消費機器 第1章 燃焼の基礎

消費機器の動作原理を支える「燃焼」を扱う章です。ガスの性質と比重、理論空気量・燃焼排ガス、発熱量(LHV/HHV)、ノズル噴出量とウォッベ指数、着火温度・燃焼範囲・燃焼速度、伝熱、熱効率、燃焼方式の分類までを学びます。

乙種甲種兼用 / 全12節 / 学習目安: 30〜60分

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📍 はじめに

消費機器(コンロ・湯沸器・ふろがま等)が安全かつ効率よく動くためには、ガスがどう燃えるかの基本を押さえる必要があります。この章では、燃焼の物理化学を消費機器の文脈で再整理します。


📍 この章で学ぶこと(3ブロック・全12節)

各節の重要度を 乙種 / 甲種 で並べて表示します。

🟦 = 甲種で重要度が乙種より上がる節 / ★ = 重要度A節

ブロック1: ガスの燃焼性

タイトル
1-1ガスの性質と比重C🟦 B
1-2ガスの燃焼と理論空気量BB
1-3燃焼排ガスBB
1-4発熱量(総発熱量真発熱量BB
1-5ノズル噴出量とインプット・ウォッベ指数★A★A
1-6着火温度と火炎温度BB
1-7燃焼範囲(爆発範囲)とル・シャトリエの式★A★A
1-8燃焼速度と最大燃焼速度BB

ブロック2: 伝熱と熱効率

タイトル
2-1伝熱(伝導・対流・放射)BB
2-2熱効率CC

ブロック3: 燃焼方式

タイトル
3-1燃焼方式の分類BB
3-2赤火式燃焼の特徴★A★A

📚 テキスト解説

各節は次の構成で進みます。

– 🎯 一言で

– 📖 解説(乙種ベース)

– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)

– ⚡ 焦点ポイント

– 📝 過去問のひっかけ例


1-1. ガスの性質と比重

重要度: 乙C / 🟦 甲B

🎯 一言で

都市ガスの成分・比重・発熱量の基本値

📖 解説(乙種ベース)

都市ガスの成分・比重・発熱量の基本値

現在の都市ガスは13Aと12Aの2種類に統一(2010年3月)。比重=同容積のガスと空気の質量の比。比重1より大→空気より重い、1より小→軽い。13A: 比重0.64・発熱量45.0 MJ/m³N。12A: 比重0.67・発熱量41.9 MJ/m³N。PA13Aガス(プロパン・エアー13Aガス): 比重1.35(1より大)・発熱量約63 MJ/m³N。メタンCH₄の比重:分子量16÷空気の質量28.8=0.56。ガスの比重はノズルからの噴出量に大きく影響する。

🟦 甲種プラスα

甲種では「ガスの性質と比重」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。

⚡ 焦点ポイント

比重は空気を1とした相対値。比重1より大は空気より重くなり滞留しやすい(LP系)。プロパンブタンを空気で希釈したPA13Aは比重1より大。13A・12Aは比重1より小(軽い)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「PA13Aの比重は1より小さい」→×(1より大きい)。「比重が大きいほど噴出量は多い」→×(反比例)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-2. ガスの燃焼と理論空気量

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

完全燃焼・不完全燃焼・理論空気量空気比・酸素当量

📖 解説(乙種ベース)

完全燃焼・不完全燃焼・理論空気量空気比・酸素当量

ガスの燃焼は可燃成分が酸素と結合する酸化反応(発熱反応)。完全燃焼:燃焼反応が最後まで完結した状態。不完全燃焼:空気不足等で反応途中に中間生成物(一酸化炭素等)を発生する状態。理論空気量:標準状態のガス1m³を完全に燃焼させるために必要な最小の空気量(m³N/m³N)。実際には20〜40%の過剰空気が必要(理論空気量だけでは完全燃焼不可)。空気比=実際の燃焼に供給される空気量÷理論空気量。酸素当量:ガス1m³Nを完全燃焼させるのに必要な酸素量。メタンCH₄の酸素当量は2 m³N/m³N。燃焼式:CH₄+2O₂→CO₂+2H₂O、C₃H₈+5O₂→3CO₂+4H₂O。

⚡ 焦点ポイント

過剰空気があっても完全燃焼すれば排ガスにCOは含まれない。空気比>1のとき:過剰空気あり(完全燃焼に向かう)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「理論空気量だけで完全燃焼できる」→×(20〜40%の過剰空気が必要)。「不完全燃焼の中間生成物はCO₂」→×(一酸化炭素CO等)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-3. 燃焼排ガス

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

理論燃焼排ガス量・湿り排ガス・乾き排ガスの定義

📖 解説(乙種ベース)

理論燃焼排ガス量・湿り排ガス・乾き排ガスの定義

理論燃焼排ガス量(理論排ガス量):理論空気量と混合して燃焼した生成物。成分:①燃焼により生成した炭酸ガスと水蒸気②都市ガス中の不燃成分③供給空気中の窒素。実際の燃焼では過剰空気(20〜40%)が入るため、排ガスには燃焼に使われなかった酸素も含まれる。湿り燃焼排ガス量:燃焼による水の生成物(水蒸気)及び空気中の湿分を含んだもの。乾き燃焼排ガス量:燃焼による水蒸気及び空気中の湿分を除いたもの。水素を燃焼させた場合:水蒸気は発生するが二酸化炭素は発生しない。炭化水素の燃焼ガス中には必ず二酸化炭素と水蒸気が含まれる。

⚡ 焦点ポイント

乾き排ガスは湿り排ガスから水分を除いたもの(乾き<湿り)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「乾き排ガスには水蒸気が含まれる」→×(除いたもの)。「水素燃焼でCO₂発生」→×(H₂Oのみ発生)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-4. 発熱量(総発熱量真発熱量

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

総発熱量真発熱量潜熱の関係

📖 解説(乙種ベース)

総発熱量真発熱量潜熱の関係

発熱量:標準状態のガス1m³Nを完全燃焼した時に発生する熱量(MJ/m³N)。真発熱量(低発熱量):燃焼で発生する熱量から水蒸気の持つ熱量(潜熱)を引いたもの。総発熱量(高発熱量):水蒸気が凝縮して水に戻ると仮定してその潜熱を加えたもの。[総発熱量]=[真発熱量]+[潜熱]。炭化水素を含むガスの総発熱量真発熱量より大きい。供給ガスの発熱量は一般に総発熱量で表す(真発熱量より大きい)。

⚡ 焦点ポイント

総発熱量基準の熱効率<真発熱量基準の熱効率(分母が大きいため)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「供給ガスの発熱量は真発熱量で表す」→×(総発熱量)。「総発熱量は真発熱量より小さい」→×(大きい)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-5. ノズル噴出量とインプット・ウォッベ指数

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

ノズル噴出量式Q=kD²√(P/d)、インプットI=Q×H、ウォッベ指数WI=H/√d

📖 解説(乙種ベース)

ノズル噴出量式Q=kD²√(P/d)、インプットI=Q×H、ウォッベ指数WI=H/√d

ノズル噴出量:Q=k·D²·√(P/d)。Q: ガス流量(m³N/h)、D: ノズル口径(mm)、P: ガス圧力(kPa・ゲージ)、d: ガス比重、k: 定数。噴出量はノズル口径の2乗に比例、ガス圧力の平方根に比例、ガス比重の平方根に反比例。インプット(ガス機器が単位時間に消費する熱量):I=Q×H=kD²√P·(H/√d)=kD²√P·WIウォッベ指数WI=H/√d(H: 発熱量、d: 比重)。ガス圧力Pとノズル口径Dが一定ならば、インプットはウォッベ指数に比例する。供給ガスの圧力や組成が変化するとガス機器のインプットも変化する。

⚡ 焦点ポイント

WIが大きい→インプット大(同一P・Dでも多くの熱を供給)。ウォッベ指数はガスの互換性判定に使用。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「ノズル噴出量はガス比重に比例する」→×(比重の平方根に反比例)。「インプットはウォッベ指数の平方根に比例」→×(WIに比例)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-6. 着火温度と火炎温度

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

着火温度の数値・メタンの特異性・理論火炎温度と実際の火炎温度

📖 解説(乙種ベース)

着火温度の数値・メタンの特異性・理論火炎温度と実際の火炎温度

着火温度:ガスが酸素と接触すると同時に、反応が起こる最低温度。供給ガスの着火温度は空気中で550〜600℃。着火温度一覧(空気中/酸素中):水素530/450℃メタン645/645℃プロパン510/490℃ブタン490/460℃。燃焼ガスの中でメタンの着火温度が一番高い(645℃)。メタンは空気中と酸素中で着火温度が変わらない(645℃)。他のガスは酸素中の方が20〜40℃低い。理論火炎温度:ガスが理論空気量の空気と混合し、熱が全て外部に放散せず燃焼生成物だけを加熱するとした時の温度。実際の火炎温度は放射・伝導により熱が逃げるため、理論火炎温度より低い。テストガス(メタン90%ブタン10%)の炎の最高温度は約1,400℃(内炎のわずか上方)。

⚡ 焦点ポイント

着火温度は発生熱量と放散熱量の平衡で決まる。発生熱量<放散熱量の場合は燃焼継続しない。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「メタンの着火温度は酸素中で低くなる」→×(645℃で変わらない)。「実際の火炎温度は理論火炎温度より高い」→×(低い)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-7. 燃焼範囲(爆発範囲)とル・シャトリエの式

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

燃焼範囲の数値・ル・シャトリエの式・温度/圧力/不活性ガスの影響

📖 解説(乙種ベース)

燃焼範囲の数値・ル・シャトリエの式・温度/圧力/不活性ガスの影響

燃焼範囲(爆発範囲):ガスと空気の混合割合のうち燃焼が起こる範囲。上限・下限で表す。主なガスの燃焼範囲:水素4.0〜75.0%メタン5.0〜15.0%プロパン2.1〜9.5%ブタン1.6〜8.4%。ル・シャトリエの式:100/L=n1/N1+n2/N2+…(L: 混合ガスの燃焼限界%、N: 各可燃性ガスの燃焼限界%、n: 各可燃性ガスの容積割合%)。温度が上昇→燃焼範囲が広がる(下限↓上限↑)。圧力が高い→燃焼範囲が広がる。不活性ガス(CO₂・N₂・H₂O等)混合→燃焼範囲が狭くなる。CO₂はH₂OやN₂に比べて燃焼範囲を狭くする効果が大きい(比重の大きさに応じる)。不活性ガス混合時、燃焼下限はあまり影響を受けないが上限は著しく低下する。

⚡ 焦点ポイント

燃焼範囲はガスの種類・温度・圧力・混合不活性ガスの種類と量で変わる。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「温度上昇で燃焼範囲が狭まる」→×(広がる)。「N₂よりCO₂の方が燃焼範囲を狭くする効果が大きい」→○。「圧力一定でも温度上昇で下限も上限も広がる」→○。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

1-8. 燃焼速度と最大燃焼速度

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

燃焼速度の定義・最大燃焼速度・MCP・各ガスの比較

📖 解説(乙種ベース)

燃焼速度の定義・最大燃焼速度・MCP・各ガスの比較

燃焼速度:燃焼が継続する際、火炎が火炎面に直角な方向に未燃焼混合ガスの方へ移動する速度。燃焼速度はガスの成分・空気との混合割合・混合ガスの温度・圧力等によって異なる。温度が高くなるほど燃焼速度は速くなる。最大燃焼速度:一次空気率がある値のときに燃焼速度は最大となる。この値をいう。最大燃焼速度はガス固有の物性値。水素・COは一次空気率50%近傍で最大、その他のガスは100%近傍で最大。最大燃焼速度の大きさ:水素>CO>エチレン>エタンプロパンブタンメタンプロパンの最大燃焼速度はメタンより大きい。メタンに不活性ガス(窒素・炭酸ガス)を混合すると最大燃焼速度はメタンより小さくなる。MCP燃焼速度指数):ガス事業でガスの組成から計算で求める最大燃焼速度の近似値を指数化したもの。

⚡ 焦点ポイント

燃焼速度は逆火・リフティング等の現象やガスの互換性に対して重要なファクター。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「最大燃焼速度はメタンが最も大きい」→×(水素が最大)。「プロパンの最大燃焼速度はメタンより小さい」→×(大きい)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

2-1. 伝熱(伝導・対流・放射)

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

熱の伝わり方3種類:伝導・対流・放射(輻射)の特徴と計算式

📖 解説(乙種ベース)

熱の伝わり方3種類:伝導・対流・放射(輻射)の特徴と計算式

伝導:熱が物体の内部を通って高温側から低温側へ移る現象。伝導熱量:Q=λA(T₁-T₂)/l(λ: 熱伝導率、A: 面積、l: 厚さ)。熱伝導率の大小:金属>ガラス>水>グラスウール>空気。金属の熱伝導率は気体より大きい。熱伝導率代表値:銅372、アルミ203、鉄35〜58、ガラス0.58〜1.35、水0.58、グラスウール0.035、空気0.026 W/(m·K)。対流:流体が加熱されて軽くなり物質移動が起こり熱が移動する現象。流体特有の伝熱現象。自然対流:比重差により自然に対流が起こる。強制対流:外力により強制的に対流を起こす。放射(輻射):熱が電磁波の形で中間物質媒体なしに直接伝達される現象。黒体(完全黒体):入射する放射熱を全て吸収する物体。放射率ε=1.0。ステファンボルツマンの法則:Eb=σT⁴(黒体の全放射は絶対温度の4乗に比例)。E=εσT⁴(実在固体)。物の加熱に効果ある電磁波は赤外線(可視光線より波長が長い)。

⚡ 焦点ポイント

断熱材は熱伝導率が小さいものが好ましい。空気の熱伝導率は非常に小さい(断熱効果)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「対流は固体特有の伝熱現象」→×(流体特有)。「黒体の放射率は0.5」→×(1.0)。「加熱に効果ある電磁波は紫外線」→×(赤外線)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

2-2. 熱効率

重要度: 乙C / 甲C

🎯 一言で

熱効率の定義・代表的ガス機器の熱効率値・総発熱量基準と真発熱量基準の違い

📖 解説(乙種ベース)

熱効率の定義・代表的ガス機器の熱効率値・総発熱量基準と真発熱量基準の違い

熱効率η(%)=有効熱量(アウトプット)/入熱量(インプット)×100。入熱量(インプット)=消費されたガス量×ガスの発熱量。入熱量=有効熱量+損失熱量(損失熱量が小さいほど熱効率は高い)。代表的ガス機器の熱効率(総発熱量基準):コンロ45〜56%、湯沸器75〜95%ふろがま70〜80%、FFストーブ80〜90%。一般にガス機器の熱効率は総発熱量基準で表される。真発熱量基準の熱効率>総発熱量基準の熱効率(分母が小さいため大きい値になる)。

⚡ 焦点ポイント

瞬間湯沸器の熱効率はこんろより高い(75〜95%)。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 「総発熱量基準の熱効率は真発熱量基準より大きい」→×(小さい)。「こんろの熱効率は75〜95%」→×(45〜56%)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

3-1. 燃焼方式の分類

重要度: 乙B / 甲B

🎯 一言で

4種類の燃焼方式(赤火式・セミブンゼン式ブンゼン式・全一次空気式)の比較

📖 解説(乙種ベース)

4種類の燃焼方式(赤火式・セミブンゼン式ブンゼン式・全一次空気式)の比較

燃焼方式はガスと空気が混合する場所やあらかじめ混合する一次空気の量で大別。赤火式:一次空気0%・二次空気100%、炎色赤黄、炎長い、炎温度900℃セミ・ブンゼン式:一次空気30〜40%・二次空気70〜60%、炎色青、炎やや長い、炎温度1,000℃ブンゼン式:一次空気40〜70%・二次空気60〜30%、炎色青緑、炎短い、炎温度1,300℃。全一次空気式:一次空気100%・二次空気0%、セラミックや金網の表面で燃える、炎温度950℃。その他燃焼:パルス燃焼触媒燃焼濃淡燃焼・ブラスト燃焼。炎温度(高い順):ブンゼン式(1,300℃)>セミブンゼン式(1,000℃)>全一次空気式(950℃)>赤火式(900℃)。炎の長さ(長い順):赤火式>セミブンゼン式ブンゼン式>全一次空気式。

⚡ 焦点ポイント

一次空気が多いほど炎温度が高く(ブンゼン式が最高)、炎が短くなる傾向。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「炎温度が最も高いのは赤火式」→×(ブンゼン式1,300℃)。「全一次空気式は炎色が青緑」→×(セラミック/金網表面で燃える)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

3-2. 赤火式燃焼の特徴

重要度: ★ 乙A / 甲A

🎯 一言で

赤火式燃焼(拡散燃焼式)の特徴:逆火なし・リフティングあり・すす発生等

📖 解説(乙種ベース)

赤火式燃焼(拡散燃焼式)の特徴:逆火なし・リフティングあり・すす発生等

赤火式燃焼:ガスをそのまま大気中に噴出して燃焼させる方法(拡散燃焼式とも呼ばれる)。燃焼に必要な空気はすべて周囲の大気から拡散によって供給される。特徴①:燃焼速度は極めて遅く、炎は長く伸びて赤黄色。特徴②:炎の温度は比較的低く約900℃。特徴③:燃焼速度が遅いので燃焼室を小さくできない(小さくすると不完全燃焼)。特徴④:逆火することはないが、バーナー内圧が高過ぎるとリフティングを起こす。特徴⑤:炎の赤い輝きは、ガス中の炭化水素の一部が分解し炭素分子が分離して赤熱して生じる。特徴⑥:炎が冷たい物質の表面に接触するとすすが発生する。

⚡ 焦点ポイント

逆火=炎が燃焼口より内部に入り込む現象。リフティング=炎がバーナー口から離れる現象。赤火式は逆火しない(一次空気なし=混合気なし)が、リフティングは起こる。

📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)

  • 【最頻出】 「赤火式は逆火しやすい」→×(逆火しない)。「赤火式は燃焼室を小さくできる」→×(大きくする必要あり)。「赤火式でリフティングは起こらない」→×(バーナー内圧が高すぎると起こる)。
  • 類似した用語・設備・概念が入れ替えられる(例: 同じカテゴリ内の別装置名・別物質名に置換)
  • 増加/減少、高い/低い、〜以上/〜以下など方向や大小関係が逆転される
  • 計算式の係数(1/2、1/3、π/4等)を別の値に置換、または指数を取り違えた選択肢
  • 条文番号・期日・閾値となる数値が近い別の値に書き換えられる
  • 「ただし書き」「除外規定」を見落とし、原則のみで判断させる
  • その他の傾向: 主語(誰が)・対象(何を)・条件のいずれかが入れ替えられる/数値・用語が類似のものに差し替えられる

🔢 消費機器の重要数値・設備の整理

主要計算式と数値:

– ノズル噴出量: Q = K × A × √(2gh/ρ)(ベルヌーイ応用)

ウォッベ指数: WI = HHV / √比重(同じWI ≒ 同じ火力)

– ル・シャトリエの式(混合燃焼範囲): 100/L = Σ(xi/Li)

– 13Aの主要数値: HHV ≒ 45 MJ/m³WI ≒ 52、燃焼速度MCP ≒ 35

燃焼範囲(空気中の体積%):

ガス下限上限
メタン5.015.0
プロパン2.19.5
ブタン1.68.4
水素4.075.0

燃焼方式の分類:

– 赤火式(拡散燃焼): 燃焼速度遅い、すす発生しやすい

– セミブンゼン式: 一次空気あり、中間

ブンゼン式(予混合燃焼): 燃焼速度速い、青色火炎

消費機器科目では、機器の方式・設置基準・安全装置の作動原理の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・方式・原理を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。

🗒️ 3分で復習(章末まとめ)

🎯 全節 一言まとめ

  • 節1-1 ガスの性質と比重: 都市ガスの成分・比重・発熱量の基本値
  • 節1-2 ガスの燃焼と理論空気量: 完全燃焼・不完全燃焼・理論空気量空気比・酸素当量
  • 節1-3 燃焼排ガス: 理論燃焼排ガス量・湿り排ガス・乾き排ガスの定義
  • 節1-4 発熱量(総発熱量と真発熱量): 総発熱量真発熱量潜熱の関係
  • 節1-5 ノズル噴出量とインプット・ウォッベ指数: ノズル噴出量式Q=kD²√(P/d)、インプットI=Q×H、ウォッベ指数WI=H/√d
  • 節1-6 着火温度と火炎温度: 着火温度の数値・メタンの特異性・理論火炎温度と実際の火炎温度
  • 節1-7 燃焼範囲(爆発範囲)とル・シャトリエの式: 燃焼範囲の数値・ル・シャトリエの式・温度/圧力/不活性ガスの影響
  • 節1-8 燃焼速度と最大燃焼速度: 燃焼速度の定義・最大燃焼速度・MCP・各ガスの比較
  • 節2-1 伝熱(伝導・対流・放射): 熱の伝わり方3種類:伝導・対流・放射(輻射)の特徴と計算式
  • 節2-2 熱効率: 熱効率の定義・代表的ガス機器の熱効率値・総発熱量基準と真発熱量基準の違い
  • 節3-1 燃焼方式の分類: 4種類の燃焼方式(赤火式・セミブンゼン式ブンゼン式・全一次空気式)の比較
  • 節3-2 赤火式燃焼の特徴: 赤火式燃焼(拡散燃焼式)の特徴:逆火なし・リフティングあり・すす発生等

⚡ 全節 焦点ポイント

  • 節1-1: 比重は空気を1とした相対値。比重1より大は空気より重くなり滞留しやすい(LP系)。プロパンブタンを空気で希釈したPA13Aは比重1より大。13A・12Aは比重1より小(軽い)。
  • 節1-2: 過剰空気があっても完全燃焼すれば排ガスにCOは含まれない。空気比>1のとき:過剰空気あり(完全燃焼に向かう)。
  • 節1-3: 乾き排ガスは湿り排ガスから水分を除いたもの(乾き<湿り)。
  • 節1-4: 総発熱量基準の熱効率<真発熱量基準の熱効率(分母が大きいため)。
  • 節1-5: WIが大きい→インプット大(同一P・Dでも多くの熱を供給)。ウォッベ指数はガスの互換性判定に使用。
  • 節1-6: 着火温度は発生熱量と放散熱量の平衡で決まる。発生熱量<放散熱量の場合は燃焼継続しない。
  • 節1-7: 燃焼範囲はガスの種類・温度・圧力・混合不活性ガスの種類と量で変わる。
  • 節1-8: 燃焼速度は逆火・リフティング等の現象やガスの互換性に対して重要なファクター。
  • 節2-1: 断熱材は熱伝導率が小さいものが好ましい。空気の熱伝導率は非常に小さい(断熱効果)。
  • 節2-2: 瞬間湯沸器の熱効率はこんろより高い(75〜95%)。
  • 節3-1: 一次空気が多いほど炎温度が高く(ブンゼン式が最高)、炎が短くなる傾向。
  • 節3-2: 逆火=炎が燃焼口より内部に入り込む現象。リフティング=炎がバーナー口から離れる現象。赤火式は逆火しない(一次空気なし=混合気なし)が、リフティングは起こる。

📝 関連過去問

この章の知識が問われる過去問題リスト(全53問)。

ℹ️ 乙種・甲種は別の試験です。同じ問番号(例: 基問10)であっても、乙種と甲種では出題される問題内容は異なります。各年度・種別ごとの本文は 乙種過去問 / 甲種過去問 ページから確認してください。

乙種(30問)

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平成30年: 消問19 / 消問20 / 消問24

平成29年: 消問19 / 消問20 / 消問24

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甲種(18問)

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共通(5問)

令和6年: 消問1

令和4年: 消問1

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平成29年: 消問1