法令 論述頻出テーマ

📜 法令論述の基本戦略
出題はガス事業法の 「保安確保」 に関するもののみ(技術基準・ガス用品省令・特監法からは出題されない)。
過去12年の出題テーマを整理すると 「保安規程」「ガス主任技術者」「消費機器調査」が頻出3本柱。これに 「保安責務」「保安業務規程」「熱量測定義務」「供給条件説明」「周知」 を加えた8テーマを準備すれば対応可能。

1. 出題傾向(直近12年・H26〜R7)

年度出題テーマ
R7 (2025)ガス事業法に関する以下の2点について、それぞれ答えよ。
(1) ガス工作物の保安の確保のための規制の態様には「国が行う行政措置」、「ガス事業者の保安責務」及び「所有者又は占有者の協力責務」がある。このうち「ガス事業者の保安責務」に関する規定の要点を述べよ。ただし、ガス主任技術者制度に関するものは除く。
(2) ガス主任技術者制度に関する以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
① 甲種・乙種・丙種それぞれにおいて、免状の交付を受けている者がその保安について監督をすることができるガス工作物の工事、維持及び運用の範囲
② ガス主任技術者として選任される者に必要な実務の経験
R6 (2024)ガス事業法に関する以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
(1) 「保安規程」に関して、法令で規定されている目的、内容、及び保安規程に定めるべき事項
(2) 「消費機器に関する調査」に関して、法令で規定されている事項
(注意)本問は「消費機器に関する周知」について問うものではない
R5 (2023)ガス事業法に関する以下の2点について、それぞれ規定の内容の要点を述べよ。
(1) 「ガス主任技術者制度」に関する規定の内容(ただし、ガス主任技術者の事業場ごとの選任及びガス主任技術者試験に関する内容を除く)
(2) 「熱量等の測定義務」に関する規定の内容
R4 (2022)以下の2点についてそれぞれ要点を述べよ。
(1) 「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている「保安規程」に定めるべき事項。
(2) ガス事業法で規定されている「保安業務規程」の保安業務の内容。ただし、「保安業務規程」に定める事項を問うものではない。
R3 (2021)ガス事業法におけるガス工作物の規制の態様には、国が行う行政措置、ガス事業者の保安責務、所有者又は占有者の協力責務がある。このうちガス事業者の保安責務に関する各規定と、それらの具体的内容を述べよ。
R2 (2020)以下の2点について答えよ。
(1) ガス事業法において、経済産業大臣が保安に関してガス事業者に対し命ずることができると規定されている。それらの命令では、どのような場合に、どのような措置が命じられるかを述べよ。
(2) ガス事業法に基づきガス小売事業者が小売供給を受けようとする者と小売供給契約を締結しようとするとき、その者に行う供給条件の説明について、経済産業省令で定められている説明を行わなければならない事項のうち、保安に関するものを簡潔に述べよ。
R1 (2019)以下の2点について答えよ。
(1) ガス事業法において、ガス工作物の維持及び運用について記載されている内容を述べよ。
(2) ガス事業法で規定されている保安業務規程に関する内容と、経済産業省令で規定されているガス小売事業者が保安業務規程に定めるべき事項について、簡潔に述べよ。
H30 (2018)以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
(1) 「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている保安規程に定めるべき事項
(2) 「消費機器に関する調査」に関して、ガス事業法で規定されている内容
H29 (2017)① ガス事業法令における「ガス主任技術者制度」に関する規定の内容を述べよ。
② ガス事業法におけるガス工作物の保安の確保のための規制の態様には、「国が行う行政措置」、「ガス事業者の保安責務」及び「所有者又は占有者の協力責務」がある。このうち「ガス事業者の保安責務」に関する規定の要点を簡潔に述べよ。ただし、①に関するものは除く。
H28 (2016)(1) ガス主任技術者制度 (2) 消費機器・周知と調査
H27 (2015)(1) ①保安規程目的、②ガス主任技術者目的
(2) ①保安規程内容、②ガス主任技術者内容
H26 (2014)保安規程の目的と内容 ② 消費機器・周知と調査

2. テーマ別の出題頻度(独自集計)

カテゴリ過去12年の出題回数出題年度
保安規程★★★5回R6, R4, H30, H27, H26
ガス主任技術者制度★★★5回R7, R5, H29, H28, H27
消費機器の調査★★4回R6, H30, H28, H26
ガス事業者の保安責務★★3回R7, R3, H29
保安業務規程2回R4, R1
消費機器の周知2回H28, H26
大臣命令・供給条件説明1回R2
熱量等の測定義務(新傾向)1回R5
💡 傾向まとめ
「保安規程」「ガス主任技術者」「消費機器調査」の3本柱で過去12年中9年をカバー
R5は「熱量等の測定義務」という新傾向、R7はB(保安責務)+D(主任技術者制度)で予測通り3本柱の核心が出題された。
📝 R7(2025)解答のポイント
(1) ガス事業者の保安責務(主任技術者除く):
①技術基準適合義務 ②保安規程 ③工事計画の届出 ④使用前検査 ⑤定期自主検査 ⑥ガスの成分検査 — の6項目を述べる。

(2)① 免状の監督範囲:
甲種=すべてのガス工作物、乙種=最高使用圧力が中圧・低圧のガス工作物+特定ガス工作物等、丙種=特定ガス工作物

(2)② 実務経験:
甲種:6か月以上(製造所・供給所等のガス工作物の工事・維持・運用)、乙種:6か月以上、丙種:不要

3. カテゴリ別 暗記テキスト

保安規程(★最頻出)

📊 過去問傾向: 直近12年で5回出題(R6, R4, H30, H27, H26)。「目的」「内容」「定めるべき事項」の3点セットがほぼ固定パターン。
★2024年改正で「12項目→13項目」に変更(⑥電子計算機に係るサイバーセキュリティの確保が追加)。R7試験以降は「13項目」を必ず使う。

(1) 目的:
ガス工作物の工事、維持及び運用に関する自主的な保安の確保のため、保安体制の整備に関することを保安規程に定める。

(2) 規定内容:

<ガス事業者の義務>

  1. 保安規程を定め、事業開始前に経済産業大臣に届け出る
  2. 変更したときは遅滞なく変更事項を経済産業大臣に届け出る
  3. ガス事業者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない

<国が行う行政措置>

  • (保安確保上必要があるとき)経済産業大臣は保安規程の変更を命ずることができる

(3) 定めるべき事項 13項目:

#項目#項目
保安の業務を管理する者の職務・組織導管工事現場の保安監督体制
ガス主任技術者の代行者ガス工作物の工事以外の工事に伴う導管の管理
保安教育災害など非常時の措置
保安のための巡視・点検・検査保安に関する記録
ガス工作物の運転又は操作保安規程違反者に対する措置
電子計算機に係るサイバーセキュリティの確保 ★追加その他保安に関し必要な事項
導管の工事方法

ガス主任技術者制度(★最頻出)

📊 過去問傾向: 直近12年で5回出題(R7, R5, H29, H28, H27)。R7では「免状の監督範囲」と「実務経験」が問われた(細部まで暗記が必要)。

(1) 目的:
ガス工作物の工事、維持及び運用に関する自主的な保安の確保を図るため、ガス事業者にガス主任技術者を選任させ、保安の監督をさせることを目的とする。

(2) ガス事業者の義務:

  • ガス主任技術者免状の交付を受けている者から選任し、ガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせなければならない
  • 選任・解任の際は、遅滞なく、経済産業大臣に届け出なければならない

(3) ガス主任技術者の義務:

  • その職務を誠実に行わなければならない

(4) 工事、維持又は運用する者の義務:

  • ガス主任技術者が保安のためにする指示に従わなければならない

(5) 国が行う行政措置(免状制度):

  • 免状は甲種・乙種・丙種の3種類
  • 監督できる範囲:
    • 甲種 — すべてのガス工作物
    • 乙種 — 最高使用圧力が中圧・低圧のガス工作物、特定ガス工作物等
    • 丙種 — 特定ガス工作物
  • 選任に必要な実務経験:
    • 甲種・乙種 — 製造所等のガス工作物の工事・維持・運用に関し6か月以上
    • 丙種 — 不要
  • (法令違反時)大臣は免状の返納を命じ、ガス事業者にガス主任技術者の解任を命ずることができる

消費機器の調査(★頻出)

📊 過去問傾向: 直近12年で4回出題(R6, H30, H28, H26)。R6では「周知ではなく調査」と限定されたため、両者の違いを理解しておく必要がある。

ガス小売事業者の義務 5項目:

  1. 消費機器が設置上の技術基準に適合しているかを調査する
  2. 不適合の場合、適合させるための措置・とらない場合に生ずべき結果を遅滞なく所有者・占有者に通知する
  3. 託送供給を行う一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者に調査結果を通知する
  4. 使用者からガスによる災害発生・発生のおそれの通知を受けた、又は自ら知った場合、すみやかに必要な措置を講じる
  5. 調査(及び通知)に関する業務を帳簿に記載し保存する

調査頻度: 使用申込受付時 + 4年に1回以上(技術基準適合確認)

ガス事業者の保安責務(★頻出・R7出題)

📊 過去問傾向: 直近12年で3回出題(R7, R3, H29)。包括的な概念で、保安規程・ガス主任技術者を含む7項目すべてを問われる。

ガス工作物の保安は 「国の行政措置」「ガス事業者の保安責務」「所有者又は占有者の協力義務」 の3つに分類される。論述で問われるのは 「ガス事業者の保安責務 7項目」

#項目内容
技術基準適合義務ガス工作物を技術上の基準に適合するよう維持する
保安規程事業開始前に大臣に届出、従業者とともに守る義務
ガス主任技術者選任し、工事・維持・運用の保安監督をさせる
工事計画の届出大臣に届出
使用前検査自主検査+登録検査機関の検査に合格後使用
定期自主検査検査記録を作成・保存
ガスの成分検査硫黄全量・硫化水素・アンモニアの量を記録・保存

※R7のように「ガス主任技術者制度に関するものは除く」と限定された場合は、③を除く6項目を解答する。

保安業務規程(2017年新設)

📊 過去問傾向: 直近12年で2回出題(R4, R1)。2017年ガス事業法改正で新設された比較的新しい論点で、R1で初出題。

(1) 目的:
消費機器による事故の防止を図るため、消費機器に対する周知及び調査等の保安業務に関することを保安業務規程に定める。

(2) ガス事業者の義務 3項目:

  1. 保安業務規程を定め、事業開始までに経済産業大臣に届け出る
  2. 変更したときは遅滞なく変更事項を経済産業大臣に届け出る
  3. ガス事業者及びその従業者は、保安業務規程を守らなければならない

(3) 定めるべき事項 9項目(特定ガス導管事業者は8項目):

  1. 保安業務を管理する者の職務・組織
  2. 保安業務監督者の選任
  3. 保安業務監督者の代行者
  4. 保安に関する教育・訓練
  5. 周知・調査の実施方法
  6. 災害など非常時の連絡体制・情報提供等の措置
  7. 保安業務に関する記録
  8. 保安業務規程違反者に対する措置
  9. その他保安に関し必要な事項

消費機器の周知

📊 過去問傾向: 直近12年で2回出題(H28, H26)。「調査」とセットで問われることが多い。R6では「周知ではなく調査」と限定された。

ガス小売事業者の義務:

  • 消費機器使用者に、ガス使用に伴う危険発生防止に必要な事項を周知する
  • 毎年度経過後、周知状況を産業保安監督部長に届け出

周知頻度: 使用申込受付時 + 2年に1回以上(特定地下街等の保安上重要な物件・不安全型機器は1年に1回以上)

周知事項(9項目):

  • 消費機器の供給するガスに対する適応性
  • 消費機器の管理及び点検に関し注意すべき基本的な事項
  • 消費機器を使用する場所の環境及び換気に関する事項
  • ガス漏れ感知時等の災害対応とガス事業者への連絡
  • ガス瞬間湯沸器の使用に関する事項
  • ガスふろがまの排気筒の点検
  • ガス漏れ警報設備の点検
  • 消防機関への連絡
  • その他必要な事項

熱量等の測定義務(R5新傾向)

📊 過去問傾向: R5(2023)で初出題。法令論述に「業務規定」が登場した転換点。今後も繰り返し出題の可能性。

対象事業者: ガス小売事業者・一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・ガス製造事業者
「熱量等」= 熱量 + 燃焼性 + 圧力
「測定義務」= 測定頻度 + 方法 + 場所 + 記録保存 の4要素

対象頻度方法場所記録保存
熱量毎日1回JISの方法製造所の出口、他者から導管供給を受ける事業場の出口1年間
燃焼性毎日1回JISの方法同上1年間
圧力常時自動記録圧力計ガスホルダーの出口、整圧器の出口、大臣指定場所1年間

小売供給条件の説明事項(保安関連 5項目)

📊 過去問傾向: R2のみの出題だが、業務系出題が増加傾向のため押さえておく。
  1. 供給するガスの熱量の最低値・標準値、その他ガスの成分に関する事項
  2. ガス栓出口におけるガスの圧力の最高値・最低値
  3. 供給するガスのガスグループ(求めがあれば燃焼速度・ウォッベ指数)
  4. 導管・器具・機械等の設備に関する 一般ガス導管事業者・特定ガス導管事業者・小売事業者・相手方の保安上の責任
  5. 相手方のガス使用方法・器具等の使用に制限がある場合、その内容

4. 解答時の重要ポイント

① 要求項目を抜かさず

毎年2〜4項目が出題される。3項目要求で2項目しか書かないと最高でも2/3点しか得点不可。問題文の「目的」「内容」「定めるべき事項」を見落とさない。

② 見出し+箇条書きで構造化

「目的」「ガス事業者の義務」「国の行政措置」「定めるべき事項」など 見出しを立てて 採点者がキーワードを見つけやすく。長文NG、加点方式に対応。

③ 13項目は半数以上覚える

保安規程の 13項目、保安業務規程の 9項目、周知の 9項目半数以上書く。書ければ書くほど加点される。


5. 論述テンプレート(28行A4目安)

【保安規程の論述テンプレ(A4 28行目安)】
※A4答案用紙28行に収まるよう、1行=1要素で構成

■ 目的(2行)

  1. (目的)保安規程はガス工作物の工事・維持・運用に関する自主的な保安の確保のため、保安体制の整備に関することを規定する

■ ガス事業者の義務(3行)

  1. (届出)事業開始までに保安規程を定め経済産業大臣に届出
  2. (変更届出)変更時は遅滞なく変更事項を経済産業大臣に届出
  3. (遵守)ガス事業者と従業者は保安規程を守らなければならない

■ 国の行政措置(1行)

  1. (大臣命令)大臣は保安のため必要な時、保安規程の変更を命じることができる

■ 定めるべき事項 13項目(13行)

  1. ① 管理者の職務と組織
  2. ② ガス主任技術者の代行者
  3. ③ 保安教育
  4. ④ 巡視・点検・検査
  5. ⑤ ガス工作物の運転・操作
  6. ⑥ 電子計算機に係るサイバーセキュリティの確保(★2024年改正で追加)
  7. ⑦ 導管の工事方法
  8. ⑧ 導管工事現場の保安監督体制
  9. ⑨ 他工事に伴う導管管理
  10. ⑩ 災害など非常時の措置
  11. ⑪ 保安に関する記録
  12. ⑫ 保安規程違反者に対する措置
  13. ⑬ その他保安に関し必要な事項

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