
導管工事の流れ、計画・着工準備、掘削、配管(敷設・接合・非開削)、供内管、埋め戻し・復旧、耐圧・気密試験、連絡工事までを扱います。現場保安と試験基準が論述頻出。
乙種・甲種兼用 / 全10節 / 学習目安: 30〜60分
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📍 はじめに
導管工事は他工事(道路工事など)と違い、ガス漏えい・着火・爆発のリスクが伴います。この章では、工事の流れを整理しつつ、各段階で押さえるべき安全と品質のポイントを学びます。
📚 テキスト解説
各節は次の構成で進みます。
– 🎯 一言で
– 📖 解説(乙種ベース)
– 🟦 甲種プラスα(必要な節のみ)
– ⚡ 焦点ポイント
– 📝 過去問のひっかけ例
📑 この章の目次(全10節)
1. 導管工事の流れ
重要度: 乙C / 甲C
🎯 一言で
導管工事の標準フローと工事種類(新設・改善・入替・移設)
📖 解説(乙種ベース)
ガスの導管工事は、掘って、つないで、埋めれば終わりではない。引っ越しの段取りに似ている。運び出す前に経路を決め、荷を下ろす前に部屋を空ける——順番を入れ替えた途端に成り立たなくなる工程が並ぶ。試験が問うのも、まさにこの順番である。
低圧導管を新しく設置する場合を追ってみよう。まず工事計画を立て、着工準備を整え、掘削工事で道路を開ける。そこへ配管工事で管を通す。この時点で管はつながったが、まだガスは流せない。埋め戻したうえで耐圧・気密試験を行い、健全であることを確かめてから既設管につなぐ連絡工事へ進む。
連絡(結び)工事のあとに空気抜き・ガス開通、そして復旧工事、最後に工事竣工図の作成で締める。過去問では省略形で問われることが多く、低圧導管設置工事の手順は、工事計画→着工準備→掘削工事→配管工事→耐圧・気密試験→連絡(結び)工事→空気抜き・ガス開通、と並ぶ。管路は地中埋設が一般的である。
順序に理由がある点を押さえたい。試験は「つないだ管が漏れないこと」を確かめる工程だから、ガスを入れる前に済ませねばならない。路面の復旧が最後に回るのも、連絡工事まで終えないと掘り返す可能性が残るからだ。出題者はこの前後関係のうち一箇所だけをそっと入れ替えてくる。
工事は目的によって呼び名が変わる。名称と目的の対応も、そのまま選択肢の材料になる。
| 工事の種類 | 目的・内容 |
|---|---|
| 幹線工事 | 高圧導管等を敷設する新規工事 |
| 新設工事 | 新規需要のための導管敷設 |
| 改善工事 | 供給改善のための敷設改善 |
| 経年管入替工事 | 保安のための入替工事 |
| 移設工事 | 他企業者工事に伴う移設 |
導管工事の標準フロー(工事計画から竣工図まで)⚡ 焦点ポイント
工事手順の順番が出題される。「耐圧気密試験→連絡→空気抜き」の順を確実に覚える。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 埋め戻し・復旧工事と空気抜き・ガス開通の前後順序に注意。復旧は連絡工事後。
- 工事手順の順番が出題される
- 「耐圧気密試験→連絡→空気抜き」の順を確実に覚える
2. 工事計画・着工準備
重要度: 乙B / 甲C
🎯 一言で
施工計画の立案・他埋設物管理者への照会・道路使用許可・着工準備
📖 解説(乙種ベース)
道路の下は、ガス管だけの場所ではない。上下水道も電話も電気も、満員電車のように詰め込まれている。だから掘る前にやるべきことが山ほどある。工事計画と着工準備は、その「掘る前」を扱う節である。
まず施工計画の立案。工事概要・現場組織体制・施工方法・工事工程・交通安全対策等を定める。次に工事の調整で、道路工事調整会議等の場で他埋設物管理者と計画をすり合わせる。同一箇所に他者の計画があれば、まとめて掘って工事の縮減を図る。何度も同じ道路を掘り返さないための調整だ。
ここで受験者がつまずくのが許可の出し手である。ガス事業法に基づく届出を行うほか、道路管理者から占用許可を、所轄警察署から道路使用許可を取得する。道路を「占める」相手は道路の持ち主、道路を「使う」相手は交通を仕切る警察——そう結びつければ入れ替えに引っかからない。
他埋設物への配慮も欠かせない。工事計画箇所に他埋設物がある場合は、上下水道・電話・電気等の管理者へ施工通知し、保安措置を協議する。照会先はあくまで当該埋設物の管理者であって、許可を出した警察署ではない。
計画が固まったら着工準備に移る。人・物・周囲・地中の4方向を整えると考えると覚えやすい。
| 着工準備 | 内容 |
|---|---|
| 工事班の編成 | 保安規程に基づき監督者・現場責任者を定める |
| 資機材の準備 | 掘削機械・ポンプ・転圧機・保安設備等の整備点検 |
| 沿線関係者への連絡 | 住民・学校・病院・商店街・自治会へ広報 |
| 試験掘 | 他埋設物の位置・状況を把握するため必要に応じて実施 |
道路の2つの許可(占用許可=道路管理者・使用許可=警察署)⚡ 焦点ポイント
他埋設物管理者への照会・保安措置協議が頻出。「損傷防止のため試験掘や図面調査」も頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 道路使用許可は道路管理者ではなく所轄警察署から取得する点に注意。占用許可が道路管理者。
- 他埋設物管理者への照会・保安措置協議が頻出
- 「損傷防止のため試験掘や図面調査」も頻出
3. 掘削工事
💡 図の見方:湧水処理3工法を掘削断面で並べた図。ウェルポイント工法は地下水位を下げる工法なので、汲み上げること自体が地盤沈下・周辺井戸の枯渇・水田の乾燥という副作用を生む。地盤沈下のおそれがある場面で選ぶのは、水を抜かずに地盤を固める薬液注入工法。原因と対策を真逆にした一文が定番のひっかけ。
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
土止め工(木材または鋼製矢板・腹起こし・切梁)・湧水処理(ウェルポイント工法・薬液注入工法)
📖 解説(乙種ベース)
掘った穴は、放っておけば崩れる。土は横からも押してくるからだ。掘削工事の要点は、この土圧と水にどう対処するかに尽きる。
まず一般事項。埋設物周辺は原則として手掘りとする。機械で一気に掘れば他人の管を傷つけるからだ。掘削は当日中に配管完了・埋め戻しできる範囲にとどめる。掘削幅・深さは、配管作業スペースが十分で、埋め戻し時に十分締め固めできる寸法とする。
崩壊を防ぐのが土止め工である。木材または鋼製の矢板を壁として立て、腹起こし(水平部材:切梁)にて補強する。本棚の本が倒れないよう両側からブックエンドで挟むのと同じ構図で、面で受けた土圧を横材へ逃がしている。
次が水である。地下水が湧いてくると掘削面が緩み、作業もできない。湧水処理には3つの方法があり、狙いがそれぞれ違う。
湧水処理3工法の対比:地盤沈下のおそれなら薬液注入工法| 工法 | 原理 | 適用・注意 |
|---|---|---|
| ①重力排水法 | 水溜りを溝に設けて湧水を集めて排水 | 透水性の大きい砂層に適す |
| ②ウェルポイント工法 | 掘削溝に沿って揚水管を打ち込み小型井戸(ウェルポイント)とし、真空ポンプで揚水して地下水位を下げる | 地盤沈下・周辺井戸の枯渇・水田の乾燥を起こすことがある |
| ③薬液注入工法 | ポンプで薬液を注入して地盤を強化 | 軟弱地盤・推進工事時に使用。地下水汚染に注意 |
ここが出題者の狙い目だ。ウェルポイント工法は地下水を汲み上げる工法だから、汲み上げそのものが副作用を生む。地盤沈下のおそれがある場面で選ぶべきは、水を抜かずに地盤を固める薬液注入工法である。「地盤沈下のおそれがあったのでウェルポイント工法を用いた」という一文は、原因と対策が真逆になっている。
なお道路障害物があり設計位置に設置できない場合は、勝手に位置をずらさない。道路管理者や設計者に報告・了解を得て施工する。
🟦 甲種プラスα
甲種では「掘削工事」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
土止め工の構造(矢板・腹起こし・切梁)⚡ 焦点ポイント
ウェルポイント工法の「地盤沈下・井戸枯渇・水田乾燥」の副作用が頻出。土止め工の腹起こし=切梁の役割も確認。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 薬液注入工法は「地盤強化」が主目的。ウェルポイント工法と混同しないこと。
- 「地盤沈下」「井戸枯渇」「水田乾燥」のいずれかが他の用語と入れ替えられる(類似名称の混同)
4-1. 配管工事(敷設工事)
重要度: ★ 乙A / 甲B
🎯 一言で
明示テープ(中圧・外径80mm以上低圧:2m以下間隔)・ロケーティングワイヤー・標識シート(5kPa以上PE管)
📖 解説(乙種ベース)
埋めた管は、埋めた本人にしか見えない。数年後に他人が同じ道路を掘るとき、そこにガス管があると分かる手がかりを残しておかねばならない。地中に埋めるタイムカプセルに名札を付けるようなもので、これが「明示」の考え方である。
その前に管を置く土台を整える。管床の設定では石塊等を除去し平らにする。地盤が軟弱な場合は良質土砂または砂袋等を設ける。とがった石の上に管を載せれば、そこだけに力が集中して傷むからだ。
明示の手段は3つあり、付ける場所も対象も違う。管そのものに巻くのがテープ、管に沿わせるのがワイヤー、管の上に敷くのがシートだ。この「どこに付くか」で区別すると混同しにくい。
敷設時の明示3点セット(明示テープ・標識シート・ロケーティングワイヤー)| 明示の手段 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 明示テープ | 高・中圧の本支管および外径80mm以上の低圧本支管 | 表面に約2m以下の間隔で占用物件の名称・管理者・埋設年・ガスの圧力を明示したテープを巻く(市街地で埋設物が輻輳する場合は外径80mm未満の低圧本支管も明示が望ましい) |
| ロケーティングワイヤー | PE管 | パイプロケーター使用に備えて管に沿わせて設置 |
| 標識シート | 最高使用圧力5kPa以上のPE管を直接埋設する場合 | 導管と地表面の間に設置(義務)。ただし、さや管・防護措置・道路面に埋設位置明示の場合は不要 |
なぜPE管だけワイヤーが要るのか。PE管は樹脂だから金属探知の要領では見つけられない。そこで金属のワイヤーを道連れにして、パイプロケーターで追えるようにしておく。理由まで結びつけておけば、管種を入れ替えた選択肢に迷わない。
PE管そのものの扱いにも作法がある。可とう性があり曲げ配管ができる利点があるが、極端に小さな曲げ半径での使用は行わない。供給管・内管にPE管を使う場合は標示ピン等を設置し埋設位置を明確にする。
劣化と汚れにも注意したい。直射日光による被覆の劣化防止のため屋外保管時はシート等で覆う。またPE管の融着直前には、エタノール等の溶剤をしみ込ませたペーパータオル等で融着面を清掃する。融かして一体にする接合だから、面に油分が残れば、そこが弱点になる。
⚡ 焦点ポイント
「5kPa以上PE管→標識シート義務」「80mm以上低圧・中高圧→2m以下テープ」「PE管→ロケーティングワイヤー」の3点セットが頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 標識シートは「5kPa以上のPE管を直接埋設」が条件。さや管や防護措置を講じる場合は不要。
4-2. 配管工事(導管の接合)
💡 図の見方:接合方法は名前ではなく「どの管種の、どの箇所に使うか」で問われる、ということを1枚に並べた図。機械的接合は鋳鉄管または口径80mm以下の小口径鋼管という限定、EFはインジケータ・HFはビードという確認手段の違いを、カードの中段・下段で見比べたい。
重要度: 乙B / 甲B
🎯 一言で
溶接接合・ねじ接合・融着接合(HF/EF)・機械的接合(鋳鉄管・80mm以下鋼管)・フランジ接合(露出管)
📖 解説(乙種ベース)
管をつなぐ方法は一つではない。布をつなぐのに、縫う・留める・接着するという流儀があるのと同じで、材質と場所によって使い分ける。試験で問われるのは方法の名前ではなく、「どの管種の、どの箇所に使うか」の組合せである。
金属管の主役は溶接接合で、高圧〜低圧の鋼管に幅広く使用する。これに対しねじ接合は主として小口径低圧管の露出管・供内管・本支管取出部・既設管連絡部に使う。シール材塗布後ねじ込み、防食テープで被覆する。
樹脂管には融着接合を使う。PE管は溶かして一体化できるからだ。ヒートフュージョン(HF)接合は融着後、ビードの高さ・幅等を確認する。エレクトロフュージョン(EF)接合は継手のインジケータにより融着状態を確認する。いずれも融着面の切削・清掃(エタノール等の溶剤で清掃)が品質を左右する。
残る2つは「締める」系統だ。機械的接合(メカニカルジョイント)は主として鋳鉄管または口径80mm以下の小口径鋼管の接合に使い、規定のトルクで均等に締め付け、防食テープ等で被覆する。均等に、が肝心で、片側だけ強く締めれば隙間が残る。フランジ接合は整圧器回り・伸縮継手・露出型バルブ・絶縁継手等、主として露出管の接合に使用する。あとで外す前提の箇所だと考えればよい。
導管の接合5方法は、どの管種・どの箇所に使うかで決まる| 接合方法 | 主な適用 | 確認・処置のポイント |
|---|---|---|
| ①溶接接合 | 高圧〜低圧の鋼管に幅広く使用 | − |
| ②ねじ接合 | 小口径低圧管の露出管・供内管・本支管取出部・既設管連絡部 | シール材塗布後ねじ込み、防食テープで被覆 |
| ③融着接合(PE管) | ヒートフュージョン(HF)/エレクトロフュージョン(EF) | HF: ビードの高さ・幅等を確認/EF: インジケータで確認/融着面の切削・清掃 |
| ④機械的接合 | 鋳鉄管または口径80mm以下の小口径鋼管 | 規定のトルクで均等に締め付け、防食テープ等で被覆 |
| ⑤フランジ接合 | 整圧器回り・伸縮継手・露出型バルブ・絶縁継手等の露出管 | − |
⚡ 焦点ポイント
各接合方法の用途(どの管種・どの箇所)が頻出。EF接合→インジケータ確認、機械的接合→トルク均等締め付け。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 機械的接合は「鋳鉄管または口径80mm以下の鋼管」が正しい。鋳鉄管腐食しにくいがPEスリーブ覆いが望ましい。
4-3. 配管工事(非開削工事)
重要度: 乙B / 甲C
🎯 一言で
非開削工法の種類(地上設置式推進・立坑内設置式・弧状推進・ヒューム管推進・シールドトンネル・既設管内引込・既設管破壊)
📖 解説(乙種ベース)
道路を端から端まで掘って管を入れるのが開削。これに対し、もぐらのように土の中だけを進んで管を通すのが非開削である。地表を開削せずに土中または既設管内へ管を引き込む工法をこう呼ぶ。
路面を開けないことが、そのまま利点になる。メリットは交通影響低減・廃材削減・コストダウンの3つだ。通行止めの範囲が立坑まわりだけで済み、はがしたアスファルトが出ないので廃材も減り、結果として費用も下がる——一つの理由から3つの利点が派生していると捉えると忘れにくい。
工法の分類
開削と非開削の対比| 工法名 | 区分 | 原理・特徴 | 適用(口径・延長・用途) |
|---|---|---|---|
| ①地上設置式推進工法(フローモール工法) | 新設工事 | 両端掘削、地上の推進機でロッドを掘進しPE管を敷設 | 延長100m・口径200mm程度まで |
| ②立坑内設置式推進工法 | 新設工事 | 小さな立坑を掘り小型推進機でPE管を敷設 | 口径50〜80mm・延長20m程度 |
| ③弧状推進工法 | 新設工事 | パイロットパイプ先端ビットで弧状軌道を掘削。深い立坑不要 | 河川横断等大規模工事。口径1000mm・延長1500mまで |
| ④ヒューム管推進工法 | 新設工事 | 油圧ジャッキでヒューム管を圧入後、管内にガス管敷設 | − |
| ⑤シールドトンネル工法 | 新設工事 | シールドマシンでトンネル構築。周辺環境影響が少ない | − |
| ⑥既設管内に管を引き込む工法 | 入替工事 | 既設管内径より小さいPE管を引き込み管路更新 | − |
| ⑦既設管を破壊しながら管を引き込む工法 | 入替工事 | 特殊カッターで切断拡径しながらPE管引込み | − |
ここまでの工法は本支管を対象とするものだった。宅地内に引き込む供内管には、専用の小さな非開削工法がある。オートボーリング工法とSPモール工法だ。名前が本支管向けの工法と紛れやすく、出題者はここで対象を入れ替えてくる。
⚡ 焦点ポイント
弧状推進工法「河川横断・深い立坑不要」、フローモール工法「本支管PE管敷設」、ヒューム管「油圧ジャッキで圧入」が頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 オートボーリング・SPモール工法はいずれも供内管工事(本支管ではない)。
4-4. 供内管の配管工事
重要度: ★ 乙A / 甲C
🎯 一言で
露出配管・屋内配管・禁止場所・横引き管2m以内固定・露出配管0.5m以内固定
📖 解説(乙種ベース)
本支管から先、敷地に入って建物の中まで届く配管には、道路とは別の作法がある。人が暮らす空間を通るからだ。埋設・貫通・屋内という3つの局面に分けて見ていく。
埋設配管にはPE管または被覆鋼管を使用する。フレキ管を埋設する場合はさや管(樹脂製波付管)に入れる。また供給管は1建物1本とし、本支管と直角に配管する。
次が外壁貫通部(内管)の処理である。建物と地面は同じようには沈まない。とりわけ軟弱地盤や超重量建物では建物側だけが沈み、境目の配管に力が集中する。だから変位を吸収する仕掛けを入れる。
| 局面 | 処置 |
|---|---|
| 不等沈下対策 | 軟弱地盤や超重量建物引込みにはPE管・可とう性配管またはスライド型伸縮継手で変位吸収措置 |
| RC建物外壁貫通 | 壁貫通リング又は壁貫通管を設置し、壁と管の隙間にモルタル充填 |
| PE管貫通 | EFソケットを設置(管接合用ではなく抜け出し防止用として設置) |
ここは狙われる。EFソケットは融着継手の名前だが、貫通部に置く目的は管をつなぐことではない。引っ張られても管が抜け出さないようにするための部品として使う。用途をすり替えた一文が定番だ。
屋内配管には通してはいけない場所がある。危険物貯蔵所・エレベーター昇降路内・受電室・変電室等高圧電気設備を有する室内・煙突及びダクト内・防火区画の貫通部・PE管使用で周囲温度常時40℃以上となる場所 等である。火の気・電気・逃げ場のない縦穴、そして樹脂が耐えられない熱——禁止の理由で束ねると思い出しやすい。
最後に配管支持(フレキ配管)。屋内露出の横引き配管は2m以内毎に支持固定し、分岐箇所または曲管部がある場合は当該部付近に1箇所固定する。屋外の露出配管は0.5m以内の間隔で支持固定する。物干し竿と同じで、風雨にさらされる屋外ほど支えを細かく入れると考えれば、数値の入れ替え問題にも動じない。
識別表示はJIS「配管識別」に準拠し、都市ガスは黄色の識別色とする。
フレキ配管の支持間隔(屋内横引き2m以内・屋外露出0.5m以内)⚡ 焦点ポイント
「エレベーター昇降路内は配管禁止」「横引き2m以内・露出0.5m以内支持固定」「フレキ管の分岐・曲管部付近に1箇所固定」が頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 PE管をEFソケットで外壁貫通する際のEFソケットは「抜け出し防止用」として設置する(管接合用ではない)。
5. 埋め戻し・復旧工事
💡 図の見方:配管工事完了後に速やかに埋め戻し、簡易舗装で仮復旧し、路盤が安定してから周囲路面にあわせて本復旧する、という順序を掘削断面の3コマで追う図。掘った直後の土は落ち着いていないため、すぐ本舗装をしないという理由を断面の段差で確かめる。
重要度: 乙C / 🟦 甲B
🎯 一言で
配管完了後速やかに埋め戻し・道路管理者承認が必要(再生アスファルト・道路法施行規則に基づく協議)
📖 解説(乙種ベース)
開けた道路は、できるだけ早く閉じる。開いている間だけ事故と渋滞のリスクが積み上がるからだ。道路掘削の場合は配管工事完了後速やかに埋め戻す。
ただし急げばよいわけではない。軟弱地盤や湧水がある場合は、溜水・湧水を排除しながら埋め戻す。水を抱えたまま土をかぶせれば、あとで沈下するからだ。埋め戻しには良質の土砂を用いる(発生土・山砂・川砂・改良土等。使用に際しては道路管理者の指示に従う)。
路面の復旧は二段構えになる。傷口をふさぐ手当てに似ていて、まず応急に覆い、落ち着いてから仕上げる。埋め戻し後は道路使用に支障のないよう簡易舗装で仮復旧し、路盤が安定してから周囲路面にあわせて本復旧を行う。掘った直後の土は、まだ落ち着いていない。すぐ本舗装をすれば沈んで段差になる——だから順序が決まっている。
道路舗装の復旧範囲は、道路法施行規則に基づき、道路管理者と協議する。ここで「道路交通法に基づき所轄警察署と協議」とすり替える選択肢が出る。舗装という道路の造りの話だから、相手は道路の管理者である。
資材にも決まりがある。掘削土及びアスファルト廃材を再処理した再生アスファルト・再生路盤材・改良土を使用し、再生復旧資材の使用については道路管理者の承認が必要となる。良質発生土による埋め戻しや再生アスファルト合材での舗装施工には道路管理者の承認が必要、と押さえておく。
🟦 甲種プラスα
甲種では「埋め戻し・復旧工事」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
埋め戻しから仮復旧・本復旧までの順序(掘削断面の3コマ)⚡ 焦点ポイント
「再生アスファルト使用→道路管理者の承認必要」「道路舗装復旧範囲→道路法施行規則に基づき道路管理者と協議」が頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 仮復旧はまず行い、路盤安定後に本復旧を行う順序を把握する。
- 「再生アスファルト使用→道路管理者の承認必要」「道路舗装復旧範囲→道路法施行規則に基づき道路管理者と協議」が頻出
6. 耐圧・気密試験
重要度: ★ 乙A / 甲A
🎯 一言で
耐圧試験:最高使用圧力の1.5倍以上・気密試験:1.1倍以上(全て必要)・段階的昇圧・ガス検知器0.2%以下
📖 解説(乙種ベース)
自転車のチューブがパンクしていないか調べるとき、まず空気を入れ、それから水に沈めて泡を探す。順番が逆では意味がない。導管の試験も同じ発想で、まず壊れないかを確かめ(耐圧試験)、次に漏れないかを確かめる(気密試験)。
対象範囲が違う点をまず押さえたい。耐圧試験は中圧以上の導管に実施する。一方、気密試験は全ての導管に実施する。非破壊試験で確認した場合でも気密試験は必須だ。溶接部の健全さと、継手を含めた管路全体が漏れないことは別の話だからである。
耐圧試験の方法にも決まりがある。使用気体は空気または不活性ガス(高圧導管の場合は水による試験もある)。圧力を一気に上げず段階的に上昇させる。急に高圧をかければ、弱い箇所が壊れたときの被害が大きいからだ。耐圧試験圧力まで昇圧後、一定時間放置して破損・変形等の異常がないことを確認する。
気密試験の試験圧力は管内圧力を最高使用圧力の1.1倍以上とする。ただし「必ず1.1倍以上でなければならない」と言い切ると誤りになる。条件によっては最高使用圧力以上または通ずるガスの圧力とする場合もあるからだ——この「必ず」を差し込むのが定番の手口である。
判定の手段は4通りある。露出しているか埋設かで、使える手段が変わると考えるとよい。
| 方法 | 判定のしかた |
|---|---|
| ①発泡液 | 露出導管の継手部に発泡液を塗布し、泡が認められないことを確認 |
| ②ガス検知器 | ガス濃度が0.2%以下で作動するガス検知器を使用し当該検知器が作動しないことにより判定(埋設管は12時間経過後に判定) |
| ③圧力保持 | 容積・最高使用圧力に応じた規定時間以上保持し、始めと終わりの圧力に変化がないことを確認(温度補正あり) |
| ④地表面吸引 | 水素イオン化ガス検知器または半導体式ガス検知器で地表の空気を吸引して漏えいがないことを確認 |
②の埋設管が12時間経過後の判定となるのはなぜか。土の中を漏れたガスは、地表に出てくるまで時間がかかる。すぐ測っても何も検知されず、合格に見えてしまうからだ。この待ち時間は数値ごと問われる。
なお規定の圧力による気密試験ができない場合は、連絡個所等の検査として、通ずるガスの圧力で発泡液またはガス検知器で確認する。
工事後の耐圧・気密試験の流れ⚡ 焦点ポイント
「耐圧1.5倍・気密1.1倍」「気密試験は全て必要(非破壊試験後も必須)」「ガス検知器0.2%以下で作動するものを使用」「段階的昇圧」が全て頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 「埋設管の気密試験はガス封入後12時間経過した後に判定」という点が引っ掛けで出題される。
7. 連絡工事
💡 図の見方:走っている電車に車両を連結するような連絡工事の2方法を並べた図。無噴出(ノーブロー)せん孔機を使うせん孔連絡は既設管のガス圧を保持したままつなげるのに対し、切断連絡は管を切って分岐管(チーズ)を入れる。ガスを止めずに済むか否かが両者の分かれ目である点を確かめたい。
重要度: ★ 乙B / 🟦 甲A
🎯 一言で
せん孔連絡・切断連絡・供給操作計画書・低圧ノーブロー工法・スクイズオフ工具(PE管)・中圧管減圧
📖 解説(乙種ベース)
新しく敷いた管は、既設の管につながって初めて意味を持つ。走っている電車に車両を連結するようなもので、相手はガスが流れたままだ。敷設済み新設導管と既設ガス導管を連絡するこの工事を「結び工事」とも呼ぶ。供給管を既設本支管から新設本支管に切り替える工事は結替(むすびかえ)工事という。
連絡の方法は2つ。せん孔連絡は既設管に孔をあけて新設管を連絡する方法で、無噴出(ノーブロー)せん孔機を使用すれば既設管のガス圧を保持したまま連絡できる。もう一方の切断連絡は、既設管を切断して分岐管(チーズ)を設置し新設管を取り出す。ガスを止めずに済むか否かが、両者の分かれ目だ。
圧力が高い管では、つなぐ前に供給操作が要る。中圧導管工事の供給操作は供給操作計画書に基づいて行う。ガス遮断に際してはバルブや整圧器の閉止テストを行い、供給圧力確保を確認してから行う。止めた先のお客さまが断ガスにならないかを、先に確かめるということだ。減圧作業は原則としてホルダーや整圧器を利用する。
遮断のしかたは管種で変わる。内側から塞ぐか、外側からつぶすか、あるいは圧力を落とすか——絵の違いで覚えるとよい。
低圧管のガス遮断2方法(ガスバッグとスクイズオフ)
せん孔連絡と切断連絡:ガスを止めずにつなげるかの違い| 対象 | 遮断方法 |
|---|---|
| 低圧管(鋼管・鋳鉄管) | ガスバッグを管内に挿入し空気ポンプで膨らませてガスを遮断 |
| 低圧管(PE管) | スクイズオフ工具(2本の平行な鋼棒またはパイプ)で管を締め付けてガス遮断。主に小口径PE管に使用 |
| 中圧管 | 供給操作を行い切断箇所最寄りのバルブを閉め、付近のガバナより低圧側へガスを流して低圧程度まで圧力を下げる |
スクイズオフ工具は「口径にかかわらず使える」わけではない。締め付けて管をつぶす以上、太い管には効かないからだ。主に小口径PE管に使う、という限定が答えになる。
切断のときは火花と静電気が敵になる。電気防食施設の鋼管切断は火花が出ないよう電源を切り、切断予定箇所の両端を短絡させる。短絡は切断の前に済ませる点が肝心で、切ってからでは順序が逆になる。PE管切断時は静電気防止のため水散布またはぬれ雑巾でアースする。
🟦 甲種プラスα
甲種では「連絡工事」の本文の概念をより深く理解した上で、論述問題への応用が問われます。本文の数値・原理をしっかり押さえてください。
⚡ 焦点ポイント
「中圧管工事→供給操作計画書必要」「スクイズオフ工具→小口径PE管」「ノーブロー工法→ガス圧保持のまません孔連絡可」が頻出。
📝 誤答パターン(過去問頻出+一般則)
- 【最頻出】 中圧管の圧力を下げる際は「低圧程度まで」が正しい。完全に遮断してから切断する必要はない。
- 「中圧管工事→供給操作計画書必要」「スクイズオフ工具→小口径PE管」「ノーブロー工法→ガス圧保持のまません孔連絡可」が頻出
🔢 供給の重要数値・設備の整理
耐圧試験と気密試験:
– 耐圧試験: 強度を確認(通常 最高使用圧力の1.5倍)
– 気密試験: 漏れがないか確認(最高使用圧力以上、埋設管は12時間経過後に判定)
非開削工事の主な工法:
– 推進工法: 推進管を地中に押し込む
– シールド工法: シールド機で大口径
– 小口径推進工法: 上下水道に近接時など
配管工事の主要工程:
1. 工事計画・他工事照会
2. 試掘・掘削
3. 配管敷設・接合
4. 試験(耐圧・気密)
5. 埋め戻し・復旧
6. 連絡工事(既設管との接続)
供給科目では、設備名・型式・運転条件の数値・配管材料の組み合わせで誤答が作られます。本章で出てきた数値・設備名・工法を一覧で整理しておくと、選択肢の引っかけに気付きやすくなります。
🗒️ 3分で復習(章末まとめ)
🎯 全節 一言まとめ
- 節1 導管工事の流れ: 導管工事の標準フローと工事種類(新設・改善・入替・移設)
- 節2 工事計画・着工準備: 施工計画の立案・他埋設物管理者への照会・道路使用許可・着工準備
- 節3 掘削工事: 土止め工(木材または鋼製矢板・腹起こし・切梁)・湧水処理(ウェルポイント工法・薬液注入工法)
- 節4-1 配管工事(敷設工事): 明示テープ(中圧・外径80mm以上低圧:2m以下間隔)・ロケーティングワイヤー・標識シート(5kPa以上PE管)
- 節4-2 配管工事(導管の接合): 溶接接合・ねじ接合・融着接合(HF/EF)・機械的接合(鋳鉄管・80mm以下鋼管)・フランジ接合(露出管)
- 節4-3 配管工事(非開削工事): 非開削工法の種類(地上設置式推進・立坑内設置式・弧状推進・ヒューム管推進・シールドトンネル・既設管内引込・既設管破壊)
- 節4-4 供内管の配管工事: 露出配管・屋内配管・禁止場所・横引き管2m以内固定・露出配管0.5m以内固定
- 節5 埋め戻し・復旧工事: 配管完了後速やかに埋め戻し・道路管理者承認が必要(再生アスファルト・道路法施行規則に基づく協議)
- 節6 耐圧・気密試験: 耐圧試験:最高使用圧力の1.5倍以上・気密試験:1.1倍以上(全て必要)・段階的昇圧・ガス検知器0.2%以下
- 節7 連絡工事: せん孔連絡・切断連絡・供給操作計画書・低圧ノーブロー工法・スクイズオフ工具(PE管)・中圧管減圧
⚡ 全節 焦点ポイント
- 節1: 工事手順の順番が出題される。「耐圧気密試験→連絡→空気抜き」の順を確実に覚える。
- 節2: 他埋設物管理者への照会・保安措置協議が頻出。「損傷防止のため試験掘や図面調査」も頻出。
- 節3: ウェルポイント工法の「地盤沈下・井戸枯渇・水田乾燥」の副作用が頻出。土止め工の腹起こし=切梁の役割も確認。
- 節4-1: 「5kPa以上PE管→標識シート義務」「80mm以上低圧・中高圧→2m以下テープ」「PE管→ロケーティングワイヤー」の3点セットが頻出。
- 節4-2: 各接合方法の用途(どの管種・どの箇所)が頻出。EF接合→インジケータ確認、機械的接合→トルク均等締め付け。
- 節4-3: 弧状推進工法「河川横断・深い立坑不要」、フローモール工法「本支管PE管敷設」、ヒューム管「油圧ジャッキで圧入」が頻出。
- 節4-4: 「エレベーター昇降路内は配管禁止」「横引き2m以内・露出0.5m以内支持固定」「フレキ管の分岐・曲管部付近に1箇所固定」が頻出。
- 節5: 「再生アスファルト使用→道路管理者の承認必要」「道路舗装復旧範囲→道路法施行規則に基づき道路管理者と協議」が頻出。
- 節6: 「耐圧1.5倍・気密1.1倍」「気密試験は全て必要(非破壊試験後も必須)」「ガス検知器0.2%以下で作動するものを使用」「段階的昇圧」が全て頻出。
- 節7: 「中圧管工事→供給操作計画書必要」「スクイズオフ工具→小口径PE管」「ノーブロー工法→ガス圧保持のまません孔連絡可」が頻出。
📝 一問一答(過去問ランダム)
記述が正しいか誤りかを判定。答え・理由・出典が出ます。
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