥した1立方メートルにつき)、硫化水素は0.02g/m³N、アンモニアは0.2g/m³Nだ。方法は規則22条1項で、検査頻度は毎週1回、検査場所は製造所の出口と導管によりガスの供給を受ける事業場の出口、検査方法は日本工業規格(JIS)K2301(2011)「燃料ガス及び天然ガス-分析・試験方法」、記録の保存期間は1年間である。
では、どんなガスでも毎週測るのか。実は検査不要の例外が4ケースある。①天然ガス、LPG(プロパン・ブタン・プロピレン・ブチレン主成分)及びこれらから製造したガス並びにこれらに空気を混入したガス。②原料の種類(検査対象成分が一定数量以下が明らか)について経済産業大臣の承認を受けて、承認通りガスを製造する場合。③ガスの使用者に対し専用の導管により大口供給を行う場合。④食品廃棄物・下水汚泥等のメタン発酵によるガスの場合(アンモニアの検査は不要)。①が除かれるのは、もともと有害成分が少ないガスだからだ。
出題者のすり替えは数字と頻度に集中する。0.5と0.05、0.2と0.02の桁ずらし。「毎週1回」を熱量等測定の「毎日1回」と混同させる。保存「1年間」を検査記録の「5年間」に置き換える——警戒すべきはこの3方向だ。
ガス成分検査の整理⚡ 焦点ポイント
3つの数値(硫黄0.5・硫化水素0.02・アンモニア0.2)と単位(g/m³N)をセット暗記。検査頻度「毎週1回」(熱量等の「毎日1回」と混同しない)。記録保存「1年間」。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 成分検査義務はガス小売事業者と一般ガス導管事業者のみ。特定ガス導管事業者・ガス製造事業者には成分検査義務がない。天然ガス・LPGは成分検査不要(最初から有害成分が少ない)。
- 硫黄「0.5」が「0.05」「5」に書き換えられる
- アンモニア「0.2」が「0.02」「2」に書き換えられる
- 検査頻度「毎週1回」が「毎日1回」「毎月1回」と書き換えられる
- 記録保存「1年間」が「5年間」と書き換えられる
13. 保安規程の作成・届出・遵守義務(法24条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
全4事業者は事業開始前に保安規程を定め経済産業大臣に届け出る。変更時は遅滞なく届出。ガス事業者及び従業者は保安規程を遵守する義務がある。
📖 解説(乙種ベース)
会社に就業規則があるように、ガス事業者には保安のルールブックがある。それが保安規程——ガス事業における「ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安体制の整備に関することを規定したもの」だ(法24条)。保安規程とガス主任技術者制度が自主保安体制の2本柱である。定めるべき13項目は次節で扱う。
手続きの時間軸を押さえよう。ガス事業者(全4事業者)は保安規程を定め、「事業の開始前に」経済産業大臣に届け出なければならない(法24条1項・2項)。工事計画の「工事前」と混同させるのが出題者の常套手段だ。保安規程を変更したときは、「遅滞なく」変更した事項を経済産業大臣に届け出る。電磁的方法による提出も可能だ。
届け出た後も、国は目を光らせている。経済産業大臣は、ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるとき、ガス事業者に対し、保安規程の変更を命ずることができる(法24条3項)。「変更を命ずる」のであって、認可や承認を与える制度ではない——届出制と変更命令権のセットという構造を見抜いておこう。変更命令の対象はガス事業者(全4事業者)だ。
最後に遵守義務(法24条4項)。保安規程を守らなければならないのは、ガス事業者及び「その従業者」の両方だ。従業者を外して事業者だけにする穴埋めが頻出する。あわせて、「業務を管理する者の職務及び組織」の主語は「業務を管理する者」——この言い回しのまま覚えるのが安全だ。
保安規程の作成・届出⚡ 焦点ポイント
保安規程の届出タイミングは「事業の開始前に」(工事計画は「工事前に」)。変更時は「遅滞なく」。遵守義務者は「ガス事業者及びその従業者」の両方。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 保安規程の変更は「変更を命ずる」(命令)であって、認可・承認・届出ではない。変更の届出(任意変更)とは別に、大臣による変更命令(強制)がある点を区別する。
- 「事業の開始前に届出」が「事業開始後」「工事前」と書き換えられる
- 変更時の「遅滞なく」が「事前」「30日以内」と書き換えられる
- 遵守義務者から「従業者」が外されて事業者のみと書き換えられる
14. 保安規程に定めるべき事項13項目(規則24条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
規則24条が定める保安規程の記載必須事項13項目。特に「業務を管理する者の職務及び組織」「ガス主任技術者の代行者」「サイバーセキュリティ」は頻出。
📖 解説(乙種ベース)
では、保安規程には具体的に何を書くのか。規則24条は保安規程に定めるべき事項を13項目、列挙している。まず「13」という数が問われ、次に個々の項目の言い回しが問われる。
| 番号 | 定めるべき事項 |
|---|---|
| ① | 業務(ガス工作物の工事、維持又は運用)を管理する者の職務及び組織に関すること |
| ② | ガス主任技術者が旅行・疾病その他事故によってその職務を行うことができない場合に、その職務を「代行する者」に関すること |
| ③ | ガス工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する「保安教育」に関すること |
| ④ | ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための「巡視、点検及び検査」に関すること(第八号に掲げるものを除く。) |
| ⑤ | ガス工作物の「運転又は操作」に関すること |
| ⑥ | ガス工作物の運転又は操作を管理する電子計算機に係る「サイバーセキュリティ」の確保に関すること |
| ⑦ | 「導管の工事の方法」に関すること |
| ⑧ | 「導管の工事現場」の責任者の条件その他導管の工事現場における「保安監督体制」に関すること |
| ⑨ | 「導管の周囲において、ガス工作物の工事以外の工事」が行われる場合における当該導管の維持及び運用に関する保安に関すること |
| ⑩ | 「災害など非常の場合」にとるべき措置に関すること |
| ⑪ | ガス工作物の工事、維持及び運用に関する「保安についての記録」に関すること |
| ⑫ | ガス工作物の工事、維持及び運用に従事する者であって「保安規程に違反した者」に対する措置に関すること |
| ⑬ | その他ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安に関し必要な事項に関すること |
読み方のコツは「誰が・誰に」に印を付けることだ。①の職務・組織は「業務を管理する者」のもの——ガス主任技術者ではない。③の保安教育の対象は「従事する者」。②はガス主任技術者不在時の「代行する者」の規定だ。出題者は「業務を管理する者」を「業務を実施する者」に変えたり、⑥のサイバーセキュリティを項目にないことにしたりしてくる。13項目という数と、主語の言い回し——この2層で守れば崩れない。
⚡ 焦点ポイント
①〜⑬の中で特に頻出:①業務を管理する者の職務・組織、②ガス主任技術者の代行者、③従事者への保安教育、⑥サイバーセキュリティ、⑩非常時の措置。穴埋め問題で「業務を管理する者」「従業者」「その従業者」の区別が問われる。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 ①の「業務を管理する者の職務及び組織」→ 「ガス主任技術者の職務及び組織」ではない。また③の保安教育の対象は「従事する者」(ガス事業者全体ではなく工事・維持・運用に従事する者)。
- 「業務を管理する者」が「業務を実施する者」と書き換えられる
- 「ガス主任技術者の代行者」が記載事項から外される
- 「サイバーセキュリティ」が記載事項にないと誤って出題される
- 記載事項「13項目」が「10項目」「15項目」と書き換えられる
15. ガス主任技術者の選任・届出・保安監督(法25条・規則26条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
全4事業者はガス主任技術者免状を持つ者を選任し遅滞なく届け出る義務がある。選任基準(事業場の種類と必要免状の種類)を正確に覚える。
📖 解説(乙種ベース)
設備と規程だけでは保安は回らない。現場を監督する「人」が要る。ガス事業者(全4事業者)は、経済産業省令で定めるところにより、ガス主任技術者免状の交付を受けている者であって、経済産業省令で定める実務の経験を有するもののうちから、ガス主任技術者を選任し、ガス事業の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する「保安の監督」をさせなければならない(法25条1項・規則26条)。
どの事業場に、どの免状が要るのか。規則26条・規則27条の選任基準を表にする。
主任技術者の選任・届出| 事業場 | 必要な免状 |
|---|---|
| ①設置されたガス工作物が「中圧及び低圧のガス工作物のみ」の製造所・ガスホルダーを有する供給所・導管を管理する事業場(高圧の液化ガス用貯槽・高圧の移動式ガス発生設備を含む) | 甲種又は乙種ガス主任技術者免状の交付を受けている者 |
| ②上記①以外(高圧を含む)の製造所・ガスホルダーを有する供給所・導管を管理する事業場 | 甲種ガス主任技術者免状の交付を受けている者で「1年以上の実務経験」を有する者 |
| ③一の供給地点に係る特定製造所 | 甲種・乙種又は丙種ガス主任技術者免状の交付を受けている者 |
実務経験が要るのは誰か——ここが急所だ。規則27条によれば、甲種免状保有者は、製造又は供給の用に供するガス工作物の工事、維持又は運用に関する業務に通算して「1年以上」従事したことが必要。一方、乙種・丙種免状保有者に実務経験は不要だ。①の中低圧のみの事業場なら乙種でも選任できる、という点もあわせて覚えたい。
選任したら手続きだ。ガス事業者は、ガス主任技術者を選任したときは、「遅滞なく」その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。解任したときも同様(法25条2項・規則28条)。事前の届出ではない——「遅滞なく」を「事前」にすり替える選択肢が定番である。
🟦 甲種プラスα
②の選任条件「甲種+1年以上実務経験」は頻出
→ 甲種又は乙種ガス主任技術者免状の交付を受けている者
→ 甲種ガス主任技術者免状の交付を受けている者で「1年以上の実務経験」を有する者
⚡ 焦点ポイント
選任の届出タイミングは「遅滞なく」(事前届出ではない)。②の選任条件「甲種+1年以上実務経験」は頻出。①の「中低圧のみ」の場合は乙種でも選任可能な点も重要。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 実務経験が必要なのは②の事業場(高圧設備あり)で甲種免状を使う場合のみ。乙種・丙種免状の保有者に実務経験の要件はない。また③の特定製造所は丙種でも選任可能。
- 選任届出「遅滞なく」が「事前」「30日以内」と書き換えられる
- 選任条件「甲種+1年以上実務経験」が「乙種+1年以上」「甲種+3年以上」に書き換えられる
- 「中低圧のみで乙種選任可」が逆(甲種必須)に出題される
16. ガス主任技術者免状の種類と監督範囲(法26条・規則30条)
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
免状は甲・乙・丙種の3種類。甲種は全工作物対応、乙種は中低圧・特定高圧設備・特定ガス工作物、丙種は特定ガス工作物のみ。
📖 解説(乙種ベース)
運転免許に普通・中型・大型の区分があるように、ガス主任技術者免状にも監督できる範囲の区分がある。種類は甲種ガス主任技術者免状・乙種ガス主任技術者免状・丙種ガス主任技術者免状の3種類(法26条1項)。免状の種類による保安監督の範囲は規則30条が定める。
免状の種類と監督範囲| 免状 | 保安監督の範囲(工事、維持及び運用) |
|---|---|
| 甲種 | 全てのガス工作物 |
| 乙種 | イ 最高使用圧力が中圧及び低圧のガス工作物 ロ 最高使用圧力が高圧の液化石油ガス用貯槽(液化石油ガスを貯蔵するものに限る)、当該貯槽に係るガス圧縮機及び液化ガス用ポンプ並びに昇圧供給装置及びそれらに係る配管 ハ 最高使用圧力が高圧の移動式ガス発生設備又は小型もしくはユニット型冷凍設備 ニ イ、ロ及びハ以外のものであって、特定ガス工作物及び当該特定ガス工作物に係るガス工作物に該当するもの |
| 丙種 | 特定ガス工作物及び当該特定ガス工作物に係るガス工作物 |
読み違えやすいのは乙種だ。中低圧は全て監督できるが、高圧はロとハに限定列挙された設備だけ——一般の高圧導管は監督できない。逆に「乙種は高圧の移動式ガス発生設備を監督できない」という誤り文も出るが、こちらは監督できる。丙種は特定ガス工作物のみ、という線引きも忘れずに。
次に交付。ガス主任技術者試験に合格した者、又はこれと同等以上の知識・技能を有していると経済産業大臣が認定した者が、免状の交付を受けることができる(法26条3項)。ただし交付を行わないことができる場合が2つある(法26条4項)。免状の返納を命ぜられ、その日から1年を経過しない者。そしてガス事業法の命令・処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行終了から2年を経過しない者だ。
最後にガス主任技術者試験の科目(規則34条)。一 ガス事業関係法令(保安に関するものに限る)、二 ガスに関する物理及び化学理論、三 ガス工作物の工事、維持及び運用に関する技術、四 ガス工作物の構造及び機能、五 ガスの成分分析及び熱量等の測定、六 ガス器具の構造及び機能——の6科目である。
🟦 甲種プラスα
甲種ガス主任技術者免状・乙種ガス主任技術者免状・丙種ガス主任技術者免状の3種類
●甲種ガス主任技術者免状
⚡ 焦点ポイント
乙種の監督範囲は中低圧+特定の高圧設備(LPG用貯槽・移動式ガス発生設備・冷凍設備)。丙種は特定ガス工作物のみ。免状交付拒否の年数:返納後1年・違反後2年(1と2の使い分けに注意)。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 乙種は「高圧の一般導管」などは監督できない(ロとハに限定列挙された高圧設備のみ)。乙種の監督範囲に「一般的な高圧導管」は含まれていないことを確認する。
- 乙種と甲種の監督範囲が入れ替えられる
- 免状交付拒否「返納後1年・違反後2年」が「2年・1年」と入れ替えられる
- 「丙種は特定ガス工作物のみ」が他の範囲を含むと誤って出題される
- LPG用貯槽・移動式ガス発生設備が乙種監督対象から外される
17. ガス主任技術者の義務・免状返納・解任命令・認定高度保安実施事業者
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
ガス主任技術者・ガス事業者・従事者の各義務。免状返納命令・解任命令の条件。認定高度保安実施ガス事業者制度の概要。
📖 解説(乙種ベース)
保安の最後のピースは、人をめぐる義務の三角形だ(法30条)。ガス事業者は、ガス主任技術者を選任し、経済産業大臣に届出、保安の監督をさせなければならない(解任したときも同様に届け出る)。ガス主任技術者は、誠実にその職務(ガス工作物の工事、維持又は運用の保安監督)を行わなければならない。そしてガス工作物の工事・維持及び運用に従事する者は、ガス主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。選任するのは事業者、届出の宛先は大臣、監督するのは現場——主体と向きを崩さないことが第一歩だ。
穴埋めの狙い所は言い回しにある。「保安の監督」「遅滞なく」「誠実に」「工事、維持又は運用」の4つだ。選任したときの届出は「遅滞なく」経済産業大臣へ。そして免状の返納を命ぜられた者は、その日から「1年」を経過しないと免状の交付を受けられない。
では、問題のあるガス主任技術者にはどんな手が打たれるか。まず免状返納命令(法27条)——経済産業大臣は、ガス主任技術者免状の交付を受けている者が、この法律若しくはこれに基づく命令・処分に「違反した」ときは、免状の返納を命ずることができる。次に解任命令(法31条)——大臣は、ガス小売事業者・一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・ガス製造事業者に対し、ガス主任技術者が①ガス事業法に違反、②ガス事業法の命令に違反、③ガス事業法の処分に違反、④職務を行わせることが保安に支障、のいずれかに該当する場合に解任を命ずることができる。④だけは「違反」ではない——ここが引っかけどころだ。
最後に、認定高度保安実施ガス事業者制度。令和5年度(2023年)から開始された制度で、テクノロジーを活用しつつ自立的に高度な保安を確保できるガス事業者に対し、国が認定を行い、その保安力に応じた規制体系(特例措置)へ移行させる。特例措置の内容は保安規程・ガス主任技術者・工事計画・検査にかかる特例で、根拠条文はガス小売事業の場合、法34条の2〜13(規則51条の2〜13)である。
ガス主任技術者を中心とした保安体制⚡ 焦点ポイント
「保安の監督」「遅滞なく届出」「誠実に職務」「指示に従う」の4ワードは頻出穴埋め。解任命令の4条件(法違反・命令違反・処分違反・保安支障)も整理して覚える。認定高度保安実施事業者は令和5年度〜の新制度として出題増加中。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 免状返納命令は「違反した」場合(法27条)。解任命令の条件④「職務を行わせることが保安に支障」は違反ではないが解任できる特別な条件。この④の条件が他と異なる点に注意。
- ガス主任技術者の「遅滞なく届出」が「事前」と書き換えられる
- 「誠実に職務」が「適切に職務」と書き換えられる
- 解任命令の4条件(法違反・命令違反・処分違反・保安支障)のいずれかが入れ替えられる
- 認定高度保安実施事業者の制度開始年(令和5年度)が令和3年度等と書き換えられる
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 ガス工作物保安の基本的な考え方(3つの規制パターン): ガス工作物に対する保安規制は「国が直接規制」「事業者の責務」「所有者・占有者の協力責務」の3パターンからなる。
- 節2 工事計画の事前届出(法68条・規則97条): 全4事業者は主要なガス工作物の設置・変更工事の計画を経済産業大臣に事前に届け出る義務がある。届出受理後30日経過後に工事開始可能。
- 節3 工事計画の変更・例外規定(非常時・軽微・記載事項以外): 工事計画の変更も原則事前届出が必要。ただし非常時の一時的工事・軽微な変更・記載事項以外の変更には異なる扱いがある。
- 節4 経済産業大臣の命令・承認(工事計画関連:法68条4〜6項): 経済産業大臣は工事計画の届出に対し、期間短縮承認・変更廃止命令・工程中検査受検命令の3種類の権限を持つ。
- 節5 別表第1(工事計画届出・使用前検査の対象工事): 別表第1に定める工事が工事計画届出・使用前検査の対象。廃止工事は使用前検査対象外。ガス発生器・ガスホルダー・配管・導管・整圧器の各数値を覚える。
- 節6 使用前自主検査・登録ガス工作物検査機関の検査(法69条): 工事計画届出工事が完了したら、使用前自主検査を実施し登録ガス工作物検査機関の検査を受けて合格後に使用開始できる。
- 節7 使用前検査の記録保存・仮合格(規則104条・法70条): 使用前自主検査の記録は5年間保存。仮合格は一般ガス導管・ガス製造のみに適用され、経済産業大臣の事前承認が必要。
- 節8 定期自主検査の対象・時期・方法(法71条・告示): 高圧のガス工作物(ガス発生設備・ガスホルダー・導管・整圧器)について、告示で定める時期ごとに定期自主検査を実施する。
- 節9 定期自主検査の記録作成・保存(規則109条): 定期自主検査の記録は6項目を記載し5年間保存。使用前検査の記録(7項目)と項目数が異なる点に注意。
- 節10 ガス工作物の技術基準適合維持義務(法21条): 全4事業者はガス工作物を技術上の基準に適合するように維持しなければならない。基準不適合・緊急の場合に大臣が改善命令等を発する。
- 節11 経済産業大臣の改善等の命令(技術基準不適合・緊急): 大臣は技術基準不適合の場合と緊急の場合に異なる命令権限を持つ。「修理・改造」は技術基準不適合のみ、「ガス廃棄命令」は緊急時のみ。
- 節12 成分検査の義務と方法(法23条・63条・規則22条): ガス小売事業者と一般ガス導管事業者(最終保障供給に係るもの)は供給ガスの有害成分(硫黄・硫化水素・アンモニア)を毎週1回検査する義務がある。
- 節13 保安規程の作成・届出・遵守義務(法24条): 全4事業者は事業開始前に保安規程を定め経済産業大臣に届け出る。変更時は遅滞なく届出。ガス事業者及び従業者は保安規程を遵守する義務がある。
- 節14 保安規程に定めるべき事項13項目(規則24条): 規則24条が定める保安規程の記載必須事項13項目。特に「業務を管理する者の職務及び組織」「ガス主任技術者の代行者」「サイバーセキュリティ」は頻出。
- 節15 ガス主任技術者の選任・届出・保安監督(法25条・規則26条): 全4事業者はガス主任技術者免状を持つ者を選任し遅滞なく届け出る義務がある。選任基準(事業場の種類と必要免状の種類)を正確に覚える。
- 節16 ガス主任技術者免状の種類と監督範囲(法26条・規則30条): 免状は甲・乙・丙種の3種類。甲種は全工作物対応、乙種は中低圧・特定高圧設備・特定ガス工作物、丙種は特定ガス工作物のみ。
- 節17 ガス主任技術者の義務・免状返納・解任命令・認定高度保安実施事業者: ガス主任技術者・ガス事業者・従事者の各義務。免状返納命令・解任命令の条件。認定高度保安実施ガス事業者制度の概要。
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 3パターンの分類(国直接規制・事業者責務・所有者協力)を整理する。保安規程とガス主任技術者制度が「自主保安体制の2本柱」である点は頻出。
- 節2: 「事前」届出と「30日経過後」工事開始がセットで頻出。非常時の例外(事後届出)・軽微な変更(事後届出)・記載事項以外の変更(届出不要)の3つの例外も重要。
- 節3: 3種類の例外の届出タイミングを正確に区別する。「遅滞なく」は事後届出の共通表現。別表第1の数値(20%・低圧以上・500m・高圧)は穴埋め頻出。
- 節4: 3つの権限の「条件」をセットで暗記。期間短縮は「適合→短縮可」、変更廃止命令は「不適合→30日以内に命令」。30日という数字の使い方が逆になるので注意。
- 節5: 廃止工事は届出対象だが使用前検査対象外という点は頻出。配管の設置は「内径150mm以上」が届出基準(使用前検査はなし)。導管の取替設置は「500m以上」が届出基準。
- 節6: 使用前検査の合格条件2つ(①届出工事計画通り、②技術基準適合)は穴埋め頻出。「試験目的での使用」は例外として検査なしで使用可だが、ガスを使用者に供給する場合は熱量等測定が必要。
- 節7: 記録保存「5年間」(熱量等の1年間と比較して覚える)。記録の7項目(特に「登録ガス工作物検査機関の検査結果」が定期自主検査の記録と異なる点)に注意。仮合格は一般ガス導管・ガス製造のみ。
- 節8: 検査時期の数値(37か月と25か月)をセットで暗記。液化ガス用ガス発生設備は運転時間で分岐(2千時間が境界)。整圧器と液化ガス用ガス発生設備(2千時間以内)が37か月で他は25か月。
- 節9: 定期自主検査の記録は6項目(使用前検査は7項目)。保存期間は同じ「5年間」。保存期間の比較表(5年・5年・1年・1年)は試験で表形式で出題されることがある。
- 節10: 維持義務の対象が「ガス事業の用に供するガス工作物」という限定表現は穴埋め頻出。所有者・占有者の協力は「努めなければならない」(努力義務)であることも重要。
- 節11: 「修理・改造」は技術基準不適合のみ(緊急時には修理・改造は含まれない)。「ガス廃棄命令」は緊急時のみ(技術基準不適合では廃棄命令は出せない)。この2点が最頻出の引っ掛けポイント。
- 節12: 3つの数値(硫黄0.5・硫化水素0.02・アンモニア0.2)と単位(g/m³N)をセット暗記。検査頻度「毎週1回」(熱量等の「毎日1回」と混同しない)。記録保存「1年間」。
- 節13: 保安規程の届出タイミングは「事業の開始前に」(工事計画は「工事前に」)。変更時は「遅滞なく」。遵守義務者は「ガス事業者及びその従業者」の両方。
- 節14: ①〜⑬の中で特に頻出:①業務を管理する者の職務・組織、②ガス主任技術者の代行者、③従事者への保安教育、⑥サイバーセキュリティ、⑩非常時の措置。穴埋め問題で「業務を管理する者」「従業者」「その従業者」の区別が問われる。
- 節15: 選任の届出タイミングは「遅滞なく」(事前届出ではない)。②の選任条件「甲種+1年以上実務経験」は頻出。①の「中低圧のみ」の場合は乙種でも選任可能な点も重要。
- 節16: 乙種の監督範囲は中低圧+特定の高圧設備(LPG用貯槽・移動式ガス発生設備・冷凍設備)。丙種は特定ガス工作物のみ。免状交付拒否の年数:返納後1年・違反後2年(1と2の使い分けに注意)。
- 節17: 「保安の監督」「遅滞なく届出」「誠実に職務」「指示に従う」の4ワードは頻出穴埋め。解任命令の4条件(法違反・命令違反・処分違反・保安支障)も整理して覚える。認定高度保安実施事業者は令和5年度〜の新制度として出題増加中。
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