この教材は旧サイト「ガス主任ハック」(〜2026年5月)で公開していた解説を、2026年7月時点の法令に合わせて更新のうえ再掲載しています。
解説製造 part8 建設、維持管理
製造所における基準
運転管理基準
保安規程に基づき、管理体制、教育、巡視・点検、運転操作、緊急時の措置(※)等を定めたもの。
- 製造所ごとの設備構成や管理体制の特徴を踏まえた内容
- 設備の変更や増設に応じたものにする
※緊急時の措置・・・非常体制の確立、防災措置、連絡通報等
維持管理基準
製造設備を正常に維持するため、設備の管理に関して定めたもの。
- 保安規程を満たす製造設備に係る巡視・点検周期やその方法
- 操業実態に合わせた設備の運転状態を表す監視項目や点検内容
- 設備の異常時は速やかに機能復旧
- 復旧に時間を要する場合は、稼働調整などを行う
稼働調整方式
ガスの需要変動に対応するため設備の稼働を調整する方法
| 圧力制御方式 | 流量制御方式 |
| ガスの圧力を一定に保つ方式 | ガスの流量を一定に保つ方式 |
| 設備負荷は頻繁に変動 | 設備負荷は一定 |
| 需要変動に応じて自動的に供給量を調整 | 急激な需要変動に追従できない場合あり |
LNGサテライト基地の稼働計画上の注意
LNG熱量
- 出荷元のLNG熱量に依存するため、熱量管理においては基地の貯槽内濃縮の管理に留意する。
原料受払い計画
- ボイルオフガス(BOG)処理量や処理方法が限定されていることが多いため、特に注意が必要。
LNGローリーの不測の事態への対応
- LNGローリー運行時における気象条件や交通事情による不測の事態に対応できるように、在庫確保、出荷元の複数化等の対策を事前に講じておくことが望ましい。
保全の種類
状態監視保全(CBM)
- 温度や振動値など、故障を予知できるデータがある値に達したら保全を行う方式。
時間計画保全(TBM)
- 年に1回など定期的に行う定期保全と予定の累積運転時間に達したときに行う経時保全がある。
事後保全(BM)
- 故障が起こったら保全を行う方式。故障しても影響の少ない設備などに適用する。
リスクベース保全(RBM)
- 高経年化した設備等の各部位に対する保全の重要度、緊急度を、損傷事例や寿命評価理論を基に評価し、(リスク)=(発生した場合の影響度)×(発生確率)で表して優先度をつける保全方式。
改良保全(CM)
- 設備の信頼性、保全性、経済性、操作性、安全性等の向上を目的として、設備の材質や形状を改良する保全方式。
保全予防(MP)
- 新設備の建設段階にさかのぼり、信頼性、保全性、経済性、操作性、安全性等を考慮した設計を行い、保全費用と劣化損失を最小化しようとする保全方式。
腐食
設備を管理するうえで腐食等による劣化に注意する必要がある。
異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)
- 電位差のある金属が接触している箇所に、水や海水がかかることで、電池が構成され、異種金属間で電子がやりとりされることで発生する腐食のこと。

すきま腐食
- ステンレス鋼等、不動態皮膜を持つ金属が非金属物質と面を接していたり、異物が付着している状況において、接触面や異物との間にできるすきま部分が腐食する現象。
腐食疲労
- 繰返し応力発生下にある金属に腐食作用が働いて、疲労限度以下の応力条件にもかかわらず、亀裂が生じる現象
応力腐食割れ
- 引張応力下にある金属に腐食作用が働いて、破断応力以下であるにもかかわらず割れが生じる現象。
非破壊試験
- 設備の溶接欠陥や疲労割れを検査する非破壊試験は6種類ある。
※〇×は検査の可否を表す。
放射線透過試験(RT)
- 材料に放射線を透過し内部の状態を撮影像としてフィルムに記録する方法。欠陥の形状をフィルム上に投影された像として見ることができるので、わかりやすくて直観性がある。
〇内部欠陥
超音波探傷試験(UT)
- 材料の表面や内部に超音波を伝播させ反射した超音波の強さ等から欠陥の形状や大きさを検出する方法。片側からの検査も可能。
〇割れのような平面欠陥 〇内部の欠陥 〇厚みのあるもの
磁粉探傷試験(MT)
- 磁石に吸引される物質に鉄粉をまぶし、磁粉模様を作り、表面および表層部の欠陥を検出する方法。表面から数mmまでの欠陥の検出が可能な実用的な検査方法である。
×オーステナイト系ステンレス鋼 ×銅合金 ×軽合金
渦流探傷試験(ET)
- 金属などの導体に交流を流したコイルを接近させ、欠陥があるとコイルに誘起される電圧、電流が変化する原理を利用した方法。
×深い場所にある欠陥
浸透探傷試験(PT)
- けい光性又は染色性浸透液を塗布し、欠陥部に浸透させ、これを現像液で変色させることにより欠陥を検出する方法。
〇表面欠陥 〇表面に開口した欠陥
手を動かす一問一答(旧サイトのミニテストより)

